2010年1月25日、ピティナ京都おいでやすステーションの特別企画・ピアノセ
ミナーが、京都駅前のメルパルク京都・7階スタジオ2で開かれました。
ピアニストとして活躍されている上田明美先生を講師としてお迎えし、『音
色の変わるテクニック』~ツェルニー40番を使っている生徒にも使えるバーナ
ム~と題して、「バーナム・ピアノ・テクニック1」の内容を中心に、テクニ
ックをつけるためのバーナムの使い方をお話していただきました。
京都だけではなく、大阪、滋賀、兵庫などの遠方から75名もの参加者があり、
会場は先生方の熱気につつまれていました。
まず、バーナム・ピアノ・テクニックシリーズ(ミニブック、導入書、1〜
4巻)についての説明のあと、バーナムで身につける事のできるタッチについて
お話してくださいました。
タッチの種類には1.「なでる」2.「さわる」3.「のせる」4.「おしこむ」
5.「はじく」6.「はさむ」7.「つかむ」8.「かえす」などがあり、実際に
上田先生がピアノを弾きながら説明してくださいました。
上田先生が出される音は、それぞれのタッチの違いが明確にわかるだけでなく、
「ピアノって、こんな音も出せるんだ!」と思わせる素敵な音でした。
トリルや指くぐりのテクニックの効果的な練習方法もお話くださり、そのた
びに、参加者の方が大きなうなづきとともに、感嘆の声をあげていらっしゃい
ました。私事ですが、その日のレッスンで、早速教えていただいた方法でレッ
スンしたところ、生徒が今までなかなか弾けなかった箇所が、まるで魔法のよ
うに弾けるようになり、あらためて上田先生のご指導に感謝しました。
続いて、身近な物を使った教具の紹介をしてくださいました。スポンジを握
ったりクリップをつかんだりして握力をつけたり関節を強化する方法や、ラッ
プの芯やエアーダンベルを使った手首の回し方の練習法など、なるほど!と思
う教具を色々教えていただきました。
後半は高校生と大学生の参加者の方に実際に生徒になっていただき、公開レ
ッスンの形で「バーナム・ピアノ・テクニック1」から数曲レッスンしていた
だきました。上田先生は「何となく弾くのではなく、最後の1音1拍まで意識
して弾いてください。」とおっしゃり、「ピアノはたたくのではなく、鍵盤に
指をおいた状態からつきあげるように」とのアドバイスで、生徒さんが1音弾
くと即座に上田先生の「今、たたきましたね。」「違います。」などのダメ出
しが出て、徹底的に正しいタッチを追求されるレッスンで、上田先生の熱意が
伝わりました。生徒さんのタッチや音もレッスンによってはっきりと変わりま
した。
セミナー終了後に、「実際に上田先生にレッスンをしていただき、今日ご指
導いただいたことを、自分が体験して身につけたい」という熱心な先生方が、
上田先生の元にレッスン予約に殺到されたそうです。また、続編を期待する声
も多く聞かれました。
質疑応答も活発にかわされ、参加者の方もとても充実した時間を過ごされたこ
とと思います。上田先生、ありがとうございました。(Rep:橋本あゆみ)