レポート アーカイブ

2008年6月20日

音楽性を育てるための、ピアノ連弾からのアプローチ

blog_080609okayama_esaki.jpg6月9日(月)ヤマハ岡山店サロンホールにて、江崎光世先生によるピアノ指導法講座~音楽性を育てるための、ピアノ連弾からのアプローチ~が開催されました。

会場には、遠方からの受講者も含めて40名近くの指導者が来場され、江崎先生の魅力あるお話に引き込まれながら、時には笑いを交えて楽しく熱心に受講されました。

まず、レッスンに連弾を取り入れることの効用をお話くださいました。二人いれば出来る連弾は、アンサンブルの導入には恰好の材料!江崎先生は、実際 にご自分の導入期生徒さんのレッスンで、前後レッスン生の合間の時間を利用して、連弾を取り入れていらっしゃるそうです。毎回のレッスンで、弾かせて・ (ビデオに)録画して・観させる・・・この繰り返しで、生徒は自分で考えて取り組み、週を重ねるごとにどんどん良い演奏に変化していくとのこと。講座では 実際の変化の様子をビデオで見せていただき、その上達ぶりに受講者一同驚きました。

また、この幼少期の連弾の体験は、後々の演奏に多大な効果があるとのことで、江崎先生の「生徒の未来に何が必要なのかを考え、現在のレッスンで何をすべきかを常に考える」という主旨のお言葉が印象的でした。


講座後半は、実際にPTNAコンペティションの課題曲を受講者が演奏し、江崎先生にアドバイスを受けるスタイルで進みました。江崎先生のワンポイントアドバイスに、どんどん良くなっていく演奏を会場中で体感できました。

講座終了後には、「目からウロコだった」と江崎先生の連弾の取り入れ方、指導法を絶賛される受講者が多数!連弾を通じて、アンサンブルの魅力、ピアノの魅力を改めて感じられる貴重な講座となりました。

岡山では、来年1月31日(土)・2月1日(日)に岡山テルサホールにて、江崎光世先生・伊藤仁美先生をアドバイザーにお招きして、ヤマハ岡山店・倉敷店PTC主催の「PTC連弾フェスティバル」を開催予定です。

2012年3月23日

【実施レポ】2012コンペ課題曲セミナー(平間百合子先生)

blog120312okayama_hirama.jpgピティナ岡山支部主催の2012年度「ピティナ課題曲セミナー」が3/12(月)10:30-12:30 ヤマハ倉敷店ウィスタリアホールにて開催されました。昨年は東北大震災によりお越しいただけなくなりました平間 百合子先生を講師にお迎えすることができ、ホールいっぱいの受講者となりました。

主にA2級からD級のバロック・古典・ロマン・近現代を中心に取り上げられ、演奏におけるポイントの解説と、先生ご自身による演奏で講座が進められていきました。

四期の時代による演奏スタイルの違い、奏法の違い、曲の解釈の違いはもとより、ピアノの構造にも触れられ、タッチ、フォームによる音色の違い等々、具体的に数多く取り上げられ、内容の濃いご指導をいただきました。

また、先生ご自身のレッスン室でのエピソードを織り交ぜられ、コンペティションに向けてのみでなく、日ごろのレッスンの中でも生きるたくさんのヒントをいただきました。

先生の印象深い言葉の極々一部ですが、紹介させていただきます。

★同時に動く音を響かせるときには、「奇跡的な事が起きている!」という感動を持って、
 よく聴きながら丁寧に音を揃える。
★短調の対旋律を弾く時には、悲しみに寄り添う気持ちを持って、、、。
★プロコフィエフの人生を読んでみる。
★和声をたどりながら音の色合いの変化を聴き、そのイメージを生徒さんと話し合いながら選んでいく。

先生の投げかけてくださる言葉に「確かなテクニックを育てることと、生徒の想像力・心を育てることが車輪の両輪である」との思いを強くしています。また、講座の最後には、「あなたにとって音楽とは何ですか?」というとてもシンプルで大きな問いかけをいただきました。これは、先生ご自身の生徒さんへの問いかけだそうですが、私たちも自身に向けて、また生徒たちに向けて問いかけながら日々のレッスンに取り組みたいと思います。
先生の音楽に対する情熱と愛情をひしひしと感じながらの貴重な学びの時間となりました。

(Rep:ピティナ岡山支部 安藤・野中)

2012年9月12日

【実施レポ】導入期の能力開発&親対応への極意(石黒加須美先生)

2012年8月27日(月)10:30-12:30 (株)ヤマハミュージック中四国 岡山店において、石黒 加須美先生を講師にお迎えして 「全3回シリーズ講座-音楽を感じる心を育てる-導入期の能力開発&親対応への極意」 セミナーを開催いたしました。

昨年ステップアドバイザーとして石黒先生にお越しいただいた折にセミナーを開催いただきましたが、その際に内容が非常に好評で、今回3回シリーズということでより内容を掘り下げた形で実施いただきました。

初回は先生の導入指導のご経験からどういったことを行うべきか、また行ってはいけないかという点は何かという点を非常に分かりやすくご説明いただきました。
セミナーの冒頭に時間を割き、ご自身の来歴やセミナーの要旨でもある「すべての責任を指導者が持つ」というテーマがどういった背景で獲得されたかということを説明いただき、参加者からも好評でした。

内容で特に参加の先生の興味を引いていたのが、絶対音感やリズム感、感性を身につけるための江口先生のメソードを紹介された部分でした。さらに詳しく知りたいとの声もあり、第2回目以降の受講を皆さん楽しみに待たれております。
次回10月もどうぞよろしくお願いいたします。

(Rep:ピティナ岡山支部 白神朋幸)


2012年9月14日

【実施レポ】日本バッハコンクール課題曲セミナー(石井なをみ先生)

2012年9月6日(木)、ヤマハミュージック中四国 倉敷店2Fホールにて、石井なをみ先生をお迎えして、日本バッハコンクール課題曲セミナーを開催いたしました。

バッハコンクールは今回初めて 岡山地区で開催されるという事で多数の皆様が参加されました。

冒頭にムジカノーヴァ9月号で掲載されています「ポリフォニー作品 バッハに入る前から心がけたい 6つの指導ポイント」について、ご説明を頂きました。

ポイント1
バッハを演奏する前に気を付ける事としては、「(1)指使い (2)音価 (3)フレージングの3つのポイントを確認しながら、音の粒を揃える、テンポ、左手の暗譜力をつけること、両手の音をよく聞くこと等に注意し、それぞれを片手ずつ、ゆっくり、きっちり、丁寧に(基本指で)弾きましょう。」とお話がありました。

