セミナー アーカイブ

2014年11月 7日

【実施レポ】アナリーゼして弾こう! (秋山徹也先生)

141028鎌倉_秋山1.jpg2014年10月28日、鎌倉芸術館練習室にて【秋山徹也先生アナリーゼシリーズ第1回】「アナリーゼして弾こう」セミナーを開催いたしました。

この講座は、バッハインヴェンション&シンフォニアを題材に、各曲の構成とそれに相応の演奏を考察していくという興味深い内容です。連続講座として長期にわたる予定であるこの講座の初回は、申し込み受付開始後あっという間に定員になってしまい、キャンセル待ちになり参加できなかった方々には深くお詫び申し上げます。これからおよそ2ヶ月毎に予定しておりますが、次回はもっと広い会場になりますので、より多くの方が講座を受けられるかと思います。

今回は初回でしたので、フーガや対位法全般の考え方についての講義と、インヴェンション、シンフォニア各1番のアナリーゼをしていだだきました。ポイントをついた親切で適切な説明は、先生の謙虚なお人柄と音楽への真摯な姿勢で私達によく伝わり、あっという間の2時間でした。

141028鎌倉_秋山2.jpgインヴェンションとシンフォニアでは、譜面を追いながら、対位法に基づいてそれぞれの和声進行にどんな演奏がふさわしいかを分かり易くアナリーゼして下さいました。
数ある版についてもこれと決めつけず、原典版のよさ、編曲版のよさを合わせて読みとり、演奏法を考えるヒントにする事が大事である、曲のクライマックスは、強く弾くだけでなく逆もありうる、要はその和声の意味を分かって深い音で弾くことで伝わる等、対位法のお話も楽曲アナリーゼも、様々な時代の曲につながるような深い内容でした。

講座の後のランチ会では、参加者の方からこんな声も!
「近寄りがたい大先生だと思っていましたが、どんな質問にも親切に答えてくださり、とても気さくでいらして感激しました。お話できて光栄です!」

12月19日開催の第2回は、インヴェンション13番、シンフォニア6番、そしてこれからは応用編として、セミナー日程に近い時期に開催されるコンクールの課題曲から数曲アナリーゼしていただくことになり、次回はバッハコンクールの課題曲を予定しております。こちらもご期待ください。復習を交えながら丁寧に進めて下さいますので、今回参加を逃した方もどうぞ安心してご参加ください。第2回のお申込みはこちらから。

(Rep:ピティナかまくらの森ステーション 大山ナオコ)

2015年1月16日

【実施レポ】アナリーゼして弾こう!第2回(秋山徹也先生)

2014年12月19日、横浜市栄区民センターリリス音楽ルームにて【秋山徹也先生アナリーゼシリーズ第2回】を開催いたしました。バッハインヴェンション&シンフォニアを題材に、各曲の構成とそれに相応の演奏を考察していくという内容です。長期にわたる連続講座としての第2回目も、講座に対する関心と興味は深く、初回を上回る参加者数でした。

まず始めに20分ほど前回の復習としてフーガや対位法全般の考え方についての講義の後、インヴェンション13番、シンフォニア6番のアナリーゼをしていだだきました。インヴェンション13番はコンクールでもよく演奏される曲です。ゼクエンツが多く出てきますが、クライマックスに向かってテンションを上げていくか、嬉遊部として扱うか、また同じゼクエンツでもチェンバロの2段鍵盤として音色の違いを出す等、反復のブロック毎にどうやって変化をつけるか、様々な演奏法を考える上でとても参考になりました。そして、順次進行の多いなめらかな動きのシンフォニア6番と共に、フレーズ毎に細かく的確に解説して下さいました。

応用編としてはバッハコンクール課題曲から「プレリュード」(ツィボーリ)、「ポロネーズ」(L.モーツァルト)、「春」(W.F.バッハ)のアナリーゼ。こちらはシンプルな小曲とはいえ、意外なところに対位法の伏線があり、様々な解釈を考えることが出来ました。

ピアノ指導者の参加が多い中、興味深かったのは、子供がインヴェンションを弾くようになったけれど難しくて理解できないので、私も勉強したくて来ましたと遠方からご参加のお母様が何人かいらした事です。これからも続けたいとのことでした。またある指導者の方は、自分では分かっていてもなかなか生徒に理解できるように伝えられなかったが、これからは説得力のある指導ができますと喜んでいらっしゃいました。このように、ベテランの指導者から一般の方まで幅広く応えて下さる先生の講座はこれからもとても楽しみです。

