セミナー アーカイブ

2009年12月11日

作曲家別演奏法「モーツァルト」(久元祐子先生)

blog_091115hirosaki_hisamot.jpg2009年11月15日(日)午前10時より12時まで、西谷ビル3階会議室にて、久元祐子先生による
「モーツァルト -美しく弾くために、楽器と演奏慣行を踏まえて-」のレクチャーを開催いたしました。参加者は20名。

モーツァルトの4つの作品から、モーツァルトにどう近づいてゆくかを考えましょう。
モーツァルトが使用していたピアノ(クラヴィーア)は、(1)チェンバロ(2)クラヴィコード(3)ピアノフォルテ の3種類ありました。モーツァルトの子供時代、まだピアノフォルテはなく、楽器の特徴を知ることは大事。だからモーツァルトの音楽は
(1)軽やかさが求められる。モーツァルトはオペラに最も関心があった。
(2)歌心をもって。
(3)形式の奥の中に気品があること。
(4)ソナタを勉強するとき、大きな輪郭をつかんでから細部を考えるとよい。
(5)どんなイメージか全体像をつかむ。悲しみ、喜びの振幅が大きい
   ⇒調性を見ると理解できる。調性が曲の性格をあらわしている。
(6)どんな形式でできているか。曲の良さを出すために必要。
   枠の中で美しさを表し、すっきりとした形を生かしてゆく。
(7)ソナタ形式とソナタの違いについて
(8)クライマックスの見つけ方 1. 音が密集している 2.高い音  3.調が遠くへ転調する
(9)モーツァルトはたくさんの手紙を書いた。作品の背景を知るには手紙を読むとよい。
    (K.V 545 C dur は晩年に作られ、そのときは病気だった。)
(10) フレージング
(11)アーティキュレーション 生き生きとした演奏に呼吸は大切。
   スラーをどう弾くか考えて。(苦しい音は重めでレガート)
(12)デュナーミク・・・fかpか、ゼクエンツ
(13)フィンガリング
(14)装飾音・・・軽い音で。ハーフタッチを学んで。
(15)ペダリング・・・人にわからないように踏む
(16)指ペダル、タッチ。 重い=思いをこめた音
(17)レンド形式とレンドソナタ形式のちがいについて
(18)モーツァルトは、サロンで楽しんで弾いていたので、ちょっとした即興のニュアンスが必要。 
   提示部を繰り返すときは変奏させるなど。
   音の向こう側にあるものを読み取れるように学んで。
   基礎力をつけるために、1.スケール 2.アルペジオ 3.トリル を毎日やると良い。

淡々とわかりやすい言葉でお話し下さり、美しいピアノの響き、多彩は音色。
しばし、現実から離れ、モーツァルトを身近に感じられる時間をすごしました。
久元先生のすばらしさに、大感動の私たちでした。

2010年4月16日

3/13コンペ課題曲セミナー(田中克己先生)

blog_100313hirosaki_tanaka.jpg2010年3月13日(土) 田中克己先生をお迎えし、午前10時よりスタジオMにて、2010 年コンペ課題曲セミナーが開催されました。
(A1からC級全曲とD級は近現代の楽曲説明と演奏。近現代邦人作品については、作曲者の考えを説明してくださいました。)

講座のポイントは、
(1)動機(モティーフ) 
(2) フレーズ(音楽を作る上でのまとまり)と、楽譜に書かれていることを自分の中で確認すること。 
(3)パルス(短時間内の波動、一定の幅)が、
(4) どのようなサイクル(状態が変化してゆき、元の状態に戻ること)であるか
を曲を通して説明されました。
室内楽の経験を踏まえた、わかりやすい楽曲の説明でした。演奏も誠実でよかったです。

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3月13日(土) 課題曲紹介コンサート
午後2時から3時までの1時間、スタジオMにて課題曲紹介コンサートをいたしました。
約60名が参加しました。(A2級からD級まで、近現代を中心に、ほかは抜粋で)。
オーケストラ(CD)にあわせての楽しい演奏も聴くことができました。
ピアノだけでなくアンサンブルの導入もでき、興味深かったです。
テンポの安定にも使えそうです。

2014年4月 4日

【実施レポ】2014コンペ課題曲セミナー(田代 慎之介先生)

2014年3月8日(土)スタジオMにおいて、田代 慎之介先生による「2014コンペ課題曲セミナー」を開催いたしました。1曲ごとに丁寧な説明でとてもわかりやすかったです。

♪ 曲の構成、音色の作り方、バランス、左手の歌わせ方。
♪ 不協和音は「エーッ!!」という音を効果的に使う。
♪ 表情よく同じフレーズは同じく弾かない。
♪ 良いテクニックとは合理的で無駄な動きがない。どんな変化も弾きこなせる。音楽内容、変化を豊かに表現できる。
♪ メロディーを生かす伴奏(左手)に仕上げること。
♪ エコーの付け方は強弱だけでなく、音色もできると良い。
♪ スタッカートのいろいろな弾き方。