ポイント2
曲の構成の面では、「(1)終止 (2)フレーズの区切り (3)テーマがどこなのか? (4)ゼクエンツがあるかどうか? (5)転調があるのか? (6)拍節感を捉えた演奏 (7)ハーモニー感 (8)アーティキュレーション それに見合った指を持つこと等...」について、こと細かく事例を取り上げて教えて下さいました。
※ポイント3から6につきましては、ムジカノーヴァ9月号で掲載されていますので、割愛させて頂きます。

続いて、幼児Aコースー小学5・6年Bコースまでの課題曲を、先生御自身が演奏され1曲ごと細かく説明して頂きました。
また、課題曲について良くない演奏もして下さったり、お話が面白く和やかな雰囲気の中、充実した2時間でした。

okayama_2.jpgその中で重要な事は、「楽譜を音にする前に充分、分析をして弾くと良く分かる事。練習する際は、自分の目的を持って練習しましょう。通して弾く事ばかりでは、だんだん 上手にならなくなりますよ。」という点でした。

いずれも指導ポイントとして、たくさんの有益なことが得られ、受講された方々からの評判も上々でした。

今回のセミナーを通じて、バッハコンクールの意義にご賛同頂き、多くに方々にご参加頂けることを楽しみにしております。   

2013年1月15日

【実施レポ】導入期の能力開発&親対応への極意(石黒加須美先生)

2012年12月17日(月)ヤマハ倉敷店ホールに於いて石黒加須美先生をお迎えして
3回シリーズ 導入期に「音楽を感じる心」を育む として、
第3回 保護者の心を動かす、指導者としての対応策 と題し講座を開催いたしました。

ピアノ教師はもちろん、ピアノを指導していくことですが、一人の生徒とのかかわりは5年、
10年、いえ、それ以上の関係になります。2、3歳から60、70歳になるまで、ピアノを弾ける
人間、一生の心の栄養としての音楽を生徒たちに指導していける先生を目指しましょう、
という講座でした。

子供の可能性は無限大です。1歳児、2歳児と成長してゆく子ども達の過程に合わせて
レッスンが進められると本当に素晴らしいです。
そして、子供を支えてやれる親も、子供のやる気を起こし、子供が自ら考える習慣を身に
付けさせたい、自信をもって自分の考えを表現できる子供たちの後押しをしてやれる親に
なれる様、親学とも言えるお話も聞かせていただきました。
何よりも先生は入会前に1時間半から2時間の面談を必ずするということでした。
先生と親(子供は×)と、ゆっくりお話をして、親の心をしっかりつかむ!と言われておりました。

(Rep:ピティナ岡山支部


2013年3月15日

【実施レポ】今日のレッスンから使えるバッハインヴェンション指導法(石嶺尚江先生)

2013年2月25日(月)10時30分より、ヤマハ岡山店サロンホールで石嶺尚江先生によ
「今日のレッスンから使えるバッハインヴェンション指導法」と題したセミナーが
開催されました。前日長時間ステップのアドバイザーを務めた石嶺先生ですが、
お疲
れも見せずパワフルな講座に約40名の参加者が引き込まれました。

まず、「インヴェンションに入るまでの下準備」として、先生は半年から一年かけて
魅力やすごさを生徒に話し、憧れや期待感を持たせている、そしていよいよインヴェンションに
入る初日は1回分のレッスン時間を丸ごと使っている、という話に驚きま
した。

その中身が「バッハ先生に興味を持たせるための裏ネタ」と言える、バッハの人物像
時代背景、その時代の楽器の特徴を子供にも分かりやすく説明、それらをまとめた
資料を
生徒の楽譜に貼り、いつでも見られる状態にしている、との事でした。
受講者にもその資料が配られ、カラーの表裏1枚のわかりやすいものでした。
♪ 先生
の参考文献:「聖書の音楽家 バッハ」(音友、絶版)
             「バッハ 魂のエヴァンゲリ
スト」(講談社)

後半は「インヴェンションに隠された、バッハ先生からの隠しメッセージを読み解こう」
という事で、そのキーワードとして、当時の楽器の仕組みを知り、現代の楽器で

強弱を考える事、「フィグーラ」を作曲に生かしていたことなどを話されました。
「フィグーラ」という言葉は、わたしも聞いたことがありましたが、実際にどんなも
だったかが初めて理解できました。他の受講者も同様だった様です。

最後はインベンションの中から、主題が順次進行の1、4、7番を実際にアナリーゼ
耳の錯覚でrit感を出している(受講者で手拍子をして実際に体感)などは新鮮な
驚きが
ありました。
♪ 先生の参考文献:「ピアノ教師 バッハ」→タイトル変更、内容改定版
             「インヴェンションとシンフォニア創造的指導法」(音友)

先生ご自身がバッハを愛され、深く勉強され、生徒たちにうまく伝える努力をしてい
ことが伝わり、先生に習う子供たちが、生き生きとインヴェンションを演奏してい
る姿が
想像できました。

「インヴェンション」の残りの曲についてもお話を聴いてみたい、自分も謎解きをしながら
もう一度じっくりと「インヴェンション」を弾いてみたい、と思いました。
石嶺先生、ありがとうございました。

(Rep:井上美千代)

2013年10月18日

【実施レポ】日本バッハコンクール課題曲セミナー(石井なをみ先生)

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2013年10月2日、今回再び石井なをみ先生をお迎えして、
日本バッハコンクール課題曲セミナーが開催されました。

最初にコンクールを始められたきっかけをお話していただきました。
そして、コンクールをすることでレベルが上がって
いくし、いい勉強にもなるということでした。

バッハの演奏では、テンポや何調かによってキャラクターが決まっていくので、
一貫したテンポ、音の粒をそろえる事、
リズムをそろえること、左右違う表現をすること
(バロック
の歌い方で)、16分音符の歌い方等。

それと、縦と横の整理をすること。縦とはハーモニー、リズム、和声感、緊張と弛緩など。
横とはフレーズの歌い方、テ
ーマの弾き方、ダイナミクス、ゼクエンツがどこにあるのか等。
事例をとりあげて細かく、詳しく教えていただきました

そして練習方法は2声の場合は片手で練習できるかもしれないが、3声の場合はそれが
出来ないので3層に分けて練習す
る。右手を弾いて左手を歌ってみる、その反対もしてみる。
練習番号をつけてランダムで弾いてみる。ゆっくり、きちんと丁寧に弾く。
その時、ただ弾くだけでなく目的をもって練
習する。

WEB131002hiroshima_ishii2.jpg

昨年のセミナーの復習で
(1)片手の独立(2)構成の分析(3)両手のかみ合わせ、和声感
(4)拍節感 (5)アーテ
ィキュレーションについて
(6)ダイナミクス、強弱の考え

