レポート アーカイブ

2008年3月24日

導入から中級の指導~手遅れにさせない日々の訓練とは?

blog_080304toyohashi.jpg2008年3月4日、豊橋支部主催による、根津栄子先生の指導法講座が、オリエント楽器ミュージックサロン於いて行われました。導入期からツェルニー30番、40番に至るまでのムダのない、スムーズなレッスン展開例を数多くご紹介いただきました。まるで玉手箱から出てくるような先生の手作り教材に、会場に詰め掛けた熱心な先生方も見入っておられました。

当日は導入期、小学校低学年、小学校高学年と3つの時期に分け、各々の時期に身につけて欲しい力、最短どの位で達成できるかの目標を掲げ、非常に丁寧に分かりやすくご説明くださいました。

まず導入期には「体感」「音感」「読譜」の3つの項目について最短六ヶ月でマスターできるように指導されているとのことでした。「体感」のご説明の中で、「音楽は反射神経です」と言われたことが非常に印象深く残っています。語彙の少ない幼児に、反対言葉や連想ゲームなどのカードゲームを通じて、脳を刺激させ、イマジネーションを膨らませるという、一見ピアノのレッスンには関係のなさそうなことが、実は一番大切であるということを改めて実感させられました。

また、指先の神経をお手玉、ビー玉を使って発達させ、手首の柔軟さにはゴムボールを、また、カスタネットを足台に取り付けて、足で踏んで音を出すことが踵をつけてのペダル操作の練習になることも教えていただきました。「音感」「読譜」についても、カードや積み木を使ったり、タイムを計って、意欲をそそるなど、先生ご自身の工夫が随所に見られました。

後半ではスケールの指使いを5つのグループに分けて指導されていること、ツェルニーをテクニック別に分類して、順番通りでなく、優しいものから与えることなど、大変参考になるご説明をしてくださいました。

2時間という限られた時間で、これ程たくさんのこおをお話してくださった根津先生に感謝の気持ちでいっぱいです。是非また続編をお聞かせ下さい。
また、これだけ短期間で成果を上げられているご指導の影には、多大な親御さんのご協力があるものと思います。次回は是非、親御さんとのお付き合いの仕方などもお話くだされば嬉しく思います。

(Rep:豊橋支部/犬塚裕加里先生)

2008年5月 2日

角野美智子先生によるコンペ課題曲セミナー開催

blog_0401toyohashi0501.jpg4 月1日、豊橋支部主催による、角野美智子先生による2008年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲セミナ-がオリエント楽器ミュージックサロンに於 いて行われました。A2級、A1級、B級、C級の全曲とD級の近・現代スタイルの解説と指導法を一曲一曲とても丁寧にお話していただきました。角野先生の 情感あふれる素敵な演奏とお話に、会場に来られた先生方から春休みの小さな生徒さんまで、見入り聴き入っておられました。

お話いただいた内容から少しだけですが、ピックアップしてみます。

スタッカートでフレーズを感じて弾きたいとき、まずはレガートで方向性を感じ取ることが大切であること。また、8分音符を揃えて1フレーズで弾きた いとき、2音ずつ、3音ずつに区切り手首を柔らかくし、降りて上がる腕と音の動きを確認していくこと。そうすることで、無駄な動きのない、粒の揃ったフ レーズ感ある弾き方になること。手首や腕の使い方の練習方法としては普段のリズム打ちから、腕の動きを使うようにし、脱力の状態を体で覚えるようにしてい くことが効果的であることも教えていただきました。

2声の曲では特に和声の変化を感じるため、和音をつけて生徒さんと歌い、和音のイメージや役割を認識させていくことの重要性を知りました。生徒自身がこんな響きを創りたいとイメージするために必要なことだと感じました。

タランテラによく用いられるスキップのリズムでは、縄跳びやボールつきをイメージする等、ピアノを通してピアノ以外の体験を活かしたり、曲全体の情 景や楽器編成をイメージすることが音楽に大きく反映してくることも再認識しました。他にも、強弱は打鍵のスピードからでき、ppを無音の練習から作り上げ る方法や、持続音を最後までしっかり聴いたり、休符や音の動いていない空間の中に音楽を感じる方法などを分かりやすく説明してくださいました。

