« 前の記事| 後の記事 »

ドビュッシーピアノレクチャー 子供の領分(全曲)

第3回名古屋支部上半期指導法セミナーに中井正子先生をお招きして、2017年5月15日(月)日響楽器名古屋池下店2Fホールにて「ドビュッシーピアノレクチャー 子供の領分(全曲)」が開催されました。
中井先生はパリで長年音楽活動をされたフランス音楽の著名なスペシャリストでいらっしゃいます。この講座ではドビュッシーの「子供の領分」を題材に、フランス的な音色に近づくための重要な事柄やテクニックを、ドビュッシーのエピソードなどを交えながら、素晴らしい演奏とお話でご指導して頂きました。
先生は、「ドビュッシーの作品には二つの背景があり、一つには12年間在籍したパリ国立高等音楽院で受けたアカデミックな教育、もう一つは上流階級のサロンでの優雅さへの憧れがある。」とお話しされました。ドビュッシーの作品を演奏するためにはまずは正しい楽譜が大切であり、更に楽譜上に書かれた全ての情報を見落とさないよう、忠実に表現することが最も重要であると強調されました。強弱、テンポ、アーティキュレーションはもとより、例えば弱音の中での強弱の違いを5段階に分けて表示されていることなど、細部にわたって楽譜を読むことの大切さを再認識させられました。そしてそれらを表現するにあたり、ハーフ・タッチやハーフ・ペダルのテクニックが必要不可欠で、それらがフランス的なセンスのある音色、つまり多声部のバランスから作られる「和声的な音色」になるのだということが、先生の演奏からよく理解することができました。
しかしながら、それらの実現は本当に難しいものですが、中井先生の書かれた楽譜にはフランス語による楽語の明確な訳や、演奏者にとって使いやすい指使いや解かりやすいペダリングの表示などがあり、学習者の大きな手助けになると実感しました。
「子供の領分」の各曲は、ドビュッシーの愛娘への愛情溢れるユーモアもたっぷりの作品で、コンペの課題曲などにも取り上げられる機会の多い曲集です。その指導に当たるには、非常に厳格な読譜と、その上に成り立っているセンスある演奏のためのテクニックを駆使されて作り上げられる優雅な音楽だということを、私たち指導者は熟知していなくてはならないと強く思いました。
中井先生、素晴らしい講座をどうもありがとうございました。

Rep:ピティナ名古屋支部 野原 眞由美

※この記事のご感想をこちらにお書き下さい。(Facebook登録者限定)


過去の記事




QRコード

携帯からもピティナ・コミュニティを閲覧できます
ピティナ名古屋支部