ご挨拶
羽村でのステップ開催は今回で4回目となります。今回は54組のご参加があり、
そのうち14組がグランミューズの参加者です。お若い方から中高年まで、多彩な
方々が演奏して下さることには本当に幸せを感じます。
ステップで演奏すると発表会と同じように「人前で、ステージで、ホールで」
弾く体験ができますが、それだけでなくて、普段ご指導くださる先生以外の複数の
先生方から評価とご意見、感想をいただけます。普通にピアノを習っている皆様は
特に子供時代、何人の先生のご指導を受けられたでしょうか。
私の個人的体験ですが、15歳で高校に入学するまでに、実に6人の先生方に習い
ました。破門やトラブルはひとつもなくて、引っ越し、進学によるものです。
高校音楽科進学で7人目の先生になりました。今になって、この体験はかなり珍しい
ものであることに気づいたところです。表現する言葉やテクニックの流儀は違っても、
音楽に対する深い理解と愛情、ピアノ指導に当たっての真摯な姿勢はすべての先生が
同じでした。新しい先生に褒めていただくと、前の先生のご指導に感謝する気持ちが
湧いたのを思い出します。
入門から大人になるまで、ずっと一人の先生にご指導いただくことも、また別の
意味で非常に幸せなことです。しかし、学校の担任を例に出すまでもなく、別の見方
や考え方に基づく意見や評価を受けることは、成長のために欠かせません。ひとりの
先生から一貫した方針と人間的絆にもとづくご指導を受けつつも、時には異なる角度
からアドバイスを受けられる、このステップの場を大いに活用して、参加者が音楽への
理解や知識を深め、さらに素晴らしい演奏につなげていって欲しいと、切に思います。
2013年10月 羽村ステーション代表 萬 喜子
(当日のプログラムより)