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渡部由記子先生 課題曲公開レッスンを開催いたしました

5月らしい爽やかな一日となった、2018年5月20日(日)日比谷スタインウェイサロン松尾ホールにて、渡部由記子先生による
「第42回ピティナ・ピアノコンペティション課題曲公開レッスン」を開催致しました。


朝10時から夕方17時半まで、3部構成で、総勢25名の方がレッスンを受講されました。
昨年度より、すべての級において、どの部でも受講できることになりました。

以前よりお申込みがしやすくなったためか、課題曲が発表されて間もない3月6日にはレッスン受講が満席になり、受講を考えていたのにお申込みできなかった方には大変申し訳ございませんでした。


聴講生は延べ192名。すべての部で満席になった松尾ホールには、北海道、青森、山形、長野、静岡、京都、兵庫、高知、大分など、遠方からお越しの先生方もおいでになり、3部すべて聴講される通し券の方も定員の半数以上を占め、熱心な先生方で熱気にあふれた会場となりました。


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本年度は、A2級からC級までの受講生が各部にご参加されました。
お一人お一人の演奏に対し、まず良いところを褒め、それからさらに良くなる方法を教えてくださる渡部由記子先生のレッスンは具体的でわかりやすく、
実際に渡部先生が演奏してくださると、小さい生徒さんでもあっという間に素敵な表現方法や美しい音色を肌で感じ、最初の演奏とはまるで違ったものになっていく様子が何度も見られました。

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渡部由記子先生の「魔法のレッスン」を間近で見られる貴重な機会とあって、聴講生の皆様は真剣な眼差しで、熱心にメモを取る様子が印象的でした。


・pやf等の強弱記号は、音量というより「雰囲気を表す」と思ったほうが良い場合がある。
・強弱記号はほぼ「メロディー」について言っているので、伴奏の音量を考えなくてはいけない。
・フレーズの最後の音がこもらないように。
・演奏は「第一印象」がとても大事。「出だし」を大事に思ってほしい。
・音価が長い音は、それなりのタッチで弾く。
・バロック、クラシックの曲は特にメトロノームにしっかり合わせること。
・裏拍をいかに小さくするかを考えて。


など、よく弾けてはいるけれど、予選通過を目指すためにはどこをどう変えたら良いのだろう?という、聴講者全員が知りたい細やかなポイントを、的確に教えて下さいました。

「こんなふうに伝えれば生徒にも分かってもらえる!」というヒントが満載されたレッスンで、各部それぞれ2時間があっという間でした。

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課題曲それぞれに対して、聴講生のために一般的かつ普遍的な指導法を教えてくださるとともに、それぞれの受講生の個性にも合わせた指導をしてくださいました。
「あなたのここはもっとこうした方が良いわね」など、個人的な指導もたっぷりしてくださったので、受講生の皆様にとっても充実した時間だったようです。

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また、各部の終わりには、コンペ本番で気をつけることや、ピアノを弾くときの姿勢や指の指定席についてレクチャーしてくださいました。

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・姿勢を良くすること。猫背はダメ。姿勢が悪い人は傘などを背中に付けて練習することで矯正する。
・肘の角度は100〜110度にする。
・指の指定席が正しく出来れば、無駄な力がなくなって脱力が可能になる。
・舞台に登場してからピアノの椅子に座るまでに、いいなと思う人とそうでない人がいるので、舞台に出るときのマナーを大切にする。
・お辞儀の手は自然にする。胃が痛い人のようにならないで。


など、演奏だけでなく舞台に上がるときにとても大切なことを教えて下さいました。
この日のレッスンは録画されDVDに編集して、渡部由記子先生から受講生全員にプレゼントされました。

<聴講生の方の感想を一部ご紹介いたします>

◆それぞれの生徒さんの演奏を瞬時に判断・分析し、今の時点で最適な指導をされていることや、許容量を超えない要求の仕方など、とても勉強になりました。
課題曲の特徴や時代、作曲者のお国柄などを踏まえた楽曲の理解が必要であると、改めて感じました。

◆一昨年、昨年とご指導いただき、とても有意義なアドバイスを頂き、今年も楽しみにしておりました。
(先生のアドバイスどおりに「空気の精」を弾いて、おかげさまで全国に行くことができました。どうもありがとうございました。)
曲の中で、目的の音、核になる音、だいたい分かっているようで、よく理解できていなかった点を、具体的に教えていただき、とても参考になりました。
出すべき音をしっかり出すことにより、曲の印象がガラッと変わることが実感できて、とても勉強になりました。