本当にたくさんのことをお話いただき、ここには書ききれませんが、今回のセミナーに参加して大変よかったと感じています。


最後にとても印象深かった言葉を・・・。"曲の解釈は一つではないので、サンプルをいっぱい用意して選ばせてあげること。自分の音楽を作れる生徒さんになってほしい。"

音楽を作り上げる楽しさを知ってもらえるよう私も努力していきたいと思いました。角野先生、本当にありがとうございました。またいろいろなお話を聞かせていただきたいです。

(Rep:豊橋支部/野々村樹乃)

2009年4月 3日

2009コンペ課題曲セミナー(國谷尊之先生)

blog090313toyohashi_kuniya.jpg2009年3月13日雨模様の中、國谷尊之先生をお迎えしての課題曲セミナーは静かな感動の連続でした。

何度も繰り返しおっしゃられた「これは将来必ず役に立ちます」という言葉に象徴されるように
"課題曲を演奏する上での重要なポイント"、"着目すべき点" 等は、
子ども達を指導していく上での長期的な視点に欠かせない要素となるでしょう。

『子どもの成長の過程を大切に、その時期に合った曲を与え、一人一人の"音楽"を
無理なく育てていく』、という國谷先生のお考えを一貫して感じました。

★四期ごとのポイントとして、
★バロック★
♪ 左手にある戦慄の表情を大切に。
♪ モチーフの一音目から良い響きで発音する。

★古典★
♪ オーケストラの楽器を想定する。
♪ 強弱は、演奏者の人数が変わるイメージで。

★ロマン★
♪ 指と腕の関節の連動性を身につけたい。
♪ 指でレガート、次にペダル、と心がける。

★近現代★
♪ ペダルを踏む際、指先のタッチの選び方にまで気を配る。
♪ 拍の感じ方の多様性。

等を教えていただきながら、同時に日々のレッスンへのヒントがたくさんの宝物 のようにちりばめられたお話が続きます。

♪ 3の倍数の拍子を持つ曲は、4小節一まとまりと考える等して大きな単位で捉える。
♪ 離鍵の仕方で音の切れ方が決まり、それによって、音楽全体のイメージは左右される。
♪ メロディは顔、和声はその内側の筋肉。
♪ ブレスする時は、腕の動きにも気をつける。

★これらを体現するため、示していただいた様々な練習方法の中でも特に、
手の動きを両足に置き換え体感すること は、大変印象深く、当日午後からのレッスンで、
生徒と共に挑戦。効果は晴らしかったです。

★作曲家の作風に関するお話も興味深く、ベートーヴェンは聴く人を裏切る!には苦笑。
「ベートーヴェンの作品には弾き難い箇所が多いけれど、一つずつそれぞれの声部にとってのベスト、を探す努力をすべき。短気を起こさずに!」
とにっこりされる國谷先生でした。

★受講生全員のリクエストにも丁寧に解説、実演してくださり、皆さん大満足されたことでしょう。
『常に理想像を追っていく。それによって、得られる物はとても大きい。』
心に響くこの言葉が一番のお土産となり、この先、迷い悩む場面では救いとなってくれるはず、
と感じました。

國谷先生、課題曲を通じて音楽に浸る喜びをいただき、本当にありがとうございました。

2009年5月 1日

レポート:導入期から先取りでテクニックを育てよう(永瀬まゆみ先生)

blog_090421toyoda_nagase.jpg2009年4月21日 オリエント楽器豊川店ミュージックサロンに「コンクールで通用する導入期のテクニック指導の秘訣」の講座が開かれました。

講師として、永瀬まゆみ先生がおいでくださり、笑いあり、驚きありの貴重なお話をしてくださいました。

また、生徒さんの素晴らしい演奏のビデオに、受講者は聴き入っておられました。
「ドレミファソで始めるピアノ・テクニックの本 指導者ガイド」の教材を基に、

♪ ピアノを弾く前の姿勢、手の形
♪ お指の体操
♪ 伴奏バージョン
♪ 指、手首、腕を使い分けられるようにするリズム練習
♪ スケール、カデンツ、アルペジオ

を、ブルクミュラーの曲などを使い、わかりやすく説明してくださいました。
先生自身のレッスンでは、小さなうちから音楽史に触れ、弦の生の音楽(息子さんのチェロ)を
生徒に聴かせるなど、様々な体験をさせているとお話くださいました。