も項目ごとに取り出してお話していただきました。
お話の引き出しがたくさんあり、的確にしかも分かり易く私たちに
丁寧にご説明していただきました。

その後、幼児Aコースから小学5、6年Bコースまで、演奏と良くない事例、ユーモア
あふれるお話でいずれのお話も指
導の在り方として私たち講師が共感したり、気が
付かされた
り、又、知らないことなど石井なをみ先生からたくさん教えていただいて
とても参考になり、受講された方々も良かった
と言われておられました。

今回のバッハコンクールの意義にご賛同いただき、多くの皆様にご参加いただける
ことを楽しみにしております。

ピティナ岡山支部 藤井)

2014年4月28日

【実施レポ】ピアノ・メソッド活用法 - こどものレッスンのために(橋本晃一先生)

4月14日(月)ヤマハミュージックリテイリング 倉敷店にて橋本晃一先生による 『ピアノ・メソッド活用法~こどものレッスンのために~』セミナーを開催いたしました。参加者は30名を超える大盛況なセミナーとなりました。

セミナーでは、橋本先生の数々ある教本の内容を細やかに解説していただき、幼稚園・保育園・小学校等で耳馴染んでいる音楽をもとに楽しくアレンジされ、子供達が知っている曲で生き生きしたレッスンができるよう説明くださいました。

「やっぱり ピアノがすき!」下巻では、アルベルティ・バスはソナチネ・ソナタの古典を弾くために重要で予備練習のためにアレンジされていることや、バロック・バッハのようにポリフォニーになっている曲は、横の流れを聴きながら弾くことなど教本の工夫されている点などを改めて確認できました。
ステップの課題曲にもなっている人気ナンバーワンのディズニー・ホールニューワールドやジブリ・魔女の宅急便などのポピュラーのリズムの解説、シンコペーションや4ビート8ビートの違い、ペダルの踏み方のポイントなど詳しく教えていただきクラシックだけでなく時代のニーズに応じたスタイルで、生徒の希望にも叶えたレッスンが大事だと感じました。また、実際レスナーさん達が舞台に立ち先生との共演でより曲の雰囲気を感じ、臨場感溢れるセミナーとなりました。
特に印象が深い、先生が作られた思春期の子供達にむけてのストーリーに、「こどもだってジャズ&ロック」の中からBGMで8曲抜粋し、笑いあり、胸キュンしたりのかわいいストーリーと先生の演奏に会場のレスナーさんもきっと発表会やイベントで使用したいと思ったことでしょう。また、3人連弾でチャップ・スティックを演奏し二本指でも弾ける簡単な楽譜に小さい生徒さんと少し大きくなった生徒さんで楽しめる曲を最後に終了となりました。

日頃のレッスンでも、ぜひ活用して生徒さんと一緒に楽しんでいただければと思っております。
橋本先生、前日のステップでお疲れのところとても素晴らしいセミナーをありがとうございました。

(Rep:ピティナ岡山支部  渡辺 恭子)

2015年5月11日

【実施レポ】2015年コンペ課題曲コンサート (梅村 知世先生)

2015年4月12日(日)、ヤマハ ミュージックリテイリング岡山店サロンホールにて『2015年コンペ課題曲コンサート♪ピアノとお話♪ 』が開催されました。講師には岡山県出身のピアニスト梅村 知世さんの、留学先ベルリンからの一時帰国にあわせてお願いしました。
ピティナ課題曲の中から普段講座で聞く事ができないD・E・F級のクラシック・近現代の曲を抜粋し、お話を交えて演奏していただきました。

梅村さんはピティナの経験者でもあり、現在もコンクールを受け続けていらっしゃるので、本番前の緊張をほぐす体操なども教えて下さり、とても親しみを感じました。 講座は《古典》ではモーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンのそれぞれの演奏スタイルの違いについて、《近現代》では作曲家の特徴だけでなく時代背景や管弦楽(いろいろな楽器)との兼ね合い等。

さすがピティナ特級グランプリを受賞されただけあって、興味深いお話と演奏はとても素晴らしいものでした。
Rep:ピティナ岡山支部 寄田美沙子

2015年5月27日

【実施レポ】2015コンペ課題曲セミナー(ピアノデュオ・ドゥオール)

2015年3月26日(日)玉島市民交流センター 玉島湊ホールにて、講師にピアノデュオ・ドゥオール(藤井隆史先生、白水芳枝先生)を講師にお迎えし、2015コンペ課題曲セミナーを開催いたしました。午前にソロA1からC級、連弾初級、午後にD級・中級を取り上げていただきました。
藤井、白水両先生の息の合ったお話に演奏、すばらしいタイミングで全曲を演奏してくださり、解説もわかりやすく、アフタータッチ、響きの方向性などご指導いただきました。清潔感のある美しい演奏に感動いたしました。

前日に4時間ぐらいホールにてリハーサルされ、ホールの響きやバランスを再三チェックされながら本当に真摯に音楽づくりをされていました。
お二人のデビューからずっとセミナーやーコンサートを聴かせていただいていましたが、今回念願叶って岡山で実施していただき、本当に感謝いたします。すばらしい演奏会でした。来年のお約束も出来、大変うれしいです。

Rep:ピティナ岡山支部 安本久仁子

2016年4月14日

【実施レポ】2016年度ピティナ・ピアノコンペティション 課題曲セミナー(藤井 隆史先生、白水 芳枝先生)

2016年3月29日(火)倉敷市の玉島市民交流センター 玉島湊ホールにてピアノデュオ・ドゥオール(藤井 隆史先生& 白水 芳枝先生ご夫妻) をお招きし、「2016年度ピティナ・ピアノコンペティション 課題曲セミナー」が開催されました。

午前、午後合わせて4時間のセミナーで、A1からD級(Dは近現代のみ)の全曲、デュオ初・中級の予選曲の演奏と解説をしていただきました。

当日は春休み中ということもあり、親子での参加も多くありました。時代ごとに課題曲を続けて演奏された後、解説をしてくださるという形だったので、セミナーでありながら、コンサートを聴きに来ているようでもありました。
玉島湊ホールは、岡山前期・後期予選が行われるホールで、使用するピアノを使ってのセミナーだったので、様々なタッチ、ペダルなどで、どんな響きになるかを実際に聴くことができ、生徒の指導に大いに役立つと感じました。

先生方は、前日から綿密なリハーサルをされて、ピアノやホールの特徴をつかんでくださり、それを踏まえたうえでの細かな演奏のコツも教えていただきました。これからコンペを受けようとして参加した子どもたちも、このホールで、こんなに素敵な音色で弾けたらいいなと感じたことと思います。

