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作品の時代によって"音色を変える"とは?

2018年7月8日(日)にオリエントホール(オリエント楽器豊川店2F)にて関本 昌平先生をお招きし、「作品の時代によって"音色を変える"とは?」を開催いたしました。

今回の講座では、主に古典期のソナタを作曲家別に取り上げ、その人物像や作品の特徴・奏法などを、演奏を交えながら分かりやすく講義していただき、後半には、ショパンエチュードを学ぶための、導入・基礎についてもお話しくださいました。
まず取り上げたのは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの3名です。弾き分けるには、それぞれの作品にみられる特徴や必要な奏法、作曲家の性格や当時の楽器事情について、などの知識を得ることが必要でした。例えば、ハイドンは、冷静な人物でしたが、ユーモアもあり、規則正しい性格をしていました。そんな彼の性格が音楽にも反映されている為、テンポとリズムが大切なのだと仰いました。実演を交えての説明には説得力があり、「なるほど。確かにそうだ。」と受講者の皆さんも頷いておられました。とりわけ興味を惹かれたのは、左右でキャラクター性が違うという点でした。左右で性格の違うキャラクターを想像し、時には、アドリブで台詞も付けつつ掛け合いをする様は、とても楽しそうで、聴こえてくる音に命が吹き込まれていくように感じました。関本先生のユーモアとセンスに、会場からも自然と笑いが込み上げ、一層、受講者を講義に引き込んでいきました。

和やかな雰囲気で講座は進んでいきましたが、その中で関本先生が度々取り上げられたのは、「離鍵」についてでした。モーツァルトではスケールが多用されていますが、その下行形では離鍵を素早くすることで、コロコロと転がるような軽やかさが出るのだとか。そして薬指は動きにくい為、離鍵も遅くなりがちで、今回は、その為にご自身がされているトレーニング方法もご紹介くださいました。
ショパンエチュードのご説明の中で印象に残っているのは、Op.25-1を演奏する上で用いる回転が、内回りか外回りかで、受け取る印象が大きく変わることでした。そしてアウフタクトの始めの1音の重要性も、分かっていたつもりではありましたが、「自分が表現したい世界を詰め込む」「聴衆を惹きこむ」のだと言われ、もっともっと、その1音に込める思いが必要なのだと実感しました。

関本先生の講座では、毎回、「即実践で使いたい!」「生徒だけでなく自分自身の演奏にも活かしたい!」と思わせてくれます。そして素晴らしい実演は、何よりも説得力がありました。関本先生、ありがとうございました。

Rep:(株)オリエント楽器所属ピアノ科講師 中井志穂子

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