1月27日(火)開催の第3回は、インヴェンション3番シンフォニア7番、そして応用編は、神奈川音楽コンクール課題曲より、クーラウのソナチネ2曲を予定しております。先生は復習を交えながら丁寧に進めて下さいますので、これまでの講座を逃した方も参加なさってみてはいかがでしょう。

(Rep:ピティナかまくらの森ステーション 大山ナオコ)

2015年3月25日

【実施レポ】アナリーゼして弾こう 第三回(秋山徹也先生)

2015年1月27日 横浜栄区民センターリリス音楽ルームにて 秋山徹也先生 アナリーゼシリーズ第三回「アナリーゼして弾こう」セミナーを開催いたしました。

楽曲の構造を考え、演奏に生かす方法を学ぶこのシリーズ
バッハ インベンション№3 シンフォニア№7 
クーラウ ソナチネop55?4第一楽章  op88?2第一楽章
今回は上記の4曲を取り上げての講義です。
前回同様、始めにフーガの構成と基本を復習としてお話をうかがった後、本題である楽曲を使ってのアナリーゼをしていただきました。

楽曲が持つ様々な構造を見つけ出した上で作曲家の意図を演奏において表現するためにはどのように色彩感やバランスを考え、クライマックスを作り上げていけばよいかなど沢山のヒントを私たち受講者に与え導いて下さいました。
そして、応用編はクーラウ特集。曲中で取り上げられたクーラウならではの作曲技法の工夫のお話は、とても興味深い内容でした。

今回初めて受講なさった方々からこんなご感想をいただきました。
※1回目から参加すればよかったと悔やまれます。
※15回終了まで、必ず受講します。
※先生のお言葉を書き取るだけで精一杯でしたが、とても密度が濃くて勉強になりました。
※あっという間の2時間でした。

次回は4月10日(金)。
インベンション№5・シンフォニア№11、
応用編:
ピティナコンペC級課題曲徹底分析!
♪チマローザ/ソナタ 第37番 変ホ長調
♪モーツァルト/ソナタ KV.283 第1楽章

(Rep:ピティナかまくらの森ステーション  勝&大山)

2015年11月11日

【実施レポ】アナリーゼして弾こう!バッハ「インベンション」と「シンフォニア」から(秋山徹也先生)

日時:2015年10月13日(火)10:00~12:00
場所:横浜市栄区民センターリリス音楽ルーム
講師:秋山徹也先生

『アナリーゼして弾こう!』
バッハ「インベンション」と「シンフォニア」から
~演奏と指導に役立てるために~

  • バッハ『インベンション2番・8番』『シンフォニア4番・5番』

今回は試験的に応用編をなくし、インベンション2曲シンフォニア2曲計4曲のアナリーゼが行われました。
インベンション2番はカノン、インベンション8番はカノンとフーガの二つを併せ持ち、シンフォニア4番は凝ったフーガ技法、そしてシンフォニア5番はおそらくリュートのための曲で、即興演奏や装飾音の練習のためではないかとのこと。
各曲とも、先生はいつものように淡々とした切り口で、綿密なアナリーゼをして下さいました。

特に印象的だったのは、弾き易くて人気のあるインベンション8番でした。
単純な構成だと思っていましたが、意外なことにこの曲はカノンとフーガのミックスで、ト短調に転調したところから展開、嬉遊を交えてどんどん新たに転調していく、そのゼクエンツの中に提示部を密かに織り込み、再現部に突入するという複雑な流れであるだけに、いくつもの変化のつけ方、演奏法を工夫できるという発見の醍醐味があることを教えてくださいました。

終了後先生を囲んでのランチ会では、2時間で4曲は大変かと思ったがメリハリのある曲目だったので集中力を持続できた、今後の講座はがっちりバッハ4曲で固めてもよい、バッハ以外にソナチネや小品を取り混ぜるのはどうか等、色々と貴重なご意見をいただくことができました。
講座も次回から後半に入りますが、バッハに集中して2×2の4曲ずつ4回で終了し、それから次の企画を考えることになりました。
ところでこの連続講座は去年10月からスタートして、今回で6回目となりました。 順番どおりではなく進行しておりますので、曲の整理をしてみたいと思います。