すぐにレッスンに役立つ内容ばかりでした。田代先生、ありがとうございました。

(Rep:ピティナ弘前支部 田中みゆき)

2016年3月24日

【実施レポ】2016年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー(赤松 林太郎先生)

2016年3月6日(日)スタジオMにて赤松林太郎先生をお招きし、「2016年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー」という題で講座が開催されました。
会場設営を手伝ってくださった赤松先生。 設営が終わるとすぐにピアノの練習が、始まりました。早くいらした先生は、朝のコンサートが聴けました。 もうバリバリに弾かれていました。ショパンのエチュードも素敵。

4期をバロック、クラシック、ロマン、近現代の順に説明。

■バロック  舞曲が生まれた背景についてのお話。イタリア的(明るくて単純)。フランス的(小鳥の羽ばたき、たくさんの花弁をもった花が咲く「花鳥風月」の世界)。ドイツ的(イタリア とフランスの良いところを取った)。 調性の変化、拍の取りかた(ブーレーやリゴドンは、4分の4拍子だけれど2拍と考えていい)、トリルの入れ方。ぶつかる音は、強調していい。終止の仕方(あっさりか。テンポを緩めるか)両手がスタッカートの時は、左右の質感を変えて(いつも違う楽器が演奏していることをイメージして) 和音の内声を意識する(内声がはっきり。外声がはっきりで質感が違う) バロックの歌い方は、和音で決まる。左手にどんな和音があるかしっかりと示す。

■クラシック  古典派は、ペダルの時代。ペダルを効果的に使うことが要求される。 sf,>の違い。長いcresc.ができたのは、ピアノが大きくなってきたから。メロディーは、王様。伴奏は家来。音量の決定は、伴奏が決める。終止形を探す(V7の左手はしっかりと)オーケストラのイメージをもって(ソロかtuttiか。何の楽器がなっているか)形式をはっきりと伝える。第2テーマは、女性的性格なのでカンタービレで。左右のキャラクターの違いを表現する。mollでfは、厳しいタッチで。音階の下降形が膨らまないように。中間部は、少しテンポがはやくなっても良い。

■ロマン  音楽にこくを出すためハーモニーが大切。シューマンは、密集で曲を作った。ショパンは、開離で曲を作った。二人の曲の違いをわかって。四声体の内声をしっかりと弾く。バランスには気をつける。拍を感じるだけでなく、音価を感じて弾くことが大事。五線からはみ出る音は、硬めに(骨の音)。やわらかい音(お肉の音)を弾きわける。 ペダル記号は、Pではなく、線で踏む(早い、遅い)離すをわかり易く書き込むことが大事。 ショパンのテンポのはこび方。テンポに角度があるか無いかで表情が変わる。 >や強い音、短い音は、弾力が必要。ユニゾンは、左手が大事。

■近現代  アウフタクトがとても大事。テンポだけでなく音楽の質感を表現できるように。完全4度、完全5度を探して。速い曲でも聴いている人が、呼吸できるように弾こう。音価の違うスタッカートの違いがわかること。音が割れる原因は、上からたたくから。タッチの仕方に気をつけて。協和音と不協和音の響きの違いを聴きわける。楽譜に書かれていなくてもペダルを効果的に使って良い(鐘の音)

短時間の中に大事なお話がぎっしりこめられていました。 こびりついた頭が柔らかくなりました。ペダリングの細やかさ、フレーズの作り方、音色の多彩さなどはっきりとしました。話が具体的で子供も大人もわかり易かったです。 子どもたちへの紹介コンサートも4期の話をストーリ仕立てでしてくれました。その中に 曲が入り楽しいわかり易いコンサートで、とても好評でした。

Rep: 弘前支部  田中 みゆき

2016年12月 8日

【実施レポ】赤松林太郎徹底講座シリーズ バロック編 ‐インヴェンション・シンフォニア‐(赤松林太郎先生)

161118akamatsu_11.jpg 2016年11月18日(金)西谷ビルにて赤松林太郎先生をお招きし、「赤松林太郎徹底講座シリーズ バロック編 ‐インヴェンション・シンフォニア‐」という題で講座が開催されました。


前回に引き続きインヴェンションとシンフォニアの勉強をしました。


1 テンポはどのように決めるか。
テンポは速さではない。言葉の意味をくわしく。(速度表示と演奏表示の違い)
Lauto(遅い)‐moderato(通常のテンポ、心臓の脈の速さ)‐Presto(速い) Largo‐Largeは、天井から雄大な鳥が羽を広げている。幅広い。大きな拍、アクセントをつけない
→バロック時代 歌うためのテンポ Adajo, Audaute, Allegro, Vivaceについても意味を1つ1つ説明下さった。
Allegroは、どのように生きるかを示している→Allegro cou brio, Allegro moderatoとなりソナタ形式のテンポになる

2 どういう拍を作るか。
幅広い、うきうき、アクセントなのかetc.4分の3拍子は3拍子、8分の3拍子は1拍子、8分の6は2拍子、16分の3拍子は1拍子。
左手が拍子を作る。
なぜその拍感にしなければいけないのか、どういうイメージをつくるか、そのためにタイトルは大切になる。
フランス組曲3番ジーグ、5番ジーグは遅い。

3 バロック時代の歌い方 ・表情をかえるために 和音をつけるとリズムを感じる。
・音型を大切にした。→希望 またはナーバス、苦悩...

