2019年5月17日

【セミナー実施レポート】スオミ・ピアノ・スクール -監修者・ピアニスト舘野泉氏を迎えて-

5月9日㈭ 伊藤楽器 船橋イトウミュージックシアターにて、ピアニストの舘野泉先生をお迎えし、久保春代先生による「スオミ・ピアノ・スクール」のセミナーが開催されました。カワイ表参道での2月のセミナーに続き2回目となる今回は、舘野先生の奥様マリア様もご参加されセミナーに耳を傾けてくださいました。



まずは久保先生より、スオミの生まれた国フィンランドの自然と人々についてのお話がありました。一年の半分を厳しい冬に閉ざされるフィンランドの人々は謙虚に自然と向き合い、長く暗い冬をどう乗り切っていくか、物事に対して先を見据えた考え方を持っているとのことです。充実した社会保障もその表れで、スオミ・ピアノ・スクールにも結果を出すことを急がない長い目の教育という考え方が反映されています。

次に久保先生の演奏を交えながらテキストの解説に入りました。

・スオミは子供をまず一人前の人格として扱い、子供の心を大切にしていること。
・子供の感受性、自発性を育むための方法がわかりやすい言葉で示されていること。
・即興演奏や脱力、美しい音、多彩な音色へと導くための奏法、理論、時代ごとの様式などが、入門となる『旅立ち』だけに終わらず、1巻2巻へと繰り返し発展しながら何度も現れ、それらが自然と身につくようになっていること。
・短い曲であっても一曲一曲が芸術性の高い豊かな世界を持っていること。久保先生の美しい音色の演奏によりそれが更に理解できました。
・現代曲、現代奏法も積極的に取り入れていること。

また各巻が進むごとに描かれているイラストのキャラクターも『旅立ち』の巻の《うさぎ》、次の1巻では柔軟、敏捷性、注意深さを増した《ねこ》へ、更に2巻では知性を持った人間に近い《さる》へと進化していきます。子どもはイメージの広がる表情豊かなイラストのキャラクターと共に成長している実感も得られるのではないかと思いました。


『このテキストのねらいは可能な限り広い音楽的な素養を与えながら、音楽に対する興味を目覚めさせ続けていくことにある」これはスオミの原著者の言葉です。
そして監修者舘野泉氏は
『音楽を愛し、子どもたちとともに音楽を生きるという初心こそが望ましい』とおっしゃっています。
どちらも指導者として原点に立ち戻らせてくれるお言葉だと思います。
スオミ・ピアノ・スクールは子どもの指導書でありながら、私達指導者にもその根本的なことに気づかせてくれる素晴らしい教材だと思います。スオミを指導の軸として、私達自身が常に学びながら子供の音楽の世界を広げてあげたいと思いました。


後半は舘野先生と久保先生の対談へと進みました。子供時代の練習についてお尋ねすると、舘野先生の子供時代は草野球や相撲、遊びの時間を楽しみながらも、ピアノの時間になるとごく自然にピアノに向かわれていたそうです。
ご子息バイオリニストのヤンネ舘野氏の子供時代や音楽家への道のりについても話されました。幼いころからバイオリンがお好きだったヤンネ氏は、割りばしをバイオリンに見立て、舘野先生の弾かれるピアノのそばでピアノの曲調に合わせ体を揺らしていたそうです。スタートは早くはなかったそうですが、演奏家としての道のりをヤンネ氏はゆっくり焦らずに基本的なことを諦めず、良いものを身につけながら歩んで来られたと舘野先生はおっしゃっていました。父親として舘野先生は、絵画や建築にも良いセンスを持つヤンネ氏はいずれ何かをつかむだろうと信じ静かに見守っていらっしゃったそうです。
フィンランドの人々の長いスパンで物事に取り組む姿勢、謙虚さ、我慢強さを垣間見た思いでした。

また脱力についてのお話では、高校生時代のコハンスキー先生との出会いが大きな転機となられ、脱力を身に付けてから縛られていた身体も手も楽になり人生が変わったように感じられたとのことです。スオミでも最初から大切にしている脱力ですが「コハンスキー先生に出会った当時も、スオミが出版された頃にも、まだ脱力という言葉は広く知られていませんでした」と舘野先生もおっしゃっていました。


