セミナー アーカイブ

2012年6月 4日

セミナー『「ピアノ構造から見た正しいタッチ」 -演奏を生かすも殺すもタッチ次第-』

6月4日(月)、今日は音の葉ステーション主催のセミナーでした。

「ピアノ構造から見た正しいタッチ」 -演奏を生かすも殺すもタッチ次第-
講師:長谷川 淳先生
日時:6月4日(月) 9:45~11:45
場所:浦和コミュニティーセンター多目的ホール

80名以上の受講者が参加しました。

まず、永瀬先生のご挨拶。永瀬先生も昨日丸一日アドバイザーでした。お疲れさまです。IMG_3355.JPG
昨日のステップに引き続き、お疲れのご様子もなく長谷川淳先生の講義が始まりました。
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ピアノの構造の話から始まります。IMG_3357.JPG

主に10種類あるタッチの具体的な説明です。
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有名曲、コンペティションの課題曲を実例にとって具体的な説明がありました。

後ろの方までよく見えるようにプロジェクターで先生の手が大写しになります。
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身体、腕の使い方も実際に示してくださいました。
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正しいタッチを身につけさせる指導の重要性を再認識しました。

最後に先生を囲んで集合写真を撮りました。
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2012年6月14日

第3回アナリーゼ講座開催

 第3回アナリーゼ実践講座

◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2012年6月14日(木)10:15~12:15
◆内容:バッハ作曲『インヴェンションNo.4&No.5』

バッハ作曲『インヴェンション』を毎回取り上げ詳しく解説。
今回はその講座の3回目でした。

音源も5種類視聴。楽曲分析に加えて視聴のポイントの解説も。

そして、こちらも恒例、最後には和声学に講義もありました。

みなさん真剣に講義を受けています。

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2012年6月21日

第3回実践講座 

音の葉研究会では、永瀬まゆみ先生によります指導法の実践講座が月に一度行われています。
今日は、その実践講座が開催されました。

◆講師:永瀬まゆみ先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2012年6月21日(木)10:15~12:15
◆内容:テクニック指導及びドレミファソで始めるピアノ・テクニックの本レパートリー集①の解説

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永瀬まゆみ先生の著書によります、指導法の実践講座です。

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永瀬先生が具体的に自ら示して説明してくださいます。

生徒への言葉かけの重要性や脱力の仕方を生徒に使える実際のノウハウなど密度の濃い講義が続きます。
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会場は先生の説明を聞き逃すまいと、集中です。
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このテキストには、先生が考案されたアンサンブルの楽譜が入っています。

「ドレミファソで始める かんたん!すごい!さきどり!ピアノ・テクニックの本」で学んだテクニックを実際演奏にどう生かすかということから、さらに上達するためのアンサンブル。

ちょうちょや、きらきらぼしなどおなじみの簡単な曲が素晴らしいアンサンブルに変身です。

先生方による演奏です。
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三人でも。
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メドレーも
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先生方の演奏は素晴らしいものでした^^

簡単な曲がきらきらした先生パートが加わることで素敵な曲でなりました。美しい響きは生徒に"聴く力"をつけることができますね。

テクニックの指導から、アンサンブルの重要性まで、指導法の説明は多岐にわたって行われました。 (文責:吉岡)

2012年7月 6日

第4回アナリーゼ実践講座

第4回アナリーゼ実践講座

◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2012年7月5日(木)10:15~12:15
◆内容:バッハ作曲『インヴェンションNo.6&No.7』

バッハ作曲『インヴェンション』を毎回取り上げ詳しく解説。
今回はその講座の4回目でした。

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西尾先生の講義はインヴェンションの解説だけではなく作曲家の立場からのいろんな考察も伺うことが出来て素晴らしいです。

今回も音源の聞き比べをしました。回を重ねるごとに聴き方の"コツ"もつかめてきています。

インヴェンションの解説の後は、恒例の和声。

Ⅴ7→Iの進行のいろんなパターンの演習をしました。この進行はとても重要であることを再認識。
生徒への指導方法も同時に教えていただきました。

次回は、夏休み特別企画、親子向けのレクチャーです。こちらも楽しみですね。(文責:吉岡洋子)

2012年7月 8日

音の葉研究会 第4回実践講座

音の葉ステーションの勉強会『音の葉研究会』では、永瀬まゆみ先生による指導法の実践講座が月に一度行われています。

今日はその実践講座でした。今回は、場所を移して公開レッスン形式で開催されました。

◆講師:永瀬まゆみ先生
◆場所:和幸楽器新都心センター
◆日時:2012年7月8日(日)10:30~12:30

研究会の先生方の生徒さんの中から4名の生徒さんたちへの"公開レッスン"という形で行われました。

曲目は
ブルグミュラー25の練習曲より「小さな歎き」
ルクーペ ピアノのABCより8番、21番
ソナチネアルバム1巻7番第1楽章
バッハ 「ミュゼット」、「たいまつの踊り」(コンペB級課題曲)
「ピアノレッタ」

開始です。
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まず生徒の演奏。
それを聴いて、永瀬先生はすぐに的確に改善するべきかポイントを絞って指摘。ですが、きちんと良い点を褒め、なおかつ、丁寧にかみ砕いてどうすればよいかをご呈示くださいます。

先生の言葉かけが、生徒の年齢に応じて工夫されているので、生徒たちはとてもよく理解出来ているようでした。

具体的な指導法をお写真でご紹介します。ただ、先生の暖かい言葉かけ、的確な指導など、実際見学しなくてはわからないことが多々ありますが、素晴らしいご指導の雰囲気だけでも伝えられたらと思います。

腕の脱力を感じるために実際秤を使って
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身体の使い方をボールを使って
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腕の重みを指に乗せる
IMG_3424.JPGびっくりするくらい音が変わりました!

レガートを実際の目盛りで実感する
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タッチを直に生徒に伝えるために子供の目線で
IMG_3433.JPG先生、お洋服が・・・・^^;

オクターブが届きますように、手が広がりますように☆先生が魔法をかけています(笑)
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肘、腕の使い方を伝えるために一緒に椅子に座って。生徒は安心しますね。
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親指の使い方は
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良くできたね。

生徒さんたちは、先生のご指導のもとびっくりするくらい演奏が変わりました。IMG_3450.JPGいっぱい練習してもっともっと上手になってね♪

今日もとても勉強になりました。ありがとうございました。
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永瀬先生のご指導は、同じ事を指摘するにも、ちょっとした言葉かけ、わかりやすい例を示すなど、さまざまな工夫があり大変勉強になりました。今後の指導に生かせるように努力したいですね。
(文責:吉岡洋子)

2012年8月25日

音の葉研究会 第5回実践講座

残暑お見舞い申し上げます。今年はことのほか厳しい残暑。みなさまには体調など崩されておられませんか?今しばらくこの暑さは続く模様です。お気をつけ下さい。

その残暑厳しい中、夏休みの充電期間を経て、2012年8月24日(金)、音の葉ステーションの勉強会『音の葉研究会』の実践講座がありました。

いつもは永瀬まゆみ先生のご指導による講座ですが、今回は、永瀬先生のご紹介により講師の先生をお招きしてバロックダンスの講座が開催されました。

講師の先生は村井頌子先生です。先生の公式サイトはこちら

◆講師:村井頌子先生
◆場所:岩槻駅東口コミュニティセンター ミニホール
◆日時:2012年8月24日(金) 1回目10:30~12:30  2回目 13:30~15:30

午前の部のご紹介をします。

永瀬先生からご挨拶
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バロックダンスの説明を受けてます。小学生の生徒さんたちの参加も多数ありました。みんな真剣。
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いよいよ基本のステップの練習です。

が、立つだけでも一苦労。背筋をピシッと伸ばして足を90度に。先生はピシッと決まっています。
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さあ、実際に、ガボット、メヌエット・・と踊ります。
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実際踊ってみなければわからないことが多々ありました。

先生から、ピアノの演奏にどう生かすか、など、先生自らピアノ演奏を交えて説明もしてくださいました。
最後に、先生が踊って下さいます。
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優雅な先生の動きに会場中うっとり。宮廷にいるようでした。
(せっかくの先生の美しいお姿が、会場が暗いのとイマイチの性能のカメラだったため上手く撮影出来ていなくて申し訳なかったです。)

今後、舞曲を生徒に指導する際に、この経験を生かしたいと思います。

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午後にも同じ内容で、やはり大勢の先生生徒さんたちをお迎えして開催されました。
(文責:吉岡洋子)

2012年9月26日

音の葉研究会 第6回実践講座

ようやく、厳しい残暑も終わり空の青さに秋を感じるようになりました。
先週開催されました、永瀬まゆみ先生によります「音の葉研究会」の実践講座のご報告をさせていただきます。

◆講師:永瀬まゆみ先生
◆場所:和幸楽器 大宮店
◆日時:2012年9月20日(木) 10:15~12:15
◆内容:ドレミファソで始めるピアノ・テクニックの本レパートリー集①2回目

永瀬まゆみ先生の著書『ドレミファソで始めるピアノ・テクニックの本レパートリー集①』を実際のレッスンで使う指導法の実践講座の2回目です。
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テキスト後半、"実践"の解説です。
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"実践"には、かわいいおともだち、たのしいワルツをはじめ、親しみやすい曲ばかりが集めらています。生徒たちにどう指導するか、実際演奏を交えて丁寧な説明をしてくださいました。

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音で感情を語るには、変化を心で感じる、など、先生の珠玉の言葉に参加者一心に聞き入ります。
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そのためにどうするか、どう指導するか、熱心な講義が続き、密度の高い時間となりました。(文責:吉岡洋子)

2012年10月 3日

音の葉研究会 第5回アナリーゼ講座

10月になり、ようやく秋らしくなってまいりました。

9月27日(木)、音の葉ステーションの勉強会「音の葉研究会」では、西尾洋先生によりますアナリーゼ講座が開催されました。

第5回アナリーゼ講座

◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2012年9月27日(木)10:15~12:15
◆内容:バッハ作曲『インヴェンションNo.8&No.9』 及び和声学

バッハ作曲『インヴェンション』を毎回取り上げ詳しく解説。
今回はその講座の5回目でした。DSC01136.JPG

5回目になると、楽譜の見方も随分なれてきますが、先生が、一からかみ砕いて説明して下さるので、私たちも初心に戻り再確認します。こういう作業を繰り返すことで、楽譜をじっくりと読む習慣がついてくるよう実感します。

生徒に指導する場合の説明の仕方なども、教えていただきました。

今回もまた音源の聴き比べです。楽譜と先生の演奏での講義の後、チェンバロも含めて4種類の音源を聴き比べました。演奏のポイントの解説して下さいます。聴き所を逃さないような鑑賞力をつけることを学びました。

後半は、和声。

I→V2→I1の説明と実習。前回のV7→Iの重要性の再確認をしました。(文責;吉岡洋子)

2012年10月23日

音の葉研究会 第7回実践講座

あちらこちらで演奏会や運動会が催され、芸術の秋・運動の秋を感じます。
朝晩の冷え込みで体調を崩される方も多いようですが、先週の音の葉研究会は熱意あふれる先生方のお話で元気と活力をたっぷり注入されました。

◆ 講師 : 永瀬まゆみ先生
◆ 場所 : 和幸楽器 大宮店
◆ 日時 : 2012年10月18日 10:15~12:15


今後の音の葉研究会は、「研究会」という名にふさわしいように、講師の先生から教えて頂くだけの受け身な講座ではなく、会員から問題提起をして皆でよりよい解決方法や指導方法を模索していきたいとご提案があり、まずは自己紹介をすることになりました。


①自分のプロフィール(住んでいる地域など)
②おススメ教材
③指導の悩み
④研究会に入ってよかったこと など

を発表します。


一度限りの「講座」とは違った「研究会」は、継続して受けられる講座であり、会員の数だけアイディアが広がり、学びながら情報や技術を共有することが出来るように発展していきます。
それには、まず会員同士の顔とお名前が一致しないことには始まらない!ということで順番に。


一同ドキドキしながら発表・・・
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お名前、お住まい、講師歴に加えて、おススメ教材、発表会のアイディア、指導の悩みなど、どの先生のお話も共感できるものだったり、すぐにも試してみたい情報があふれ、時間いっぱいまでお話が尽きることがありませんでした。


お悩みに対しては、永瀬先生からのアドバイスを早速いただきました。

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最後に永瀬先生から「皆さん、よくしゃべりますね~!!」と、お褒め(?)の言葉をいただき、今後の活動がますます活発になることは間違いないことを感じました。


(文責 : 須藤美帆)

2012年12月 3日

音の葉研究会 第8回実践講座


♪ バロックダンスと演奏法講座 ♪

8月に行われたバロックダンス講座に続いて第二回目の開催となりました。


◆ 講師 : 村井頌子 先生
◆ 場所 : 浦和コミュニティセンター 多目的ホール
◆ 日時 : 2012年11月22日(木)9 :45~11:45

着席して講座が始まるのを楽しみに待ちましたが、講座のスタートから参加者はホールいっぱいに広がり並んで基本の立ち方から教わりました。
続いてステップを一つずつ教わり、先生のお手本を見ながら実際に踊ります。

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「そこの方、もう少し間をあけましょう。それではドレスがぶつかってしまいますよ。」

と、先生からのアドヴァイス。

ハッとして現代にいながら時代を越えて当時の衣装を思い描きました。
大きく広がったドレスを身につけて踊っているのですね。
衣装のイラストも見せていただき、イメージがわいてきます!

