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2008年1月18日

大人のためのクリスマスコンサート

大人のためのクリスマスコンサートVol.5レポート

20071223(祝・日)Conservatorychez Mozart(シェモザー)

 
毎年大好評をいただき、今年5周年を迎えた「大人のためのクリスマスコンサート」。プロもアマチュアも音楽を人生の共としてエンジョイしている大人だけの交流コンサートです。

今年のクリスマスツリーのテーマカラーは、紫をベースに、ワインレッドとグレーを配しシックな大人のカラーを演出しました。

 

今年は5周年記念ということで、新しい出演者を地元の情報誌で公募いたしました。10組の出演者で、ガーシュインで華やかなオープニングを飾ってくださったピアノの先生や中学校の英語の先生をなさっている声楽の方、音大生のサキソフォンなど様々で、やはり20代の学生さんから60代まで、しかも男女バランスよくまさに交流コンサートにふさわしい顔ぶれでした。また、今年は来る3月にステーションのスタッフでもある作曲家の安藤久美先生脚本、作詞、作曲の歌ものがたり「中将姫」のコンサートを葛城市主催の音楽祭として市に取り上げていただき、初演できる運びとなりました。そのハイライトシーンの一部をゲストによる二重唱で、弦楽四重奏とフルート、ピアノによる伴奏に乗り、オリジナルの形で演奏披露していただきました。一遍の楽譜が音となり空間に飛び出す瞬間は、とても愛おしく感動的なものでした。

演奏会後のティーパーティーでは、英国式ハイティーパーティーと洒落込み、数種類のお菓子と共に、ほんの少しのワインも楽しんでいただきました。またそのティーパーティーの中では、安藤先生作曲のシャンソンを歌ってくださったり、最初の年からずっと毎年ご出演くださっているお二人(藤田和嗣さんと汐見明美さん)5回継続表彰式も行いました。

今回もまた、素晴らしい人々や演奏に出会うことができ、心豊かな温かいひとときを過ごすことができました。この5年間陰で支えてくださいましたステーションの先生始め、多くの皆様に心より感謝申し上げます。

 

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2008年10月 8日

JOMへ ようこそ! そして、お帰りなさい!

「おかえり~!」私は、思わずそう言って彼を迎えた。3年前、この奈良JOMが産声を上げた年、受講生として参加し、昨年は、宿泊聴講生としてJOMに帰って来てくれたK君。
もう少年ではなく、すっかり青年になっていた。そしてその冬、ドイツに留学するという昨年の受講生R子さんが、壮行演奏会に呼んでくれ、一段と綺麗になった彼女に久しぶりに会い、成長した演奏を聴かせてもらった。「嬉しくて思わず、一美ママ!と呼びそうになりました。」とドイツから元気そうな頼もしいお便りをくれた。こうして毎年、私には子供達が増えていく・・・
 あるコンサート会場で、「今年もJOMの聴講に来てくださいね!一緒に行きましょうね!今年は皆勤しましょうとスタッフ皆で話してるのよ!」とステーションの先生が声を掛けてくださっている姿が目に飛び込んで来た。すると、ある先生が「ええ、毎年 夏が楽しみになりました!」と、笑顔で答えて下さっていた。

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中日にはマイクロバスで聖徳太子の都、飛鳥へ社会見学に出かけました。飛鳥資料館を見学し、古墳、石舞台を拝観しました。その当時の朝廷人が食べたと言われる古代食も味わいました。

 確かに、JOMの感動は、受講生にも聴講生にもスタッフにも大きな輪となっていると思うと嬉しくてたまらなく、感謝の気持ちで心がいっぱいになる。そんな素晴らしい宝物を与えてくださった田崎先生の芸術への懐の深さに改めて敬意を表し、私達はその本物をしっかり伝えて行く伝道師とならなければいけないと改めて使命を感じている。
 「ステーション」とは、「駅」のこと。出発するところであり、戻って来るところ。ピアニストの卵たちが夢と希望を抱き、大きな世界へと羽ばたいてくれることを願いながら、成長した姿でまた帰って来てくれるホームでありたいと思う。
 (2008年8月 岡田 一美)

