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ピアノブラインド元年?!

さて、いろいろあった2013年も暮れていきますが今年のトピックスはなんと言ってもピアノブラインドの登場です。今年の1月ぐらいには、ピアノのブラインドタッチを生徒さんに身に付けてもらうのにアイマスクを着けさせようとしていましたが「何のプレイやっ!」とのご批判もあり、また「アイマスクをつけると楽譜も見えなくなるじゃないか!」ということで、アイマスクをつける演奏はパフォーマンスとしては面白いのだけど、練習には今ひとつなのだということがわかったのでした。そこで「鍵盤は演奏者から見えなくして楽譜は見ることができるという物」は出来ないだろうか?と考えたのです。それからピアノの両側にブリッジの橋脚をたてて板を渡すだとか布をピーンと引っ張るとか、いろいろ試行錯誤しましてようやく完成したものが現在のピアノブラインドなのです。


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そもそも、ピアノのブラインドタッチが必要だと痛感したのは、ある生徒さんの存在でした。この生徒さんはとても熱心に練習してくるのですが、おうちで一所懸命練習すればするほど下手になっていくのです。つまり、せっかくレッスンで先生に直してもらって良くなった曲をお家にもって帰って練習すると直してもらう以前の状態に戻るのです。以前から私はステージでの彼女の演奏の姿勢が気になっていたのですが、うつむいて鍵盤を凝視して演奏しているのです。おうちでの練習のときもこの姿勢で演奏をしていたとすると楽譜を見ることがありません。楽譜を見ていないのですからレッスンで先生に指摘された箇所の書き込みをみることもありません。それで自分の指ばかりみて一週間の間、おさらいをしているのです。この悪循環を断ち切るには、どうしたら良いのか、それは鍵盤を見ないことだ!フルートでもバイオリンでもギターでもほかの楽器奏者は自分の指をみて演奏なんてしないよ。フルートで指見て演奏しようとするとひらめみたいな目になっちゃうよ。そんな説得をしても、でも、やっぱり自分の指を見てしまう。
そういう、どうしたら良いのか分からない状態が「難」だとしたらこれを転じて「福」としたのがこのピアノブラインドなのです。必要は発明の母といいますが、実はこの「必要」は全国のピアノの先生が感じていた必要でして、みんな鍵盤を凝視する生徒さんに悩んでいて「時々楽譜で生徒さんの手元隠すのだけど、ずっともっていると手がだるいので本当に困っていた(先生談)」そうです。
このピアノブラインドの必要性を感じている先生はブラインドタッチで弾くことが大事であるという認識をもっていらっしゃるので、もしかしてこれが無くても生徒さんは何とかしてブラインドタッチを身に付けることができるかも知れません。しかし、無自覚な先生もいて私なんか子供のときから鍵盤をみてピアノを弾いたことがない、そんなものは自然にできる!練習が足りんのじゃ!という先生もいて、「今までに無かったもの」を世の中に出すということは、開発する以上に困難な事なんだなと思いました。でも、身近な生徒さんの役に立つならそれで良いと思っていましたし、ひょとして、過去の偉大な芸術家みたいに死んでから評価されるなんてこともあるんじゃないか?なんて思うこともありました。「思えばあれがピアノ教育を根本的に変えるきっかけとなったエポックメーキングな出来事なんだ!ピアノブラインド以前とピアノブラインド以降とピアノ教育の歴史は2分される!!」

ピアノブラインドを実用新案登録したのは、他の人がこれを模倣して自分の特許にすることがあると、「本来開発したのが自分でもピアノブラインドを使用する権利が無くなってしまうということになる。」からです。それで地道に販売をしていましたところ、ある方がピアノブラインドを買って下さって、その先生が豊中の二本柳先生で、先生がフェイスブックに取上げて下さって、それで共感した先生方がつぎつぎに買っていただけて、ブログに書いていただいて、また口コミで広がってで、当初考えられなかったラッキーな滑り出しでした。その後、音楽の友社様のムジカノーバ誌にも取上げられ、全国に少しずつピアノブラインドは普及していっています。

先生にずっと叱られていた彼女はどうしたか、気になるでしょう?昨年までどのコンクールに出ても途中でつまずくか暴走してしまうか、テンポキープすら危うかった彼女が、なんと滋賀県ローカルではもっとも注目される難関の滋賀県ピアノコンクール低学年の部の予選を見事クリアし本選出場(本選は2月)!また先日、あった第4回日本バッハコンクール滋賀地区大会でも優秀賞を獲得し全国大会に出場!など周りの人たちも驚く成長を遂げています。もちろん本人の努力が一番ですし、先生の緻密な指導も大いにあるのですが、ピアノブラインドがはたしている役割は「音楽以前」の問題を解決することなので次元が違いますが、大いに力になったことでしょう。

ピアノブラインドは ココで売ってます。
栗田楽器のオンラインショップ

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