2014年1月16日(木)
川口リリア 音楽スタジオにて
2014年初めの研究会活動はお年玉企画ということで
永瀬先生が最も尊敬していらっしゃるヤシンスキ先生によるショパンレクチャーと公開レッスンが行われました。
温かいお人柄で音楽を深く愛されている先生のお言葉の一つ一つ、美しいピアノの一音一音、フレーズ、息づかい、全てを間近で感じることが出来て一生心の奥に残るような極上の時間を過ごさせていただきました。
会場に集まった方々とコミュニケート、ディスカッションしながら一緒に音楽と時間を共有しましょうとのお言葉から始まりました。
ポロネーズ
ノクターン
マズルカ
たくさんの曲を演奏されながら先生の中にあるイメージが飛び出します。
◇室内楽+歌手(様々な編成、声部)など ピアノ以外の 音
◇バッハ、スカルラッティ、モーツァルト、シューベルト、ベートーベン、シューマン・・・様々な時代の作曲家風のタッチ
◇草原が広がる美しい景色を鳥になって空から見ているように... 情景
◇女の子の可愛らしい質問に男の人がしっかり答えるように... 物語
たくさん思い描かれたものが生き生きとリアルに音になって伝わってくることに感動しました。
心に描いてから
楽譜に書かれた音を出す前に 出したい音 を頭の中にイメージして 心で感じた通りの音を出して欲しい
・・・そのための テクニック も重要です。
難しいパッセージの練習は小さなパーツの積み重ね
数個の音のみ取り出し練習→数個の音+数個の音と増やしていく→小さなフレーズ→大きなフレーズと発展させる。
和声の変化は時間が前に進むように
ショパンが自分の運命を思いながら夢と現実を往来するように。
〈オススメの練習その1〉
長和音と短和音を逆に入れ替えてみる→そのフレーズにその和音をなぜ選んだのか?和声の変化をよりクリアに感じられるようになる。
〈オススメの練習その2〉
即興を入れてみる→イマジネーションが広がる。
音と音の間に音楽がある
音と音の間を指で押さえているだけでなく心で感じる事が大切。
ただそれは、心で感じるだけで余計な動きにならないように注意しなくてはならない。
(手首や腕、上体などに大袈裟な動きがある演奏をよく目にするとも仰っています)
右手と左手が違う感覚を持てるように
ヤシンスキ先生の演奏は時に大編成のオーケストラのようでもあり、また室内楽のようでもあり、多声部の歌のようでもあり、はたまたそれが組み合わさったような時もあり、一人の人間の二本だけの手でひいていることが信じられない多彩な音色が響いていました。
それを成し遂げるために行うトレーニング一例として、ご紹介いただいたスケールの練習方法を一つここで挙げてみます。
[右手]ドレミ ファーー ソラシ ドーー・・・
[左手]ドーー レミファ ソーー ラシド・・・
何オクターブかで往復します。同じように左右を交換します。
(やり方、伝わったでしょうか?)
驚愕のバリエーションから、ほんの一部です。
午前の部の最後には「もう一曲ひいてもいい?」と惜しみなく演奏を聴かせて下さいました。ピアノを心から愛されているお気持ちが溢れていました。
長時間のレクチャー&レッスンにも関わらず全くお疲れの様子も見せないヤシンスキ先生のバイタリティと情熱に、会場の誰もが驚きと感動と感謝の気持ちでいっぱいだったことと思います。
ヤシンスキ先生、素晴らしい演奏と講義をありがとうございました!
また、この夢のような学びの機会を与えて下さる永瀬先生にも感謝しております。
今日の学びをレッスンと自分の演奏に活かしていきたいと思います。
〈文責:須藤 美帆〉