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最後の夜は、シェモザーの庭でバーベキューパーティーです。この日だけは、受講生が自分達で焼き、スタッフはゲストです。
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バーベキューの夜、自分達が悩んでること、最近のニュースで気になった ことなど・・・色んなテーマで話合い、皆の心が開かれて行きます。
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5日間の成果を披露するファイナルコンサートです。初日のオープニングコンサートと同じ曲とは思えない素晴らしい成長ぶり です。
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最後に田崎先生より心温まる、感動的なメッセージを頂きました。
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受講生と一緒に。真ん中が田崎先生。私は、受講生達に嬉しいメッセージがいっぱい詰まった色紙を頂きました。
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連日聴講しながらお手伝い下さったステーションの先生方と厨房をお手伝い下さったスタッフの皆さんと。暑い中、大変ながらも、和気藹々の楽しい5日間でした。

Young Pianists(受講生)

Aグループ 
寺尾 鞠花(中2)プロコフィエフ:バレエ「ロミオとジュリエット」より
佐野 良太(高2)ショパン:スケルツォ№2
住廣 美沙都(高3)ショパン:スケルツォ№4
柴田 晴菜(大4)リスト:バラード№2

Bグループ
植平 杏奈(中3)ショパン:バラード№1
青木 ゆり(高2)ショパン:幻想曲op.49
西岡 沙樹(高2)ブラームス:8つの小品op.76より №1・5・8
松本 夏美(大4)ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲op.42

賛助出演
岡田 真季(パリ国立地方音楽院最高課程卒業)バルトーク:ソナタ

2009年3月23日

葛城市音楽祭「歌ものがたり中将姫」大成功!
・・ステーションが結びつけた地域と音楽 夢は大きく世界を目指す

2008年3月20日、奈良県葛城市マルベリーホールにて、葛城市音楽祭のメイン事業として「歌ものがたり・中将姫」の初演公演が行われました。

葛城市の古刹、當麻寺に伝わる中将姫伝説をもとに、当ステーションのスタッフでもある安藤久美先生が、脚本、作詞、作曲を書き下ろした大作で、葛城市ゆかりの音楽家や市民合唱団など多くの市民が参加しての公演は、おかげ様で多数のご来聴と大きな反響を頂戴し、大きな感動と拍手の中で幕を閉じました。

地域に根ざしつつ世界に発信できる音楽を作ろうと、当ステーションも発足当初からこのプロジェクトに関わってきただけに、公演の大成功は何よりの喜びです。

さらに2009年5月、この中将姫公演で弦楽カルテットを担当したメンバーが中心となって「かつらぎチェンバーオーケストラ」が結成される事となり、地域の音楽文化発展のため今後の活躍が大いに期待されています。

今春、市民の声に応え「オペラ・新中将姫を作る会」も発足しました。2010年平城京遷都1300年祭協賛事業として中将姫の再演を計画中です。市内だけでなくいつかは全国、海外にも発信することをめざし、当ステーションも引き続き協力していきます。乞うご期待!

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葛城市新庄文化会館(マルベリーホール)の入り口
芸術文化振興基金助成事業として、国からも助成金をいただきました。

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楽器演奏者(弦楽四重奏とフルートのメンバー)指揮者の増井三朗先生とメインキャストの皆さん
フィナーレ 4、5メートル×4、5メートルの大曼荼羅をバックに出演者全員が大合唱して幕を閉じました

2009年12月11日

学校クラスコンサートレポート(10/19:葛城市立磐城小学校)

katsuragi_ohanashi.jpg関西初となった当かつらぎステーション主催の学校クラスコンサートは、今年で7回目となったピアノステップの翌日、アドバイザーとしてお迎えしたデュオ「ドゥオール」のお二人(藤井隆史先生、白水芳枝先生)によるものでした。 

