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黒田亜樹先生 特別講座「音楽でコミュニケーションする子供たち」開催レポート

音楽でコミュニケーションする世界の子供たち
~国際ジュニアコンクールの今を語る~

スタインウェイ・サロン東京では、黒田亜樹先生を招聘して松尾メンバーズカード会員&PTNA会員様向けの特別講座を開催いたしました。イタリアのペスカーラ音楽院での指導をはじめ、沢山の若手演奏家を輩出されている黒田先生の"ピアノに携わる子供たちと一緒に海外の世界を見てみよう"という第一声で幕を開けた本講座には、昨年第4回スタインウェイ・コンクール in Japan で大賞受賞、浜松国際ピアノコンクールでも最年少出場を果した八木大輔さんが特別ゲストとして登場。
黒田先生は、2年前に開催されたミラノ派遣オーディションで八木さんと出会い、当時の印象を「素晴らしさはもとより、どういう可能性があるかを知ってみたい」と語っていらっしゃいました。そして黒田先生ご指導の下、八木さんは沢山のコンクール受賞歴を重ねていきます。

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イタリアには個性豊かで様々な人種が集い、また150近くある国内のピアノコンクール(世界的ピアニストのポリーニが第一回で優勝したポッツォーリ国際コンクールや、Piano Talents in Milanoなど)では、子供たちの演奏の完成度よりも裏に聴こえるパーソナリティーや知性、音楽に対する知識や愛情や向き合う姿勢が重視され、コンテスタントたちが自由さを持ってのびのびと演奏できる舞台が待っているのだそうです。そこで出会うコンテスタントたちは、次はロシアやスペイン、ハンガリーなどあらゆる国で開催されている国際コンクールで再会し、八木さんもまた切磋琢磨し合った仲間たちと更に交流を深めていっています。若きピアニスト達の大きな可能性は、世界に目を向けることで大きく広がっています。

ークレメンティから広がったナポリ奏法ー
ナポリ奏法はイタリアを代表する作曲家・クレメンティ(1752-1832)の時代まで遡り、クレメンティの教え子ベートーヴェン、リスト、タールベルクという名作曲家や名ピアニスト達へと繋がっていきます。リストは更にイタリア生まれの作曲家・サリエリからオペラを学んでおり、ハンガリー人でありながらもイタリアのメゾードが基盤にあると黒田先生はおっしゃいます。またナポリで教鞭をとり、自身が名ピアニストとして活躍しながらもナポリ音楽院で後進の指導に力を入れていたタールベルクと共に技巧を争い二人が楽器と共に演奏法を発展させていきました。そしてアルゼンチン生まれの世界的ピアニスト・アルゲリッチもまたナポリ奏法に通じるピアニストの一人。イタリアからアルゼンチンへ拠点を移し、バレンボイムやゲルバーの師でもあるヴィンチェンツォ・スカラムッツァに5歳~11歳まで師事をしました。講座では多くのイタリアの子供たちが学ぶベニアミーノ・チェージ(タールベルクの高弟)の教本から実際に練習法を導入した映像を見たり、黒田先生がピアノの前で実演しながら進行します。

メゾードの中の"指に意識を向けてメロディーの速度を限りなく落とし、アタックをつけて、でも力はいれずに手首を柔らかく保った奏法"を紹介して頂き、世界的ピアニストが気の遠くなるような丁寧な練習を重ねている事を私たちも実感しました。スカラムッツァ系統の奏法は今もイタリア人のピアノ教育に継承され、黒田先生がタンゴに魅せられ没頭していた時期でもスカラムッツァの存在は大きな自信になっていたとお話し下さいました。タンゴ特有の機敏なタッチはこうしたメゾードに裏付けられたものなのかもしれません。

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最後はサプライズで黒田先生、八木さんによるミニコンサートが行われ、素晴らしい演奏で講座を締めくくって下さいました。ご来場いただきました会員の皆様、誠にありがとうございました。

〈黒田先生〉
バッハ=グノー:アベマリア
ピアソラ:リベルタンゴ

〈黒田先生&八木さん〉
モーツァルト:4手のためのピアノソナタ 第1楽章

〈八木さん〉
クライスラー=ラフマニノフ:愛の悲しみ

次回以降の主催公演には「調律師によるピアノ講座」や第40回PTNAピアノコンペティション特級で銀賞を獲得された太田糸音さんのソロ・リサイタルを予定しております。詳しい詳細は弊社ホームページのニュース&トピックスにて順次ご案内いたしますので、引き続きご期待下さいませ。

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