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赤松林太郎先生によるペダル講座 with ミニ・コンサート in レゾナンス

2016年12月9日(金)コンサートサロン・レゾナンスにて(第44回ちば市川バスティン研究会)
『赤松 林太郎先生によるペダル講座』 with ミニコンサート【ロマン派のペダリングを考える〜ショパンのワルツ〜】が開催されました。
ダンパーペダルやウナコルダをどう駆使して、求める音を生み出していくのでしょうか?

教材はショパンのワルツ。

brillante は、"踊る"を意識。左手がブンチャッチャを刻む。
ショパンのアクセントは、ペダルで付けます。
1拍目で首を振りながらペダルを踏むと、踊る、ではなく千鳥足のリズムになってしまいます。
1拍目は、トランポリンの大ジャンプのように手首を使わず、横スライドさせます。
鍵盤上にポジションやフォームが用意できてから弾く動作に入れると良いのですが、
子ども達は鍵盤に触れた途端に弾いてしまいがちです。
親指のみタッチして、和音の位置に持っていく練習をすると効果的です。
当時のダンパーペダルは、踏んでいても"音が立つ"状態でした。
今のピアノで当時の指示通りにペダルを踏むと、音の洪水になりますので、よく聴いて検討します。

lyric は、"歌う"を意識。叙情的に。
非和声音の混入は、美しいのかどうか?
中国に「水清ければ魚棲まず」という諺があります。
人間の心も真っ白ではなく、誰でも黒い一面を抱えており、
その黒さが"感情のひだ"を生み出します。
ペダルは、そういった"ひだ"や心の揺れを表現させてくれます。
順次進行だからと、1音1音ペダルを踏み変えていると水が澄みすぎてしまうことも。
では、何音までなら混ざっても美しいのでしょうか?
2音。 3音混ざると濁って聴こえます。
「遺作」の冒頭、心の中のことを感じさせるように表現するにはウナコルダを使います。
ただし、メロディが5度跳躍する最高音は、トレコルダに。
ピアノの場合、この音域でウナコルダを使うと、水の中のようにぼやけてしまいます。
そして「遺作」のように裏拍からメロディが始まる場合は、
冒頭(3拍目)の音を、ペダルで1拍目の音に"溶かし"ます。
アン ドゥ トロワ を母音発音すると、ア ウー オア。3拍目のアは、1拍目のアにつながっている。
それをペダルで表現するのです。

ウナコルダは、音量を変えるためではなく、音色を変えるためのペダルです。
クレッシェンドも音量のみで聴かせようとするのではなく、
ペダルで音色の明るさを変化させて、表現します。

J.S.Bach/Kempff - Ich ruf zu Dir, Herr Jesu Christ
Mozart - Fantasy in d moll K397
Scriabin - Prelude and Nocturne for the left hand op.9
Albeniz - Granada
Granados - Quejas, o la maja y el ruiseñor
De Falla - Danza Ritual del Fuego
Beethoven - Piano Sonata No.23 Op.57

Schumann/Liszt - Widmung

コンサートのプログラムは、当日のピアノを弾いて決めたそうです。
「津田ホールのスタインウェイに似た響きのピアノですね」

情念を聴かせるmoll中心の空気感が漂う中、
アンコールに応えて奏でられたのは「献呈」。感謝の曲です。
赤松先生からの、主催者、来場者へのお気持ちでしょうか。
ホール全体にじんわりと沁み渡っていくのが感じられ、
気づけば涙が溢れて止まらなくなってしまい、
集合写真も赤松先生のCDへのサインも諦め、
栄子先生に何のご挨拶もできないまま会場を後にしたのですが、
不意に心を掴んで震わせる、この音楽の力。

そこに浸れた2時間半は、人生の中の至福でした。

赤松先生、栄子先生、
本当にありがとうございました。

  文責:Y

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