そして輪になって各舞曲に合わせて踊りました。

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片足立ちで膝を曲げて低めになった姿勢(かなり負担がかかります)から伸びあがるステップを体験して舞曲のなかの「拍子」の意味を感じ取ることが出来ました。


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最後に譜例などをつかって「踊り」や室内楽(通奏低音や弦楽器のボウイング)から考察するフレージングなどについて良い例、悪い例を挙げて解説していただきました。また、チェンバロでひく場合の装飾音などについてもお話下さいました。

体得するスタイルのセミナーで、たくさんの新しい発見がありました。

次回は1月23日(水)に、マズルカ、ポロネーズ、ポルカ、アルマンド、レントラーなど次の時代の踊りについて取り上げていただく予定です。


<文責:須藤 美帆>

2012年12月30日

音の葉研究会第9回 実践講座

♪ ゲーム感覚で学べる はじめての聴音 講座 ♪


◆ 講師 : 永瀬まゆみ 先生
◆ 場所 : 和幸楽器 大宮店
◆ 日時 : 2012年12月6日(木)10 :00~12:00


永瀬まゆみ先生の出されている聴音の書き取りノートを使い、体験レッスンのような流れで使い方を伝授していただきました。

ヤマハミュージックメディアから出版されている「はじめての聴音~ゲーム感覚で学べる~「書き取りノート」は、CD付きの講師用ガイドと併用します。

あらかじめ小説線や拍の数字が書かれたノートに、拍とリズムのみを聴いてマークをしていく簡単なものから始めて、後半はメロディー聴音へと進みますが、本当にゲームをしているように楽しく出来ることを少しずつ増やしていくように構成されています。

参加された先生方は黙々と真剣に聴音に取り組んで、学生時代も戻ったような時間を過ごし、その後はリズム打ちの練習も行われました。

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いつもは「先生」の皆さんも今日は「生徒」になって。
突然差し替えられたリズムカードにドキドキしながら、楽しく緊張感をもって出来るリズム練習。


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ピアノをひくことだけでなくソルフェージュなどの総合的な力をつけることが、どれほど演奏の向上につながるかなどをお話いただき、あらためてその大切さを確認するとともに、すぐにでも出来る聴音ノートを取り入れてみたいと思いました。

「はじめての聴音」をレッスンで使用されている先生方からは、とても使いやすく生徒さんからも好評なことと、聴きとる力がみるみるついていくことに驚いているという感想も聞かれました。

永瀬先生の魔法がかかっているような教材を、著者である先生ご本人から解説していただける貴重な内容の講座となりました。


文責:須藤 美帆

2013年1月30日

ダンスを踊って舞曲を知ろう!

1月も残りわずかとなり冷え込みは厳しいものの日照時間が長くなったことに春への期待が高まってきました。

さて、先週「音の葉研究会第10回 実践講座」として行われた舞曲のセミナーについてご報告致します。


◆ 講師 : 吉岡 洋 先生 ・ 村井 頌子 先生
◆ 場所 : 浦和コミュニティセンター 多目的ホール
◆ 日時 : 2013年1月23日(水)9 :45~11:45


舞曲セミナーは今回で3回目。
毎回実際に受講者もステップを教わって踊ることで、舞曲のリズムを体得しています。

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ヒストリカルダンス研究家の吉岡先生の踊りが加わり、より詳しくご説明いただきました。

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前回のバロックダンスに続いて今回はその後の時代の
マズルカ ・ ポロネーズ ・ ポルカ ・ レントラー ・ アルマンド に取り組みました。

ピアノで演奏する際の解釈などを交え、すぐに演奏に活かせる内容です。
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四苦八苦しながらステップを教わり、ちょっと難しい振付も教わって、実際に出来た時の感動は参加された方々が皆同じだったことと思います。

講座というものは受け身になりがちだと思いますが、この講座は 踊る ということを純粋に楽しむことも出来ました。

ピアノで舞曲をひく時には、ステップを思い出して演奏のヒントにしていこうと思います。


<文責:須藤 美帆>

2013年2月 2日

音の葉研究会 第8回アナリーゼ講座

 第7回のご報告が抜けてしまいましたが、今回で8回目となる西尾先生のアナリーゼ講座でバッハのインベンションの二声15曲を全て扱っていただきました。

<継続は力なり>

今までの復習を兼ねながら、今回も先生方が集中してメモをとる音が止まらない有意義な時間を過ごさせていただきました。


◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:1月31日(木) 10:15~12:15
◆内容:インヴェンション14&15 及び和声学


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楽譜に書かれたことを分析したうえで、演奏時どのように表現につなげるかまでを解説して下さるのが西尾先生の講座の魅力です。


CDでの演奏聴き比べコーナーでは、様々な演奏者の特徴をアナリーゼした内容にそって解説していただきました。
ただ何となく聴くと聞き流してしまいがちなところを「演奏の聴き方」について学びました。

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次回からはソルフェージュのテキストを使った内容と、先生方からのご希望で出された曲などをアナリーゼしていただきます。新年度からの活動についても意見交換があり、研究会の活動が発展していくのが楽しみです。
研究会員も現在募集していますので、音の葉研究会ホームページも併せて是非ご覧ください。
http://otonoha-as.jimdo.com/


<文責:須藤 美帆>

2013年2月18日

音の葉研究会 第9回アナリーゼ講座

立春を過ぎてもまだ寒い日が続いていますが、音の葉研究会では新年度へ向けて活動内容などを話し合い、春からの新しい学びに向けて熱意があふれています。
先日行われた講座についてご報告致します。


◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2月7日(木) 10:15~12:15
◆内容:アナリーゼ<ショパン ワルツOp.64-2>
             <ドビュッシー 二つのアラベスク>
      和声学
      ソルフェージュ

西尾先生の講座は、とにかく分かりやすくて面白い!
と、参加された先生方が皆声をそろえておっしゃいます。

バッハのインベンションに続いて今回は会員からの希望曲をアナリーゼしていただきました。

「ショパンの音楽記号」についても取り上げられています

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今回からの新企画「きれいにうたいましょう・ソルフェージュ(入門編)」

簡単なものほど深く掘り下げて考えてみることが大切!と、西尾先生からのご提案です。

1番の「ドドドの歌」を皆で歌い、単純なメロディが支える和声の変化で美しく広がりのある音楽になることを感じることが出来ました。
すぐにでもレッスンに取り入れたい内容です。

盛り沢山で充実した講座をありがとうございました!!次回も楽しみです。

<文責:須藤 美帆>

2013年3月14日

音の葉研究会 第10回 実践講座<楽語>


永瀬まゆみ先生監修のもと、2月に発売された 

ミッキーといっしょ パズルでおぼえる 音楽のことば (ヤマハミュージックメディア) 
は、初級の楽譜からよく使われる楽語や記号をカードゲームやパズルのような遊びの感覚で楽しく覚えるためのグッズです。

ディズニーのかわいい絵で子どもが喜ぶだけでなく、楽語をより深く理解するためのヒントが盛り込まれていて今までにない実用的な内容となっています。

今回の実践講座では、我々指導者でも長年疑問に思ってきたような楽語の謎に迫ります。
日本語に訳されると同じ意味になってしまう楽語。いくつもありますよね?!

◆ 講師 : 新田 玲子 先生
◆ 場所 : 和幸楽器 大宮店
◆ 日時 : 2013年2月21日(木)10 :15~12:15


楽譜に書かれているたくさんの「楽語」
ただ、ただ、楽典の本などに書かれている日本語訳を暗記したこともあるのではないでしょうか?

多くの楽譜に記されている楽語はイタリア語ですね。


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イタリア語講師の新田玲子先生から、語源や意味とともに「イタリア人が生活の中でどのように使っている言葉なのか」といったお話で、楽語の真の意味と実際の音楽表現につなげるためのヒントについて掘り下げていただきました。

発音についても詳しく教えていただき、本場仕込みの発音を練習
「プスト!」
ほら、なんだか本格的☆

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聞けば聞くほどもっと知りたくなる楽語の世界。とても勉強になりました。
新田先生、ありがとうございます!!

後日、たまたまチャンネルをかえている時に目についたNHKのイタリア語講座。
いつもなら見ることもなく変えてしまうのですが、気になって見ていました。

お腹がすいた子どもがお母さんに「すぐにごはん作ってよ!」という会話の中に楽語で使っている
subitoが入っていて嬉しくなってしまいました。

生徒達にも「覚えなさい」とただ言うよりも、こういったエピソードを交えながら教えることが出来たらもっと楽語も親しみやすくなるかもしれないと思いました。

<文責:須藤 美帆>


2013年4月 3日

第37回PTNAピアノコンペティション課題曲アナリーゼセミナー

ひと雨ごとに気温も上がり、雨上がりの新芽が美しいです。
新年度もスタートして気分も新たに学んでいきたいと思います。

さて、3月末に行われたアナリーゼ講座についてご報告致します。

「すべては楽譜から」


◆講師:西尾 洋先生
◆場所:武蔵浦和コミュニティセンター 多目的ホール(28日)
      和幸楽器大宮店(29日)
◆日時:3月28日(木) 10:00~12:00  13:00~16:00
      3月29日(金) 10:15~12:15  13:15~15:15
◆内容:PTNAコンペティション課題曲アナリーゼ A1級~D級


(1日目)

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(2日目)

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二日間をかけて作曲家である西尾先生ならではの視点でお話下さいました。
それぞれの楽譜にある意味を読み取り、高度な内容も生徒に分かりやすく伝える方法をじっくりと丁寧に解説していただくと、どんどん曲の魅力に引き込まれていきます。

春休み中ですので生徒さんも多数ご参加下さっていましたが、とにかく西尾先生の説明に使われる言葉は分かりやすく、そして何よりも楽しいです。
「ここは転調してト長調」と言ってしまうところを、「ここは の世界」と西尾先生は表現していらっしゃいます。

ピアノを習っていればそのくらい分かってると思って当たり前のようにしている説明も、言葉を変えるとこんなにもスッと頭の中に入るものなのですね!

先生方が目から鱗だったことは当然ながら、参加された小さなピアニスト達も飽きるどころか楽しそうに興味深々でお話を聞いていたのが印象的でした。


アナリーゼした内容を「自分だったらこんなふうに表現します。例えばですよ。全く違う考え方も出来ます。色々試してみて下さい。」と、実際に演奏を交えて具体的に解説して下さり、あまり個人的には得意でない雰囲気の曲も、ヒントを得たことで急に魅力的に思えるようになりました。
コンペに参加するしない関係なく役立つ内容です。

これほど時間をかけて詳しく丁寧に学べる機会はなかなかないのではないでしょうか。
西尾先生、本当にありがとうございました!!

<文責:須藤 美帆>

2013年4月23日

音の葉研究会 第10回アナリーゼ講座

新年度が始まる4月。入学、入園、進級と気持ちも新たにスタートする時期ですね。
西尾先生によるアナリーゼ講座も10回目となりました。
永瀬先生はいつも「継続は力なり!」と、学び続けることこそが指導力UPには絶対必要であることを教えて下さいます。

研究会も2年目に入り、新年度ということで体制や制度を更新しました。
新しくお迎えした先生方も加わり、会員が力を合わせて活発で充実した活動にしていけるように話し合いの時間がもたれました。
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音の葉研究会の今後の活動に、是非ご期待下さい!


それでは、第10回アナリーゼ講座のご報告を致します。

◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:4月4日(木) 10:15~12:15
◆内容:アナリーゼ<ブルグミュラー 素直、アラベスク、牧歌>
      和声学
      ソルフェージュ

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ブルグミュラーの3曲と和声学どちらも「倚音」にスポットをあてたお話が印象的でした。

♯ シャープ と ♭ フラット を矢印と取り換えてみたら・・・・ということで
上向き矢印 ↑ と 下向き矢印 ↓ を楽譜に書き入れてみます。

そしてその先の音に注目。なんと、その矢印の方向へ引っ張られるように進んでいきます!

なんとなく気に留めることなく弾いていた音が、こんな気付きによって面白く感じることができるとは。驚きでした。
そして、その日のレッスンから早速生徒さん達にも楽譜に矢印を書いてもらいました。
「へ~!!」と、不思議そうに楽しそうに興味を持ってもらえました。

レッスンに即使える!!
そんなアナリーゼ講座をして下さる西尾先生、どうもありがとうございました!


<文責:須藤 美帆>

2013年4月26日

音の葉研究会 スタインウェイピアノ構造セミナー

♪4月25日(木)♪

新年度に入り2回目の研究会は、
いつもと場所を替え、スタインウェイピアノのサロン「さくら館」にて行われ、
調律師さんよりピアノの構造その他について
レクチャーをして頂きました。

クラシカルな調度品に整えられたお部屋に
メンバーの雰囲気も心なしか華やぎます。

始めに、DVDでスタインウェイピアノの歴史や特性、製造過程等について学んだ後、
アクションモデルを用いて更に細かい説明を受けました。

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いよいよ本物のスタインウェイピアノを前に
美しい音が生み出される"元の部分"を見ます。

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アクションの土台の板の部分には、
本当に微妙な反りがあるそうです。

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ごっそりと鍵盤部分を取り出して・・・

3本のペダルがどのような動きをするのか?
弦の張り方、消耗しやすい部分は?
多くの事が見えてきます。

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ここにも、響きのこだわりが!
皆で下からのぞき込みます。

多くの質問も出て、
会員の先生方の感動と関心の深さが伺えました。

ピアノという楽器は、
小さな頃から毎日触って来たのに
意外と「中身」については分かっていないのが実情です。

しかもスタインウェイともなると、ホールなどで特別な時だけ弾くピアノ・・・というイメージが先行し、
深く知ろうとすることも恐れ多いような気がしていたのですが、
内部も外部もここまでのこだわりと実に細かな作業工程、
そして長い歴史を重ねて今ここに存在していることを知り、
これからは機会がある毎に、その音色やタッチを大切に感じ取ることが出来そうです。

そして何より、
「ピアノという楽器の素晴らしさ」について
生徒さん達に、心から自信を持って語れそうです。

大変貴重な時間となり、
ご協力下さったさくら館の皆様に心よりお礼を申し上げます。

<文責:大原由紀>

2013年4月28日

PTNA指導セミナー Vol.46

浜離宮朝日ホールにて行われた PTNA指導セミナーに永瀬まゆみ先生がご登壇!


全国の著名な先生方が指導法をプレゼンした後に各ブースに分かれて直接お話することが出来るセミナーでした。
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10分間という限られた短い時間にもかかわらず指導のポイントを凝縮してお話下さいました。
ブースにはたくさんの熱心な先生方が集まって疑問質問が飛び交い、永瀬先生から詳しくご説明を受けられました。

ブース.jpg

フォルテのゾウさん、
ピアノのヒヨコ、
シャープの凧、
フラットのスリッパ・・・
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小さな生徒さんでもすぐに記号を覚えられる楽しい絵もご紹介下さいました!


