ご 挨 拶
本日は表参道パウゼステップにご出演頂き、誠にありがとうございます。
ピアノを習うと必ず弾くのが『エチュード』です。エチュードは大きく2つに
分類することができて、1つは技術の上達と向き合って家でコツコツと基礎訓練
に励む練習曲。チェルニーやクラーマーの練習曲集があてはまります。
2つ目は、ある技術要素に特化しながらも詩的な情緒を持つステージ用の
練習曲。これはショパンやリストの練習曲集に代表されます。子供用なら、
ご存知ブルグミュラーの25の練習曲や、日本人では三善晃作曲のMiyoshiピアノ
メソード全12巻の練習曲集に代表されます。
ちょうどその中間に位置する練習曲もあります。例えばモシュコフスキの
練習曲集。訓練用以上に音楽性があり、ステージ演奏用としてはやや基礎訓練
寄りという位置づけでしょうか。20世紀の作品なので、安定した楽器でピアノの
膨大な機能をフルに活用して書かれています。その点、楽器が発展途上にあった
チェルニーやクラーマーの時代とは、仕上がりがまったく違うのは当然ですね。
『エチュード』もこうして時代性や性格を分けて取り組むと、個性を生かす
ことができそうです。
さぁ、それでは今日は、4歳から60代まで幅広い年齢層の方の演奏を楽しみに
聴かせて頂くことにします!
表参道パウゼステーション代表 楠 原 祥 子
(当日のプログラムより)