レッスン アーカイブ

2013年5月18日

【終了】関本昌平氏によるピティナ課題曲公開レッスン&ミニコンサート

関本昌平氏によるピティナ課題曲公開レッスン&ミニコンサート

日時:2013年5月18日(土) 12時30分開場 13時開演
場所:武蔵浦和コミュニティーセンター 多目的ホール

満席、大盛況の中終了しました。

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国内外でピアニストとして活躍されている関本先生の公開レッスン。
受講するのはコンペで受賞歴もある生徒さん達とあって、レッスン前の演奏もよく研究して練習してあるのが伝わってくるものでした。

関本先生は、生徒さん達にもっと魅力的に表現するための具体的な演奏テクニックについて、模範演奏をたくさん交えながら一音一音丁寧に具体的に示していらっしゃいました。


特に印象的だったのは、

・ルバートのさせかた

「これが正解というわけではないのですが、自分ならこんなふうにひきます」
と、演奏して下さると単調だったフレーズが活き活きと動き出して、音楽に惹き込まれます。

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続けて生徒さんの演奏には全身を使ってリード。それに導かれて音が輝きを増していきます。


・間のとりかた

まとまりの終わりの音や曲の最後の音の「間」をどのようにとるか。
いくつかの例を挙げながら、時間的な「間」だけでなく指や手の動きとそこにある空気の流れが余韻を残してホールに伝わっていくことを教えて下さいました。
絶妙なバランスとタイミングはピアニストのセンスそのもの。生徒さんはそのちょうどを探ります。

その他、

・速いパッセージの発音のさせかた

・フレーズに合った呼吸

・臨時記号に込められているエネルギーや表情

などについても、アドバイスをされました。


指導者の先生方は勿論のこと、会場に集まった生徒さん達もメモにペンを走らせながら一言・一音聞き逃さないようにと熱気に包まれていました。

出演された生徒さん達も、ありがとうございました。
磨きがかかった演奏と活躍を楽しみにしています。
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最後にミニコンサートとして、
バッハ : トッカータ
ショパン : ポロネーズ第6番「英雄」
ブラームス : 4つの小品 Op.119番
アンコールとして子犬のワルツ
を演奏して下さいました。

作曲された時代背景と作曲家のパーソナリティなどについての解説をお聞かせ下さった後に聴く演奏は、子ども達も想像をふくらませて心に残るものだったと思います。
楽譜から離れたところにも演奏のヒントがたくさんあることを再認識しました。

素敵な演奏をありがとうございました。
もっともっと聴いていたかったです。


音の葉研究会 は、関東やその他の地域からも意欲的に勉強する先生方が集まって活動しています。

講座の運営もチームで力を合わせて行いました。

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ご一緒に勉強する先生方をお待ちしています!

6月には、根津栄子先生のチェルニー30番指導講座、菊池裕介先生の課題曲コンサート&公開レッスン。また夏休みに親子参加の講座なども企画していますので、音の葉研究会ホームページをご覧ください。

講座後には関本先生を囲んでお食事をさせていただきました。
プロのピアニストと間近でお話が出来る特別な時間でした。
幼少時代のピアノの練習方法は凡人には成し遂げられないようなビックリエピソード。
コンサートでお話下さったブラームスの話の続き。
とても勉強になりました!

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関本先生、本当にありがとうございました。
また勉強の機会をいただける日を楽しみにしております。


<文責:須藤 美帆>

2015年9月17日

作曲家によるお話&ピアニストによる演奏とレッスン


毎年夏休みに恒例となっている音の葉研究会主催の親子講座。
今年は素晴らしいホールで開催することが出来ました。
コンペは予選真っ最中の時期でしたが、頭・耳・心に残る貴重な経験になったのではないでしょうか。


◆場所:さいたま芸術劇場 音楽ホール
◆日時:2015年7月4日(土)

◇ 第1部13:00~13:50 作曲家によるお話 講師:西尾 洋先生

「伴奏は魔法使い」~伴奏付けの極意を学ぼう


アナリーゼできるようになりたかったら作曲をすることが一番の近道です。

と、西尾先生は音の葉研究会の定期講座でよく口になさいます。


今回の親子講座では【伴奏】にクローズアップ。

「伴奏の役割ってなんだろう?」

西尾先生は1枚の写真に例えました。

写っている人が主役→メロディ/背景→伴奏

こんなところへ行ってみたいなぁ・・・と想像できるのは写真の中の人物の奥の景色でしょう。


伴奏はそんな空間をつくる大切な役割なんだという意識をもって、それでは実際の曲では何をどうすれば素敵になるのか一緒に考えていきます。


シューマン作曲の子供の情景より三曲の例が挙げられました。

何度も出てくる同じメロディ(テーマ)に対して、伴奏はどうなっているでしょう?