会場で販売された 
「ドレミファソで始めるピアノ・テクニックの本」 も
「パズルでおぼえる音楽のことば」 も
即完売となりました。

音の葉研究会では、さらに詳しく勉強することが出来ます。
ご一緒に活動しませんか?
研究会ホームページも是非ご覧ください。

http://otonoha-as.jimdo.com/


<文責:須藤 美帆>

2013年5月30日

音の葉研究会 第11回アナリーゼ講座

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◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:5月23日(木) 10:15~12:15
◆内容:アナリーゼ<バッハ シンフォニア 2,3,7>
     

バッハ インベンション二声全曲に続いて、今回はシンフォニアを取り上げて学びました。

インベンションとの大きな違いは、メロディ登場のタイミング。
メロディを登場人物に例えると・・・・

インベンションは、一人で登場。後から他の人が追いかけてきます。
シンフォニアは、最初から二人で登場します。 


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各声部を他の楽器に例えるとすると・・・・
と、いうお話の後にはピアノとエレクトーンを使い、西尾先生・中澤先生・小柏先生で三つのパートに分かれて合奏してみるという試みも。

音色の違いで各パートの動きがクリアになり、役割の違いや音の重なり方が立体的に聞えて、とても新鮮で面白い経験となりました。
合奏することは、一つの声部に意識を高めつつも他の声部を聴きながら寄り添っていかなくては演奏できません。

こんな体験を生徒達にも是非させてみたいと思いました!

夏休み特別親子講座として、8月27日(火)に
ピリオド楽器による古楽アンサンブル(バイオリン・ビオラ・チェロ・リコーダ・ フルート・オーボエ・リュート)
演奏会が行われます。(武蔵浦和コミュニティセンター多目的ホール)

ピアノ学習者でもピアノ以外の楽器の音にふれる機会はとても少ないと思います。
色々な楽器の生の演奏を聴くことが出来る素晴らしい機会となりますので、参加ご希望の方は音の葉研究会ホームページをご覧下さい。

たくさんの楽器の音を知ることは、「出したい音」の引き出しを増やすことにつながると思います。


<文責:須藤 美帆>

2013年6月 1日

音の葉研究会 第12回実践講座  永瀬まゆみ先生公開レッスン

第12回実践講座


毎年コンペで優秀な生徒さんを輩出されている永瀬まゆみ先生。
コンペを通してどのように学び指導経験を積んでこられたか、生徒に真の演奏力をつけさせるために必要な要素とは何か?
指導者に求められる姿勢と技術についてのお話をいただいた後、公開レッスンが行われました。


◆講師:永瀬まゆみ先生
◆場所:武蔵浦和コミュニティセンター 多目的ホール
◆日時:2013年6月1日(土)10:00~12:00

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いつもオリジナリティあふれるアイディア満載のご指導をされている永瀬先生は講座のスタイルもオリジナル。
今回は、永瀬先生お一人でレッスンするのではなく、音の葉研究会会員の先生方も参加型で進行していきます。

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生徒さんの演奏を聴いて先生方から意見を出し合い、様々な角度の視点から指導の可能性を広げることが出来ました。
これこそ研究会という名前通り、皆で学び合う集いです。

受け身の講座とは全く違った緊張感とともに、たくさんの発見も共感も味わいました。


そして、永瀬先生のレッスングッズも、どんどん飛びだし・・・
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(オルゴールを使ってピアノの響きを体験)


生徒さんに必要な要素の処方箋が出されました。

<解釈>楽譜の中から違い・変化・対比をみつけて

<表現>聴く人に分かるように伝えるにはどのようにしたらいいか

<テクニック>
欲しい音色の具体的な作り方。指+手首+腕+体の状態+タッチスピード等


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参加された生徒さん、ステキな演奏をありがとうございました!
活躍を楽しみにしています。


永瀬先生、大切なレッスンのアイディアグッズと指導の実例を惜しみなく伝授して下さり本当にありがとうございました!!
研究会員皆で進化を続ける学びの場になると思います。次回もよろしくお願いします。


<文責:須藤 美帆>

2013年6月 2日

根津栄子先生「チェルニ―30番で子どもたちの心を開花!!-もっと弾きたい!だから育つ指導法ー

根津栄子先生による「チェルニ―30番」のセミナーが行われました。

日時:6月1日(土) 14:00~16:00
会場:武蔵浦和コミュニティーセンター 多目的ホール
主催:ピティナさいたま音の葉ステーション


根津栄子先生監修のこの本は
今迄の、「チェルニ―」のイメージを根底から覆す程の衝撃的な本です。


「内容」は勿論、イラストが非常に「可愛い」です。

これは、子供たちにもの凄いインパクトを与えると思います
まさに、子供たちの「心」が「開花」されるテキストです。


表紙は玉手箱のようです。


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全ての曲に「題名」が付いてます。

7番は「こうさぎのさんぽ」

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3番は「バレリーナ」です。

チェルニ―30番ー1.jpg


先ず、永瀬先生から御紹介がありました。
永瀬先生も、このテキストを「絶賛」されていらっしゃいました。

根津先生ー3.jpg


映像を見せて下さいながら、導入期の指導を説明して下さいました。

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入会4カ月の子、「全調」が弾けます。
バスティン・メソッドにのっとった指導法です。
「脱力」も徹底的に・・・

「チェルニ―」に入る前に、そこまでの状態に持って行きます


一曲一曲演奏して下さりながらの丁寧なポイント解説。
素晴らしい演奏を聴かせて下さいました。

根津先生ー1.jpg

根津先生御自身が、この本のイラストに出て来るような
「可憐」で「可愛いらしい」イメージの方です

先生の「チェルニ―30番」に対する思いが凝縮された本。
チェルニ―に対する&ピアノ指導に対する先生の「愛情」がこんな素敵な本になりました。
きっと、多くのピアノ学習者に「夢と希望」を与える本になるでしょう。

「上・下巻」2冊に分かれていて、「下巻」は「明日」発売になります。
こちらもとっても楽しみです

根津先生、素晴らしい本をありがとうございました。
そして、この本を世に出して下さった、東音企画の福田社長、ありがとうございました。


【文責 増田玲子】

2013年6月20日

音の葉研究会 第12回アナリーゼ講座

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◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:6月13日(木) 10:15~12:15
◆内容:アナリーゼ<バッハ シンフォニア 1,4>
             <ブルグミュラー 貴婦人の乗馬>
     きれいにうたいましょうソルフェージュ 
     和声学


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バッハ シンフォニアは
「トリオソナタの編成で出来ているので、曲の出だしからバスが入ります」
・・・・・当時の楽器編成をヒントにして各声部の動きや役割について考えます。

また、音楽の主な性質は声楽からきていることから考える音域についてのお話も印象的でした。


アナリーゼしていくと、バッハが詰め込んだものの多さに圧倒されます。
演奏のアドヴァイスとしては、アナリーゼして分かったことや認識していることを、実際に音に表すかどうかは別の問題としておくこともお話下さいました。

恒例のCD聴き比べコーナーでも、奏者によってそれぞれの表現の違いが浮かび上がりました。

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<文責 須藤 美帆>

2013年7月 5日

音の葉研究会 第13回アナリーゼ講座

7月になり、気温も湿度もじわじわと高くなってきたこの頃です。
急な雷雨があるかも?という予報が出て、
傘持参の先生も多かったことと思います。

毎月恒例の、西尾洋先生によるアナリーゼ講座。

今年度に入ってバッハ以外の曲も取り上げていますが、
今回は発表会で大人気であり、
コンクールでも避けては通れなくなって来た作曲家「ギロック」を
初めて分析してみました。

ギロックの中でもとりわけ演奏機会の多い、
「手品師」「フランス人形」「ワルツエチュード」を
1曲ずつ、紐解いて行きました。

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この日はちょっとしたお試しから・・・。

楽譜を開きエンピツを握る私達に
西尾先生から
「何もメモせず、聴いて考えながら、大事なことだけ頭に入れましょう。」
との提案。

それぞれが筆記具を置き、
少々ドキドキしながら講義が始まりましたが・・・。

「書く作業」が無くなった分、
思考に余裕が出来たのではないでしょうか?
全てを書かなければとの思い込みを
一度こうして強制的に断ってみるのも良い経験になりました。


本日のポイントです。

テーマが次にどうなるのか?
変わったとすれば、どのように?

初めて出て来た形を大切に!
初めてのメロディ、初めての和音、初めての下行形・・・
"初めて"に注目するように。

曲の中の部分と部分はもちろん、
曲同士でも対比させてみる。
例えばフランス人形と手品師など。
対象的な曲をセットで弾いてみると面白い。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

導入から上級まで対応でき、
楽曲スタイルも多岐に渡るギロックは
素敵な曲ばかりで親しみやすく、
身体の使い方にも無理がなく、
その魅力的な作風ゆえ、構えすぎずに曲に入っていくことができます。

こうして勉強してみると、
やはり人の心を掴むようなハーモニーが多いですね。
小さな子でも、そこを感じる気持ちがあると
演奏の輝きが一層アップすることでしょう。


まだまだ知りたいギロックの世界。
次の講座でも、取り上げて頂くことになりました。

楽しみにしております。
西尾先生、ありがとうございました。

<文責;大原由紀>

2013年9月 2日

音の葉研究会 親子講座


暑い暑い8月の終わりに音の葉研究会では夏休み特別講座として、指導者とピアノ学習者親子を対象とした講座を行いました。
(会場は満席です!)

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◆講師:西尾洋先生
◆場所:武蔵浦和コミュニティセンター 多目的ホール
◆日時:8月27日(火) 10:00~12:00
◆内容:違いの分かる人になろう ~ 即興と変奏の話

はじめに・・・
「即興って何だろう?」という問いかけからスタート。
前の席にいた生徒さん達から一つずつ好きな音を思いつきで出してもらいました。

IMG_6817.JPGのサムネール画像

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ド・シ・ミ・ファ

この四つの音をテーマにした曲を西尾先生が即興演奏して下さり、会場は「!」「♡」
素敵な一曲が目の前で作られる体験をしました。

曲をつくるというのはどういうことなのかという予備知識を入れたところで、ショパンのワルツをアナリーゼしながら
●予想を覆す新しい動きやかたちが散りばめられているから面白く魅力的に思える
●新しく変化のあるところをどのように演奏する可能性があるか
などをお話下さいました。

「何が違うかな?何が同じかな?!」
「きっとショパンさんは・・・・・・」

講師向けの定期講座とは語り口調が違うだけで、先生方も多くの気付きと学びがあり生徒さん親子も二時間の講座を夢中で受講されているのが印象的でした。

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熱心にメモをとりながら・・
西尾先生の絶妙なテンポで進められる講座は続きます。


そして最後に変奏について取り上げられました。

3~5つの音のみの短いテーマの
●リズムを変える
●音を一つ間に足す
●休符をどこかに入れる

など、たくさんの生徒さん達に飛び入り参加していただいて、西尾先生との即興連弾タイムとなりました。まるで実験のよう!色んな音楽が次々に飛び出し、会場はドキドキと感動でいっぱいです。

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変奏を通して教えて下さったことは、
「変化した時に あっ! と思う。違った時に心が動かされる」ということ。

作曲家の気持ちを理解するためには自分でも曲をつくってみることが一番だそうです!
音で自由に遊べるように即興や変奏そして作曲が出来るといいですね。


夏の終わりに素敵な講座を受けることが出来てとても幸せに思いました。
西尾先生、ありがとうございました!!


<文責:須藤 美帆>

2013年9月25日

音の葉研究会 第14回アナリーゼ講座

街に出ると秋の味覚が店先に並び、運動会の練習をしている元気な声が聞こえてきます。

音の葉研究会では上半期最後の講座が行われました。
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◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:9月19日(木) 10:15~12:15
◆内容:アナリーゼ<バッハ シンフォニア 5>
             <ショパン マズルカop.7-1>
     和声学


主調から転調する「調」の近い・遠い
というお話が特に印象に残りました。

主調が自宅。お出掛けする場所を転調した調にあてはめてみたり、主調を自分において家族や家系(近い調は親子、下属調の平行調・・など離れた調は親戚)に例えることで、曲のなかのストーリーや構成を考えやすくするヒントをいただきました。


いつも、西尾先生のお話は「レッスンですぐに使いたくなる言葉」であふれています。
マンガだとすると頭の上に電球が ピカーン!と光る、あんな場面が必ずあります。


A-B-A´  ⇒ くまさん-うさぎさん-喜んでるくまさん

これなら何歳の生徒さんでもすぐに理解できるうえに楽しいです!
すぐに使います。ずっと使うと思います。


下半期の講座も楽しみです!
定期的に学び続けることこそが本当に指導力を上げるために必要なことなのだと、会を重ねるごとに実感しています。


音の葉研究会では新しいお仲間の先生もお待ちしています。
卒業間もない先生から大ベテランの素晴らしい先生方までいらっしゃいます。
研究会にご興味を持たれた先生はホームページからお問合せ下さい。


<文責:須藤 美帆>

2013年10月16日

音の葉研究会 第14回実践講座<楽語②>

カレンダーは残り3枚になって日暮れの時間は早くなって・・・
秋は何だか寂しいような気もしますが、音の葉研究会は楽語講座から下半期のスタート!
メモをとる手が止まらない二時間を熱気に包まれて過ごしました。

◆ 講師 : 新田 玲子 先生
◆ 場所 : 和幸楽器 大宮店
◆ 日時 : 2013年10月2日(木)10 :15~12:15

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前回2月に学んだ速さ・強さに関する楽語に続いて今回は主に曲想に関する楽語について取り上げていただきました。


「grave」

「pesante」


どちらも 重々しく と訳されます。

では、イタリア語ではどのように使い分けられるのでしょうか?

graveは、救いのないような自分の力ではどうにもならないような状態のこと。会社に例えると倒産してしまった状態を表す時に使われる単語。
pesanteは、まだ何とか救いはあるかもしれない状態で、会社に例えれば経営困難な状態(つまり倒産前で踏みとどまっている)のことを表す時に使われる単語。

と、微妙なニュアンスの違いがあります。

ブリランテな人、ブリオな人、アンダンテな人、レントな人、、、
イタリア語で表すとどんな意味になると思いますか!?