音楽と呼吸の関係についての質問には、作曲家・間宮芳生氏の左手のための作品『風のしるし』の、風=風の神にまつわる神話についてお話をされました。「地上に生きるすべてのものの誕生の時に、風を吹き込み生命を与えてくれるのは風の神だ。人はその体内を風が吹いている間だけ生きている」というアメリカ先住民に伝わる神話があるそうです。
「呼吸することは命であり、音楽の中の呼吸とはこの風と同じ常に意識する大切なことです。ペダルを踏む時、曲の終わりに響きが消えゆく時にも、常に呼吸を感じている。」
とおっしゃいました。音楽の根源に触れる深いお話でした。
そして「ピアノを弾くことは運命的なこと。演奏することが自分の使命である」とおっしゃられた言葉が心に残りました。



最後に舘野先生の演奏でセミナーはしめくくられました。
・月足さおり作曲『雫~しずく~』より「風の彩(いろ)」
・マグヌッソン作曲『アイスランドの風景』より白夜を描写したと言われる
「うららかなひと時、夏至の深夜の煌々と明るい夜に」
・光永浩一郎作曲『サムライ』
心に深く語りかけてくる演奏に会場はしみじみとした感動に包まれました。

セミナー終了後は和食懐石のお店『音波』にて舘野先生、マリア様、久保先生を囲んで和やかにお食事会となりました。


Rep:平尾 かおり

2019年2月27日

スオミ・ピアノ・スクール -監修者・ピアニスト舘野泉氏を迎えて-

2019年2月14日(木)にカワイ表参道コンサートサロンパウゼにて先生をお招きし、「スオミ・ピアノ・スクール -監修者・ピアニスト舘野泉氏を迎えて-」を開催いたしました。

初めに久保春代先生より、「スオミ」の生まれたフィンランドの教育についてのお話がありました。
自然のきびしいフィンランドでは、助け合いの精神や自然に対しての謙虚さ、長い冬を乗り切るためにいつも先のことを考えて生活をする、つまり長い目で物事を見るということが求められます。そのことが教育にも反映されているそうです。

国立音楽大学シベリウスアカデミーの教育システムでは
●学生をひとりの芸術家の卵としてみる
●教え込むのではなく、自ら学ぶのを助ける
➡実践的な勉強の場を設けている(プロのオーケストラを指揮する、実際に子どもを指導する...etc.)
●現代音楽を積極的に取り入れている
●人間工学に基づいた身体の使い方を学ぶ

といった特徴を挙げられました。

これは「スオミ」の
●子どもの心を大切にする
●教材そのものが芸術性豊かな世界をつくっている
●初歩から現代曲、現代奏法を取り入れている。
●身体工学もメソードに取り入れている
(その他、理論、即興、文化、自然など)

という特徴にも重なるものがあります。

この教本が舘野泉先生によって日本に紹介されたのはもう30年ほど前になります。たくさんの新しい教本が毎年生まれていますが、どんなに時代が変わっても立ち戻るべき根本的なことがこの「スオミ」にはおさえられているとのことです。


この後、"音楽への旅立ち"からテキストを1ページずつめくり、演奏を交えながら解説されました。
また巻が進むにつれて、らせん階段のように少しずつむずかしいことを勉強していくようにできている例として、『即興演奏』の課題では"音楽への旅立ち"の「おや、いろいろなおとがきこえますね」、第1巻の「ゆめのくにぐにへ」、第2巻の「犬の夢」を、『現代音楽』では"旅立ち"の「うちゅう」、第1巻の「きり」、第2巻の「薄明り」(12音技法)が取り上げられました。他のテキストには見られない「スオミ」ならではの作品、久保先生の素敵な演奏でその魅力がより伝わってきました。また『脱力』についても"旅立ち"P.15、第1巻P.16、第2巻P.18のイラストが描かれたページが紹介されました。「絵があったら通りすぎるわけにはいきませんね。」とおっしゃったように、大切なことが繰り返し身につけられるようになっているようです。