先生が レッスンの中で心がけていること は、
『テクニックの食材をより美味しく、工夫とアイディアで創作する』 の2つの事だそうです。
そして常に音色の変化を追求し、音と共に心を育て、心で感じ、心が動くことを目標とされている
と話されたことが私はとても印象に残りました。

永瀬先生には大変多くのものを学ばせていただき、ありがとうございました。

2010年4月 2日

3/9コンペ課題曲セミナーレポート(講師:杉浦日出夫先生)

2010年3月9日(火)オリエント楽器 豊川店ミュージックサロンにおいて2010年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲説明会が行われました。
講師として、杉浦日出夫先生がおいでくださり、A2級からD級までを7つの項目に分けてご説明、
演奏をしてくださいました。

(1)メロディー
日出夫先生は、メロディーを歌うということをとても大切に考えておられ、セミナーの中では先生ご自身で終始穏やかなお声で歌われながらの演奏でした。
歌うことにより、体の中で鳴っているものを感じとります。そして、指に合わせて弾くことで自然に歌い、表現できるようになるとお話くださいました。

(2)リズム
基本的なリズムから、曲の特徴をつかんだセンスの良い表現法を教えていただきました。

(3)ハーモニー
I IV V の和声を感じながら弾く。和声定型が自然に身に付くストーリーを言葉としてあらわす。また、長短の変化を明確に捕らえる必要性を強く感じました。

(4)奏法・強い音・美しい音
奏法に関しては、何年かかってもいいので、いかに徹底させるかが大事。自然に重心をかけて弾く自然双方、手の重さをかける体操など、実際にやって見せてくださいました。

(5)レガート、スタッカート
レガートは、指・手首・腕・上腕の4種類を使い分ける。4、5の弱い指のスタッカートは、1、2指に変えても良い。

(6)楽譜
バロック曲は、アーティキュレーションが楽譜によって異なるので、自分で勇気をもって直して弾いても良い。

(7)指づかい、取り方など
体の中にあるリズムを出す弾き方として、相づちをうつ感じで音を加えて弾く練習方法を教えていただきました。

テクニックの3つの基礎として、「大きく」「美しく」「速く」。
これらは、歌って弾くためにも重要なポイントとなることだと強く印象に残りました。
普段のレッスンの様々な場面で生かすことのできる実践的な内容もあり、多くのものを学ばせていただきました。杉浦先生、ありがとうございました。

2012年4月 6日

【実施レポ】2012コンペ課題曲セミナー(菊地裕介先生)

2012年3月21日(水)、オリエント楽器豊川店2Fミュージックサロンにて、菊地 裕介先生
による『2012年度ピティナコンペティション課題曲説明会』 が行われました。
A2級からC級のバロックから近現代までの課題曲全曲と、D級は受講者のリクエストに
応えて下さり、課題曲の中から希望のあった曲全てを取り上げてアドバイスをしてくださいました。

セミナーは、A2級から穏やかに始まっていきました。先生の奏でる音色の美しさ、生き生きと
したリズム、愉快で快活な表現、説得力のある演奏は、大変に魅力的で、開始直後から
セミナーの会場中が菊地先生の音楽の世界にあっという間に引き込まれていきました。
C級やD級は、迫力のある演奏にまるでコンサートの会場にいるようでした。

曲ごとの解説は、作曲家の人生や時代背景も織り交ぜながら、大変にわかりやすく
教えてくださいました。調性感、和声感、フレーズ感、曲全体の構成の仕方など大変に
勉強になりました。コンクールを最終目標としてとらえるだけでなく、音楽を充実させるための
大切なアドバイスだったように思います。

楽譜をよく見て、考えて、何度も音で表現をし、しっかりと自分の音楽を確信する事。
優しい口調の中に、大変な情熱を感じ、2時間はあっという間で、とても足りないくらいでした。