ソロ・デュオ合わせて58曲の演奏と解説を終えられ、ほっとされていらっしゃったお二人にアンコールをお願いしたら、快く、サン=サーンスの「白鳥」を演奏してくださいました。サプライズだったにも関わらず、息もぴったりで、最後に会場全体が、温かい雰囲気に包まれました。
藤井先生、白水先生、ありがとうございました。


Rep:岡山支部 丸川 映

2016年4月28日

【実施レポ】2016年コンペ課題曲コンサート―ピアノとお話―(梅村知世先生)

160417umemuratomoyo1.JPG2016年4月17日(日)、ヤマハ ミュージックリテイリング岡山店サロンホールにて「2016年コンペ課題曲コンサート―ピアノとお話―」が開催されました。 昨年に引き続き、講師には岡山県出身のピアニスト梅村知世先生に、留学先ベルリンからの一時帰国にあわせてお願いし、ピティナ課題曲の中から普段講座で聴く事ができないD・E・F級のクラシック・近現代の曲を抜粋し、お話を交えて演奏していただきました。
160417umemuratomoyo2.JPG 《古典》D級課題曲のベートーヴェン バガテルからはじまり、E級 トルコ行進曲の主題による変奏曲へと、演奏を交えたお話には大変説得力があり、《近現代》では作曲家の特徴、国の違いだけでなく楽器の特徴、その曲のキャラクターを大切にメリハリのある音楽を作っていく事が大事だとお話しくださいました。
とても温かい雰囲気で講座の時間が流れ、興味深いお話と素晴らしい演奏であっという間の1時間半でした。 ありがとうございました。


Rep:ピティナ岡山支部 渡辺恭子

2016年10月13日

【実施レポ】バッハコンクール課題曲セミナー(石井なをみ先生)

2016年9月12日(月)ヤマハミュージック岡山店にて石井なをみ先生をお招きし、「バッハコンクール課題曲セミナー」が開催されました。

「バロック白楽譜指導ガイド -第7回日本バッハコンクール対策編-」を使いながら、バッハコンクールの中学Aまでの課題曲全て(インベンション、シンフォニアを除く)の解説をしていただきました。

石井先生は関西の方でいらっしゃるので、お話にメリハリがあり、とても楽しい講座で、2時間があっという間に過ぎてしまいました。実際に、良い演奏だけでなく、子どもが弾きがちな演奏もしてくださるので、違いがよくわかります。子どもにバロックを指導するにあたって、どんなことをしたらいいのか、レッスンの事例なども具体的にお話ししてくださいました。
小さなころから調や拍子を考えられるように常に意識させることや、音のイメージを作るための声かけなど、帰ってすぐにレッスンで使えるネタがたくさんありました。

石井先生には、12月に「美しい響きを創るための重力奏法」ということで、バロックとはまた違った音の作り方などのお話をお願いしています。そちらも、とても楽しみにしております。
石井先生、おいそがしいスケジュールの中、ありがとうございました。
Rep:岡山支部 安本裕子

2016年12月22日

【実施レポ】「四期」のしっておくべきこと‐作曲家とその時代の音楽的語法‐(赤松林太郎先生)

161205akamatsu_1.jpg2016年12月5日(月)ヤマハミュージック倉敷店2Fホールにて赤松林太郎先生をお招きし、「「四期」のしっておくべきこと‐作曲家とその時代の音楽的語法‐」という題で講座が開催されました。

お忙しい先生の講座がようやく実現し、多くの方に受講していただきました。
今回は、来年にかけての全4回シリーズの第1回目ということもあり、まず「速さの概念」を軸に、バロック、古典、ロマンそして本日のテーマである近現代へと続く大きな流れを解説していただきました。
速度記号のもつ意味合い・ニュアンスは、その時代の速度感から生まれたものであり、楽曲を知っていく大きなヒントになるのですが、どんどん広がっていく先生の解説は本当に興味深いものでした。
音楽史的な観点からだけではなく、広く世界史的な視野からもとらえてお話しくださった「四期」の音楽の変遷を学びながら、多くの作品を送り出した作曲家達の様々な挑戦を知ることが、曲の解釈ひいては演奏の工夫につながっていくのだと再認識させていただきました。

161205akamatsu_2.jpg そして本題の近現代。印象派、新古典派など近現代を代表する作曲家達の作曲技法についてお話が進むのですが、印象的だったのは「ドビュッシー」の「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」冒頭部の楽譜を使ってのペダルの奏法でした。
調性の決まった時代の濁りのないペダルから、ハーモニーの混ざり方が美しく濁るペダルへと変化していくのですが、踏むタイミングだけではなく、深さのアレンジ、細やかに実現するための足の向き(フォーム)、ソフトペダルの効果的な使い方等々、演奏をされながら詳しく解説して下さいました。その音色の変化と響きの美しさとニュアンスの豊かさに感動でした。

161205akamatsu_3.jpg 次々溢れ出てくる深い知識、テクニック、指導法、その合間にユーモアセンスたっぷりのお話も交えられ本当にあっという間の2時間でした。
次回は、「バロック期」ですが、バロックにおけるペダルのとらえ方も、というまた興味深い予告もいただきました。益々楽しみです。
赤松先生ありがとうございました。



Rep:PTNA岡山支部 藤井洋子・野中典子  

【実施レポ】美しい響きをつくるための重力奏法(石井なをみ先生)

161212ishii_1.jpg 2016年12月12日(月)ヤマハミュージックリテイリング倉敷店にて石井なをみ先生をお招きし、「美しい響きを創るための重力奏法」という題で講座が開催されました。


美しい響きとは、遠くに音が伸びるということ、それには力を抜くということを、具体的な方法で演奏を交えてご説明していただきました。
まず、腕の力を抜くための具体的な方法を、動きを交えてお話しいただきました。
腕を回してみたり、腕をどなたかにあずけてみたり、その他にも、手首と上腕との関係、腰を支えて呼吸と一緒に打鍵すること、鍵盤の上に指を乗せ、音を出すのと同時に上腕を使うなど、いろいろな手法を教えていただき、良い音、良くない音とのあまりの違いに驚きを覚えました。


161212ishii_2.jpg また、四期別・作曲家別の奏法についてもお話をいただきました。それぞれの時代のいろんな作曲家と曲を何曲も取り上げ、指先のタッチの仕方、ハーフタッチ、アフタータッチ、シャープな音の出し方、重みをかけながら音を拡散する方法、鍵盤を這うように弾くことなど、具体的に、音を出しながら説明してくださいました。
先生が演奏されると、こんなにも音色が弾き分けられるものかと、美しい音に感動しました。
さらには、バッハのインヴェンションと、フランス組曲を使って、様々な奏法の練習の仕方も教えていただきました。


