2019年 9月7日(土) 和幸楽器熊谷店ホールに於きまして、ピアノデュオ ドゥオール(藤井隆史先生、白水芳江先生)をお招きし開催されました。
ピアノ指導者だけでなく、小さな生徒さんから大人のピアノ愛好者や親御さんで満員になった会場に、鮮やかなブルーのドレスに身をまとった白水先生、そして貴公子のような凛とした姿で現れた藤井先生、オープニングの「美しき青きドナウ」を演奏してくださいました。涼し気な美しいドナウの水面、また源流から太く雄大なドナウの流れを想像させる多彩な音色の演奏に、会場の皆さんが一気にドォオールの先生方の演奏に惹きつけられました。

次に演奏されたグリーグのペールギュント組曲の、「朝」、「アニトラの踊り」では、世界地図を用いて、作曲者の生まれた国や曲の解説をしてくださいました。「朝」ではどんな場面の朝であるのか、何時くらいの朝か、など演奏をしながら解説をしてくださり、ピアノの音が先生方のお話により、頭の中でその場面が再現されるような感覚にとらわれました。

また、「アニトラの踊り」では、仕事嫌いで道楽者、女を騙すことばかり考えているペールギュントと、酋長の娘で怪しく魅惑的なアニトラの話を二人の絶妙なやり取りでユーモアたっぷりにお話され、会場中が笑いの渦に包まれました。
次は会場に来られた生徒さんにも弾くことができる、これまでのピティナのコンペティションの課題曲を用いての解説をしてくださいました。音数の少ない曲を取り上げられた際、例えば片手では弾かず両手を使ってそれぞれの音のバランスをよりクリアに表現する、また両手ユニゾンで演奏する箇所では、部分部分で右手と左手のバランスを変えていくことが大事であるなど、本格的な連弾の妙技を生徒さんから指導者まで皆さんが理解しやすい説明で解説してくださいました。

小学生3組のレッスンでは、小学1年生の初めての連弾にも、各々の音のバランスやフレーズの歌い方など、本格的な演奏を求められ、細かく分かりやすいレッスンに連弾初心者の生徒さんの演奏もみるみる変化していきました。「ハンガリー舞曲」では、ロマ族の話を交え、先生方がそれぞれのパートを交代し、生徒さんの内なるものを引き出す場面もあり、ハンガリー舞曲の奥深さを知るとともに、大変聴き応えのあるレッスンでした。

セミナー最後のスメタナ作曲の「モルダウ」では、スメタナがチェコからアメリカに渡った経緯や、チェコで大変尊敬されているスメタナの半生、またモルダウ川(ヴルダヴァ川)がチェコの水源から雪解け水が集まっていく様子、川は森を抜けやがて村の結婚式の傍を通り、徐々に水量が増えやがてエルベ川に合流する・・とピアノを弾きながら解説してくださいました。
最後の通しの演奏では、目の前にヨーロッパに流れるモルダウ川を想像できるような、一音一音に魂の込められた時に繊細で時に軽快に、そしてフィナーレの壮大な演奏に会場中が感動の渦に包まれました。
お二人の説妙なやり取りの楽しいトークと素晴らしいのピアノ演奏であっという間の2時間でした。
ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
そして最後まで情熱的にセミナーをしてくださったドゥオールの藤井隆史先生と白水芳江先生に厚く感謝申し上げます。

(レッスン受講生との記念撮影) (CDを購入してくださった方へのサイン会)
報告者 竹渕香代子