ワンポイントをまとめた内容は、バロック、古典は特に、ピアノだけではなくオーケストラの
編成をイメージした音作りをする。スタッカートは、ぶっきらぼうにならないで、レガートで
練習した後、切っていく。
ペダルは指でレガート奏ができるようにもすること。それからペダルをつけていく。
倚音を見逃さない、など書ききれないくらいです。

今回教えていただいた事を、日ごろのレッスンで、生徒のみなさんとそして自分自身の
音楽の勉強で活かしていきたいと思います。

「確信を持って音楽をする」と語ってくださった菊地先生の音楽に対する姿勢は、今後
音楽を学び続ける上で大変な刺激になり、音楽ができることの素晴らしさを再認識させて
いただける機会になりました。

菊地先生、本当にありがとうございました。

(Rep:ピティナ豊橋支部  加藤美菜子)

2014年4月14日

【実施レポ】2014コンペ課題曲セミナー(関本昌平先生)

2014年3月21日に行われた関本昌平先生の「2014コンペ課題曲セミナー」を受講しました。祝日の開催ということもあってか、講師だけでなく、コンペティションに参加予定であろう小学生とその保護者の方の参加がみられました。注目の高さがうかがえます。

先生の紹介の後、セミナーは早速C級の楽曲解説から始まりましたが、関本先生は、曲の分析の仕方、時代背景、解釈の仕方、そこからどう音楽を作っていくか、演奏を交えながらとても丁寧に解説してくださり、私達受講者はうなずきながらメモを取っているのですが、新しい楽譜がメモだらけになるくらいのポイントの多さでした。中でも一つのフレーズを表現するにあたり、技術面のアプローチ、表現面のアプローチに加え、先生自身がコンペティションに参加されていたときの経験からくるアドバイスは大変重みがありました。生徒たちにも是非参考にしてもらいたいものばかりです。

熱心に解説と演奏をされていた先生ですが、技術などの説明をするときに具体的に歌ってみたり、手を動かすことはもちろん、立ち上がってみたり、私達にわかりやすく(小学生がいたからかもしれませんが、)説明されていたのと同時に、先生のユーモアあふれる話術が時折笑いを誘い、和やかにセミナーが進行していたのは少々の驚き・・・。

課題曲セミナーというと、一生懸命話しを聞き、必死にメモを取るイメージですが、今回も、メモは必死にとっているのですが、同時に笑っていたりしていて、今までのセミナーとは印象が違うのです。「楽しかった」というのでしょうか。「これもやらなきゃ、あれも、それも」という捉え方ではなく、「こんなふうにできる、あんなふうにも」というプラスな捉え方ができたと思います。このようなセミナーもあるのだなぁ、自分も生徒にそうしう捉え方をしてほしいなあ、と思いました。

このように和やかな雰囲気の中で、ユーモアあふれる解説を聞いていたからか、時間がたつのもあっという間で充実した時間を送ることができました。関本先生、ありがとうございました。

(Rep:ピティナ豊橋支部 安藤佳世子)

2016年4月21日

【実施レポ】2016年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー(関本昌平先生)

160317sekimoto1.jpg 3月17日、豊川市オリエント楽器店 本店 オリエントホールにて、関本昌平先生による「2016年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー」が開催されました。

2時間という限られた時間でしたが、参加者からの要望が多いという近現代を中心に、A2からD級までの課題曲を、先生の素晴らしい演奏と共に紹介して下さいました。 例えばA2級のかわいらしい小品も、関本先生の手にかかると、途端に曲の世界が広がり、参加者も思わずうっとり。

160317sekimoto2.jpg 特にプロコフィエフの作品に関して、他の作曲家との表現方法の違いを分かりやすく、やはり圧倒的な演奏と共に解説して下さったのが印象的でした。

セミナーということを忘れてしまうような、音楽にあふれた素晴らしい2時間でした。
ありがとうございました。

Rep: 岡本たか子(豊橋支部指導会員)

2017年9月11日

【実施レポ】レッスンにすぐに役立つ 鍵盤ハーモニカの活用方法講座(松田昌先生)