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ここが変わったね!
ここは同じだね!

テーマのリズムが使われてるよ!
グンと下がって低い音になったね!

同じところは気分を変えてみよう。
違うところは違いをどうやって表現しようか。


・・・いつもは用意した楽譜に書かれた音を再現するだけかもしれない伴奏にここまで着目すると、今までとは違うものが見えてきて演奏したときの聴きかたが変わるのではないでしょうか。

楽譜に書かれていることは本当に極々僅かで、そこから何を読み取ってどのように自分の音楽を創り上げるかが面白い作業なのだということが参加された生徒さんもご家族の方も実感されたのではないかと思います。

最後に、会場の方も皆がよく知っている《虹のかなたに》にオリジナルの伴奏付けをするワークを行いました。


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「お!面白いことを仕掛けてきたね!」

ノーベル賞をとるような大発見は、何か分量を間違えちゃった!とか失敗した中から起こることも多いのだとか。
伴奏付けも、不正解を恐れずにいくつも試してみながら遊んでみましょう。


弦楽アンサンブルやジャズピアノ、サックスなど様々なアレンジの演奏を聴いて締め括られました。


◇  第2部14:00~14:50 ピティナ課題曲公開レッスン 講師:関本 昌平先生


・B級 小林 奏 さん   テレマン/アレグロホ短調  ヴィクトル/子ヤギ
・C級 御園 桃子 さん  ダカン/かっこう  ギロック/ダイアナの泉、魔女の猫
・連弾初級 Ⅰ小林 りら さん Ⅱ松原 はるな さん  グレチャニノフ/舞踏会の後で、牧草地


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ご自身も小学4年生からほぼ毎年PTNAコンペを受けてこられたという関本先生。

3月の課題曲発表から始まり、それぞれ違った時代の作品にふれられて夏までかけて4曲を深めながら勉強できることがよかったと振り返っていらっしゃいました。
コンペ期間中の一日のスケジュールも細かく教えて下さいましたが、ポイントはコンペの曲を練習することはもちろんですがそれと同時に色んな曲を早く仕上げる練習も大事とのこと。(B級を受けていた頃にはショパンのエチュードなど有名な曲を次々ひくことで初見力をつけられたそうです。)
スケール等の基礎練習と練習曲とバッハと・・・・と、時間帯ごとにやるべきことを決めて取り組まれたそうですが、何より驚きなのは、コンペの曲を弾いている時間の方がその他の練習時間より短い!ということ。

コンペは1日にしてならず。
結果に結びつく演奏には、やはり土台が肝心!ということでしょう。


レッスン受講生は、

聴く人をひきつけるテンポの揺らし方、
ホールの広さを意識した強弱の幅、
音の立ち上がり、
タッチの対比、など 関本先生からの魅力アップエッセンスを受けるとたちまち輝きを増した演奏に。

的確なアドバイスに対して早いレスポンス、どんどん発展していく様子を目の当たりにして、受講生の普段からの並々ならぬ努力に拍手を送りたいと思いました。


レポートが遅くなってしまい今年のコンペは既に終了しましたが、今頃は皆さんきっと新たな目標を持ってピアノに向かわれていることと思います。
またどこかで演奏聴かせていただける日を楽しみに陰ながら応援しています。

◇ 第3部15:00~16:00 名曲コンサート 演奏:関本昌平先生

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・ショパン/ポロネーズ第6番「英雄」
・ショパン/ワルツ第6番「子犬」
・ショパン/ワルツ第7番 Op.64-2
・ベートーヴェン/ピアノソナタ第14番「月光」
・ショパン/24の前奏曲Op.28より抜粋「雨だれ」など
・ショパン/スケルツォ第2番 Op.31

作曲家のお話とピアニストによるレッスンとコンサートという盛りだくさんな内容を素晴らしいホールで受講できる贅沢な時間でした。
西尾先生、関本先生、この企画を残して下さった永瀬まゆみ先生、ありがとうございました!

<文責:須藤 美帆>



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