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第51回 ちば・市川バスティン研究会を開催致しました。

第51回 ちば・市川バスティン研究会を開催致しました。(7月14日船橋伊藤楽器メンバーズルームにて)

猛暑にも負けず、参加された先生方は笑顔です。
本日は、
 根津栄子先生「3歳児の導入レッスン」
 須黒綾子先生「パーカッション&ピアノアンサンブル・ピアノトリオ レポート」
の二本立て。

生徒さん達がコンクールで輝かしい成績を収める根津栄子先生。
"初めまして"の3歳さんには、どのようなレッスンが待っているのでしょうか?

まず指導内容がしっかりと分類されていて、指導する側にも受ける側にも分かりやすいです。
「体感」「歌う」「聴く」「書く」「和音をつかむ」「弾く」「脱力」「読譜&記譜」「聴音」。
一見すると高度ですが、3歳さんが無理なく楽しく取り組めるように考え抜かれています。

いくつか、例に挙げてみましょう。
「体感」で登場した反対言葉のカード。
語彙は、ピアノや音楽でよく使われるものを選び、ピアノ用語につながっていくよう意図しています。
めくりながら声に出して読みます。まだ字が読めなくても、読んであげるうちに生徒は覚えます。
更に"明るい""暗い"では部屋の電気を消すなど、言葉を実際にイメージできるように工夫します。
慣れてきたら、早口でフラッシュすると、頭の回転が速くなります。

ギムニクボールは子ども達に大人気。
転がっていかないように、少し空気を抜いた状態で使います。
ボールの受け渡しは、先生との距離が縮まり、仲良しになって心を開いてきます。
バウンドさせて受け渡すときは、1拍目でバウンド、2拍目からは胸元で拍を取ると、拍感が育ちます。
手首を回転させる動きは、やわらかな使い方、手のフォームの習得などに役立ちます。
ボールを下向きに持ち、空中で離したり、掴んだりを繰り返すと、脱力が身につきます。

カスタネットも、栄子先生の手にかかると高度な技術を習得できるグッズになります。
片手でカスタネットを持ち、肩から動かして打って"肩スタッカート"、肘から動かして"腕スタッカート"、手首から、指から...と順に変えていきます。
「音はどんな風に変わった?」と、音色を聴く意識を持たせます。

トリルの練習には、スーパーボール。
1・3や、1・5でつまんでクルクル動かします。他の指に挟んで動かすのにも挑戦。

「聴音」では、永瀬まゆみ先生の教本、「はじめての聴音」がとても良い、と紹介されました。
今後のバス研で詳しいレクチャーを受けたい、とリクエストが出ていました。

他にも、楽しく効果的な指導法を惜しげなく披露してくださった栄子先生。
タイトルそのままで、全国でセミナーが実施されれば、大勢の先生方に喜ばれそうです。
締めくくりは、「この生徒をこの時期までにここまで育てたい、という明確な方針が必要」という力強い言葉でした。
レッスンノートに目的や目標、現在の状態、対処法、達成期など記録して活用していくことを助言されていました。

続いて、須黒綾子先生の「パーカッション&ピアノアンサンブル・ピアノトリオ レポート」。
お教室の発表会は1年半に1度だそうですが、それとは別に"おたのしみ会"と称してアンサンブルを体験させているそうです。
ほとんどの生徒さんが参加するというのは特筆もの。
"レッスン回数に組み込んでいるので"とサラリと仰った須黒先生の情熱に脱帽です。

パーカッションはプロの演奏家に依頼。生徒の演奏を録音した音源を事前にお渡しし、当日リハーサルのみで本番に臨みます。
初めての生徒さんにはあまり冒険せずシンプルに、いけそうだと感じたら音を加えてみる、など様子を見てアレンジしてくれるとのこと。
トリオは子どもとのアンサンブルに慣れた先生方。生徒は丁寧なレクチャーを受けてから、本番を迎えます。
音を共鳴させること、ピアノの打鍵と離鍵、アイコンタクトなど要求されるので、音を聞きながら対応できるよう易しめの曲を選びます。
最も小さい参加者は年中さんで、ミュッセで見つけた「チューリップ」を演奏しました。

アンサンブルを体験させて得られたことは、多岐に渡ります。
先生自身は、他教室の先生と生徒のやり取りを見ることで、自分の教室や指導を客観的に振り返ることが出来ました。
生徒達は、受け身がちな姿勢だったのが、"自分はこうしたい"と欲求を抱くようになり、それを言葉で伝えられるようになりました。
お母さんと自分の意見が違ったとき、以前は"○○ちゃんはどうなの?"と尋ねても"う〜ん..."と濁していたのが、
"お母さんはこう言ってる。でも私はこうしたい"など、自分と他の人の意見を分けて捉えられるようになりました。
メトロノームでテンポを確認し、数値で書かせているので、マイテンポを意識できるようになりました。
音楽の感情の揺れ動きに敏感になり、編曲や分析への興味も高まってきました。

会場は、響きを身近に感じられる適度な広さで、音響が良いところを選んでいます。
生の音の素晴らしさに触れ、お母様方が電子ピアノの限界を感じてくれました。
ご家庭内で音楽の話題がすごく増えたのも、お母様方に表れた変化です。

いつもの教室から一歩外に出て、自分という存在を認めてもらえること。
自分以外の人と力を合わせて音楽を作ること。
プロの方々とのアンサンブルは、生徒さん達の音楽性を育て、人間的にも大きく成長させることがよく分かりました。

根津栄子先生、須黒綾子先生、貴重な講義をありがとうございました。
市川バス研は今後も、中嶋宏美先生「愛の3倍速レッスン」、バッハコンクールなど、盛りだくさんで活動していきます。

  文責:Y.O
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