良い意味で使われる言葉と悪い意味で使われる言葉、そのどちらなのか知っているのと知らないのとでは楽語の捉え方も変わってきます。


人の性格に例える、服装に例える、状況に例える、
たくさんの例をもとにして、その言葉に含まれる真の意味合いを掘り下げて読み解く面白さ!

イタリア生活でのエピソード盛り沢山で、私はイタリアに住んでみたいと思うほど先生のお話に魅せられました。

先生が何度もおっしゃっていたことは
「言葉は文化」
ということ。

悲しみも痛みもイタリア語では一つの単語で表すものを、日本語に訳するのは難しいそうです。
国民性の違いが言葉の種類に直結していることを実感できました。

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言葉=言の葉 同様に 音の言葉=音の葉 で語り、感動を共有できるような音楽での交流を
永瀬まゆみ先生が目指して立ち上げられた音の葉ステーション。
そこで楽語を深く読みとることを学び、音にしていくことがますます面白くなりそうです。
世界共通語の音楽って素晴らしいですね!!


(文責:須藤 美帆)

2013年11月25日

音の葉研究会 第15、16回アナリーゼ講座

1ヶ月に2回のペースで講座を開いている音の葉研究会ですが、
秋も深まりゆく最近は、集まる度に服装も1枚ずつ多く重ねて着込んで・・・の参加となっていきます。

体調を崩す先生方もいるのでは?
どうぞお気を付け下さいね。


◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:10月17日(木) 10:15~12:15
      11月7日 (木) 10:15~12:15
◆内容:アナリーゼ<ベートーヴェン  ソナタ第6番>


さて、恒例西尾先生によるアナリーゼ講座は、2回に渡って「ベートーヴェン ピアノソナタ第6番」を分析いたしました。
(10月17日~第1楽章・第2楽章)
(11月7日~終楽章)

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ベートーヴェン初期のピアノソナタは、瑞々しさと勢いがあふれた魅力に満ちています。

そして私達にとっても、10代の「若き頃」に弾いたことが多かったのではないでしょうか?
この第6番は、受験曲としても定番の一つですね。

こうして丁寧に和声の変化やフレーズの「意味」を考えていくと、音楽的なポイントの箇所がはっきりと浮き出てきます。

ただただ夢中で弾いていた昔の自分の演奏はもう修正できませんが、今後レッスンする機会も多い曲ですので、常に立体的に捉える分析力を勉強し続けたいと思います。



11月7日の講座では、更に素晴らしい講義が待っていました!

前日に西尾先生より「余談をお楽しみに」的なご連絡があったのですが・・・

「なぜ、"前奏曲とフーガ"の組み合わせなのか?」
「ショパンは、"前奏曲"だけで24曲も書いたが、"前奏曲"ってそもそも何?」

もしかして、誰しも一度は疑問に思いながら何となく追求することもなく頭の隅に追いやられているような(でも、解決していない。)この「誰も教えてくれない」テーマの素晴らしい余談でした。

それはヨーローッパの音楽史を16世紀まで遡り・・・

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途中、関連するCDも聴きながら、
実に濃い余談でありました。

このような深い余談に身を置き、豊かな知識を頂けるのも
単発ではない、連続アナリーゼ講座だからこそなのでしょうね。

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西尾先生、どうもありがとうございました。

会員の希望曲を順にアナリーゼしていきますので、次は自分の曲が選ばれるかな?と楽しみも増えてきましたね。

                                        <文責:大原由紀>

            

音の葉研究会 第2回ピアノ構造セミナー

4月にも行われ、大変好評でした「ピアノ構造講座」。

半年経過して、新入会員の先生も多いことから第2回目の開催となりました。

◆11月21日(木) 10:15~12:15
◆会場:さくら館 (さいたま市)

前回も書かせて頂きましたが、さくら館はクラシカルな調度品に囲まれた中、実に落ち着いた雰囲気の素敵な所です。

講座の初めに、「アラベスク」というスタインウェイ社と家具職人さんのコラボで生まれたと言う、スタインウェイ社160年を記念しての(世界で限定50台だそうです・・・。)素晴らしいピアノの紹介DVDを鑑賞致しました。

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早速この時点で、沢山の質問が飛び交います。

その後は、後方にあるボストンピアノの周りに皆移動してのレクチャーとなりました。

今回は「調律」にスポットが当てられ、
実際に日々ピアノ調律に携わっておられる調律師さんより、丁寧なお話を実践を交えてたっぷりとお伺い出来ました。

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そして・・・
「ぜひ、調律体験をしてみませんか?」とのことになりまして。

研究会リーダーの中澤先生がトップバッターで音の調整を。
見ている私達もドキドキです。

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続いて、研究会代表の永瀬先生も!

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実際に、調律作業独特の「うなりを聴く」ことを何度もして頂き、
純正律から平均律を作るための微妙で繊細な調整方法を目の前でして頂いて、
何十年と調律師さんとお付き合いして来ているのに、いつもこの様な深いお仕事をして頂いてたことに今更ですが感謝せずにはいられなくなりました。


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ピアノの中の細部まで、詳しくご説明頂きました。

音の調整のみならず、調律師さんのお仕事は多岐に渡り、
拘ってお仕事をすれば無限にあるのではと思う程でした。

なぜならピアノは生きている楽器であり、音も様々な条件の中で人が作り出すもの。

「日本語では語り尽くせないやり取りがある。」とのお言葉が
深く心に残りました。

私事ですが、三味線を数年間習っていたことがあります。
三味線も音程を合わせた後は、「サワリ」という響きを作る作業があります。
自分の耳と手、微妙な感覚が必要な難しい部分でした。

ピアノの調律もとても似ているものがあると思いました。
が、三味線とピアノでは弦の数が違い過ぎますので、要する時間も比ではないのですが。

「ピアノ」という楽器の、普段気付かない側面を感じることができ、
貴重な時間となりました。

さくら館の皆様、今回も素晴らしい講座をありがとうございました。
心より感謝申し上げます。

                       <文責:大原由紀>

2014年1月16日

音の葉研究会 第17回アナリーゼ講座

ほぼ毎月、西尾先生によるアナリーゼと和声を学んでいる音の葉研究会にとって、いよいよ2013年最後の講座が行われました。

何かと慌ただしい年の瀬に集まって下さった会員の先生方、本当にこの日も、そして1年間お疲れ様でした。


◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:12月19日(木) 10:15~12:15
◆内容:アナリーゼ<シューマン  はじめての悲しみ>
             <シューマン  トロイメライ>
             <メンデルスゾーン  甘い思い出>
             <バッハ     シンフォニア 6番>


会場が、いつもと違うお部屋となりました。
何だか少し新鮮です!

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この日も会員の希望曲から題材となる曲が選ばれました。

「はじめての悲しみ」

ロマン派ともなると、曲のタイトルの意味するものも深いものがあります。日本語訳にした場合の解釈も再考することも必要になります。

"悲しみ"をシューマンはどの部分にどのように表現しているのでしょう?
いつも何気なく弾いている休符、音型に孤独感や憂いが含まれていることに気付き、その上で強弱記号を考えてみると記号に含まれる表情の奥深さにもより注意する気持ちが生まれます。

この小さな作品の中にあるドラマがはっきりと見えました。
西尾先生の講義は文学的にも感じられる掘り下げがあり、非常に私たちの心に響きます。

「トロイメライ」

まずは、トロイメライというドイツ語の解説から。一般的に「夢」と訳されていますが、それはどんな夢なのか?
ここをきちんと押さえておくことで、全体の捉え方も違ってきますね。

4分の4拍子であるのに、何とも4拍子らしくないフレーズ、バス進行・・・そして弾きにくい箇所も多い曲。
西尾先生が何度「へんちくりんな曲」と仰ったことでしょう!

この名曲を「変な曲」と素直に思ってしまっても良いのですね?そしてそのずれ具合こそが、「トロイメライ」の世界なのだとタイトル訳と繋がることが出来ます。

頑固なまでにシューマンらしさに満ちた、普通ではない手法にあふれた曲ですが「こだわりの多い曲は良い作品」との作曲家である西尾先生の言葉に、大きく頷くことが出来ます。

そしてこのような小品でも、一つの楽曲としての演奏の可能性を、ポイントを考えながら探ってみる時間もありました。


このシューマンの2曲は、先生方も演奏されたり指導したりと非常に耳馴染みの深い曲であると思います。私も2日前にレッスンしたばかりでした。小品はフレーズや音の一つ一つを余裕を持ってみていくことが出来ますので、深く理解出来、とても良い勉強になりました。

「甘い思い出」

メンデルスゾーンらしい、幸福感に満ちた美しい曲です。
このような細かい音の連続で書かれている曲ほど、落ち着いて譜面と向き合う必要があると思います。

楽譜では16分音符がびっしりと詰め込まれているように見えますが、やはり大事な音やフレーズはしっかりと存在していて、またフレーズとフレーズの関係もエコーや対比となっています。

伴奏形の細やかな動きに目も耳も奪われがちですが、作曲家の伝えたいものは意外とシンプルなのかもしれないと思いました。
そして時代は変わっても、バッハの頃から脈々と受け継がれてきたものも感じます。

「シンフォニア6番」

思えばインベンションのアナリーゼが始まった頃は緊張気味に、少々構えて受講していた記憶がありますが、既にシンフォニアに入っている今では1曲ごとの個性と向き合っていくのはむしろホッとする時間となって来ました。

今回印象的だったのは、フェルマータの部分ではこんなことも出来るのではないか?と、和声の進行の話から始まる西尾先生のお考えを聴くことが出来ました。

研究会では、少しずつですが和声を学び続けています。この下地があってこそこんなちょっとした部分での理解度もかなり違ってきたのでは?と思う場面でした。

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新しい年も、小さな積み重ねの上に大きな実りのある素晴らしい年でありますように。

永瀬先生、西尾先生に改めて感謝申し上げます。

                           <文責:大原由紀>


2014年1月23日

音の葉研究会 特別講座【ヤシンスキ先生によるショパン】


2014年1月16日(木)
川口リリア 音楽スタジオにて


2014年初めの研究会活動はお年玉企画ということで
永瀬先生が最も尊敬していらっしゃるヤシンスキ先生によるショパンレクチャーと公開レッスンが行われました。

温かいお人柄で音楽を深く愛されている先生のお言葉の一つ一つ、美しいピアノの一音一音、フレーズ、息づかい、全てを間近で感じることが出来て一生心の奥に残るような極上の時間を過ごさせていただきました。

会場に集まった方々とコミュニケート、ディスカッションしながら一緒に音楽と時間を共有しましょうとのお言葉から始まりました。
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ポロネーズ
ノクターン
マズルカ


たくさんの曲を演奏されながら先生の中にあるイメージが飛び出します。

◇室内楽+歌手(様々な編成、声部)など ピアノ以外の

◇バッハ、スカルラッティ、モーツァルト、シューベルト、ベートーベン、シューマン・・・様々な時代の作曲家風のタッチ

◇草原が広がる美しい景色を鳥になって空から見ているように... 情景

◇女の子の可愛らしい質問に男の人がしっかり答えるように... 物語

たくさん思い描かれたものが生き生きとリアルに音になって伝わってくることに感動しました。


心に描いてから

楽譜に書かれた音を出す前に 出したい音 を頭の中にイメージして 心で感じた通りの音を出して欲しい

・・・そのための テクニック も重要です。

難しいパッセージの練習は小さなパーツの積み重ね

数個の音のみ取り出し練習→数個の音+数個の音と増やしていく→小さなフレーズ→大きなフレーズと発展させる。

和声の変化は時間が前に進むように

ショパンが自分の運命を思いながら現実を往来するように。


〈オススメの練習その1〉
長和音と短和音を逆に入れ替えてみる→そのフレーズにその和音をなぜ選んだのか?和声の変化をよりクリアに感じられるようになる。

〈オススメの練習その2〉
即興を入れてみる→イマジネーションが広がる。

音と音の間に音楽がある

音と音の間を指で押さえているだけでなくで感じる事が大切。
ただそれは、心で感じるだけで余計な動きにならないように注意しなくてはならない。
(手首や腕、上体などに大袈裟な動きがある演奏をよく目にするとも仰っています)


右手と左手が違う感覚を持てるように

ヤシンスキ先生の演奏は時に大編成のオーケストラのようでもあり、また室内楽のようでもあり、多声部の歌のようでもあり、はたまたそれが組み合わさったような時もあり、一人の人間の二本だけの手でひいていることが信じられない多彩な音色が響いていました。


それを成し遂げるために行うトレーニング一例として、ご紹介いただいたスケールの練習方法を一つここで挙げてみます。

[右手]ドレミ ファーー ソラシ ドーー・・・
[左手]ドーー レミファ ソーー ラシド・・・

何オクターブかで往復します。同じように左右を交換します。
(やり方、伝わったでしょうか?)
驚愕のバリエーションから、ほんの一部です。

午前の部の最後には「もう一曲ひいてもいい?」と惜しみなく演奏を聴かせて下さいました。ピアノを心から愛されているお気持ちが溢れていました。
演奏.jpeg

そして、休憩を挟んで午後は公開レッスンが行われました。
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長時間のレクチャー&レッスンにも関わらず全くお疲れの様子も見せないヤシンスキ先生のバイタリティと情熱に、会場の誰もが驚きと感動と感謝の気持ちでいっぱいだったことと思います。
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ヤシンスキ先生、素晴らしい演奏と講義をありがとうございました!

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また、この夢のような学びの機会を与えて下さる永瀬先生にも感謝しております。

今日の学びをレッスンと自分の演奏に活かしていきたいと思います。


〈文責:須藤 美帆〉

2014年3月10日

第18、19回アナリーゼ講座


2014年のコンペ課題曲が発表され、また新しい年度がスタートしますね!
研究会員も課題曲セミナーの準備に忙しくなります。


音の葉研究会では毎月継続的に実践講座とアナリーゼ講座の二つを行ってきました。

誰でも受けられる単発の講座では身につきにくいものを、研究会としてじっくりとしっかりと取り組んで参りました。

研究会発足から二年が経ち、このアナリーゼ講座も次回で20回目となります。

毎回必ず新鮮な発見もあれば、復習を重ねてはじめて自分のものとなっていく実感もあり、この学びの場があることに感謝しながらこの記事を書いています。

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◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2014年1月23日(木)
       2月27日(木)10:15~12:15

◆内容:
アナリーゼ
<バッハ シンフォニア11,12,15番>
<バッハ フランス組曲 6番>
<ドビュッシー ベルガマスク組曲から月の光>


和声学




アナリーゼ {ヒント集}

①月の光より・・・倍音列

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「覚えていれば気付けるんです」と、Un poco mossoからの音にご注目下さい。



②最初から一つ一つの音符を眺めないで見るものを限定する

→まず、大きな流れでとらえること。 それが暗譜にも役立つ!