後半はいよいよ舘野先生にご登場いただき、久保先生との対談となりました。
舘野先生がなぜ「スオミ」を日本に紹介しようと思われたのかという久保先生のご質問に「僕は教則本というものを子どもの時にやったことがなくて、つまらないものだと思っていたんですよ(笑) そしたらこのスオミを見ると、子どもと先生が話し合って音楽の道を開いていくようにできている。選択肢が広がる本だと思ったわけです。」とお答えくださいました。
スオミが大切にしている「脱力」については、高校に進まれた頃、もっと弾けなければだめだと思うようになり、身体もガチガチになってしまった時期があったとのこと。運良く高2の時にコハンスキー先生にレッスンを受けることになり、それまで身体が縛られていたのが魔法がとけるように生き返った感じがして嬉しかったというエピソードをお話し下さいました。

またスポーツ選手の身体の動き、使い方がとても参考になるとおっしゃって、スピードスケートやテニスの大坂選手を例に挙げられました。
「舘野先生の若いピアニストへの演奏のアドバイスがいつも素晴らしいのですが」というお問いかけには、「常に自分の音楽ができるように。 弾いている姿を見ながら、最初の音楽にうまく乗れれば...」ということを考えられているそうです。
「教えようとすると欠点を直そうとするが、良いところを見つけ、共感する」というお言葉は私たち指導者が心に刻んでおきたいものだと思いました。

最後に「サムライ」(光永浩一郎作曲)と「赤とんぼ」(山田耕筰作曲、梶谷修編曲)を演奏して下さいました。心の底までしみわたる素晴らしい演奏に会場は深い感動に包まれ、セミナーが終了いたしました。

受講された皆さんから「感動で涙が出ました。」「遠かったけど無理して来て本当に良かった!」「スオミの本はやはり素晴らしいですね。」と次々にお声をかけていただきました。また「これからスオミを勉強していきたい」という熱いお声も多くいただきました。

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このセミナーの続きとして、5月9日(木)伊藤楽器 船橋イトウミュージックシアターにて、「スオミ」第1巻、第2巻を中心としたセミナーを開催いたします。舘野泉先生をセミナーにお迎えできるのは極めて特別なことですが、初めての連続での企画となりました。
この日、感銘を受けたという受講者の方から早速お申込みをいただいております。

Rep:浜本 多都子

2019年1月22日

千葉中央冬季ステップ開催レポート(2019.01.13)

2019年1月13日(日)、千葉市文化センター アートホールにてピティナ・ピアノステップ千葉中央冬季地区が開催されました。 就学前の小さなお子さまからベテランのグランミューズの方まで80組以上のご参加をいただきました。 アドバイザーとして石黒美有先生、小原孝先生、沢田菊江先生にお越しいただきました。 お昼休みの後には小原孝先生、そして夕方に石黒美有先生とお二人のトークコンサートがありました。 小原先生のトークコンサートはご自身のラジオ番組「弾き語りフォーユー」のオープニングのスタイルで始まりました。 ご著書のテキスト「ようこそピアノ・アイランドへ」では会場から生徒さんにステージに上がってもらい、ピアノの低い方の鍵盤を押さえてもらって響く倍音を聴くという体験をしました。 「スオミ・ピアノ・スクール第2巻」の「むかで」は即興演奏です。「不気味なむかで」をイメージして弾いて下さいました。 その他、モーツァルトやブルグミュラー、ギロックなど、生徒さんの喜ぶ曲をかっこよく、素敵に演奏して下さり、ピアノの楽しさを満喫しました。 石黒先生のトークコンサートでは、ピアノを弾くのは手だけでなく、体全体が関係しているということをお話して下さって、ストレッチを会場の皆さんも一緒に実践してみました。 その後演奏されたのはショパンのスケルツォ第2番、隅々まで神経の行き届いた素晴らしい演奏に会場中が引きこまれました。 参加者の皆さまにも大変聴きごたえのある熱演が続き、印象深いステップとなりました。

2019年1月 9日

千葉中央冬季ステップ開催します(2019.1.13)

