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ミラノ派遣オーディション現地レポート!!

皆さまお元気でいらっしゃいますか。イタリアも長い夏のバカンスがおわり、新年度が始まりました。
日本の皆さんも新学期が始まり気分も一新されていることでしょう。
TOKYO-ミラノチャオ!ステーションが主催する「派遣オーディション」で選抜された、中瀬智哉くんと小金澤広人くん、Youtubeオーディションで選抜され派遣された臼坂玲音さんと清水 結菜さん、皆さんがミラノでのコンクールのあともPTNA全国大会で素晴らしい活躍をされましたこと、本当にうれしく思います。
国際情勢が緊張感を増す中、子供たちが音楽を通じて国境を越えて心のコミュニケーションをのびのびと交わしあっている様子をみると、音楽の力の大きさを信じてさらに若手の応援をしてゆきたいという思いが大きくなります。

ミラノ派遣オーディションで航空券をプレゼントさせていただいた二人、彗星のごとく素晴らしい演奏をして審査員を驚かせてくれた八木大輔君、そのチャーミングさにベルギー、フランス、イタリアの審査員皆が虜になってしまった中瀬智哉くんの素敵な現地レポートを、こちらにご紹介させていただきます。2017年は再優秀賞の八木大輔君、優秀賞中瀬智哉君、YOUTUBEオーディションから参加の臼坂玲音さん、清水 結菜さんより賞金の全額寄付を頂きましたので次回2019年はさらに丁寧なサポートをさせて頂けそうです。皆さま、本当にありがとうございました。次回のオーデションは2019年を予定しております。

ミラノチャオステーション代表
ペスカーラ音楽院教授
ミラノピアノタレンツコンクール審査員
黒田亜樹




◆中瀬智哉くん レポート

ミラノ国際ジュニアピアノコンクール派遣に感謝

 

中瀬智亜   


 

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62日~5日にかけて、イタリア・ミラノで開催された「第7回ミラノ国際ジュニアピアノコンクール(Piano Talents in Milano 2017)」に息子の智哉が参加してまいりました。

226日に、このコンクールの派遣者を決定する、「ミラノ国際ジュニアピアノコンクール派遣オーディション」で思いがけず優秀賞をいただき、派遣していただけることになりました。ウララ・ササキ先生、ソニークラシカルレコーディングプロデューサー武藤敏樹様、そして黒田亜樹先生、ミラノ行きのチャンスをくださいましてありがとうございました。今回のミラノの派遣にあたっては、ピティナの方々をはじめ、前回ご参加の渡邊奏さん、永井礼子先生、西川響貴君、山家有翔君より多くのご支援をいただけたことにより、今回も派遣していただけましたことに深く感謝申し上げます。


オーディションから約3カ月間、黒田亜樹先生には選曲のアドバイス、また福永綾子さんにもご協力をいただきながら、ミラノ行きの航空チケット・宿泊のご手配をしていただきました。曲決定が4月半ばと遅かったにもかかわらず、息子の師である金子勝子先生と鈴木弘尚先生は、ミラノでの曲を懇切丁寧にご指導してくださいました。息子の小学校では壮行会まで開いてくださり、校長先生をはじめ、先生方や全校の友達から心強いエールをいただきました。

また、地元のテレビ局(チューリップテレビ)の方々からも、自宅や学校、東京レッスンなどの取材依頼があり、地元の方々にもたくさんの応援をいただきながら、家族の支えの中で出発の日を迎えることができました。我が家は富山県ですので、529日に家を出発し、最後のギリギリまで、金子勝子先生と鈴木弘尚先生にレッスンをしていただき、30日に成田から渡航いたしました。親子二人初めての海外で、母親の私としては、ただただ心配でしたが、息子は心配をよそに、ミラノで演奏できる喜びに胸をふくらませ、たくさんの友達を作りたいと張り切っておりました。


亜樹先生がご準備くださったアリタリア航空では、並ばずチェックインができるようご配慮いただいたり、渡航前の準備の際には、Wi-Fiなど必要なものをお知らせくださったおかげで、安心しスムーズに出国することができました。直行便でミラノに到着し、ここでもまた亜樹先生がご準備くださっていたタクシーのマリオさんの車で亜樹先生のご自宅へ向かい、亜樹先生と息子さんの劉太郎君と合流し、ホテルへ行きました。宿泊先のホテルカーサビアンカには、ホール・レストランにグランドピアノが3台あり、亜樹先生と福永さんが時間割を組んでくださる中、今回のコンクールにご参加のHカテゴリー木本秀太君、Gカテゴリー三上結衣さん、Eカテゴリー八木大輔君、堀内龍星君、小金澤広人君、Cカテゴリー清水結菜ちゃん、Bカテゴリー臼坂玲音ちゃん、Aカテゴリー清水来実ちゃんと、合宿のように楽しく過ごすことができました。


出国前に練習時間を多くとりたい息子の相談に、亜樹先生がミラノのお知り合いの大室さんをご紹介していただき、滞在中、大室さんのご自宅でも練習させていただきました。大室さんや娘さんの美月ちゃんには練習のみならず、イタリアの郷土料理やスイーツなどの手作りのおもてなしをいただき、張り詰めた気持ちの中、心身ともに救われました。