和声学 {ヒント集}

①サブドミナントの和音 ・・・2度の一転 : 5度(終止)を目指して意思がハッキリしてる
4度 : ゆったり和声的に解放されている

②借用和音 ・・・ 転調は音楽の場面がガラっと変わるのに対して、借用和音は一瞬の出来事。(臨時記号が付きます)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

講座の内容をごくごく一部をうまく切り取れているか分かりませんが、雰囲気が伝われば幸いです。

栃木、東京、神奈川、静岡など遠方からも通って勉強する会員が多い音の葉研究会。
力を合わせて指導力アップに精進する仲間もお待ちしています!


ホームページまでお気軽にお問合せ下さい。

<文責:須藤 美帆>


2014年7月10日

第20,21回アナリーゼ講座

imageヘンデル.jpg

◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2014年5月15日(木)
       6月26日(木)10:15~12:15

◆内容:
アナリーゼ
<ヘンデル オルガン協奏曲Op.4-6>
<バッハ シンフォニア8,9番>



和声学





ヘンデルのオルガン協奏曲について二週に渡って取り上げられました。


この曲のレクチャー最初に西尾先生が例に挙げたのは、なんと!

【学園天国】

小泉今日子さんが歌った懐かしいポップス。

♪「Are you ready?」(キョンキョン)

♪♪♪♪「Yeah!」(みんな)

♪「へ~い へい へい へ~いへ~~い」(キョンキョン)

♪♪♪♪「へ~い へい へい へ~いへ~~い!」(みんな)


と、呼びかけに対して大勢が答える 掛け合い

という形は、
教会の牧師(神父)様⇔合唱など時代をさかのぼって音楽の根源につながっているスタイルと同じだというお話から始められました。


協奏曲の「協奏」には

・二つの違うものが合わさって協調する
・お互いの違いを引き立たせる競奏 (※漢字は当て字)

という二つの要素があります。

・高い音域と低い音域
・声楽と器楽合奏
・大人数と少人数
・独唱と通奏低音

など、様々な対比が協奏曲の特徴。

そしてその対比の要素は、ピアノソナタでも、ごく小さな曲にでもたくさん入っています。

単なる音の強さだけのピアノやフォルテでなく、Solo⇔Tuttiの掛け合いのイメージをもつことが演奏のヒントになるのではないでしょうか。


そういう耳をもったうえでスコアを追いながらこの曲を聴く経験を通して、今までにない新しい視点とアイディアが生まれて指導にも演奏にも役立てることが出来ると思いました。


キョンキョンの学園天国は世代が違うとしても、AKBソロメンバー全員の掛け合いなどを例に出されると子ども達でも即座に「ピン!」とくるでしょうし、興味関心をわし掴みにしておきながらそこから話を広げることの出来る魔法の指導となるはずです。


<文責:須藤美帆>

2014年8月20日

2014年PTNAコンペティション課題曲アナリーゼセミナー

3月31日アナリーゼ2.JPGのサムネール画像

◆講師:西尾 洋先生

◆場所:武蔵浦和コミュニティセンター 多目的ホール
    
◆日時:3月31日(月) 10:00~12:00  13:30~15:30
     
◆内容:PTNAコンペティション課題曲アナリーゼ A1級~C級



3月31日アナリーゼ3.jpeg


作曲家目線でのお話が昨年も大好評だった西尾先生によるコンペ課題曲アナリーゼセミナー。

今年は有志の会員による演奏をプラスして行われました。

それぞれの解釈と持ち味を楽しんでいただいた後に、西尾先生の解釈とアイディアが豊富に提示されると皆様真剣にメモをとるペンを走らせていらっしゃいました。

3月31日アナリーゼ4.jpeg


通常の講座ではいつも一緒に「受ける」お仲間の先生方と、この日は「発表する」こととなり、開始前は皆揃って張り詰めた緊張感のなかで過ごしましたが、無事(?)お役目を果たすと達成感でいっぱいでした。


大変僭越ながら私も演奏に加わらせていただきましたが、
【勉強熱心な先生方の前で課題曲を演奏する!】 ということには相当な勇気が必要でした。

しかし、学び合う最高の機会が音の葉研究会にはあるのだとあらためて感謝しています。

3月に開催されたものをこの時期にアップしていることをお詫びしながら、8月25日(月)に開催される親子講座をご案内させていただきます。

こちらも毎年恒例となりました。西尾先生による親子向け鑑賞講座です。
残席あと僅かではありますが、よろしければ音の葉研究会ホームページをご覧下さい。


<文責・須藤 美帆>

2014年9月10日

親子鑑賞講座(講師:西尾洋先生)


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2014年8月25日(月)10~12時
武蔵浦和コミュニティセンター多目的ホールにて
講師 西尾 洋先生


【Where are you going?】その先を考える演奏法

毎年恒例となりました夏休みの親子講座は今年もほぼ満席。
小学生や保護者の方から指導者の方まで「なるほど!」と、腑に落ちるお話はみんなの音楽をよりワクワクさせるエッセンスがたっぷりです。


まっさらな状態から「曲」を作っていく過程を会場の小さなピアニストさん達と一緒に作る作曲体験ライブ。

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いくつかのルールのもとで、前の人のつくったメロディから自分のアイディアでその先を考えます。

見ている人は「あ、それいいな。」「自分だったらこうするな。」と一緒にイメージをふくらませます。


・メロディのかたち
・メロディの長さ
・メロディとリズム

などの解説のなかで、今回の講座で最も印象的だったのは
・メロディの長さ

の、実験ということで「世界一長いメロディの鑑賞」

その長さなんと約18分!
西尾先生作曲のこの作品、とりとめもないように感じる(ごめんなさい!)行方の分からない迷走瞑想?のような世界。

あまりの長さに一時ザワついた会場は、やがて放心状態に近い様子に。
途方に暮れてしまいました。

鑑賞を終えて・・・・

「ね、やっぱりフレージングって大切だね!!」

どこへ行くのか、いつ終わるのか分からないメロディは息苦しく気持ち悪く不安になるものでした。


弾く人も聴く人も「次はどこへ進むのかな?」と思っていて、
それが予想通りでも予想外れでも面白い。
その今この瞬間に生まれる音楽を大切に育てよう。


西尾先生の仕掛けがいっぱいの二時間。
イリュージョンのような楽しい講座をありがとうございました。


<文責:須藤 美帆>

2014年10月11日

第23,24回アナリーゼ講座


楽譜の向こう側表紙.JPGのサムネール画像


◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2014年9月25日(木)
       10月9日(木)10:15~12:15

◆内容:
アナリーゼ
〈バッハ シンフォニア13,14番〉
〈シューマン 飛翔〉
〈ギロック ウィンナーワルツ・手品師・雨の日のふんすい〉


応用楽典〈楽譜の向こう側〉


14年9月アナリーゼ4.jpegのサムネール画像

【変節を味わう】

リズム
フレーズの長さ
メロディのかたち
音域 (低/中/高・広/狭)
調
テンポ
拍子
和音・・・・が、どうなっていくのか?

変わったことに「おや?!」と感じること!


〇何かが起こる前には予兆がある→ 大事なことの前はそれをにおわせている

〇今までこうだったのに次はこうなった→ 意味・意図を捉え変化を味わう


小さい子に対しても
「何か違うね。」

意味が分かっていないとしても、そう問いかけ続けることでいつか紐解ける時がきます。


というお話をベースに、上記の曲のアナリーゼしていくと今まで気付かなかった変化が浮き上がってくると同時に、その気付いたことをどうやって表現しようか?とワクワクしてきます。

発見に次ぐ発見!
何で今まで不思議に思わなかのか、ビックリな休符の効果、臨時記号のメッセージ、
楽譜に書かれたものをピアノを通して音にしていくことの楽しみが激増します。


出版されたばかりの西尾洋先生のご著書「楽譜の向こう側」(音楽之友社) の内容解説を挿みながら講座は進められていきます。
どんなお話が飛び出すか、今後もとても楽しみです。


これからもどうぞよろしくお願いします!


(文責:須藤 美帆)

2015年1月11日

関本昌平先生によるバッハと古典派演奏法

音の葉研究会2014年最後の実践講座は、関本昌平先生のピアノに加えファゴット奏者の今木先生をお迎えし、バッハと古典期作品の奏法の可能性についてご教授頂きました。

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◆講師:関本昌平先生(Pf.)
今木智彦先生(Fg.)
◆場所:川口リリア 音楽スタジオ
◆日時:2014年12月11日(木)
午前10:00~12:00
午後13:30~15:30

◆内容:バッハについて(午前)
古典派作曲家について(午後)


修辞学 (しゅうじがく)というのをご存知でしょうか?

修辞学は、弁論・叙述の技術に関する学問分野。
(レトリック、雄弁術、弁論術、説得術とも。)

欧州古代・中世で教養の中核を成していたが、近代に衰退。古代・中世の教育規範である自由七学芸の内の一つ。基本的には演説の技術で、いかに聴衆を納得させるかを目的とするかなり政治的なもの。(※ウィキペディアより参照)


当時、ある一定以上の身分の人は教養として身につけていたものなのだそうです。


「古典・バロックは 音の持つ意味・役割 を理解していないと演奏出来ません。」

と、関本先生は仰います。


例えば、

3 神 (三位一体)
4 人・地球/喜怒哀楽
6 天地創造
7 安息
(=3+4)
10 十戒・律法

など。

音の数、声部の数、楽器の数、回数などに意味が刻み込まれています。
数の理解によって説得力が生まれます。

パズルやナゾナゾのように組み込まれた数へのこだわりは、音楽によって表現しようとした内容と直結したメッセージなのだということが分かりますがお話はこう続きます。

「研究家にならず、知ったうえで自分がかみ砕いてどう表現するかが大切です」

当時の音楽の役割・意味やバッハの経歴からみた作品の意図などについてのお話に続いて、実際に表現する方法を演奏して頂きました。

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その中で、歌や他の楽器(またはオーケストラ)で演奏した場合の

息づかい
ボウイング (弓の動き)
タンギング

を考えた時に、ピアノではどう表現すると自然な流れを作ることが出来るか・・・
間の取り方、アーティキュレーション、トリルなどの例が示されました。

「跳躍する音は時間を長めにとる」

管楽器や歌の場合、口や喉、息などに準備が必要ですね。

でも、ピアノで演奏する時いつでもそのように弾けばいい?
かといえば、もちろんそんな単純な話ではありません。
どのように演奏するかはその時々に合わせた個々の選択になりますが、ただ一つ明確なのは 意識して いるか、いないか、がよりよい演奏への分かれ道になるということです。

午後は、

ハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン

3人の作曲家それぞれの個性と演奏上のコツについて、たくさんの例を挙げて細かなテクニックなどを盛り込みながら弾き比べをして頂きました。


作曲家固有の「らしさ」 を上手く表現できると、こんなに生き生きとした演奏になるのだという感動の連続。


また、お二人の熱い思いを語る掛け合いで時間いっぱいに多様なお話を伺うことができました。
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関本先生、今木先生、素晴らしい講座をありがとうございました!


関本先生には次回 2015年7月4日(土) さいたま芸術劇場にて、公開レッスンと名曲コンサートを行っていただく予定です。

※お問い合わせは音の葉研究会ホームページもしくは otonoha0202@gmail.com まで。

<文責:須藤美帆>

2015年1月21日

ヤシンスキ先生による「ショパンのピアニズム」楽曲レクチャー&公開レッスン

【 音の葉研究会特別講座 】


ショパン国際コンクール in ASIA 審査委員長として来日中のアンジェイ・ヤシンスキ先生によるショパン講座と公開レッスンが一昨年に続き今年も開催されました。


2015年1月15日(木)10:00~12:00 ショパン楽曲レクチャー
13:30~15:30 公開レッスン

川口リリア 4階スタジオにて

美しい音は喜び

「弾くこと、練習することを楽しんで勉強して下さい。」

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というお話から講座は始まりました。
素晴らしい演奏を言葉にすることが出来ませんが、印象的な先生のお言葉をいくつかご紹介致します。

「How How How・・・」

色々な質問を自分にするのです。

バイオリンで弾いたとしたら?
歌手が歌っていたとしたら?
ベートーヴェンならどう弾いただろうか?