ごあいさつ

本日はピアノステップ千葉中央冬季地区へご参加いただき、
誠にありがとうございます。
ちば若葉ステーション第6回目のステップです。
これまでの会場が改修工事のため、ここ千葉市文化センター アートホールで
初めての開催となりました。
これまでと同様の素晴らしいピアノが置かれた広いステージで、
演奏する楽しさを存分に味わっていただきたいと思います。
今回は念願でした石黒美有先生、小原孝先生、沢田菊江先生という素敵な
アドバイザーの先生方にお越しいただくことができましてとても嬉しく思います。
また特別に小原孝先生と石黒美有先生のお二人のトークコンサートがございます。
それぞれ大変興味深いプログラムですね。どうぞお楽しみに。
このピアノステップが皆さまにとりまして有意義なものとなりますように願いつつ、
スタッフ一同心を込めてお手伝いさせていただきます。

               
ちば若葉ステーション スタッフ一同


(当日のプログラムより)

⇒スケジュール・プログラムはこちら

2017年11月13日

千葉若葉ステップ開催レポート(2017.11.5)

11月5日(日)千葉市若葉文化ホールにて、
ピティナ・ピアノステップ千葉若葉地区が開催されました。
小さなお子さまから音大生、大人の方まで100組を超えるご参加をいただき、
聴きごたえのある素晴らしい演奏が展開されました。

今年はアドバイザーとして、岩本智子先生、高嶋麻企先生、
内藤晃先生にお越しいただきました。
先生方の誠意あふれる温かな講評や、一人ひとりへ丁寧に書かれたコメントは
参加者の皆さんにとても励みになったことと思います。

内藤晃先生によるトークコンサートでは、シューマンとショパンの
興味深いお話に続いて、シューマンの"謝肉祭"Op.9より「ショパン」、
そしてショパンのノクターン第8番Op.27-2、即興曲 第3番 Op.51が演奏されました。
内藤先生の美しいピアノの音色には会場中が魅了されました。

来年はここ若葉文化ホールが改修工事に入りますので、
近隣のホールでのステップ開催を予定しております。
同様に皆さまのご参加をお待ちしております。

2017年11月 1日

千葉若葉ステップ開催します(2017.11.5)

ごあいさつ

ピティナ千葉若葉地区ステップへようこそ!!
ちば若葉ステーションによるステップは今年で第5回目となります。
今回も小さなお子さまのプレ導入からベテランのグランミューズの方々まで、
幅広くたくさんのご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。

最高のピアノといい響きで定評のある、ここ千葉市若葉文化ホールで、
演奏する喜びを存分に味わっていただきたいと思います。

本日は内藤晃先生によるトークコンサートもございます。
内藤先生の素敵なピアノと楽しいお話をどうぞお楽しみに。

このステップを通して、皆さまが心から音楽を楽しみ、
ますます好きになっていただけることを願って、
スタッフ一同、精一杯お手伝いさせていただきます。


ちば若葉ステーション  浜本多都子


(当日のプログラムより)

⇒スケジュール・プログラムはこちら

2017年9月25日

第8回 ロシアピアノ奏法勉強会報告

「ロシアの子どもたちは幼い頃からプーシキンの詩を暗唱している」ので、
自然に《言葉が音になる!》、とのお話が心に残りました。

言語が音楽と分かち難く結びついているヨーロッパの言語に比べ、
日本語は抑揚が小さく言葉のフレーズ感も弱く、全てに母音が付くので
子音の強いアクセントがなくまたポキポキ切れて聴こえ、語尾もはっきりしません。
言葉の点では不利ですが、日本にも良い歌がたくさんあり、
四季の移ろいがはっきりした風土と日本人の繊細な感情を生かした、
音楽的に価値のある『スオミ』や『はじめの一歩』のような、
日本独自のピアノ教本がいつかできたらいいなあと思います。

さて、1本指のノンレガートから始めたロシア奏法による教本『はじめの一歩』の
レッスンも、いよいよ第3巻「スラーのかかった3つの音符~第1音に重心をおいて~」
に入りました。3つの音符のレガートで、第1・第2・第3音と順に重心をおき
系統立てて詳しく学ぶのは、初めての経験です。今回は116~121の5曲。

