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楽譜の向こう側  -独創的な演奏表現を目指して-

2017年4月10日(月)日響楽器池下店ホールにて西尾 洋先生をお招きして「楽譜の向こう側  -独創的な演奏表現を目指して-」というタイトルで、2017年上半期ピアノ指導法シリーズセミナーの第2回が開催されました。
西尾先生は、子供の時からピアノと作曲を勉強し、日本とドイツの学校では作曲を専攻されました。ピアノ科出身の先生のセミナーが多い中、今日は作曲科の先生の講座ということで、非常に楽しみに出かけました。
先生はドイツに行かれた時、「なぜドイツの学生は、ソルフェージュ能力も譜読みも日本人より劣るのに、心に響く演奏ができるのか」という事実に驚かれたそうです。非常にレヴェルの高い日本の教育は、聴音のための聴音、楽典のための楽典になっていて、何かが違う。すべては音(演奏)につなげなければ意味がない、という実感のもと、独創的な表現を目指して、楽譜を読み解くことの大事さやヒントを話してくださいました。ご自身の著書「応用楽典 楽譜の向こう側」をもとに講座は進められました。


*音階に意味がある の項より
「こいのぼり」と「大きな古時計」を例にあげ、ほとんどの歌はほぼ1オクターブ以内(普通の人が心地よく歌える範囲)である。 こいのぼりは正格旋法。主音Cから上に1オクターブ。メロディーは大きく上昇する。大きな古時計(ここではハ長調)は変格旋法。主音Cからの距離はほぼ5度以内。主音のまわりを縫うように上下する。
*資料楽譜「ブルグミュラー18の練習曲」より
「ゴンドラの船頭歌」この曲は正格旋法。最低音Aより盛り上がる音型.。倚音がたくさん出てくるが、先生は、ずれている、こすれている?はまる のように表現された。主和音は自分の家?他の和音(よそへお出かけ)?主和音(家へ戻って安堵する。主和音に戻った感じを大事に。
7小節の減七は特別な意味を持つ。いろんな調に行ける和音。 「空気の精」主旋律のフレーズの終わりの8分音符についたスタッカートは要注意。切るというよりは、次のフレーズの入りと切り離すという意味にとったほうがよい。
*音源 メンデルスゾーンの歌曲「歌の翼に」
2枚のCDを聴き比べました。大事な歌詞のところでのピアノパートのスフォルツァンドやドッペルドミナント、また歌の最高音についた松葉の印をピアニストはどのように弾いているか?1人は伴奏部の16分音符を均等に、大事な部分もインテンポで弾くので、歌い手を焦らせている。もう一人はベースを中心にして、16分音符は適度にぼかす。待つところは待ち、進めるところは進める、といったことが、柔軟に対応できていた。どちらがいいか は明らかでした。
ほんの一部だけご紹介しましたが、とても2時間では足りない中身の詰まった講座でした。ピアノ演奏も素敵で、ほんとは何も書かずにじっと聴いていたかったです。「忘れていいんですよ。直感を大事にしてください。書くことに一生懸命になると、きけないもの。レポートも適当に...」とおっしゃった言葉に救われました。またぜひ続編をお願いします。
Rep:名古屋支部 森崎一子

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