終了曲:
■インベンション:1. 2. 3. 5. 8. 13. 14
■シンフォニア: 1. 4. 5. 6. 7. 11. 13

次回の内容はこちら
《インベンション7番12番・シンフォニア2番10番》です。ご期待ください!
日時:12月11日(金) 10:00-12:00
場所:横浜市栄区民センターリリス音楽ルーム

(Rep:かまくらの森ステーション 大山)

2016年3月18日

【実施レポ】『アナリーゼして弾こう!』バッハ「インベンション」と「シンフォニア」から―演奏と指導に役立てるために―(秋山徹也先生)

2016年2月19日横浜市栄区民センターリリス音楽ルームにて、秋山徹也先生セミナー「 『アナリーゼして弾こう!』バッハ「インベンション」と「シンフォニア」から―演奏と指導に役立てるために―」を開催いたしました。
※バッハ「インベンション11番・15番」「シンフォニア3番・8番」

2毎回、講義の冒頭にフーガ技法全般についての説明があります。
またかと思われる方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
そして、1曲毎に小節単位での細かいアナリーゼが行われます。
そこでも、バッハ特有の同じパターンや進行の箇所では同様の説明となります。
ところが、その繰り返しがすごい事なのだと、分かってまいりました。
その時は理解したつもりでも、2ヶ月間が空くと薄れてしまいがちですが、毎回繰り返されることによって脳に刷り込まれるのです。
構成がよく理解できるので、8回目の講座を受講する頃には、生徒のレッスン時にデュナーミクやアーティキュレーションのアイデアをすぐに伝えられるようになりました。
また、指導の引き出しがこの連続講座により数段に増え、様々な楽曲への応用が簡単に出来るようになりました。

楽譜から読み取るという事が大事だと分かってはいるけれど、つい弾く事を優先して感覚で演奏しがちですが、 なんとなく...ではなくこんな和音進行だからとか、どんな調に転調しているか等、理論的に生徒に説明が出来た上でここはこう弾いてみては?と言える事が指導者にとって重要なことではないでしょうか。
今回のアナリーゼでは、特にインベンション11番、15番はかなり内面的に工夫があり、その細かい説明を書き取るのに楽譜が真っ黒になる程でした。
すぐれた作曲家は、統一した少ない素材を工夫して素晴らしい楽曲を作り上げるのだとおっしゃったのが、印象的でした。

さて全曲終了まで、残す講座はあと2回となりました。
次回の内容は《インベンション9番10番・シンフォニア12番14番》です。

※会場が変わりますので、ご注意ください。

第9回
日時:2016年4月22日(金) 10:00~12:00 
場所:鎌倉芸術館練習室1(JR大船駅より徒歩8分)
内容:インベンション9番10番・シンフォニア12番14番

◆最終回
日時:2016年6月3日(金) 10:00~12:00
場所:未定
内容:インベンション4番6番 シンフォニア9番15番

※翌日6月4日に、ピティナピアノステップ鎌倉地区を開催いたします。
アドバイザーは秋山先生他です。
こちらもふるってご参加ください。
◆ピティナピアノステップ鎌倉地区
日時:6月4日(土)
場所:鎌倉生涯学習センターホール(JR鎌倉駅より徒歩2分)

Rep:かまくらの森ステーション 大山ナオコ

2016年6月23日

【実施レポ】アナリーゼして弾こう! インヴェンション・シンフォニアから ―演奏と指導に役立てるために―Vol.10<最終回>(秋山徹也先生)

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2016年6月3日(金)横浜市栄区民センターリリス音楽ルームにて、秋山徹也先生をお迎えして、「アナリーゼして弾こう! インヴェンション・シンフォニアから ―演奏と指導に役立てるために―Vol.10<最終回>」を開催しました。

※バッハインベンション:4番6番  シンフォニア9番15番



2014年10月からスタートいたしましたインヴェンション&シンフォニアのアナリーゼも、今回で最後回、全曲達成となりました。
秋山先生、本当にお疲れ様でした!
そして、最後までやり遂げることができたのは、ステーションメンバーの先生がたをはじめ、参加して下さった方々のご協力と応援のおかげと大変感謝しております。