116と121では、f (強)とp (弱)の表情を変化させる練習をしました。
f では打鍵のスピードを速くp ではゆっくり入る。
p の《なでなでする》との古畑先生の表現が印象的です。
3拍子のこの2曲とも、左手3拍目から右手1拍目への旋律の橋渡し部分では、
「しっかり右手に渡し、左手からしっかりもらって」と、
2人で心を通わせて会話やダンスをしているようなイメージです。

117では、「伴奏の5度の響きの方をもっとよく聴いて」とのアドバイスで、
弾こうと意識し過ぎた旋律が、5度の響きの中から良いバランスで
自然に聴こえて来ました。8小節の素朴な曲でも(だからこそ)、
聴く(正しく聴く)ことがいかに大切かよくわかりました。
耳で聴こえない音は弾けないはずなのに、日本人は聴こえない音でも
弾けてしまう傾向にあるとのお話。
そのような演奏は聴く人の心に届かない。
自然で美しく心に沁みる演奏は 「指で弾くのでなく耳で弾く」

118では、4・6小節の2拍目裏拍は落とさずに、次の音へ向けて引き上げてから
5・7小節1拍目に落とします。いつもアウフタクトを意識し、「一音も!疎かにせず」、
どの音から来てどの音へどのように向かうのか?...を常に考えて弾かなければと、
あらためて気づかされました。

また、16分音符を2つ含むテンポの速い3つの音は、弾き過ぎないで押し込まないで、
小指をしっかり手の中に入れて第1関節だけで弾きます。

119のスタッカートはひとつひとつ切って弾かないで、
レガートで弾いてからその同じ位置でまとめて弾く。
フレーズの切れ目では小さな息(ちょっと吸う)を使う、などなど。

どの曲も「息を止めずに呼吸(歌うこと)を意識し、弾く前に息を吸い息を吐きながら
音を出す。たっぷりニュアンスをつけながら、とてもゆっくり練習して体の動きを覚え、
テンポアップした時は自然な体の動きだけで弾けるように!」

122は、今回の復習として練習しておくようにとの宿題です。

「演奏の基本は回外である」

小指でしっかりタッチして、親指の第1関節は力を抜く。肘を外に出さず脇は締める。
常に肩関節から垂れている腕。上腕の重さを利用しない手はない。
前腕は肘関節で支える。上半身は足で支える。

「回外から回すのと回外へ回すのと両方自由にできるようになったら、
しめたものです。」

ロシア奏法に出会ってから、「《表現したいことを実現するための具体的な方法》
が全ての音において存在する」のを知ったのは、大きな発見でした。

始めたばかりの小さな生徒さんから、長くピアノを弾いて来た大人の生徒さんまで、
できるところからいっしょに勉強しています。

次回のレッスンも楽しみしております。


参考文献~演奏法の3大重要書として~

(1) カール・フィリップ・エマニエル・バッハ『正しいクラヴィーア奏法』 (全音 2000年)
(2) レオポルド・モーツァルト『ヴァイオリン奏法』 (全音 1998年)
(3) ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ『フルート奏法試論』 (シンフォニア 2011年)

ご紹介下さいました「C・P・E・バッハの本(旧版)」などは、難しくて途中で挫折し
長い間本棚に飾ってありましたが、また手に取って熟読してみようと思います。


(T・H記)


第7回 ロシアピアノ奏法勉強会報告

2017年5月29日(月)古畑由美子先生をお迎えして、
第7回目のロシア奏法勉強会が行われました。

ロシア奏法によるピアノ教本"はじめの一歩"第2巻の
「スラーのかかった2つの音符――アウフタクト」から始まりました。

弱拍から始まるフレージング、よく曲の中に出てくる大事な動きです。

拍子感を持ってどのようにレガートするのか、
古畑先生は子どもにも分かりやすい様々な表現で示して下さいました。

右手から左手へのスラーは、「左右に揺れるように」両腕が連動して弾きます。

このような場合も"はじめの一歩"の最初にやった3の指で
鍵盤から音を引き出す奏法が基本です。
小指を意識してポジションはなるべく「回外」で取ります。
手の中にエネルギーを感じて、指で弾くのでなく、手の中から弾くという感じです。

右手がアウフタクトで左手が強拍にくる曲では、左手1拍目をめざして入ること、
また左手を聴いて右手を歌う、といった提案もありました。

この後は今回から始まったツェルニー30番より第1番です。

ピアノを学ぶのに必須の練習曲ですが、これをロシア奏法で弾くと......?