そして、今の自分の演奏には何が足りないのか考える。
どのようにしたら理想の音に近づけることができるか試すのです。


また、演奏する曲の作曲者はどのような人間か?どのような音楽家か?考えます。

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レガートは脱力指の運び

取り出された一本の消しゴム付えんぴつ。

その消しゴム部分を鍵盤に乗せては滑らすように一つずつ鍵盤を下げメロディが奏でられると、まるで両手を使って弾いているかのような美しいレガート。


良いフレージングは どの音も違って 聞こえること


・言葉を話す時とピアノを弾く時との共通点

 伝えたい大切な言葉には自然と個々に異なる抑揚をつけて話しているのと同じように、演奏でいえば奏者にによってどこを強調するかは変わるのが当たり前で「これが正解」というものは無い。


・フレーズの1音目を弾いた時は、フレーズ全ての音のイメージが出来ていること。
 = 全体を見渡したうえでルバート


・長い音を出す前には、しっかりとした準備が必要。
 出したい音のイメージをもって時間をかけて飛び込まない。
(フェルマータ←→アッチェレランド)


演奏する上で気を付けるべきことや大切なことを、たくさんの演奏とお話で私達に伝えてくださったヤシンスキ先生。
午前の最後には、モーツァルトの演奏プレゼント ♪
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参加者とランチをご一緒して頂いた後、午後は公開レッスンが行われました。


「こう弾きたい」
という意思が聴いている人へ伝わるように。

以下、アドバイスの一部です。

・クレッシェンドの始まりは弱く
・クレッシェンドのエネルギーを感じながら体の重みはかけすぎない
・pでも指の関節の支えはしっかり
・リズムは楽譜に正確に
・左手の伴奏はメトロノームのように正確に刻み、右手のメロディは自由に歌って

フレージングや体の使い方、有効な練習方法などが具体的に示された他、曲の書かれた背景や欲しい音のイメージなどたくさんのアドバイスを頂きました。

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受講者:米倉令真さん

曲目:軍隊ポロネーズ Op.40-1
   ハンガリー狂詩曲第11番(リスト)
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受講者:秋林 佑奈さん
曲目:幻想曲 Op.49
   エチュード「黒鍵」Op.10-5


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昨年末に亡くなられた永瀬まゆみ先生はヤシンスキ先生のことを「世界中で一番尊敬するピアニスト」と仰って、この講座を会員へのお年玉企画としてご準備下さいました。
小さなスペースで少人数を対象にごく間近で演奏を聴きながらショパンについてレクチャーして頂ける濃い時間を、会員とともに永瀬先生も心待ちにされていたことを思うとこの場にいらっしゃらなかったことが残念でなりません。

永瀬先生が残して下さった特別な学びの場を会員一同力を合わせて引き継いでいきたいと思います。

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ヤシンスキ先生、永瀬先生、そして輝きを増す素敵な演奏を聴かせて下さった受講生のお二方、素晴らしい講座をありがとうございました。


<文責:須藤 美帆>

2015年4月15日

2015年コンペ課題曲D級講座

新年度に新入会の先生をお迎えし、休会中の先生が復帰なさって嬉しいスタートとなりました。

月に2回の学びを継続することは、簡単ではない時もあります。
それでもこの充実した内容の講座には、たくさんの発見や新しい知識と指導のアイディアがあふれているので熱心な先生方が集まり高め合っています。

◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2015年3月19日(木) バロック・クラシック
     2015年 4月9日(木)ロマン・近/現代

◆内容 2015年コンペ課題曲D級アナリーゼ

一曲ずつ西尾先生が演奏して下さった後、時代背景や曲のもつ味わいや作曲上の特徴などを楽譜からどう読み取って演奏につなげていくか・・・・

というお話しの中で、どの時代のどの曲にも共通していて印象的だった


【音楽は変化】

というキーワードについて書きます。

・音価の違い(長いものが短くなった!)

・音域の変化(高いものが低くなった!)

・速度の変化(速いものが遅くなった)

他にも明るい⇔暗い、弾む⇔滑らか、強い⇔弱い


色々と変化が続いたり時には同じことが続くことも。

楽譜を読み音楽にしていくなかで

今まではこうだったものが次はどうなるのかな!?

と、これからその先に起こることにドキドキする。
その後の変化や違いを「!」と感じる、味わう。
そしてそれをどのように(テンポで?音色で?強弱で?)音にするかが演奏者の課題でもあり楽しみでもあるとのこと。

曲全体の構成やピンポイントで特徴のある部分を作曲家ならではの目線で解剖して下さっていますが、文字に起こすのは難しいので気になる方は是非講座へ!!

「アナリーゼは難しい!」
と、思う方も多いですが
分かるか・分からないか
ということではなくて
好きか・嫌いか
のように、音楽は感じるものだ。

「今日のご飯は美味しいな~」
「この景色キレイだな~」

という気持ちのように

今日のご飯はどのようになっているから美味しいと分析して分かるものでも

この景色はここの部分とここの部分がこのようになっているから美しいというものではないでしょう?!
感じることが大切なんです。

・・・という西尾先生のメッセージ。
いつものことながらなるほど!です。
難しいことは苦手な私ですが、いつも楽しい講座をありがとうございます!

文責:須藤 美帆


2015年5月10日

課題曲セミナー2015/赤松林太郎先生

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◆講師:赤松 林太郎 先生
◆場所:さいたま市文化センター 小ホール
◆日時:2015年4月16日(木)
    10:00~12:30 A1,B級
    13:30~15:30 C級

国内外での演奏活動と講座で大変ご活躍の赤松先生をお迎えし、2015年PTNAピアノコンペティション課題曲セミナーを行いました。


PTNAコンペの特徴であるバロック・古典・ロマン・近現代の四期の演奏をする上で大切になるポイントを時代背景や作曲家のパーソナリティ、当時の音楽事情など多角的なアプローチでお話し下さいました。
博学でいらっしゃる先生のセミナーは余談も大変魅力的です。
そして、様々なテクニックについての説明は例え話が印象的。

たくさんの「なるほど!」の中から2つご紹介致します。


【 ステーキとフォーク 】

ここにお皿に乗ったステーキがあるとします。
フォークでお肉を刺す時どんなふうにフォークを使うでしょうか?

お肉から離れた上方からフォークを構えて勢いよく力いっぱいグサッ!
・・・なんて刺しませんね。
お肉の上にフォークの先をつけたままクッと下ろすだけでしょう。

「鍵盤から離れたところから指を叩きつけるのではなく、指先が鍵盤に触れた状態から必要な圧力をかけるだけで弾きましょう。」
というタッチの一例です。


【 500ml入りペットボトル 】

2分音符で書かれた音が符点4分音符+8分休符になってしまっているけど気付けていない・・・なんてこと、ありますね。

長い音が伸ばせていない時どんな声かけをしますか?
私なら「ここ何拍?どこまでのばす?何音符?」などなど当たり前なことしか言っていませんが、赤松先生ならば一味も二味も違います。

「500ml入りペットボトルの飲み物を買ったのに中身が450mlしか入ってなかったらどう?」


・・・嫌ですね (笑)


個人的には赤松先生のセミナーを受講するのは三度目ですが、毎回たくさんの発見と驚きの連続で内容は腑に落ちる分かりやすいものばかりでレッスンと演奏の栄養になっています。

エネルギッシュでユーモアのあふれるセミナーで栄養と活力をチャージすべく、また受講できる機会を楽しみにしております。
赤松先生、ありがとうございました!


次回、6月7日(日) 音の葉ステーションのステップ
http://www.piano.or.jp/step/schedule/detail/2015060772426.html

ではアドバイザーとしてお越しいただきトークコンサートも予定しています。
皆様のお越しをお待ちしております!


<文責:須藤美帆>

2015年6月17日

第27回アナリーゼ講座

第27回アナリーゼ講座


◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2015年5月28日(木) 10:15~

◆内容:
 アナリーゼ:ギロック「こどものためのアルバム」より
         ソナチネ 第1楽章

         メンデルスゾーン「無言歌集」より
         第1番"甘い思い出"

 *講座終了後、翌週に控えたピアノステップ準備を全員で行いました。


①ソナチネ 第1楽章
 
  講座の初め、西尾先生が"本題から少し外れたいいお話"をして下さるのが私達の大きな
  楽しみとなっていますが、この日も勉強するにあたり、また練習や曲作りをする上での
  とっておきの良いお話がありました。
  この様なちょっとした(でもとても大きな意味のある)エッセンスが本当に有難いです。

  ギロックの作品、特にこの「こどものためのアルバム」の作品は研究会で数多く取り上げて
  勉強して来ました。
  コンペ課題曲にも選定されたギロック作品も含めると、実に多くの曲と接してきたことに
  なります。

  そのどれもが違った魅力を放っていることを感じると、ギロックの素晴らしさを思わずには
  いられません。

  ソナチネはよく弾かれる曲ですが、独特の調性感に少し難解さを感じていました。

  が、「予想外の音が来ることで自分の中に"化学反応"が起こる!」
  ↓
  「人に伝えたい気持ちが芽生える。」
  ↓
  「その気持ちが"表現"に繋がる。」

  とのお話に、不思議な音、新しい世界の雰囲気・・・を自然に捉えられる気持ちになれました。

  ともすると行方の方向性が分からなくなりそうな怪しさもエネルギーもある曲ですが、
  音やフレーズの意味と表情がくっきり見えてきました。


②甘い思い出
 
  この曲は1年ぶり位、2度目の登場になります。
  (何度受講しても新鮮に聴くことの出来る名曲ですね!)

  ロマン派の特徴が多く盛り込まれ、ロマン派作品の演奏のヒントを沢山頂きました。

  「非和声音は心の琴線に触れる=豊かな表情を持つ」
  今後はこのことを大切に、楽譜を見ていきたいと思います。

西尾先生アナリーゼ2015・5月④.JPG第27回アナリーゼ講座

2015年9月17日

作曲家によるお話&ピアニストによる演奏とレッスン


毎年夏休みに恒例となっている音の葉研究会主催の親子講座。
今年は素晴らしいホールで開催することが出来ました。
コンペは予選真っ最中の時期でしたが、頭・耳・心に残る貴重な経験になったのではないでしょうか。


◆場所:さいたま芸術劇場 音楽ホール
◆日時:2015年7月4日(土)

◇ 第1部13:00~13:50 作曲家によるお話 講師:西尾 洋先生

「伴奏は魔法使い」~伴奏付けの極意を学ぼう


アナリーゼできるようになりたかったら作曲をすることが一番の近道です。

と、西尾先生は音の葉研究会の定期講座でよく口になさいます。


今回の親子講座では【伴奏】にクローズアップ。

「伴奏の役割ってなんだろう?」

西尾先生は1枚の写真に例えました。

写っている人が主役→メロディ/背景→伴奏

こんなところへ行ってみたいなぁ・・・と想像できるのは写真の中の人物の奥の景色でしょう。


伴奏はそんな空間をつくる大切な役割なんだという意識をもって、それでは実際の曲では何をどうすれば素敵になるのか一緒に考えていきます。


シューマン作曲の子供の情景より三曲の例が挙げられました。

何度も出てくる同じメロディ(テーマ)に対して、伴奏はどうなっているでしょう?

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ここが変わったね!
ここは同じだね!

テーマのリズムが使われてるよ!
グンと下がって低い音になったね!

同じところは気分を変えてみよう。
違うところは違いをどうやって表現しようか。


・・・いつもは用意した楽譜に書かれた音を再現するだけかもしれない伴奏にここまで着目すると、今までとは違うものが見えてきて演奏したときの聴きかたが変わるのではないでしょうか。

楽譜に書かれていることは本当に極々僅かで、そこから何を読み取ってどのように自分の音楽を創り上げるかが面白い作業なのだということが参加された生徒さんもご家族の方も実感されたのではないかと思います。

最後に、会場の方も皆がよく知っている《虹のかなたに》にオリジナルの伴奏付けをするワークを行いました。


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「お!面白いことを仕掛けてきたね!」

ノーベル賞をとるような大発見は、何か分量を間違えちゃった!とか失敗した中から起こることも多いのだとか。
伴奏付けも、不正解を恐れずにいくつも試してみながら遊んでみましょう。


弦楽アンサンブルやジャズピアノ、サックスなど様々なアレンジの演奏を聴いて締め括られました。


◇  第2部14:00~14:50 ピティナ課題曲公開レッスン 講師:関本 昌平先生


・B級 小林 奏 さん   テレマン/アレグロホ短調  ヴィクトル/子ヤギ
・C級 御園 桃子 さん  ダカン/かっこう  ギロック/ダイアナの泉、魔女の猫
・連弾初級 Ⅰ小林 りら さん Ⅱ松原 はるな さん  グレチャニノフ/舞踏会の後で、牧草地


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ご自身も小学4年生からほぼ毎年PTNAコンペを受けてこられたという関本先生。

3月の課題曲発表から始まり、それぞれ違った時代の作品にふれられて夏までかけて4曲を深めながら勉強できることがよかったと振り返っていらっしゃいました。
コンペ期間中の一日のスケジュールも細かく教えて下さいましたが、ポイントはコンペの曲を練習することはもちろんですがそれと同時に色んな曲を早く仕上げる練習も大事とのこと。(B級を受けていた頃にはショパンのエチュードなど有名な曲を次々ひくことで初見力をつけられたそうです。)
スケール等の基礎練習と練習曲とバッハと・・・・と、時間帯ごとにやるべきことを決めて取り組まれたそうですが、何より驚きなのは、コンペの曲を弾いている時間の方がその他の練習時間より短い!ということ。

コンペは1日にしてならず。
結果に結びつく演奏には、やはり土台が肝心!ということでしょう。


レッスン受講生は、

聴く人をひきつけるテンポの揺らし方、
ホールの広さを意識した強弱の幅、
音の立ち上がり、
タッチの対比、など 関本先生からの魅力アップエッセンスを受けるとたちまち輝きを増した演奏に。

的確なアドバイスに対して早いレスポンス、どんどん発展していく様子を目の当たりにして、受講生の普段からの並々ならぬ努力に拍手を送りたいと思いました。


レポートが遅くなってしまい今年のコンペは既に終了しましたが、今頃は皆さんきっと新たな目標を持ってピアノに向かわれていることと思います。
またどこかで演奏聴かせていただける日を楽しみに陰ながら応援しています。

◇ 第3部15:00~16:00 名曲コンサート 演奏:関本昌平先生

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・ショパン/ポロネーズ第6番「英雄」
・ショパン/ワルツ第6番「子犬」
・ショパン/ワルツ第7番 Op.64-2
・ベートーヴェン/ピアノソナタ第14番「月光」
・ショパン/24の前奏曲Op.28より抜粋「雨だれ」など
・ショパン/スケルツォ第2番 Op.31

作曲家のお話とピアニストによるレッスンとコンサートという盛りだくさんな内容を素晴らしいホールで受講できる贅沢な時間でした。
西尾先生、関本先生、この企画を残して下さった永瀬まゆみ先生、ありがとうございました!