早朝、1時間目より訪ね、リハーサルの後、2時間目から4年生3クラスを対象に3公演して頂きました。

市長さんや教育長さんなど多くの来賓の方々に見守られる中、まずは連弾による華やかで軽やかな、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲から始まりました。オペラについて子供達に分かりやすい説明の後、プログラムの裏表紙に載せられた世界地図を見ながら、ドイツ、オーストリア、ハンガリーへと興味をそそられ、ブラームスのハンガリー舞曲第5番。私の中では、ブダペストの街の情景と共にオーケストラが聞こえていました。 その後、それぞれのソロで、リストの「ため息」、ドビュッシーの「花火」、フランスへと音楽の旅は続きます。ここでは、(ため息とは、むしろ憧れのような・・・とか、花火は、内面的で繊細な感じ・・・とか)子供達に分かりやすい言葉で、曲に付けられたタイトルのイメージを膨らませた後、聴かせることにより、漠然としたものではなく、具体的で焦点がはっきりし、例え子供達にはまだ聴いたことのない曲も親しみを持って伝わるように思いました。

katsuragi_enso.jpgそして、気分を換え、藤井先生が「これで僕達の自己紹介は終ったから、今度は君達が音楽で自己紹介してね!」と、グッと皆を近づける言葉に、児童達はサッサと教科書を取り出し、お二人の軽快な伴奏に乗り、「ともだちシンドバッド」を元気よく声高らかに歌ってくれました。

続いて、しっとりと美しい伴奏に乗り「オーラリー」では、2部に分かれてリコーダーを気持ちよく演奏してくれたのが微笑ましく印象的でした。この時は、市長さんも校長先生も大人たち誰もが、あどけない純粋な子供達の姿に始終にこやかに見守ってらっしゃるのが感動的でした。  

ぐいぐい聴衆との距離も縮まったあと、今度はアメリカへ飛びます。クラムの「天界の力学」という内部演奏を用いた現代曲。天体へと興味を抱かせ、まるで教室のピアノが雄大な宇宙のステーションであるかのような想像力に満ちた迫力ある演奏で、ピアノという楽器に対する新しい発見や可能性を感じながら、皆が始終目を丸くし見入っていました。

katsuragi_jido.jpg最後は、ジャズの発祥の地、やはりアメリカの作曲家ガーシュインの3つのプレリュードより1番を乗りよく、カッコよく、締め括られました。ジャスト45分、まさにお見事なプレゼンテーションです。お二人の演奏は、どの曲も息がピッタリでバランスよく、それでいて自由で、しかも聴き手と一緒に呼吸ができるんです。サッカー選手もいいけれど、ピアニストもカッコいいな!と思った男の子もきっといたかもしれません。

お二人は演奏だけではなく、トークやそこに込められたメッセージは、大変素晴らしく、これから色んな可能性がいっぱいある子供達の、何事にも「頑張る心」を応援するものであって、それはまた、忘れかけていた私達大人の胸にもしっかり響くものでありました。
このような感動をこれからもできるだけ多くの子供達に届けられることを心より願っています。

♪この事業は平成21年度郵便事業株式会社年賀寄付金の助成を受けて実施いたしました。

2010年12月 2日

2010橿原ステップ開催レポート

 2010年10月31日、奈良県の橿原文化会館 小ホールにて行われた、橿原地区のPTNAステップのレポートです。

橿原ステップ

橿原ステップ

橿原ステップ

橿原ステップ

橿原ステップ

 あいにくの雨にもかかわらず、朝からたくさんのリトル・ピアニストたちがご父兄の手に引かれてやってきました。みなさんそれぞれ思い思いのおめかしをして、緊張の舞台へ上がります。第三者から見れば1分足らずの曲でも、演奏する本人や先生、ご父兄の方にとっては、このために長い月日をかけてがんばってきた証です。コンクールではなく、日々の歩みを披露し、その励みとなるように、というステップの開催理念に沿って、それぞれの演奏前に演奏者自身のコメントが読みあげられます。日々の練習で苦労しているところ、楽しんでいるところ、特にアドヴァイスをしてほしいところ...など、中には本人の意思と裏腹に聴衆の笑いを誘うようなコメントもあり、和気あいあいとした雰囲気で進んで行きました。