亜樹先生は、慣れない海外で親子二人だけでの不安を少しでも安心して過ごせるよう、大室さんをご紹介くださったり、メンタル面や体調、演奏のアドバイス、練習、生活面、すべてのことを出発前から帰国までサポートしてくださいました。ホテルの練習や生活の中でも、参加者の皆さんや先生方とお話しさせていただけたり、声をかけ合ったりできたことで、心から元気に過ごすことができました。

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息子の参加するDカテゴリー(1112歳の部)は、19名のエントリーでイタリア他、ロシア、セルビア、ブルガリア、ポーランド、ウクライナなどの様々な国から参加者があり、日本人は息子一人でした。
会場となっているカーサヴェルディ(ヴェルディの家)は、イタリアの作曲家、ジュゼッぺ・ヴェルディが晩年、音楽家たちが安心して老後を送れるようにと私財を投げ出して作った、音楽家のための保養施設です。ここはホロビッツ氏が寄贈したベヒシュタインが置かれ、今回のコンクールもこのピアノを使用して行われました。

息子の曲は、自国の作曲家であるスカルラッティのソナタK39と、ショパンのポロネーズ第8番ニ短調Op.71-1です。本番直前には、劉太郎君をはじめ、今回のご参加の皆さんや先生方から応援メッセージをたくさんいただき、会場で聴いていただけたことは、大きな力となりました。「ミラノで演奏できることが嬉しい!」との気持ちで、思いきり自分の音楽を表現した息子の演奏と笑顔からは、喜びがあふれていました。演奏後には、「Grazie!」「Bravo!」と会場からあたたかい拍手をいただき、感謝と感激で心が震えた瞬間でした。結果98.3点というDカテゴリー最高点で第1位をいただき、ASSOLUTO(最高位)として特別表彰までしていただき、身に余る光栄でした。


翌日行われたファイナル、受賞者ガラコンサートでも演奏をさせていただき、全カテゴリーASSOLUTOの皆さんの熱演には親子共々、本当に感動いたしました。ブラボーなどの声かけやジェスチャーなどでお互いに声を掛け合い、友達もできました。息子は「言葉は通じなくても、音楽は世界共通のものだね。通じ合えたよ!」と、国や年齢を越えて友達ができ、心を通わせた喜びをうれしそうに話したことは、私にとって忘れられない一言でした。


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出国日には、バルツァーニ先生のレッスンを八木君が、ラスキン先生のレッスンを息子が、お互い見学しながら受けるチャンスをいただき、イタリア界を代表する先生方の情熱的でユーモア溢れるレッスンは、素晴らしい貴重な経験となりました。レッスンをしてくださったバルツァーニ先生、ラスキン先生をはじめ、このような機会をセットしてくださった亜樹先生、ラスキン先生の英語のレッスン通訳をしてくださいました八木君のお母様にも感謝申し上げます。


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空港へ向かう時間が近づくにつれ、ミラノでたくさんの方からいただいたご恩や優しさを思い、涙が止まりませんでした。

今回のこのコンクールに参加させていただき、音楽を通じて自分を表現する喜びや、音楽を通じて分かり合える喜びを教えていただきました。同時に、たくさんの方や家族の支え、そして出会いの中で、音楽を続けていられることに改めて幸せを感じ、感謝でいっぱいでした。ミラノでの経験や出会いは、息子と私にとりまして一生の宝物です。


いつも息子にあたたかいご指導と、今回の派遣オーディション参加のきっかけを下さった金子勝子先生、イタリアでご研鑽を積まれたご経験から励ましのお言葉やアドバイス、ぎりぎりまできめ細やかなご指導をしてくださった鈴木弘尚先生、いつも応援してくださる方々、現地でも大変お世話になりました福永綾子様、大室ルリ子様、元気をたくさんくださった参加者の皆様と先生方、コンクールやレッスンでお世話になった審査の先生方、そして審査でもお忙しい中、宿泊先のホテルに駆け付け、生活面から演奏のアドバイス、またおにぎりまで作ってくださり、私たちを含め皆様のお心に寄り添い、すべてに渡りサポートしてくださいました黒田亜樹先生、亜樹先生のご家族皆さま、この場をおかりし心より深く感謝申し上げます。今後も一人でも多くのピアニストが、この派遣オーディションにより素晴らしい経験ができますことを心より願っております。

ありがとうございました。




◆八木大輔くん レポート

     2017年ミラノ国際ジュニアコンクール「ピアノタレンツ」に参加して


八木大輔 母 


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初夏の爽やかな風が心地よい中、2017年6月30日よりミラノ国際ジュニアコンクール「ピアノタレンツ」が始まりました。大輔は2017年2月26日の東京での派遣オーディションを経て、今回ミラノの本選へと参加させていただくことになりました。生まれて初めてのヨーロッパ、はじめての国際コンクールへの参加で、不安と期待も入り混じるなか、大輔はミラノに到着しました。緊張している大輔を温かく迎えてくださったのはミラノ在住の黒田亜樹先生(以下亜樹先生)、そして事務局の福永綾子さんでした。