◆「魔法のレッスン」と出会い、渡部先生のレッスンを是非聴講させていただきたいと思っていました。瞬時に良い点・改善点を判断し、それを受講生さんたちに伝わりやすい表現をされていて、スゴイ!!魔法だ!!と思いました。
「的確な判断」と「伝わる表現」が出来るよう、知識を増やし指導方法を学んでいきたいと思います。

◆つい、自分の知識を「説明」しがちになりますが、渡部先生が実際に弾いてくださることで、生徒さんも自身の演奏との違いを理解され、どんどん演奏が変わりました。言葉での説明とのバランスがとても勉強になりました。
また、「核になる音でのクレッシェンド」や演奏中における「音楽の呼吸」についてなど、自分が指導する上で足りない面にも多く気付かされ、「出したい音はどれで、どの音が非和声音なのか」などをしっかり分析し勉強しながら、指導に生かせるように研鑽したいと思っております。

◆一回目に弾かれた生徒さんが、先生に指導されたあとの演奏では見違えるように良くなるのがわかりました。
何気なく読んでいた楽譜を、もう一度先生がお話されたことを参考にさせていただき、レッスンしたいと思います。
すべての曲で先生が部分的に弾いてくださったので違いがよくわかりました。

◆いつもながら、みるみる短時間で演奏が変わっていき、ため息が出るようでした。
様々な要素を数字で示していただき本当に勉強になります。

◆レヴィの「メヌエット」は「ロマン」の課題曲なので、ロマン派風の演奏?と思っていましたが、「フランス風」が美しい!と感じました。目からウロコが落ちるとはこのことでした。
「つむぎ歌」は自分が子供の頃から慣れ親しんでいる曲ですが、冒頭のテーマは「こう弾くのか!」と今頃発見いたしました。
ご著書もたくさん所持しておりますが、今日また新しいことを教えていただきました。ありがとうございました。

◆渡部先生の指示の仕方がとても分かりやすかったです。なぜそのように弾くとよいのか、をきちんと説明している(子供にもわかる表現で)ので、納得できると思います。
また模範演奏も素晴らしく、生徒さんが弾いているときも常に歌っていらっしゃるので、より分かりやすいと思いました。
演奏する上で大切なことをたくさん教えていただき、有意義な公開レッスンでした。
子供には原典版ではないほうが良い。校訂版(例:ブゾーニ版)でBachの勉強をして、高校生くらいから使う。指の指定席、指の角度のお話も、大変参考になりました、ありがとうございました。

◆由記子先生のご指導が入ると、演奏が引き締まり、音楽がキラキラと輝き出すことに、毎回ですが驚きです。先生がピンポイントでおっしゃる音を、響かせたり抜いたりすることによって、こんなにもメリハリのある素敵な曲になるのかと感動しました。本当に魔法ですね!

◆『先生のご自宅の方へ生徒を連れていきたい』とさらに強く思いました。
先生が子供の背中をトントンとしていらっしゃいますが、それも出来るようになりたいと思いました。由記子先生は「たとえ話」がとてもユニークでいつも分かりやすく、『なるほど!!』と目からウロコです。

◎2018年のピティナ・ピアノコンペティションの課題曲のうち
A2級、B級、C級の課題曲が、それぞれ渡部 由記子先生のDVDに収録されています。


A2級 近現代 バスティン「幸せな魔女」
→ DVD「2009年度 A2・A1級 全曲」

B級 バロック L. モーツアルト「ポロネーズ」
B級 ロマン レヴィ「メヌエット」Op. 30-5
→ DVD「2009年度 B級 全曲」

C級 近現代 フォーレ「即興曲」Op. 84-5
→ DVD「2009年度 C級 全曲」

DVDは、渡部 由記子先生のウェブサイトのDVDページからご購入いただけます。
それぞれのDVDの詳細も、こちらのページをご覧ください。
https://www.yukiko-w.com/publication/dvd

※日比谷ゆめステーションでは、スタッフを募集しています。
 
入会の条件は1つだけ。
年に4日間行われるステップで、1年に1日はお手伝い出来る方。
日比谷ゆめステーションでは、20代から60代まで幅広く世代を超えてピアノ指導への情熱でつながっています。
 
現在70名あまりのスタッフが在籍しており、首都圏に限らず、どこにお住まいの方でも、いつでもどなたでも、日比谷ゆめステーションの入会を承っております(名古屋在住の先生もいらっしゃいます)。

詳しくはこちらをご覧ください。
 https://www.yukiko-w.com/teacher/hibiya_yume_station
 

(Rep. 日比谷ゆめステーション 本橋ゆき子)

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