「感性が、知性で裏付けされること」と先生がおっしゃられました。楽譜をよく見て、どこの部分はどのタッチで弾くのか、どうしてそう弾くのか、その曲をどのように弾くかが大事で、キャラクターや構成なども考えて、説明ができるようにすることが大切であるということがよくわかりました。


いずれのお話も、指導者として共感を覚えたり、気づかされたり、新しい発見があったりと、とても充実した講座内容でした。
受講した皆様も、とても満足されたご様子で、もう一度聞きたい、もっと詳しく聞きたい、何回もシリーズとして続けてほしいという声もたくさん出ておりました。
ぜひ、またの機会にお願いしたいと思っております。


石井先生、本当にありがとうございました。



Rep:ピティナ岡山支部 藤井洋子

2017年2月16日

【実施レポ】「四期」のしっておくべきこと-作曲家とその時代の音楽的語法- (赤松林太郎先生)

170209akamatsu_1.jpg 2017年2月9日(木)ヤマハミュージック倉敷店2Fホールにて赤松林太郎先生による「「四期」のしっておくべきこと-作曲家とその時代の音楽的語法-」の第2回目、バロック期についての講座がありました。

まずルネサンスからバロック期にかけての社会的あるいは文化的背景を含めて舞曲がどのように発展していったか、そしてそれぞれの舞曲がどのように演奏されなくてはいけないかのお話がございました。


170209akamatsu_3.jpg舞曲の次に対位法的楽曲としてバッハのインヴェンション3番と4番を例に出されフランス様式とイタリア様式の違い、そしてそれに伴う3番と4番の演奏法の違いについてお話頂きました。
さらにテーマと対位旋律のシンコペーションとの関係、ピカルディー終止と主音のみのユニゾンで終止する場合についてご説明下さいました。


赤松先生の音楽のみならずヨーロッパの歴史や文化等幅広い知識から繰り広げられるお話に、時間の経つのも忘れあっという間の2時間だったと思います。
次回は古典派についてですがバロックの音楽がどのような変遷と発展をたどってソナタ形式に至るのか、今から次回の講座がとても楽しみです。

赤松先生有難うございました。


Rep:岡山支部 本田順一  

2017年6月 9日

2017年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー

岡山支部1.JPG2017年3月28日(火)倉敷市の玉島市民交流センター・玉島湊ホールにて、ピアノデュオドゥオールの藤井隆史先生と白水芳枝先生をお招きして、2017年度「ピティナ・ピアノコンペティション課題曲セミナー」が開催されました。

午前の部、午後の部と合わせて4時間半というお時間をいただき、A1級~D級(D級は近現代のみ)のソロ課題曲と連弾の課題曲(プレ初級・初級・中級の予選課題曲)というプログラムで演奏と解説をしていただきました。時間を忘れて、まるでコンサートを聴かせていただいているような至福のひとときのセミナーでした。
鍵盤からの音の引き出し方を、腕を使ったり、指先の様々なタッチで表現してくださったり、ペダルの細やかな踏みかえを試してくださったりと、これからコンペティションを受けようと思われている沢山の生徒さんたちも、熱い眼差しで受講されていました。 ピアノの響かせ方、連弾の細やかなバランス、ホールの響き等々、ホールでの演奏だから こそ耳で学べることも多かったことと思います。
岡山支部2.JPG先生たちの講座の面白く興味深いところは、1つの時代の作品をA1級からB級へと続けて 解説を進めていかれること(例えば、バロック期の課題曲をA1級からB級へ続けてひとく くりで)です。それにより、級の若いうちから育てておくべき音楽の歌わせ方、テクニッ ク、タッチなどを再認識し、それを次の段階へどのように広げていくのか、その道筋も学 ばせていただきました。
また、先生たちがこのセミナーのために作ってくださっている10ページあまりにわたる<演奏プログラム>の最後のページには、「連弾の心得」と「指導のポイント」をまとめてくださっており、ソロ曲の指導にも生きていく沢山のヒントをいただくことができました。
藤井先生、白水先生、本当にありがとうございました。

2017年10月31日

バッハコンクール課題曲セミナー

171020ishii_1.jpg2017年10月20日(金)ヤマハミュージックリテイリング岡山店にて、石井なをみ先生をお招きし、「バッハコンクール課題曲セミナー」が開催されました。
第8回日本バッハコンクール、幼児から小学5・6年AB、中学生A部門の課題曲全曲を石井先生の美しい音色と楽しくユーモア溢れる表現でご指導頂きました。 小さな幼児からバロックのスタイルに合った表現法、音色、アーティキュレーション、ディナミーク、指番号の工夫、音が良く聴ける耳を育てる、音程や拍を感じてフレーズを作る、何よりも左手が大切であるという事を改めて勉強することができました。 何も書かれていない、白楽譜から幾通りも考えられる様々な表現法を良い例、間違った例を取り上げながら、その中からまた新しい発見も出来、とても有意義で、あっという間の2時間でした。 コンクールに向け、どの生徒さんもバロックのスタイルにあった自分らしい演奏ができるよう、さらに努力して行きたいとおもいます。

Rep:岡山支部 本田ゆかり

2017年11月24日

【実施レポ】演奏家によるペダル講座 -ペダルは魔法の装置-(赤松林太郎先生)

2017年11月9日 「演奏家によるペダル講座 -ペダルは魔法の装置-」赤松林太郎先生をお迎えしてのお話しをしていただきました。

まず始めに、 ペダルを踏まない曲でもペダルに足をおいて置くこと、ペダルの形と自分の足元をみておくことが大事であってその事を幼児期から意識するようにしておくと良い。 この事から如何にペダルが重要であるかということを最初に気付かされました。

踏み方として、シーソーの支点を考えて足の向きをななめに(ななめのほうがデリケートに踏める)して、足の親指に力を入れて踏むとよい。踏むタイミングは3種類。先に踏んで弾く、同時に踏む(アクセントペダル)、音と音を繋いで踏む(レガートペダル)。ペダルの深さも深く踏む、ハーフペダル、クォーターペダル、紙一枚程のペダルの踏み方など、それぞれの事例を良い例、良くない例、又私達に、疑問をなげかけながら、分かり易くご説明してくださいました。先生はどの曲でも、どこからでも、すぐ演奏されるので、豊富な事例をお持ちになっていて、素晴らしいなと感心致しました。