また橿原地区では数年前から、小さいうちから他の楽器とのアンサンブルをすることによって、聴く力を身につけてほしいという願いのもと、ヴァイオリンをはじめとする旋律楽器と一緒に弾く室内楽ステージも同時にエントリーできるようにしています。既存の室内楽の作品だけでなく、普段練習しているバイエルやブルグミュラーの曲にオブリガートとしての旋律が加わった編曲の楽譜も出版されています。

これまでにヴァイオリンに加えてコントラバスやチェロの奏者をゲストとして招き、いつもの音楽が一層イメージ豊かになるのを聴き、ピアノを旋律楽器のように歌わせるにはどうすればいいか、また伴奏の役目に回った時にはどんな風に旋律を聴けばいいか、楽しみながら学んでいます。今年は新たに、木管楽器の華でもあるフルートの奏者を招き、デュオやトリオを披露する参加者も多く見られました。
合計12時間に迫るほどの長時間の今回のステップでは、アドバイザーの4人の先生方が3人ずつローテーションを組んで、一人一人の参加者の演奏に丁寧なコメントを書いて下さいました。また、各部終了ごとに総評を述べて下さいました。参加者やご父兄のみなさんが熱心に耳を傾ける中、先生方は橿原地区のレベルの高さをまずほめて下さいました。

そして何人かの先生方がよくおっしゃっていたのが、和声感を身につけること、です。特に小さな生徒さんにIの和音、IVの和音、Vの和音、それぞれの区別を分からせ、またそれをイメージしやすく分かりやすい表現に置きかえて説明することで、小さいうちから和声による起承転結のある演奏ができるだけでなく、曲がさらに複雑になっていってもその中にシンプルな骨格を見つけ出すのに役立っていく、というお話が印象的でした。

夕方以降になってくると、一人一人の曲目もどんどん大曲になっていきます。試験や受験を控えた参加者が、少しでも前進していこうという気迫ある演奏はどれも聴きごたえがあり、中には毎年はるばる東京から参加されている方もいらっしゃいました。ステップのあとには伊勢神宮へ参拝されるのだとか。自分だけの楽しみを、ステップと共に見つけ出されているのですね。ただ、この時間になって来ると聴衆も少なく、せっかく素晴らしい演奏をされた参加者の方にとっても残念だったろうと思います。難易度的にも高いレベルの演奏を聴ける機会にもなるので、子供たちにとっても大きな目標となり、励みになると思います。またたくさんの人に聴いてもらってこそ演奏する喜びにもつながるのではないでしょうか。このことはこれからのステップの課題になるのではないかと感じました。

2011年11月11日

学校クラスコンサートレポート(2011/10/28(金) 奈良学園小学校)

10月28日(金)、奈良学園小学校の四年生を対象に、学校クラスコンサートを開催しました。

オランダはどこかな?
オランダはどこかな?
今回は、オランダ出身のピアニスト、ルイ レーリンク先生をお招きし演奏して頂きました。
演奏の前に、ルイ先生が自己紹介、「ルイちゃんと呼んで下さい」と子供たちの目線でとてもフレンドリーな先生に、子供たちも嬉しそうにルイちゃんと口々に呼んでいました。オランダについても地球儀を使って分かりやすく教えてくださり、日本とはまったく異なる文化に子供たちも興味深く聴き入り大変驚いた様子でした。
いつもとは違う授業の形で緊張していた子供達も先生の楽しい自己紹介でリラックス。

ピアノの下はどんな音が聴こえるのかな?
ピアノの下はどんな音が聴こえるのかな?