<文責:須藤 美帆>

2015年10月14日

音の葉研究会  第28・29回アナリーゼ講座

第28・29回アナリーゼ講座

◆2015年7月16日(木) 10:15~
       9月17日(木) 10:15~

◆場所  和幸楽器大宮店 

◆講師  西尾洋先生

◆内容:
  メンデルスゾーン「無言歌集」より
   ・瞑想
   ・ベニスのゴンドラの歌Op.30-6
   ・過ぎ去った幸福
   ・二重唱
   ・浮き雲
   ・プレストアジタート


夏休みを挟みましたが、7月と9月の2回に分けてメンデルスゾーンの無言歌集から数曲の
アナリーゼをしました。(5月にも第1曲目の"甘い思い出"を勉強しています。)

どの曲についても、西尾先生独特の素敵な表現による解説があり印象的でしたので少しずつ記録させて頂きます。

「瞑想」
   ショパンは右でメロディ、左で伴奏(アルペジオ)というスタイルを取ることが多かったが、
   メンデルスゾーンは右と左でアルペジオを取りながらその音域の中で表現をし、味わいを出
   している。

   同じ楽譜の「模様」が2回続いた時に表現を変えることで、人の心に伝わる。

「ベニスのゴンドラの歌」
   いつもバスに響きを合わせる、バスを聴く。
   中間部からそのバスが動き始める。
   フォルティッシモの所では、左が曲を引っ張る。

「過ぎ去った幸福」
   弦のボーイングが意識されたスラーが書かれている。
   
   左の伴奏形ノリズムは、心のやり切れなさ、葛藤を表している。

「二重唱」
   ヴァイオリンとチェロをイメージして、2つのパートの受け渡しを考えて演奏する。
   不協和音のぶつかりは美しく。不協和音にこそ表情がある。
  
   32小節目で2つの楽器はユニゾンになる。特別感動的な場面。

「浮き雲」
   1拍目は必ずそろえる。 
   右に左を合わせる。アウフタクトで惑わされないで。

「プレストアジタート」
   1小節ひとつのハーモニーで始まる。
   各小節の右の最後にあるスタッカート記号の弾き方は?

20159月アナリーゼ②.JPG

そして、全曲を通して非常に心に残ったことは、テンポも表現方法の一つである、特にロマン派に
おいては大切なことである、という部分でした。

espressivoやdolce、クレッシェンドやdim.をテンポと関連させてみるということを解説の随所にお話され、早速実践したいと思うことが出来ました。

「楽譜は未完成な設計図」であり、作曲家の思いは楽譜に全て書かれている訳ではないというお言葉も、なるほどその通りですね。
毎回作曲家の視点から楽譜の読み方のヒントを与えて下さる西尾先生、本当にありがとうございます!

20159月アナリーゼ①.JPG

連続して続いたメンデルスゾーンは一度終了し、次回からは別の作曲家(秋にふさわしい方・・・)が登場することになりました。
こちらもまたとても楽しみです。

                         < 文責:大原由紀 >
   

2016年2月 6日

第30,31,32回 アナリーゼ講座

第30・31・32回アナリーゼ講座

◆2015年10月15日(木) 
     11月19日(木) 
12月17日(木)10:15~12:15

◆場所  和幸楽器大宮店 

◆講師  西尾洋先生

◆内容 ブラームス Op.118-1,2,3,4,5,6

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脱!受け身!?

今回の講座は新しい試みで、講座前に予め各自でアナリーゼしてきたものを最初に提出し、集まったたくさんの発見や考えをシェアしながら西尾先生がより深いアナリーゼのもとに解説してくださるという進め方で三回の講座が行われました。

任意の宿題でしたが自分で課題に取り組んでいる間はドキドキ。
楽譜の中に込められた謎解きをするように何度も何度も楽譜を読んでみたり音を出してみたり色々な方の演奏の録音を比べてみたりと、結構必死でしたが・・・・

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しっかり準備をして臨んだ講座は、受け取れる情報がいつもよりずっと多い気がしました。

そして豪華なことに提出したアナリーゼ楽譜は後日西尾先生から添削をして戻していただけました。コメントのひとつひとつが励みになります!
西尾先生、お忙しいなか丁寧に添削して下さり本当にありがとうございました。


たくさんの情報の中から印象に残ったことをひとつだけご紹介。


ブラームスは3がお好き!

【3】
という数字に強いこだわりがあったようで、多くの楽曲で【3度】【3つのフレーズ】など様々な形で【3つの〜】がたくさん含まれているそうです。

確かにピアノ曲でも交響曲でもブラームスらしさって【3】で説明できそうです。

皆様もブラームス作品の中から【3】探しをしてみてはいかがでしょうか。


〈文責:須藤 美帆〉


2016年2月 8日

音の葉研究会 実践講座 (菊地裕介先生による3回シリーズ)


◆講師:菊地裕介先生

◆場所:川口リリア 音楽スタジオ

◆日時:2015年11月5日(木)
2015年12月24日(木)
2016年1月7日(木) 9:45~11:45


◆内容:ショパン エチュード
ベートーヴェン ソナタ
バッハ インベンション・シンフォニア

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他では行っていない独自の講座を

故 永瀬まゆみ先生が音の葉研究会で実現されて拘り続けていたことは、継続的に学ぶことと手軽に参加できる単発の催しとしての講座とは違う内容が学べるということでした。

その趣旨を研究会員が引き継ぎ、今回は初めての試みとして講師の方に三回連続講座をお願いしました。


初の連続講座にお招きしたのは、国内外で演奏家としてご活躍で後進のご指導にも熱心でいらっしゃる菊地裕介先生です。


解釈、テクニック、練習法などについて、事細かにじっくりレクチャーしていただき、パリ時代のお話や日本のピアノ教育の現場への問題提起など尽きることのないお話で3回でも足りないところですが、充実した学びとなりました。


通奏低音を学ぶことの必要性を何度も口にされていたことが印象に残っています。
今後の課題としたいです。


菊地先生、ありがとうございました。


新年度に向けて音の葉研究会では新しいお仲間の方をお待ちしております。
詳しくは研究会ホームページをご覧下さい。


会員限定の講座と会員以外の方にも受講していただける講座を定期的に開催していますので、ご興味ある方は是非チェックを!

〈文責:須藤 美帆〉

2016年2月21日

ヤシンスキ先生による特別講座

◆2016年1月16日(土) 10:00~12:00 ショパン、モーツァルト楽曲レクチャー
            13:30~15:30 公開レッスン

◆場所  カワイ川口ショップ コンサートサロン 

◆講師  アンジェイ・ヤシンスキ先生


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今回で三度目になるヤシンスキ先生の講座。
音の葉研究会の恒例行事となり毎年年始の楽しみとなっています。


長年コンクール審査にあたられ、かれこれ30回以上も来日されているヤシンスキ先生から現状の日本の若いピアノ学習者について感じていらっしゃることを伺いました。
現状と課題、そして指導の助言の一部をご紹介いたします。

・日本の若いピアニストのレベルは上がっていていると審査していて感じている。

・テクニックは素晴らしく、楽譜も正確に読み取れている。


ただ・・・


・真似をするのは上手い一方で自分の気持ちを自然に表現することが足りないように感じる。

そこで・・・

・レッスンの中で5分は即興のエクササイズをすることをおすすめします。


※簡単なモチーフを先生が演奏 → 続きのフレーズを生徒が即興で演奏する
というデモストレーションをしてくださいました。

「即興!?」と気負うことなく、まるで楽しい話をしているかのように音のキャッチボールが出来たら活き活きとしたレッスンになり、生徒自らの発想が豊かになると確信しました。


・大げさなリアクションをよくみかけます。イメージすることは大切ですが体ごと踊らないようにしましょう。

・目標をもって、何が必要か考えて練習!指を動かすだけにならず頭を使ってしましょう。

・自分は今どのようにひいているか客観的にみましょう。

・出来ることはまだないか?と、自分に問い続けましょう。

 より良くなれば喜びになる。喜びをもって楽しく取り組めば自然と聴く人も幸せになれる。(ただ楽しいだけでなく音楽がコントロールされている前提で!)


・いい音楽の基準をもつこと。日ごろからずばらしい音楽にふれること。

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時間を延長して惜しげもなく演奏を聴かせてくださるヤシンスキ先生。
ピアノ愛にあふれる素晴らしい講座をまた来年も受けられることを楽しみにしております。ありがとうございました!

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<文責:須藤美帆>

2016年5月20日

2016課題曲アナリーゼセミナー すべては楽譜から

◆2016年3月29日(火) 10:00~12:30 A1級、B級
            13:30~15:30 C級 

◆場所 カワイ川口ショップリリア 4階コンサートサロン

◆講師 西尾 洋 先生


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毎年満席で大好評の西尾先生によるコンペ課題曲アナリーゼセミナー。

今年サプライズゲストとしてバイオリニストの先生をお招きし、課題曲をピアノとバイオリンで演奏を比べながら進められました。

自然で音楽的なフレージングについて実際の音、弓の動きやブレス、アンサンブルの感覚を目の前で聞いて感じて学べるということが新鮮で大変素晴らしい試みとなりました。


全級を通して今回の内容のポイントとなったことは2つ。

①【 特別なことの前が大事! 】

特別なことが起きる音を出すその「前」に、心の中で次の音が出来上がっていること。

→何かが起こってからではもう遅い!
 


西尾先生はよく書店で絵本のコーナーに立ち寄って気になった絵本を購入されているそうです。講座にも一冊お持ちになってページをめくるアクションを、演奏において次へ進む「前」に例えてお話し下さいました。なるほど納得の声がザワザワ。小さな生徒さんにもよく解ったようです。


②【 リズムの対比が大事! 】

「さっきはこうだったのに、今度はこうなってる!!」

→楽譜の中から発見できるかな?
 リズムごとの色分けをしてみましょう。


 楽譜の中から何を読み取れるか?読み取ったものを○○だから、こうしてみよう!という 自分なりの考えを表現しよう!


何に気付いて、その「何か」で何をするか、生徒さん自身が楽しみながら挑戦できますように!!

お話しを聞くたび毎回ワクワクしてくる西尾先生の講座。
次回は夏休みに開催します。こちらもどうぞお楽しみ!

                お申込みは こちら 

<文責:須藤美帆>

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2016年6月 4日

金子恵先生【2016コンペ課題曲セミナー】


◆2016年4月12日(火) 10:00~12:30 A1級、B級
            13:30~15:30 C級 

◆場所 カワイ川口ショップリリア 4階コンサートサロン

◆講師 金子 恵 先生


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カワイ川口のコンサートサロンで行われた金子恵先生の課題曲セミナー。
シゲルカワイの美しい音、金子先生の素敵な演奏だけでうっとり聴き入ってしまいそうですが、ボールなどを使ってリトミックの要素を取り入れたリズムの指導法についても実践してくださいました。


~ コンクールに参加する目的 ~

・音楽を理解する
・聴く力を磨く
・本番に挑む精神力をつける

「また次も聴きたい!」と思ってもらえるような人に感動を与える演奏を。

と、金子先生は仰っています。


色々なコンクールが各地で盛んに開催され、毎年のように新しいコンクールも誕生していますが、コンクールを通して何を得られるのでしょうか?
金子先生のお話しを伺って「分かっているようで本当に分かっているか、見失っていないか」今一度心にとめておきたいと思い、ここでシェアさせていただきました。

他にもコンクールを通してつけられる力はたくさんあるでしょう。
周りの方々の力添えに感謝の気持ちを忘れることなく今出来ることを精一杯やり通した参加者のお子さんは、生きていく上で大切なこともたくさん学ばれることと思います。


実りの多いコンクールになりますように!

金子先生、素晴らしい講座をありがとうございました。


(文責:須藤美帆)


黒田亜樹先生 公開レッスン&特別レクチャー

◆2016年5月21日(土) 10:00~12:00 レクチャー
            13:30~15:30 公開レッスン

◆場所 さいたま産業文化センター ホール

◆講師 黒田 亜樹 先生

【レクチャー】

イタリア在住の黒田先生からは、イタリアをはじめとするヨーロッパで今行われているピアノ教育や国際コンクールの現状などを中心にお話いただきました。

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指揮をしながら音程をつけずに音名リズム唱のトレーニングを行っている様子を見せていただいたり、小さな年齢から高度なソルフェージュ課題をどんどんこなしている例などに驚きの連続でした。

写真はご紹介いただいた楽譜と、黒田先生のご子息が小学校時代のノート。

イタリアではノートをボールペンでとること(間違えずに書くことが必須!)、美しく書く、ノートのページをデザインする、などなど日本との違いがいっぱい。

社会の勉強のスタートも、イタリアでは「宇宙創生」から始めるというワイドな目線。日本では「私たちの暮らし」といった身近な目線。イタリアと日本を行き来する生活ならではの興味深いお話がたくさん飛び出しました。

国際コンクールを目指す人の心構えや学んでおく(身につけておく)べき語学やマナーのことなども、熱く語って下さいました。

【公開レッスン】

A1級
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B級
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C級
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生徒さんに寄り添いながら、楽しく、情熱的なレッスン。

足りないテクニックを補うピンポイントトレーニングで、みるみる演奏が変わっていきました。
「電車の吊り革は小指で持つのよ!」
と、弱い指を強くするためにはピアノから離れた生活のどんなひとコマでもトレーニングするのが当たり前とのことで、またまたビックリでした。

(シューマンみたいに手を壊したら大変なのでほどほどに・・)

素敵な黒田先生のレッスンを受けた生徒さん達がコンペで活躍されることをお祈りします!
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黒田先生、ありがとうございました!!
7月の親子講座もよろしくお願いします。

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こちらからお申し込み受付中


(文責:須藤美帆)

2016年9月 7日

夏休み親子講座(黒田亜樹先生×西尾洋先生)

◆2016年7月29日(金) 10:00~11:30 西尾洋先生の鑑賞講座
            13:00~14:00 黒田亜樹先生によるトークコンサート
            14:10~15:10  〃   公開レッスン

◆場所 武蔵浦和コミュニティセンター 多目的ホール


春休みと夏休みの恒例行事として定着した西尾先生の親子講座。
夏休みは毎年ゲスト講師の先生もお招きして他では受けられない音の葉研究会ならではの内容でお届けしています。

今年はイタリアと日本を行き来し国際的に活躍されている黒田亜樹先生をお迎えしました。

盛りだくさんの一日からほんの一部ですがご紹介します。


【フレーズの不思議】


最前列特典!?
「好きな音を一つずつ選んで」
という突然のリクエストで出された4つの音をテーマに西尾先生の素敵な即興からスタート。

「あ!」っとテーマを発見。
あちこちに手を替え品を替え?テーマが散りばめられているのを探しながら聞き入ってしまいます。これこそライブの醍醐味!
本でいうなら『ウォーリーを探せ』『みっけ』の音楽版のような楽しい時間です。

フレーズに関するお話はこれまでも繰り返し取り上げられてきましたが、今回は音階のどの辺りを動いているのかに着目したワークを参加者の皆さまと取り組みました。

その中で転調の瞬間を「電車の乗り換え」に例えられていたのが印象に残り、
西尾マジックワードが私のネタ帳に増えました。

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【トークコンサート】


実験?体験!
クルターグ作曲 ピアノのための『遊び(Jatekok)』より1巻1番の「無窮動」を実演。
五線譜ではなく波の模様で描かれたものを感じるままに音にします。

感じること、表現すること、聴くこと、感度を上げてピアノに向かっている子供たち。
楽しそう!