その後バロック、古典、ロマンの中から数曲を取り上げてもっと深く楽譜から読みとりながら、ペダルの踏み方をレクチャーしていただきました。 バロックについては、バッハの曲はペダルの是非について先生のお考えを述べていただき、それは、その当時の鍵盤楽器の事とか、2声の曲は踏むと和声にはいいが、音が3声-5声にもなり、それは作曲者の意図としていないので良くない。全然踏まないのではなく、和音の変わり目には少し踏む等、それは大変納得のいくものでした。

古典の曲は、ゆっくり踏んでゆっくり離す、ペダルによって1音の不協はいい、音に艶を出す、ビブラートが作れる、和声に膨らみをもたせる等でした。

ロマン派のショパンの曲についてはペダルを踏む事によって,テンポの揺れ、音量の揺れを求めるため、時間差で踏んだり、華やかさを求めるため、どこから踏んでどこでゆっくり浮かすように離すとか事細かく演奏を交えてお話ししてくださいました。 同じ事が書かれていても時代によって解釈が違う事、だから曲の構成を分析して、どう使うかペダルの設計図を決めていく等が、とても大切で重要であるという事に気付かされました。

今回は大型のスクリーンを御用意してくださったので、良かったと思います。 先生のお話はいつ聞かせて頂いても内容濃く、時間を忘れてしまうほどの素晴らしい講座でした。赤松先生本当に有難うございました。

Rep:岡山支部 藤井洋子

2018年5月14日

【実施レポ】2018年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー(藤井隆史先生、白水芳枝先生)

3月27日(火)玉島市民交流センター玉島湊ホールにて、藤井隆史先生、 白水芳枝先生をお招きし、「2018年度コンペ課題曲企画 課題曲セミナー」が開催されました。

先生方の課題曲セミナーは今回で4年連続となります。県内外から、そして親子で受講される方もいらっしゃり、およそ90名の方が受講されました。

A2級-C級全曲(D級は近現代のみ)、デュオ初級ABC中級AB全曲という贅沢な5時間のセミナー。時代順にソロの演奏と解説があり、曲がステップアップしていく様子が良く分かりました。そして、ソロとデュオ両方をアドバイス頂けたことで、デュオでのポイントがソロにも活かすことができ、理解が深まりました。中でもデュオでの耳の使い方、どのように音が広がっていくか、バランスの作り方や、手・腕の位置等、レッスンで押さえておきたい内容ばかり。興味深かったのは、邦人作曲家が実際にどんなイメージで作曲したかという貴重なお話もあり、課題曲を身近に感じることができました。

藤井先生、白水先生の素晴らしい演奏で会場いっぱいに美しい音色と、ユーモアたっぷりなトークで笑いにも包まれました。受講後、すごく良かった!演奏会を聴いているみたいだった!の声がたくさん聞かれました。素晴らしいセミナーを本当にありがとうございました。

Rep: 岡山支部 河田絵美

【実施レポ】2018年度 ピティナ・ピアノコンペティション課題曲コンサート(梅村知世先生)

2018年3月30日(金)にヤマハ岡山店にて、2010年ピティナ特級グランプリを受賞された梅村知世先生(岡山県出身)をお迎えし、「2018年度 ピティナ・ピアノコンペティション課題曲コンサート」が開催されました。

当日は、ピティナ・コンペのD-F級の古典と近現代の課題曲の中から、演奏とお話がありました。 梅村さんは現在ベルリンで研鑚を積まれていて、小さい頃から現在までコンクールにも数多く挑戦されてきています。その生きた経験から、コンクールではその結果に一喜一憂しないで、それを通して自分がどれだけ成長できたか、何か目標を持って進めたかが大切だと冒頭に話をされました。

クラシックスタイルの中から、古典派の曲ではハイドン、モーツアルト、ベートーヴェンのソナタを1曲ずつ取り上げ、演奏の後にその作品がいつ頃作曲されたか、その当時はどんな楽器で演奏され、どんな作風で書かれたかを説明されました。時代的には楽譜も様々な出版のものがあり、複数の版を見比べて考察し、装飾音の入れ方についても考え方が複数あり、様々な演奏家の演奏を聴くことを勧められました。課題曲になっているシューベルトのソナタについても、古典派の手法を取り入れているという説明でした。

近・現代スタイルでは多岐に渡るため、D-F級の中からポイントになる作品、音源の少ない曲を取り上げました。曲も長く全ての説明は無理でしたが、ピアニストとして弾きにくい部分、音色の選び方など、作曲家の特徴を踏まえて分かり易く話されました。特にセヴラックやガーシュイン、邦人の作品などはどのように曲と向き合ったら良いかのヒントを多数くださいました。 セミナーは初期古典派から一気に現代曲まで大変奥深く、これからコンペに向けて自分自身も探求して行かなければならないと痛切に感じました。

そして最後には、今年のロマン派の課題曲は様々な作曲家のエチュードが多いということで、自分が中学生の頃に最初に出会ったショパンの「エオリアンハープ」を弾かれました。この頃に弾いたエチュードは、大人になっても身体が覚えていて一生ものになるので、身体が無理なく弾ける曲を選曲し弾くことを勧められました。 梅村先生素敵な演奏とお話を本当にありがとうございました。

Rep: 岡山支部 丸川 映

2018年10月18日

【実施レポ】バッハコンクール課題曲セミナー(石井なをみ先生)

2018年9月26日(水)にヤマハミュージック岡山店 サロンホールにて石井 なをみ先生をお招きし、「バッハコンクール課題曲セミナー」を開催いたしました。

毎年、バッハコンクールの課題曲が発表になると、石井先生にお越しいただいてセミナーを開催していますが、今回も幼児から中学生までの課題曲を一曲ずつ丁寧に解説してくださり、課題曲選定の指針や、指導に当たっての注意点を確認することができました。
音を並べただけの音楽でなく、音程を感じること、拍子や呼吸を意識すること、和声を感じること、フレーズを作ること...など、石井先生のお話と例を挙げての的確な演奏とで、目指す音楽が明確になったように思います。
また、このセミナーで使用した「バロック白楽譜指導ガイド~第9回日本バッハコンクール対策編~」も、指使いの例や、組み合わせ自在の何種類ものアーティキュレーションやデュナーミクなど、大変細やかに記載されていて、どのようなアプローチで課題曲に取り組むか、受講者それぞれに考えられたのではないかと思いました。
いつも新しい気付きがあり、また重要点等を再確認できて、とても充実した時間を過ごすことができました。
石井先生、本当にありがとうございました。

Rep:若林 由美子

2018年11月 1日

【実施レポ】美しい音と自然な音楽表現のために 第1回(全2回)(岡原慎也先生)