今回の講座は、いつものようにインヴェション2曲のアナリーゼの後、休憩を挟みシンフォニア2曲を終了いたしました。
そして最後に皆様の前で、秋山先生にかまくらの森ステーションより御礼の言葉を述べ、感謝を込めて鎌倉の思い出に鎌倉彫のセットをお渡しいたしました。
また1回も欠かさずご参加された緑川眞由美先生と加賀奈津子先生に10回継続皆勤賞としての記念品を差し上げた後、参加の皆様全員で記念写真を撮りました。
そしてランチ会では、苦労話や裏話なども交え、またぜひ先生の講座をやってほしいとのリクエストも多数あり、とても盛会でした。
先生の締めくくりのお言葉は、この30曲は1曲1曲が異なる内容なので非常に勉強になります、全曲それぞれの構成が理解できると、どんな曲にも応用できるのでぜひ活用してくださいとのことでした。


<アナリーゼ内容>
◆インヴェンション4番:
もっとも基本的な技法の曲で7番とよく似ています。11小節目から動きがありクライマックスを迎え終止、2部ではこれでもかと11から14小節までのフレーズが繰り返されます。 何度も同じフレーズが出てくるというのは、かなり展開的要素があるそうです。49小節目Ⅰ度で解決せずⅥ度に推移する意外性で結末を引き延ばすなどの工夫があります。

◆インヴェンション6番:
3部分構成で歯車の噛み合わせのように右左が動きます。両方共にテーマと考え同等に弾くとよいとのこと。 4小節目が3番目のテーマモチーフとして後で活躍します。2部では29小節目からホモフォニー的に左が和音で動きます。ナポリの和音でほろりとさせ、その後沈み込んでいき、再現部へと続きます。 ある意味で、この曲はソナタの原形とも言えるのではないか、9小節から属調として第2テーマになり、28小節目から展開部、そして再現部で主調のまま終止していると、興味深い事をおっしゃいました。

◆シンフォニア15番:
順番を変え、まず15番からのアナリーゼとなりました。この曲はインヴェンション6番とよく似ています。 両手とも6番のように同等です。おまけのように見えるけれど後で重要になるフレーズが、3小節目に出てきます。 2声体で動き、17小節目からやっと3声体としてはっきり出てくるので色を変えるとよいとのこと。そして25小節目に意外性があります。 6番のナポリと同様に、今度は3度が半音上がり響きががらりと変わります。 その後展開していき、テーマ再現。ところが左は閉じず5度で止まり、32小節目のクライマックスでは、半終止の代わりにこの曲集で唯一、?度の第3転回形が出てきて、7度とぶつかります。 バロック時代ではあまり使われない手法だそうです。

◆シンフォニア9番:
この曲は構成的にもっとも難易度の高い曲だそうです。遊びかないので抜く音がありません。また半音階を多用しています。4小節までに全部の音階が出てきます。 問いと答えに該当する部分は、そのブロック毎に変化をつけるとよいとのこと。 この曲は5部分で構成され、嬉遊部を交えどんどん転調していきます。主唱と応唱の複雑な絡みなど、先生の細部にわたる解説を聞くと、この曲を演奏するにはかなり深い洞察力と理解力が必要だと感じました。 まさに、最後を締めくくるのにふさわしい曲でした。

Rep:ピティナかまくらの森ステーション 大山ナオコ

2017年6月 9日

コンペ課題曲でスケールやアルペジオを自然に美しく弾くには?

ピティナかまくらの森ステーション1.JPG5月22日、鎌倉ギャラリーにて根津栄子先生によるセミナー「コンペ課題曲でスケールやアルペジオを自然に美しく弾くには?」が開催されました。

まず始めに、スケールやアルペジオ、アルベルティバスをきれいに弾くためのアイテムをたくさんお見せになり、使い方を説明してくださいました。 おもちゃのパールのネックレスは粒を揃えるために様々な種類があり、それを見せるとすぐにどんな音を出しているか生徒によく分かるという優れもの。脱力のための基本的な手の形の矯正のための積木の利用法や、親指の上下運動はピアノでしか使わないので、アルベルティバスのための1の指の上下運動は毎日やった方がよいとのお話もあり、薬の空き瓶にスーパーボールやビー玉を入れて可愛い音がするようにして手首トレモロの訓練に使うなど、子供が喜びそうな日頃のレッスンに役立つアイデアをたくさんいただきました。特に6大練習はなかなか生徒に言ってもやらないので、早速このサイコロを取り入れようと思いました。 1部分練習 2リズム変奏 3片手ずつ練習 4メトロノーム練習 5録音録画してみる 6ゆっくり暗譜