22017年8月20日(日)オリエント楽器豊川店2F オリエントホールにて松田昌先生をお招きし、「レッスンにすぐに役立つ 鍵盤ハーモニカの活用方法講座」という題で講座が開催されました。
鍵盤ハーモニカは誰にでも簡単に音が出せますが、繊細な表情をつける事によって素晴らしい表現力を持った「管楽器」に変身します、とおっしゃるマサ先生のお話通り、講座開始早々の先生のリベルタンゴは衝撃的でした。私の知っている鍵盤ハーモ二力とはあまりにもかけ離れた美し<て柔らかい音色、リズミカルで楽しげな先生の演奏に、ぐいぐいと引き込まれていきました。

鍵盤ハーモ二力持参で、実際に音を出しながらのセミナーは、腹式呼吸やロングトーン、 タンギングの仕方など、まさに管楽器の基礎練習から、先生の編曲された曲集を使っての合奏まで、盛りだくさんでした。
ロの形を変えたりタンギングの仕方を変えたりすることで、 鋭いリズムや柔らかい音を出す・・・管楽器なら普通の事ですが、鍵盤ハーモニカでこんな風に演奏するなんて考えた事がなかったので、すごく新鮮で興味深かったです。

2ただ、どうやってもこうやっても先生の吹かれる管楽器のような音色にはほど遠<、うすっぺらい、 がっかりな音しか出ませんでした。 ピアノのレッスンで取り入れるなら、もう少し練習して上手<ならないとな...と思いつつ、いつか子ども(特に低学年の子など)と合奏できたら楽しそうだし、喜ぶかもしれないな、と考えています。
また、先生に指導していただいたことは、実はピアノのタッチに置き換えて考える事もできるんじゃないかな...などと、セミナー中に勝手に解釈しながら、私的にはとても参考になりました。
マサ先生の笑いを交えた楽しいお話と、解説付きの実技レッスン、先生の感動の演奏で あっという間の2時間でした。ありがとうございました。

Rep:豊橋支部  荻山伸江

2018年2月26日

基礎的な耳の作り方と頭の使い方

2018年2月1日オリエント楽器2Fホールにて、奥村真先生のセミナー「基礎的な耳の作り方と頭の使い方」が開催されました。よい耳を持つこと、そのためにはどうすればよいのか、私も含め多くの人が興味のある内容で当日の会場にはたくさんの受講者が来ていました。

冒頭、先生ご自身の幼少期の様子を交えながら耳をつくることの大切さをお話くださり温かい雰囲気でセミナーがスタートしました。 奥村先生がレッスンで目指していることは、自立であるというお話にとても共感しました。自立とは、生徒さん達がいずれ自分の力で練習方法を見出したり、想像力をはたらかせて演奏表現ができるようになることであり、そのための耳の作り方、頭の使い方へとお話が進んでいきました。

耳をつくるアプローチとして、美しいレガートのスケールをつくることが出てきました。単音を歌い、その声を手本に単音を弾き、その単音を手本に2音フレーズ、5音からスケールへと広げていく過程には、自分の出した声や音をお手本にするということが常にあり、「聴く」こと、自分が出したい音を頭の中にイメージすることを自然と意識できるよう促され、自分のレッスンでも取り組んでみたいと思いました。

ついつい指導者側としては指使いの訓練、子どもたちにとっては正確に速く弾くことが目標になってしまいがちなスケール練習ですが、このように丁寧な耳のやりとりをしながら進めていくことが曲を弾くときの助けになるのではと思いました。

耳をつくるもう一つのアプローチとして縦の響きを聴くということも音を交えて実践してくだいました。その 中で音域によってベストなバランスが違うことを先生の出している音を聴くことで実感しました。日頃自分自身があまり意識していなかったことで、よい気づきとなりました。
そのほかにも、右手と比べて意識が向きづらい左手と脳の関わり、インヴェンションを使ったニ声の聴き方などわかりやすく、興味深いお話をたくさんしてくださり、あっという間の2時間でした。奥村先生、本当にありがとうございました。

Rep:豊橋支部 所属指導会員 森部奈美子

2018年7月17日

作品の時代によって"音色を変える"とは?