先生の質問に一斉に手を挙げる!
先生の質問に一斉に手を挙げる!

みんなで歌おう♪
みんなで歌おう♪
まず始めに「音は見える、色がついているので手で掴んでみて」というお話から、ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女を演奏。音は聴くものだと思い込んで、見るという発想はなかなかできないものですが、美しい音が聴こえると手で音を掴もうとしている子ども達もいました。

次に、ピアノの仕組みについて。ピアノの中を覗いたり、下に潜って音を聞いて見たり、ピアノの鍵盤はいくつあるでしょう?という先生の問題に一生懸命数を数える子供もいました。ピアノの仕組みを知り、弾く人のイメージによって様々な音がなると分かり、目をとじてイメージを膨らませドビュッシーの「沈める寺」。
続いて、オランダの民謡です。オランダの挨拶も教えてもらい、子ども達はオランダに親近感を覚えたのか、大きく体を横に動かしてノッて先生の演奏を聴いていました。
次は生徒たちとルイ先生の共演です!素晴らしい子供たちの歌声に先生の素敵な伴奏が加わり、聴いていてもとても気持ちがよかったです!
最後は、ルイ先生の実際の体験から得られた、音楽をより楽しむコツです。ベートーヴェンのエリーゼのためにを演奏しながら、「ここは作曲者がどんなきもちだったのか?」というイメージを説明して下さいました。ルイ先生の言葉と曲がピッタリとあうと、面白いほどにその曲が愛しく感じられました。
最後に先生は、「自分から興味をもってなんでも積極的に調べてたくさんのことを知ること」と、子供達に強いメッセージを伝えて下さいました。あっという間に時間が過ぎ去り、子供達も「もっと聴きたい!」と名残惜しそうにするほど楽しいクラスコンサートでした。
(レポート 岡田さほり)

2012年6月 6日

学校クラスコンサートレポート(12/5/28:橿原市立耳成西小学校)

音楽の先生に紹介されて登場した佐藤勝重先生は、ピアノの前に座るなりグラナドスの「アンダルーサ」を熱演。すぐに子供たちをくぎ付けにしました。先生はピアノという楽器の音が出る仕組みやその進化を、異なる時代の作品を弾きながらお話されて行きます。ピアノの周りを囲むように集まった子供たちは、ふたの中を興味津々で覗き込み、弦が低音にむかうにつれて太くなっていくことや、ハンマーが打鍵する度に持ち上がるのを見て、楽しそうに驚いていました。







 2曲目に弾かれたモーツァルトの「トルコ行進曲」で使われている一番低い音、一番高い音はそれぞれどの音か、よく注意して聴いててね、と言われ、モーツァルトの時代のピアノの音域が狭かったことを教わりました。そして、現在のピアノの原型となるまでに発展したショパンやリストの時代について、教室の後ろの作曲家たちの肖像画を追いながら、リスト「愛の夢」を聴きます。音域が増えることで表現できるようになった、華やかで激しさも伴うこの曲を聴いて、誰かが嬉しそうに「この曲知ってる!!」と言っていました。

 その後、右手を痛めたせいでピアニストの道をあきらめ、作曲家として左手のための作品を残したスクリャービンの「左手のための小品 op.9-1.前奏曲」の演奏や、またピアノと天文学との結びつきを感じさせる不思議な数のお話もありました。そして最後はみんなでピアノの周りを囲んで、ショパンの「英雄ポロネーズ」を聴きました。ピアノから飛び出す大きく力強い音!キラキラと動き回る高い音!そして速いオクターブの連続に子供たちの目は真ん丸になり、ひときわ大きな拍手で演奏は終わりました。

 最後は子供たちと一緒に校歌と「歌のにじ」を歌います。先生の弾く校歌の前奏を聴いて、「あれっ。なんかいつもの先生のと違うなぁ...」と本音を漏らす子も...。大きないい声で校歌を披露してくれました。「歌のにじ」ものびのびとした歌詞ときれいなメロディで、途中からはリコーダーも参加しての楽しいものになりました。