そういう基本的なお話を前提にして、コンペの課題曲の説明に入りました。 A1級からC級まで参加の皆様からのリクエスト24曲を、形式を踏まえ1曲1曲分かりやすくポイントについてお教えくださいました。転ばないためや出したい音のための指使いの工夫、手首スタッカートは上下2種類で訓練すること、付点を大切にするために譜面の付点を丸で囲む、鉛筆タッチについて等、コンペだけでなく通常の指導にも大変役立つたくさんのご提案がありました。
ピティナかまくらの森ステーション2.JPGまとめとして、どの曲にもスケールがあること、アルベルティバス、カデンツを意識すること。また小さい時から楽曲分析に慣れることも必要、そして指の独立の訓練がとても大事だということをお話になりました。最後に参加者の皆様にアイテムを自由に手にとらせてくださり、時間が過ぎているにもかかわらず、笑顔を絶やさず個々の質問にも丁寧に答えてくださいました。
ピティナかまくらの森ステーション3.JPG

2018年6月 6日

2018年度 ピティナ・ピアノコンペティション 課題曲セミナー -より豊かな表現をするために-

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2018年5月21日(月)9:30-11:30 鎌倉芸術館 集会室にて、田村響先生のセミナー「ピティナピアノコンペティション 課題曲セミナー -より豊かな表現をするために- 」というタイトルで、セミナーが開催されました。

会場の都合で朝早いスタートになりましたが、各地から大勢お集まりくださいました。田村先生には前日終日鎌倉地区ステップでアドバイザー、トークコンサートをしていただいたので、2日連続の朝早きでお疲れになったことと思います。

課題曲A1-C級まで、リクエストの多かった曲を全部で30曲、短い時間の中、要所々でタッチや体の使い方、練習の仕方などを分かり易く教えてくださいました。 普通の弾き方と先生なりの弾き方、2パターンを比較できるよう演奏してくださいましたが、同じ曲なのにあまりに違う音の豊かさ、響きの美しさに参加者の皆様、聞き惚れていました。


アウフタクトは、拍子の1拍目にアクセントがつかないようにとか、和音の中でメロディを感じるようになど、私たちもよく言う事ですが、それをどうしたらよいかを実際に音とタッチで表現してくださり、それも極上の音色で、生で間近で聴けるなんてどんなに幸せな事だったでしょうか。

同じような音型のフレーズは、ここは頭の上で鳴っているように、次は少し下の方でなど、自分なりのイメージをつくるには、体の内の反応が音に直結するように普段から感情表現を豊かにできるように工夫するとよいとおっしゃり、それもまた、実際に豊かな音で示してくださいました。


まとめとしては、スタッカート、ノンレガート、速い曲などキャラクターに関係なくどんな曲もまずは、要素ごとにひも解いて、拡大鏡で見るようにゆっくりと、レガートで弾いてみる事が豊かな表現につながるではないかとおっしゃっていました。 あっという間に終了時間となりましたが、時間を延長してくださりなんとか全部終了することができました。

コンペ曲を題材にしましたが、どんな曲にもつながる内容でしたので、今回受講されたかたはこの講座を永久保存版になさることでしょう。 全てに誠実で、真摯に音楽に向かい合っていらっしゃる姿勢、演奏会とは違い、生で先生のお話を聞くことができて、ひょうきんなところもおありで気さくでステキな田村先生の魅力に皆とりこになり、大きな拍手が鳴りやみませんでした。

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★受講された指導者の感想★
「田村先生の美しい音と演奏は、とても生徒たちが弾いている曲とは思えず、ため息ばかりでした。お話もわかりやすかったです。」
「大変美しい音で演奏してくださり小さな子供達の曲もコンサートで弾かれる曲のようで、曲に対する印象を新たにすることができました。」
「先生の「A1級からの基礎がとても大切でそれが他の級につながる」というお話が印象的でした。」
「学習者の成長に少しでも良い肥料を与えてあげられるよう、先生の講座がまたあればぜひ伺い勉強させていただきたいです。」
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