2018年7月8日(日)にオリエントホール(オリエント楽器豊川店2F)にて関本 昌平先生をお招きし、「作品の時代によって"音色を変える"とは?」を開催いたしました。

今回の講座では、主に古典期のソナタを作曲家別に取り上げ、その人物像や作品の特徴・奏法などを、演奏を交えながら分かりやすく講義していただき、後半には、ショパンエチュードを学ぶための、導入・基礎についてもお話しくださいました。
まず取り上げたのは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの3名です。弾き分けるには、それぞれの作品にみられる特徴や必要な奏法、作曲家の性格や当時の楽器事情について、などの知識を得ることが必要でした。例えば、ハイドンは、冷静な人物でしたが、ユーモアもあり、規則正しい性格をしていました。そんな彼の性格が音楽にも反映されている為、テンポとリズムが大切なのだと仰いました。実演を交えての説明には説得力があり、「なるほど。確かにそうだ。」と受講者の皆さんも頷いておられました。とりわけ興味を惹かれたのは、左右でキャラクター性が違うという点でした。左右で性格の違うキャラクターを想像し、時には、アドリブで台詞も付けつつ掛け合いをする様は、とても楽しそうで、聴こえてくる音に命が吹き込まれていくように感じました。関本先生のユーモアとセンスに、会場からも自然と笑いが込み上げ、一層、受講者を講義に引き込んでいきました。

和やかな雰囲気で講座は進んでいきましたが、その中で関本先生が度々取り上げられたのは、「離鍵」についてでした。モーツァルトではスケールが多用されていますが、その下行形では離鍵を素早くすることで、コロコロと転がるような軽やかさが出るのだとか。そして薬指は動きにくい為、離鍵も遅くなりがちで、今回は、その為にご自身がされているトレーニング方法もご紹介くださいました。
ショパンエチュードのご説明の中で印象に残っているのは、Op.25-1を演奏する上で用いる回転が、内回りか外回りかで、受け取る印象が大きく変わることでした。そしてアウフタクトの始めの1音の重要性も、分かっていたつもりではありましたが、「自分が表現したい世界を詰め込む」「聴衆を惹きこむ」のだと言われ、もっともっと、その1音に込める思いが必要なのだと実感しました。

関本先生の講座では、毎回、「即実践で使いたい!」「生徒だけでなく自分自身の演奏にも活かしたい!」と思わせてくれます。そして素晴らしい実演は、何よりも説得力がありました。関本先生、ありがとうございました。

Rep:(株)オリエント楽器所属ピアノ科講師 中井志穂子

2019年4月18日

【セミナー実施レポート】2019年度コンペ課題曲企画課題曲セミナー(関本昌平先生)

2019年3月26日(火)にオリエントホール(オリエント楽器豊川店2F)にて関本 昌平先生をお招きし、「2019年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー」を開催いたしました。

A1級からC級までの全曲、D級の近現代の指導法や、時代ごとの弾き分け・特徴・演奏方法等を関本先生の素晴らしい演奏とともに、分かりやすく解説して頂きました。ここ数年、関本先生にお越しいただいており、始まる前から、毎年楽しみにしているんです、と語る受講者の方が多数いらっしゃる、とても人気のセミナーです。

拍子感を出すためにはどこに注目したら良いのか、時代・曲調によって鍵盤に対する指の角度や触れる面積を変化させることによる音色に変化等の細かい解説を、「さっきの弾き方でこれを弾くと・・・」などと、実際に色々なパターンで同じ曲を弾いて下さり、押さえるポイントが分かりやすく、より理解が深まりました。講座の中で特に心に残っているのは、「自然に」という表現を多くされていたことです。解説を聞く中で「自然」な音楽に聴こえることの難しさを改めて感じたのですが、テンポの決め方、ルバートのかけ方、曲中のこの音を聴けるようになると良い、等、指導するにあたっての留意点を丁寧に教えて下さり、すぐに生徒に伝えたい、と思うことが盛り沢山でした。

関本先生の柔らかい語り方と、注意点の説明の時に時折混ぜられるユーモアで笑いも起こり、終始和やかな雰囲気でした。「この曲は、この曲に似ているよね」と時々別の曲を弾いて下さるのですが、皆さんメモを取る手が止まって一斉に顔が上がるほど、素晴らしい演奏も挟んで下さって、気がついたら終了時間、というくらい楽しい講座でした。

Rep:伊藤 綾香


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