※クルターグは、「子どもがピアノに触れた瞬間から、自由に全鍵盤に上を自由に走り回れたらという考えが、この作品集を生んだ」と前書きに残しています。
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【公開レッスン】

バスティンシリーズより
ポップ・ピアノ・スタイルを使い、クラシックとは違ったブギやロック、ジャズなどの
〝ノリ〟
について教えていただきました。

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カッコよく弾けるコツ!
それは裏拍が肝。

普段メトロノームを表打ちで使っているところを裏打ちに変えるだけ。
ちょっと慣れないので苦戦していましたが、慣れると劇的な変化がみられました。

なんとなんと、バッハの練習にも有効とのこと!
皆さま是非お試しを。


西尾先生と黒田先生
お二人それぞれの視点で音楽の楽しさを様々な角度から感じながら学ばせていただきました。ご参加くださった大勢の親子の方も夏休みの良い経験になったことと思います。

また来年もお待ちしております。


〈文責・須藤美帆〉

2016年10月22日

【音の葉研究会】実践講座・今野尚美先生


◆2016年9月8日(木) 10:00~12:00 

◆場所  カワイ川口ショップ コンサートサロン 

◆講師  今野 尚美 先生


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中学ではソフトボール、高校ではロックバンドの活動に夢中になっていたという驚きの経歴をお持ちの今野先生。ひたすらピアノばかりの生活では無く、いつも傍に音楽があったというご自身の経験から「色んな音楽人生があっていい」と語ってくださいました。

指導においては

〝生徒にさせる〟のではなく〝生徒から引き出す〟

ということを意識されているそうです。


「その人の中から自然に出てくるものが素晴らしい」
という言葉が印象深く心に残りました。


アレクサンダーテクニークのお話やブルグミュラーの原典版と普及版の指使いの違い、スケールの練習、ペダルのお話などなど盛りだくさんの2時間でした。

演奏にも魅せられ、すっかり今野先生の虜です。
素晴らしい講座をありがとうございました!

(文責:須藤美帆)

2016年12月14日

音の葉研究会第36回定期講座

♦講師 西尾洋先生
♦場所 和幸楽器大宮店
♦日時 2016年9月15日(木)10:15~12:15
♦内容 指導者ライセンス筆記試験勉強会

音の葉研究会顧問の西尾洋先生はピティナ・指導者ライセンスの問題作成にも関わっていらっしゃいます。
今回は、2015年10月28日に実施された筆記試験の問題を解説していただきました。


実際に問題冊子が配られると本番の試験のようで少し緊張しながらページをめくりました。

問題は【1】~【5】までで、かなりボリュームがあります。
全ての問題を西尾先生の分かりやすい解説と実際にピアノで問題、課題曲を弾いて下さるのを聴きながら解き進めていくことができました。

特に作曲家が生きた時代背景を解く問題では「社会主義リアリズム」を詳しく講義して下さり、理解すると共に深い興味を持ちました。

フランスの増六の和音、と答える問題があり(ここまで知らないと受験できないのかと驚きましたが)

西尾先生は、イタリア、フランス、ドイツ、のそれぞれの六の和音を丁寧に細かく解説して下さいました。

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続きを読む "音の葉研究会第36回定期講座" »

2017年1月15日

小倉貴久子先生【ピアノの歴史と奏法について】

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講師: 小倉 貴久子 先生

ご自宅のサロンにて
2016年11月24日
11:00〜14:00

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【ピアノの歴史と奏法について】
18世紀〜19世紀前半

使用楽器:

チェンバロ
クラヴィコード
フォルテピアノ(ワルター、シュトライヒャー、プレイエル)

楽器一つ一つの歴史や背景についての解説と演奏で詳しく分かりやすく進めていただき、素晴らしい演奏に釘付けになったり、心がほんわかと温かくなったり、知らなかった新しいことを耳から覚えることが出来ました。

<参考資料>カラー図解-ピアノの歴史
-作曲家が愛した、当時のピアノで奏でるCD付-


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講座の後にも楽器を試奏させていただくお時間をとって下さいました。
実際に鍵盤に触れ音を出してみると、楽器の個性の強さに驚きの連続!
美しい音を出すには楽器とコミュニケーションをとるようにタッチや打弦のスピードを変えて適応することが必須で、本当に難しいと皆が実感。
小倉先生があんなにたくさんの楽器を自由自在に操っていらっしゃることが魔法のように思えました。

写真もたくさん撮らせていただき、触れて試して学んで、心に残る体験学習となりました。
当日は11月なのに雪が積もった日でしたが、朝早くからたくさんの楽器を講座のために動かして学ぶスペースを作って下さり、帰る頃には雪が溶け始めているほど・・・

小倉先生、ご協力いただいた関係者の皆様、
本当に貴重な機会をありがとうございました。


(文責:須藤 美帆)

2017年2月27日

音の葉研究会 第37回・38回定期講座

◆講師:西尾洋先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:11月17日㈭・モーツァルトピアノソナタ K.280 K.282 K.284
    12月15日㈭・モーツァルト K.475(幻想曲)ソナタ K.457 K.533
◆内容:アナリーゼ

 西尾先生が用意くださったのはジャズのスタンダードナンバー
 

 My Funny Valentine


 英語の歌詞を読んでみます。

(午前の講座ですが夜のリラックス気分に....)
 

すると、あることに気づきます。
 ワンフレーズは1つの意味のまとまりになっていて
 それらが連結して音楽をつくっているということに。
 
 例えば、この曲の歌詞を英語で理解出来れば歌い方も自然になれます。表現力豊かに歌う事ができます。
 (音楽家はドイツ語、イタリア語、英語など、日本語にない発音やイントネーション、そしてもちろんですが意味をも勉強し続けなければならないのですね)
 
そしてモーツァルトのピアノにお話しはつながります。

フレーズ(=意味のまとまり、一つの単位、生き物、一息で行くところ)が
いったいどこに向かっていくのか?を考える。

フレーズの重心をどこに置くべきか?を考える。そしてその重心が来る前の音にもまた、意味がある。(モーツァルトはサロンに集う人々を飽きさせなかった。例えばフレーズの重心と思えるところであえてppにして、聴き手の予想を裏切るなども?)

もちろん、どう自分が感じたら美しく流れていくのか?も考えなければなりません。


モーツァルトは構文を作るテクニックが優れている、とのお話にも納得出来ました。
それぞれのソナタの冒頭部分を見ると、なるほど模様がはっきりと浮かびあがってきますね。

そして天才ならではのモーツァルト、形を作ってはこわす、作っては消す(休符)、をあっさりとやってのけているということ。いくらでも湧き上がってきたのでしょうか。

ソナタは4小節フレーズで出来ていない、というお話も新たな発見でした。規則的ではない、ということはやはり聴き手の予想を裏切ることが得意だったのでしょうか。

西尾先生の先導で楽譜を読み解き、聴き進めていくと、何気なく弾いてしまっていた部分に輝く宝石が見つかったりと、新しい驚きの連続です。

また新鮮な気持ちでモーツァルトのソナタに取り組みたいと心から思います。

そして演奏する時、指導する際にはモーツァルトの魅力を存分に伝えて行けるように努力を続けて行きたいと思います。

西尾先生、いつも充実した講義を本当にありがとうございます。


  (文責:森田 聡子)   

2017年9月 1日

高橋千佳子先生「音を感じる視唱入門」実践講座

◆講師:高橋千佳子先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:2月9日㈭10:15~12:15
    4月13日㈭ 10:15~12:15
◆内容:「音を感じる視唱入門」より

日本ソルフェージュ界の第一人者でいらっしゃる高橋千佳子先生をお迎えしての実践講座です。
高橋先生はレッスンですぐに使える教材記事を毎月音楽誌に連載され、全国のピアノの先生でその名を知らない方はいないでしょう。音の葉研究会でお迎え出来ることは大変光栄です。

高橋先生のご著書「音を感じる視唱入門」をテキストとして使います。
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音の葉のメンバーは生徒になり切り、
先生の美しいお声に続き
「ド~ミ~ソ~」と声を合わせます。
高橋先生
「ドとミは良かったですが、ソは色々ありますね!」
メンバー一同、より真剣な面持ちに...。初心に戻らなければなりません。
単純なようで正確に音程を取ることが難しいドミソ。
ピアノを始めたばかりの子供にとってはなおさらのことです。心しておかなければなりません。

そして高橋先生は繰り返しおっしゃられます。
「もっと大きな声で。歌う喜びを表現して!」
高橋先生が歌われる時のぱっと明るい表情豊かなお顔。ドレミファソの順次進行も前に進んで行く喜びが感じられます。
子供たちにそれを感じてもらえるように指導者は模範を示さなければなりませんね。

高橋先生のテキストはドミソから始まり、ソシレ、ファラドとハ長調の主要三和音を学びます。
この三つの和音でハ長調の七つの音すべてを網羅できます。そして音階ドレミファソラシド。見た目に分かりやすいこの二本柱で、七音の立ち位置を確立することが大事、と先生は説かれます。相対音感を得ることにもつながります。
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また、高橋先生は子供の黄金期についても触れます。理解する前になんでも吸収できる時期が子供にはあることを。ピアノの先生はまさにこの時期に子供に接しています。子供は耳を澄ましています。ピアノの先生の表情もよく見ています。お手本になるような歌い方しなければなりません。それを真似て、もし子供が正しく音程が取れないとしても、体験させることが大事とおっしゃいます。体験したことが後の演奏につながるのですね。

限られたレッスン内で視唱の時間を取るのは難しい中、高橋先生のこのテキストは見開き1ページで大変見やすく、短時間で取り入れられるように工夫されています。嬉しいことに指導のポイントの解説が大変詳しく、指導者へのヒントやアドバイスが盛り込まれた内容になっています。

ピアノの演奏は「歌う」ことと同じですね。音の羅列だけで、歌うことがなければ何も伝わりません。

ピアノ指導者は、音に魂をのせて表情豊かに歌い示さなければならない。
そしてピアノ指導者は生徒たちの大事な黄金期を預かっている。

高橋先生の講座を受講してその重要さを、強く強く認識することが出来ました。

高橋先生、大変貴重な勉強をさせていただき、本当にありがとうございました。

(文責 森田聡子)

2017年9月15日

高橋千佳子先生「音を感じる視唱入門」実践講座

◆講師:高橋 千佳子先生
◆場所:和幸楽器大宮店
◆日時:7月20日(木)10:15~12:15 9月7日(木)10:15~12:15

ヴィルトーゾを育てるだけがピアノレッスンではない、
そればかり追い求めるとつらい気持ちになってしまう生徒もいる。

IMG_0599.PNG 高橋先生はそうおっしゃいます。
確かにそうです。ピアノ指導者はピアノを通して生徒さんたちに
音楽の楽しみを知って生涯にわたって音楽に親しんで欲しい!
その願いが必ずあります。

今の時代の子供たちは大変忙しく、ピアノ練習する時間が確保できない場合もあります。
もちろん気分が乗らない時もあるでしょう。
「今週は練習が足りなかった」と重い気持ちでレッスン室の扉を開ける生徒さんに
「よく来たね!!」と明るく迎え、
「じゃあ今日はこんな、面白いレッスンをしてみようか!!」
と練習していない生徒さんでもレッスンを心から楽しめる、
ピアノってやっぱりいいな、と感じてもらえるような指導を心掛けたいものです。

今回は高橋先生に、そんな時に使える作品をたくさん紹介していただきました。

IMG_0610.PNG クラスターを使ってのレッスン

IMG_0602.PNG グリッサンドを使ってのレッスン

IMG_0595.PNG その他、フランスで一番新しいフォルマシオンミュジカルなどもご紹介いただきました。

何も準備してこなかった生徒さんも「こんな音楽の世界があるんだ!」と興味を持つきっかけになります。

それから私自身が個人的にとても腑に落ちた和音のご説明がありました。
小さな生徒さんには
長三和音→幸せ
短三和音→悲しい
が分かるだけでも良いとのお話でしたが、
長七の和音→けばい!!(派手)
減五短七の和音→やや悲劇!!
減七の和音→天涯孤独!!
他にも、宇宙への広がり!
財産をすべて失ったような!

などと和音の味わいの比喩表現が面白く、イメージが楽しく広がり
曲のアナリーゼにも使えそうです。

音の葉研究会に在籍することで今回も高橋先生の素晴らしい講義を受けることが出来ました。
すぐにでもレッスンに役立てられます。

高橋先生、本当にありがとうございました。

(文責 森田 聡子)
IMG_0599.PNGのサムネール画像

2018年3月27日

西尾洋先生ピティナ・ピアノコンペティション課題曲アナリーゼセミナー

◆日時:3/27(火)
 10:00-12:30 A1級、B級
 14:00-16:00 C級
◆会場:カワイ川口ショップリリア 4階コンサートサロン
◆講師 西尾 洋 先生
◆内容:ピティナ・ピアノコンペティションのA1級からC級の課題曲について、作曲家の視点から解説していただきます。


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今年も、沢山の熱心な受講者が北海道や東北、北陸、近畿からも・・・ カワイ川口ショップ・コンサートサロンに集まりました。

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西尾先生の、作曲家ならではの視点からの解説は、ひと味違った、とても示唆に富むお話でした。

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今日のセミナーを聴いて、楽譜の見方が変わった方もいらしたのではないでしょうか。

演奏は実況中継。今までと形が変わった所を、どこがどう変わったのか?
楽譜から見つけるワクワク感を大切にしたいですね。


とても充実した学びの一日を皆様と共有できました。
西尾先生、ご参加下さった皆様、どうもありがとうございました。


(文責:小高菜穂)





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