2018年10月24日(水)にヤマハミュージック岡山店 サロンホールにて岡原 慎也先生をお招きし、「美しい音と自然な音楽表現のために 第1回(全2回)」を開催いたしました。

まず、演奏前に明確にしておくべき点を、ピアノや体の構造上のお話、そこから自然な奏法について丁寧にお話くださり、受講者一人一人が改めて考えるきっかけをいただいた様に思います。
そして、ブルグミュラー25の練習曲からたっぷり9曲を、具体的に演奏を交えてお話しくださいました。速いパッセージの練習法や、和音やメロディーを弾くための奏法、cresc.とdimin.の重力・タッチの関係、表現のポイント。また、rit.とriten.の違い、espressivo の具体的な意味など、演奏に直結するお話が聞けました。

指導者でもあり演奏者・指揮者でもある岡原先生の様々な視点からのお話、海外で師事された先生のお言葉や、美しい音を奏でる為の秘密にも触れられ、目から鱗のセミナーでした。
岡原先生、本当にありがとうございました。
次回は11/14(水)ブルグミュラー18の練習曲を使用してお話くださいます。


Rep:河田 絵美

2018年11月19日

【実施レポ】美しい音と自然な音楽表現のために 第2回(全2回)(岡原慎也先生)

2018年11月14日(水)にヤマハミュージック岡山店 サロンホールにて岡原 慎也先生をお招きし、「美しい音と自然な音楽表現のために 第2回(全2回)」を開催いたしました。

第2回目の今回はブルグミュラー18の練習曲から、「ないしょ話」「子もり歌」「すばやい動き」「ゴンドラの船頭歌」「空気の精」「つむぎ歌」6曲を、演奏していただきながら必要なテクニックを教えてくださいました。
保持音が親指や小指・中指にきた時の奏法、>とsfの意味、繰り返しする時や同じ形は工夫変化させる、弱い音を出す時や交差のコツ、アルペジオは何のサインか?、左メロディーの時は2,3割増しで出す、片手練習が必要な理由など。子どもにわかりやすい言葉で説明してくださるので、レッスンでそのまま生徒に伝えることが出来ますし、お話しくださった指導や演奏のポイントは他の曲にも活かせる大切なポイントだと思いました。また、遊び弾きすることがタッチの多彩さに繋がり時間をかけて演奏にフィードバックするという言葉が印象に残りました。

岡原先生の素敵な演奏に心動かされ、楽しいトークに笑いに包まれ、ピアニスト カツァリスやアルゲリッチの話題も飛び出すなど、様々なお話を聞くことが出来充実した学びの時間でした。岡原先生、本当にありがとうございました。

Rep:河田 絵美

2019年4月 3日

【セミナー実施レポート】2019年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー

2019年3月26日(火)に玉島市民交流センター 玉島湊ホールにて藤井 隆史先生、白水 芳枝先生をお招きし、「2019年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー」を開催いたしました。

課題曲セミナー」を開催いたしました。今年で数えること5年連続の開催となり、岡山のみならず近県からも多数の方がご来場くださり100名を超える受講者となりました。A2級〜C級までの全曲、連弾初級・中級までの予選曲を午前、午後の2部制で、コンペ予選会場でもあるホールにゆったりと座り、ドゥオールの先生方の素晴らしい演奏と解説に耳を傾け、とても贅沢なセミナーとなりました。春休み中の開催でしたので、親子連れで来られた方も何組もおられました。

印象深かった点は、デュオで長らく活動されているお二人ですので、連弾曲ではそれぞれの声部の音のバランスの取り方、縦線の合わせ方のポイント、手の持って行き方、そして練習の仕方など具体的に教えて下さいました。そして、その連弾曲でのポイントはソロでも有効ではないかと感じました。一人で弾く曲はどうしても自分のテクニックの都合で、バランスが取り辛かったり、テンポが揺れたりしますが、客観的に自分の音を聴けるようになると良いなと思いました。
そして、そのテクニックでは、細かいパッセージ、トリルなどの練習方法などを具体的に教えて下さり、様々なピアノのタッチもどのように指を持って行って鳴らすかを話して下さり、ホール内で聴いているととても違いがよく分かりました。題名の付いていない曲では、自分で題名を付けたり、どんなイメージの曲かを想像すると良いという話もありました。指導者だけでなく、子供達にもとても勉強になったのではないかと感じました。

今回のセミナー、開始1時間ほどで突然の停電というアクシデントに見舞われ、非常灯の中での続行。それも消え真っ暗になり、大会議室に移動してのピアノなしの解説。一時はどうなることかと思いましたが、何とか復活し少し時間は押しましたが予定していた曲を全て終えることが出来ました。ドゥオールの先生方、色々と気を揉まれ大変お疲れだったのではないかと思いました。5時間のセミナー有難うございました。

Rep:丸川 映

2019年4月26日

【セミナー実施レポート】2019年度 ピティナ・ピアノコンペティション課題曲コンサート

2019年4月20日(土)にヤマハミュージック岡山店 サロンホールにて梅村 知世先生をお招きし、「2019年度 ピティナ・ピアノコンペティション課題曲コンサート」を開催いたしました。

Ⅾ~F級の課題曲から14曲を演奏・解説してくださるという、とても贅沢なセミナーです。
お話の中には、ピアニストのシフが自ら平均律をレクチャーしてくれる機会があったそうで、彼が何を考え演奏をしているのか巨匠から言葉で聞けるという大変貴重な経験をされたとの事でした。今日の梅村先生の解説にはシフのお話が何度も登場し、調性と音色の関係がとても大切な事として熱く語ってくださいました。

チェンバロやクラヴサンを意識したタッチ・表現の足し方、作曲家が記した調性や拍子の意味、タッチとペダルの調整、響きを作るヒントと奏法、指使いの工夫、版の重要性など、丁寧な解説で大変勉強になりました。演奏に心を奪われ、各曲の世界観に浸らせていただき、もっと聴いていたいと思う課題曲コンサートでした。コンクールを受ける生徒は勿論コンクールに関わらず生徒に聴かせてあげたいセミナーです。


国内外で演奏活動を展開中の梅村先生。翌日もコンサート本番とのことで、お忙しい中素晴らしい演奏と分かりやすい解説を、本当にありがとうございました。

Rep:河田 絵美

2019年5月10日

【セミナー実施レポート】2019年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー

2019年4月28日(日)に岡山シンフォニーホール 3F イベントホールにて岡原 慎也先生をお招きし、「2019年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー」を開催いたしました。