先ず左手の弾き方から入りました。

バスの重心のかけ方、スラーやスタッカートの弾き方など
丁寧に取り上げてくださいました。

この1番は右手の速い動きばかりを気にしがちですが、音楽の流れを作るのは左手です。
両手で弾く時も、左手がリードして決して止まらないようにとのことです。
右手を音名で歌いながら(早口で!)弾くといいそうです。

古畑先生は、ここでも「回外」という言葉をよく使われていましたが、
外声をしっかりさせて、他の音をその響きの中に入れるというのがポイントのようです。

次回は2番から、"はじめの一歩"はいよいよ第3巻になります。


(T.H記)

2017年5月22日

第6回 ロシアピアノ奏法勉強会報告

3月9日(木)、古畑由美子先生を講師にお迎えして
6回目になるロシア奏法の勉強会が行われました。

テキストは2巻に入りました。
『ロシア奏法によるピアノ教本 はじめの一歩 2 』
(O.ゲターロワ/I.ヴィーズナヤ著 村手静子訳 音楽之友社)
レガート奏法、スタッカートを学びます。

はじめは右手の3の指から左手の3の指へレガートで移行するレッスンです。
〝3の指の指先に重さをかけながら手首、肘、肩は固くなっていない〟
〝指の腹で鍵盤に触れるようなタッチ〟などなど、
1巻で学んだことの総動員です。
後半ではスラーのかかった二つの音の二つ目の音がスタッカート、という入り方です。
〝まるめた手の中から前にそっとはじくような〟と古畑先生はおっしゃっていました。

頭で先に考えてしまうと難しく感じますが、1巻を習得してきた子どもたちには
〝今まで慣れてきたことにほんの少し新しい要素が入ってきただけ〟というように
作られており、スムーズに進んでいけるように思いました。
スオミの教材にも言えることですが、他のメソッドで進んできている生徒さんが
奏法の見直し、表現の幅を広げたいときなどに、このシリーズを使ってみたい、
とも思いました。

また、古畑先生が何度もおっしゃっていたのは〝聴く〟ことの大切さです。
これまでの勉強会でも3度、5度、さらに6度の和声を感じることの重要性を
お話ししてくださいました。今回のレガート奏法、スタッカートにおいても、
前の音を〝聴いて〟瞬時に次の音を作り出す手の準備をする、緊張感をもって
先取りする、などなど惜しみなくエネルギッシュに伝えてくださいました。
次の勉強会は5月29日(月) 2巻の4.アウフタクトからはじまります。
(M.K記)

2017年1月18日

第5回 古畑先生をお迎えして ロシア奏法勉強会報告 2017.1.5(番外編)

勉強会終了後、東魁楼本館で新年会をいたしました。

その席に、古畑先生のご友人で指揮者の新田ユリ先生がいらしてくださいました。

日本全国、そしてフィンランドその他で大変お忙しくご活躍されている新田先生ですが、フィンランドの教本"スオミ・ピアノ・スクール"を研究している私たちのグループについてご興味を持っていただいていたとのことで、古畑先生がお引き合わせくださいました。

教育先進国と言われているフィンランドの最近の国の状況や音楽教育、子どもたちの様子など、とても興味深いお話をたくさんお聞きすることができました。

私も"スオミ・ピアノ・スクール"についてご説明しながらテキストをお見せしました。

「自分で考える」というフィンランドの教育方針がピアノ教本にも実践されていることに納得されていらっしゃいました。

美味しいお料理も口に運ぶのがもどかしいくらいお話が弾み、あっという間の楽しいひと時でした。 (T・H)

IMG_1786.JPGのサムネール画像


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