4 インヴェンション第10番ト長調 8分の9の奏法について、3拍子にきこえるためにどのような奏法が適切か。
全てレガートではなく、場合によりノンレガートになる。
テンポはAllegro、生き生きしたテンポになる。

・インヴェンション第二番 ハ短調4分の4 人間の感情だから歌わなければいけない。
カンタービレ。
右手テーマに和声づける、気持ちの変化を読み取る。
感情のひだを読み取る
→ここまで深く楽譜から表現することの難しさを感ずるか、ここが音楽の面白いところだと思う。

・インヴェンション第15番、半音階がたくさん使われている。
終止がmollかdusかはっきりしない。
次のシンフォニアに続くとある。

・シンフォニア第二番ハ短調8分の12なので舞曲。
非和声音、不協和音にこめられた感情の表現のしかた。


161118akamatsu_22.jpg 楽譜からどのように正しく演奏すべきかを掘り下げ噛み砕きお話くださった。参加者は分かりやすいお話で次回も楽しみと話してくれた。





Rep:弘前支部

2018年1月11日

【実施レポ】音楽性を育てるためのピアノ連弾からのアプローチ ‐連弾を取り入れた魅力あるレッスンと指導法‐(藤井隆史先生、白水芳枝先生)

2017年11月11日(土)スタジオMにて藤井隆史先生、 白水芳枝先生 をお招きし、「音楽性を育てるためのピアノ連弾からのアプローチ ‐連弾を取り入れた魅力あるレッスンと指導法‐」という題で講座を開催した。

‐講座のポイント‐

  • 小さな子にもピアノでオーケストラの音を聴かせる。デュオの曲はピアノ曲だけではなく、オーケストラの音楽も編曲されている。
  • デュオの音の作り方。メロディーとバスだけでなく、情景や風が入っている事が大切。
  • 暗譜することは重要。音が聞こえる→相手の音が聴こえる。どういう情景が広がっているのか?→大きな広がりを感じて。
  • 音楽の歴史や背景を学ぶことも重要。
  • プリモは右耳を大きくしてよくきく、セコンドは左耳を大きくしてよく聞く。
  • プリモはペダルに頼らないで。メロディーだけはしっかりと指で弾けることが大切。

‐演奏と曲目解説‐

◆ブラームス ハンガリー舞曲第1と第6番より
産業革命が起こり鉄道が発達する。ヨアヒム(vio)+ブラームス(Pf)の演奏が参考になる。ジプシー音楽を21曲作った。当時はアップライトピアノ。
♪プリモとセコンドの受け答えをはっきりとする。gmoll→6小節のフレーズ、調性感をよく。セコンドがあってその上にプリモがのるように。

◆ペール・ギュント第1組曲Op.46より
♪ペールとアントラの駆け引きの面白さが曲中に描かれている。曲のストーリーを知ることはとても大切。

◆マーサ・ミアーのタンポポのワルツ
♪強弱記号 mfは2人でmfの強さを作る。
♪4小節でひとまとめのフレーズ
♪セコンド 3拍子の拍感 2,3拍目は無いくらい弱く。
♪小さな曲でも調性感が大切。音色のつくり方を小さい頃から学んで。

◆アレンスキー かっこう
♪かっこうは山の鳥。山々に響く→自分の存在を示している。出だしの所、セカンドがかっこう。プリモは別の鳥。
♪調性変化 D→A→Fis→h→v この変化していく様子が面白い。イメージをもってそれを表現していく楽しさがある。

◆サン=サーンス 動物の謝肉祭より
谷川俊太郎さんの「動物たちのカーニバル」を紹介下さった。本からも曲のイメージが作れる。
♪「なんだろう このいいにおい」→プリモのトレモロが始まる。 ライオンの行進...セコンドは世の中を知らないライオンがとてもいばっている様子を表現している。 ぞうのワルツ...3拍子の拍感。マズルカは、2,3拍目にやるせない感じがある。 白鳥...3拍子でも少し違う6/4。プリモは水や光のイメージ。セコンドのうたを大事にプリモが寄り添う。 水族館...プリモはきれいな光の音と影。いろんな響きも作る。セコンドは、たくさん音がある時でも同じ繰り返しをしないで。

ピアノデュオは、オーケストラが呼べないようなところでも出来る。 「生きることが素敵!」を伝えたい曲。オーケストラのいろんな楽譜を4手でどのように聴かせるか。すてきな演奏会の中のレクチャーでいつまでも聴いていたかったです。



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