2022年5月8日(日)、伊丹のアイフォニックス小ホールにて石井なをみ先生をお招きし、「コンペティション課題曲指導マル秘スーパーレッスン」を開催致しました。
昨年はオンラインセミナーでの開催でしたが、今回は実地での開催に加えて、開催後USBでの動画配布という新しい試みも行いました。
午前の部は、A2級から始まりD級、Duoまで。
・弾く前にイメージを思い浮かべ、ストーリーを作る
(ハーモニーやメロディーからキャラクターを考える)
・空気をもたせる
(ピアノの鍵盤が横に広がっているため、音の上がり下がり、飛びの音程を感じる)
・聴く
(メロディー・伴奏・そのバランスやリズム、ペダルなど)
・聴くための練習としてメトロノームを使ったゆっくり練習や、縦のハーモニーをまとめて和音で練習をする
・Duoの練習の仕方を考える
(ソプラノ、アルト、テナー、バスの4声を2つずつに分けて、メトロノームに合わせて練習)
・プリモとセカンドのお互いのメロディーが対話することで、フレーズ感が生まれる
作曲家の意図を指導者が読み取り、それを表現する術を生徒に伝え、そこから一緒に考えて曲を作る過程を石井先生のレッスンで学ぶことができました。
午後の部は、A1級からE級まで。
・午前の部同様、イメージを膨らませる
・その場面に適した音、表現したい音を作るためにどのような打鍵方法を使うか考える
(柔らかい音なら鍵盤を掃除するような撫でる指で)
(鋭い音なら手の中を固くして指先を鋭くするイメージで)
・楽譜に書かれている楽語や強弱、記号から作曲家の意図を読み取る
(意味を調べるのはもちろん、そこから何を表現したいのかを考える)
先生のお言葉や手拍子でレッスンが終わる頃には、イメージを固めて弾けるようになったり、コツを掴み自分の音に納得できたり、さまざまな受講生の方がいらっしゃいましたが、皆さんとても楽しくレッスンを受けられていました。コンペティションに繋がるだけではなく、今後のピアノ人生にも大きく影響するレッスンになっただろうと思います。
指導者の立場としても、ただ一方的に指導するだけではなく、イメージを浮かばせるような具体例や情景を伝えることで、生徒自身が積極的に思いを巡らせることのできるレッスンを見させていただいたと思います。
情勢をみてもなかなか元通りとはいえない状況の中での公開レッスンでしたが、石井先生をはじめ公開レッスンを受けてくださった受講生、聴講の皆様のおかげで無事に開催することができました。このコラム内ではありますが、感謝申し上げます。
ありがとうございました。
rep.有馬 夕貴