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ブルグミュラーコンクール審査員体験会(2017.11.12)

2017年ブルグミュラーコンクール大阪大会 神戸地区
審査員体験会レポート

日時:2017年11月12日(日)
会場:神戸産業振興センターハーバーホール
受講者:川本ピアノサービス講師他 7

講師・ファシリテーター:杉本宏江先生
企画:井上登与美先生


■ねらい・目的
審査員の立場で、コンクール参加者の演奏を聴き、
よかった点や改善点などを書き出すことで
自分自身を客観視し、今後の指導に必要なものを見極めて頂いて
レッスンに活かして頂くことを目的とした「体験型」勉強会。

■流れ
step1)幼児・小学1・2年部門
短時間で参加者の良いところ(褒めてあげられる点)・
工夫するともっとよい演奏になる改善提案をまずは書いてみよう

部門終了後、杉本先生が一人一人の講評をチェック、
文字量、内容、伝え方についてアドバイス

Step2)ランチタイムディスカッション
昼食を審査員の先生とご一緒し、
審査員長の中田元子先生より審査のポイントなどレクチャーを受ける
・特にできていない箇所は否定的な言い回しをするのではなく
 「ここをこうするともっとよくなりますよ」という表現を心掛ける
・直感を大切に...。すぐに書き始めないと幼児の部門なんて
 あっという間に終わってしまう。
・評価の観点を自分の中にもつ
・級(年齢)によって理解度があがるので
 それに比例したかたちで指導内容に深みを持たせる

Step3)小学3・4年部門
「1番の参加者への講評をあとでみんなで共有します」と予告をもって審査
 ↓
一人ずつ記入した講評内容を発表し、杉本先生のアドバイスをもらう。
また、つけた評点も発表。
同じ演奏を聴いても審査員個々の着眼点の違いを共有する。
その後、杉本先生が部門を通して聴いた中で
「特徴的だった子」「無難で普通だった子」をピックアップして
抜き打ちでそれぞれの講評を読み合う。

Step4)
Step3の着眼点の違い、各々の伝え方の工夫を学習したうえで小学5・6年の部を審査。
参加者の理解度にあわせ少し踏み込んだ内容も書いてみる。

■杉本先生からのアドバイス
・親近感を持ってもらえる言い回しを工夫しよう(〇〇だよね!〇〇だったかな?)
・講評の中にお名前を入れてあげる(〇〇ちゃんの音色はすてきですね)
・いい音楽をもっているね!など、可能性や感性についても触れてあげる

■体験者の感想
・特に幼児はあんな短い曲でど評点をつけるか迷った。
・曲の最初と最後が大切だと感じた。
・音色が綺麗な子はやはり有利と思った。
 綺麗な音の演奏の時は審査員の先生方が顔を上げられる!
・はじめは0.1点刻みの差に迷ったが、
 審査を続けていくと自分の中に基準ができて慣れてきた。
・ホールで聴き比べをすることで、きちんとしたタッチの指導の大切さがわかった。
・自分の講評を読み直すと響きの事について書いているものが多く、
 自分が指導の中で大切にしているものに気づいたとともに、
 他の方の講評を聞くことで他の視点も学べた。
・選曲の大切さがわかった。生徒一人一人にあった曲選び、
 生徒の持ち味を見極めてあげることの大切さにも気づいた。
・コンクールにもっと挑戦させたいと思った。
・普段のレッスンでは楽譜を見ながら「ここはこうよ!」と指導できるが、
 講評では楽譜がない中でどのように改善点を伝えるか苦慮した。
 特にブルグミュラーの楽曲では伝えたいと思う事がたくさんあったので。
・和音と響きのことをメインにコメントすることが多いことに気づいた。
 普段のレッスンで響かせ方や深みなど教えなくてはと思った。
・他の先生の視点・観点を知る事でもっと自分も視野を拡げなくてはと思った。
・語彙力の必要性を感じた。
・他のコンクールで審査員が書いてくれた講評の意図が理解できた気がする。

■所感
実際に審査員体験をすることで自分以外の生徒の演奏にもしかり耳を傾け、
より一層能動的に聴くということをみなさん体得されたようでした。
同じ演奏を聴いても着眼点もアプローチも違うということを知り、
何をどう伝えるかの優先順位の付け方、
また知識と経験のプールが必要という気づきにもつながったようです。
受講の感想だけでなく、普段のレッスンにどう活かせるかの展望も見てたことも
この企画の大きな成果だと思いました。
この度はブルグミュラーコンクールでしたが、
今後、バッハコンクールなど様々なカテゴリや主旨のコンクールで
同様の企画をすることで更なる展開が期待できそうです。
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