 耳成西小学校の校長先生も参観にいらっしゃいましたが、新しい教育の試みをどんどん取り入れて行きましょう!という熱心な先生でした。また、お知らせを聞いていた児童のお家では「お母さんも聴きに行きたいわー」という声もあったそうで、先生も親御さんも子供たちのための良い環境作りに心を配られており、学校クラスコンサートが更に広がって行けば素晴らしいだろうなと感じました。 
Report:かつらぎステーション 岡田真季

2012年12月 6日

橿原ステップ開催レポート(2012.11.3)

出演者全員
出演者全員
ピティナかつらぎステーションは、今年発足10周年!発足からすぐにステップを始め、今や毎年夏の恒例となっている「Joy of Music(略JOM) in 奈良」や、かつらぎチェンバーオーケストラのコンサートなど、ステーションが行ってきた音楽イベントがたくさんあります。
今年は、その10周年を記念して、ステップのお昼休みの間に記念コンサート「動物の謝肉祭」を企画したのであります!しかも、そのスペシャル・ゲストとして、全国中で活躍されているピアノデュオ・ドゥオールの藤井隆史先生と白水芳枝先生が一緒に弾いて下さることになりました。さらに藤井先生を第2ピアノにお迎えして、第1ピアノを一般のみなさまから募集しました♪
全14曲からなる「動物の謝肉祭」は、サン=サーンスの作曲で、さまざまな動物たちが音楽となって出てきます。原曲は、2台ピアノと弦5部、管打楽器の室内アンサンブルで書かれており、今回はそれに近い編成・・・2台ピアノと弦5部、フルートで演奏して行きました。アンサンブルは、かつらぎチェンバーオーケストラのメンバー。そして各曲のピアノパートは、ステーションの先生方やその生徒さん、そして一般からの公募で集まって下さった方々、そして藤井先生と白水先生が、リレーのように交代して弾いていきます!
さらに曲と曲の間には、ナレーションが入り、愛らしい動物たちのお話をして下さいます♪
本番は、それは見事な連係プレー(?)でした!しょっぱなから息も荒げながらの本気の演奏を繰り広げるオケのメンバー!そしてそれぞれ思い思いのピアノのペアが、顔を見合せながらアンサンブルを楽しむ様子。また藤井先生が公募の第1ピアノの方の音楽をグイグイ引き出していかれる様子も、さすが・・・!の一言でした。
それになんと言っても、藤井先生と白水先生の引力はすごかった!!「鳥かご」ではほほ笑みあいながら小鳥さんがおしゃべりしているかと思いきや、「ピアニスト」で少年のような笑顔で爆音の音階を弾き出す藤井先生(笑)!それをたしなめるように、笑いながら一緒に音階を弾く白水先生と、そんな二人に始終振り回されるオケ・・・!そして続く「化石」では、次々と聴こえてくる懐かしいメロディを見事に浮き彫りにしながら、舞台全員のハートが行き交っているのが見えるようでした。
終了後の出演者の笑顔は本当に素晴らしく、生きた音楽をできる喜びに満ちていました・・・。まるで、これまでの10年間のステーションの歩みを凝縮したかのようなステージでした。
JOM、かつらぎチェンバーオーケストラ、ステップを通じて繋がった方々、そしてその心。
また、新しく繋がった方々も混ざって、さらに大きく強くなったような気がします。
これからも、そんな繋がりを広げていけるよう、私もその輪の一員としてがんばります!
一緒に弾いて下さった藤井隆史先生、白水芳枝先生、そしてかつらぎチェンバーオーケストラのみなさま、ステーションの先生方、生徒さん達、みなさま本当にありがとうございました!!
(レポート 岡田真季)

Flとデュオ
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Vcとデュオ
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コンチェルト
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ドゥオールリハ
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講評
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