岡原先生のトークの楽しいこと、ご指導がポイントを絞って的確なことは、岡山のみならず近隣の町や県をまたいでまで知られているようで、会場はほぼ満席の盛況でした。

午前中はA2級~C級各楽曲の特色、作曲家の特徴、ステキに演奏するためのポイントを、時々ご自分の人生経験も交えてお話くださり、また実際に演奏してくださいました。

午後は公開レッスンで、A2級からD級の計9人の子供達が実際にレッスンしていただきました。一通り弾き終わったら「どう思う?」と必ず子供たちに問いかけ、ユーモアたっぷりに曲づくりのポイントを指摘してくださいました。初めは緊張して固くなっていた子供達も、ポイントをつかんで演奏が変わっていくと、表情がパッと明るくなっていきました。予選まであと1ヶ月半から2ヶ月ありますが、曲の完成度を上げていくうえで、指導者にとっても多くのことを学ばせていただくことのできたセミナーでした。

Rep:小林 美恵子

2019年11月12日

【セミナー実施レポート】バッハコンクール課題曲セミナー

2019年9月18日(水)に岡山シンフォニーホール 3F イベントホールにて石井 なをみ先生をお招きし、「バッハコンクール課題曲セミナー」を開催いたしました。

幼児部門から中学生部門のJ.S.バッハの定番曲以外の全曲の解説をされました。一曲ずつ説明を進めていく中で、音楽に不可欠な真髄のようなもの、一曲を仕上げるに当たっての練習方法などを折々に盛り込んで話されました。印象深かった点を箇条書きにまとめました。

•弾き手が聴いていない音は、聞き手にも聴いていないことが分かる。特に長く伸びている音を聴き続けるのは難しいので、年少の時から気を付けるように指導する。

•左右それぞれの独立している声部が動いている曲では、メロディをそれぞれよく聴いて左右が会話しているように弾く。

•リズムには重い、軽いがある。例えば4拍子の曲で、強・弱・中強・弱拍と言われているが、実際には重い・軽い・中ぐらいに重い・軽いと感じるべきだ。特に、欧米人はアップビートを感じているが、日本人は全てダウンビートになり易い。その為、棒弾き、べた弾きの音楽にならないように。音楽のイントネーションが大切だ。

•アーティキュレーションを付ける前にレガートで弾きフレーズ感を掴み、その後それを付けると、無味乾燥な音の羅列にならない。そして切ることが最優先にならないように、いつもフレージングが大切だ。

•アーティキュレーションの工夫が出来たら、自分の意思のはっきりした自信のある演奏を心がける。

•題名からイメージを持ち、どんな音が良いかの感性を持って弾く。調性から来る音のイメージも同じように。

•実際の練習方法としては、弾きにくい箇所をどの様にさらっていくか、本番の日までどの様に練習計画を立てるか、その辺りの具体的な事例。

以上のような話を曲の間に盛り込みながら、時には生徒たちの「あるある演奏」を織り交ぜて笑いも出て来るとても分かり易いセミナーでした。

Rep:丸川 映 

2019年11月18日

【セミナー実施レポート】石井 なをみ先生によるマル秘スーパーレッスン -各コンクールの課題曲を中心に-

191110_okayama_2.jpg2019年11月10日(日)にヤマハミュージック岡山店 サロンホールにて石井 なをみ先生をお招きし、「石井 なをみ先生によるマル秘スーパーレッスン -各コンクールの課題曲を中心に-」を開催いたしました。 バッハコンクール、ブルグミュラーコンクールなどの課題曲を公開レッスン形式で教えて頂きました。

おかやまマラソンのイベントと重なり交通事情や駐車場の確保が難しい中、熱心な親子さんや先生方がお集まり下さいました。

191110_okayama_1.jpg既に弾けている生徒さんに対して、コンクールに向けもう一歩踏み込んだ印象に残る弾き方を分かり易い言葉で実際に演奏しながら教えて下さいました。

バロックとロマンの演奏の仕方の違いや、ある程度弾けるようになったところでメトロノームの8分音符を鳴らしながらゆっくり練習するということの大切さは生徒さんにも伝わったと思います。

インベンションシリーズのワークブックや解説ブックを見て勉強します。

石井なをみ先生、ありがとうございました。

Rep:土屋 佳子

2019年12月24日

【セミナー実施レポート】音色にこだわるピアノ指導法 -音楽的にすらすら読める即読譜奏-

191209_okayama_1.jpg2019年12月9日(月)にヤマハミュージック岡山店 サロンホールにて池川 礼子先生をお招きし、「音色にこだわるピアノ指導法 -音楽的にすらすら読める即読譜奏-」を開催いたしました。

池川先生は、前日の日本バッハコンクール岡山地区大会の審査員として来岡され、その時の感想を冒頭にお話しされました。このコンクールではポリフォニーの作品を学習するので、耳づくり、神経づくりをし、両方の音を聴き両手とも歌える指づくりをするのを目指されています。

今日のセミナーでは、「音色にこだわる」という事で、先ず一つの音が綺麗な音を出せるかが前提になり、その個々の音が繋がって行き、一つのフレーズが歌えるようになって欲しいと言われました。その綺麗な音を出すための三つの条件は、①出せる指を作る ②出したい気持ちを作る ③出せる余裕を作る だと言われ、それにはどのような指導をしていけば良いかのヒントを頂いた気持ちがしました。楽譜が読めて正しく弾けるようになると、次に無味乾燥な演奏ではなくて心のこもったこだわった演奏を目指して欲しいと話されました。

191209_okayama_2.jpgその後、楽譜がすらすら読めて弾ける『即読譜奏』という言葉の説明がありました。これは先生が考えられた言葉で、速く読むの速読ではなくて、「すぐに読めたら、すぐに弾く」という意味です。この『即読譜奏』が出来ることによって、曲に対して余裕も生まれ、表現もし易くなります。メロディーは、統計的に2度3度の進行だけで約90%、残り10%が4度以上の跳躍になっているようです。それを踏まえて楽譜を読んで行くと、楽に読めそうな気がしました。

そして「簡単な曲から表現力を身につけることを意識しよう」という事で、バスティン ベーシックス ピアノ1の曲の中から具体的にどんなことに注意して弾いたら良いかのレクチャーがありました。「表現のためのスラー」や、「形式を知る」という事も、豊かな表現力のためには不可欠な事であり、どちらも音色づくりにつながっていきます。

最後は時間が押してしまい、レジュメの中に書かれていた「ペダルによる音色づくり」「作曲家からのメッセージを見逃さず、表現につなげる」について聞けなかったのは残念でした。またの機会がありましたら、その辺りについての話が聞きたいと思いました。

Rep:丸川 映



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