滞在しましたホテルはホテル・カ・ビアンカという敷地内に3台のグランドピアノが早朝より使用できるとても恵まれた環境でした。もちろん亜樹先生のご尽力あってのことです。朝は鳥のさえずりで目が覚め、新緑が鮮やかな木々に囲まれたホテルは慌ただしく毎日が過ぎる東京とは別世界でした。歴史のあるヨーロッパの石造りの建物の中のピアノは、これまで日本で聴いてきた音とはまったく異なる響きを持ち、この緑豊かな静寂な環境で最後の調整をおこないながら、コンクール本番を迎えました。


コンクール会場はイタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが建立したカーサ・ヴェルディという歴史的建造物での大ホールで、そして演奏したピアノはホロヴィッツが寄贈したベヒシュタインでした。大輔にとりましてはこのような場所で演奏させていただくだけでも貴重な経験です。大輔が参加したカテゴリーE(13歳から14歳)はヨーロッパ国内外8か国より参加があり、6月2日に12分程度の自由曲をそれぞれが演奏しました。大輔は緊張しながらも今できる限りの演奏をいたしました。これまでの大輔の努力が奏功し、審査員の先生方からは十分過ぎるご評価、アッソリュート(最高位)を頂くことができました。そして各カテゴリーよりアッソルート受賞者のみで開催される、アッソリュート受賞コンサートが6月4日日曜日の4時半より開催され、再度大輔は演奏する機会に恵まれました。ここでアッソリュート受賞者のなかよりさらに大賞と聴衆賞が選ばれます。コンクール審査のときとは異なり、たくさんのお客様がいらっしゃるなかでの演奏は、大輔にとってまたとない大変名誉な演奏の機会となりました。演奏後、ブラボーと声が上がり、たくさんの拍手をいただき、大輔本人も驚きを隠せませんでした。そして光栄なことに、11歳から16歳のヤング部門においての大賞、ならびに聴衆賞をいただくことができました。大輔と私はただただ驚くばかりでした。

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興奮さめやらぬ面持ちで同日夜9時から場所をパラッチナ・リベルティに変え、ガラ・コンサートを迎えました。それぞれの部門のアッソリュート受賞者および特別賞受賞者が演奏を行い、コンクール終焉にふさわしい素晴らしいコンサートとなりました。演奏終了後はほかの参加者たちと感想を述べあったり、審査員の先生方よりアドバイスをいただいたり、とこれまたヨーロッパならではの経験でありました。大輔はほかの参加者の方々にまた数年後にまたどこかの国際コンクールで会おう、と約束してお別れをしました。


 そして翌日、コンクールの審査員の一人でもいらしたバルツァーニ先生のレッスンを受ける機会に幸運にも恵まれました。レッスンの冒頭より「指の力が弱い」とすぐに指摘され、これをどう克服するべきか、丁寧にご指導いただきました。またテクニックは第一歩であり、本来重要なのは音色を豊かにする演奏とはどういうものか、楽譜に書いていないことをどう表現するのか、作曲家により楽譜をどうとらえていくのか、非常に奥が深いレッスンとなりました。続いて、同じくコンクール審査員でいらしたフランス出身のラスキン先生のレッスンも聴講できる機会に恵まれました。ラスキン先生のレッスンにおいても、曲を演奏するのは、単に楽譜を見るだけではなく、歴史や文化的背景を理解し、作曲家自身のどのような哲学があるのか、を理解したうえで演奏することが重要だとお話がありました。楽譜の後ろに存在するものをとらえなければ本物の演奏ではない。自分の内面をどう曲を通して表現するべきか、など演奏家として作品に対する基本的な姿勢について学ぶことができました。

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 およそ1週間という短い滞在期間ではありましたが、ヨーロッパでは音楽を通じて自己表現力を身につける、音楽を通じて創造的な思考力を培う教育体制が整っていることを肌で感じ、大輔ともども感銘を受けました。人が人として成長するためにピアノ、そして音楽があり、音楽を通じて価値観を理解する力を育み、自己表現力が高まっていく。日本とヨーロッパの音楽教育のとらえ方の違いを目の当たりにしました。


大輔は現在13歳、中学2年生でこのような機会に恵まれましたことを心より感謝いたします。派遣オーディションからのサポートなしではこの年齢での参加は厳しかったと思います。13歳という多感なこの時期にこのようなコンクールに参加でき、世界各国のジュニアたちの豊かな演奏にふれ、素晴らしい時間を共有できたことは大輔にとりまして、この上ない経験となりました。人間性を豊かにする音楽教育に触れることができました大輔は今後留学も視野に入れた進路を考えはじめています。


今回の参加にあたりましてはミラノ在住の黒田亜樹先生をはじめ、コンクール審査員の先生方、そしてピティナの関係者の皆様方、またこれまでの参加者およびご関係者の温かいお志およびご支援があってのことです。このような機会を与えていただきましたことを心より感謝申し上げます。そしてこの派遣オーディションやコンクールへの参加がきっかけとなり、日本の未来の音楽家たちの視野が広がり、世界へ大きく羽ばたくことを願ってやみません。

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