2018年2月26日

作曲家別演奏法《ショパン》―ショパンのピアノ奏法

180212hisamoto_1.jpg2018年2月12日(月)みずほ楽器スタジオPurezzaにて久元祐子先生による「作曲家別演奏法《ショパン》―ショパンのピアノ奏法」が開催されました。
ピアノに携わるレスナーさんや生徒さんにとってぜったいに欠かすことのできないショパンの音楽。国内外で活躍されているピアニスト久元先生からどんなお話や演奏が聞けるのか待ちに待った瞬間です。

180212hisamoto_2.jpgご著書『ショパンとプレイエル・ピアノ』(学研パブリッシング)を中心に、ショパンが弾いたピアノやその時代背景、バロック時代からの音楽の変遷とピアノの奏法がぎゅっとまとめられ、一瞬たりも聞き逃せないとても充実した2時間となりました。


プレイエル社、エラール社それぞれのピアノの構造と特徴はモダン・ピアノとの対比によりその魅力がさらにはっきりと伝えられました。当時ショパンに聴こえていた音はどんな音だったのか、会場のみなさんは頭の中で想像していらっしゃったのではないでしょうか。
また収録されている各楽曲をもとにペダリングやタッチなどの奏法、アゴーギクや音価、リズムについても紐解いていかれました。これまでぼんやりとしていたショパンの音楽像が、先生の解説によってその輪郭が生き生きと見えてきたようでした。

180212hisamoto_3.jpgショパン自身によるペダル記号をどのように捉えるか、当時のピアノの響きを想定してモダン・ピアノではダンパーペダルをオンかオフではなく、薄く踏んだハーフペダルや、細かい踏みかえを駆使して、ショパンの音楽を損なわないように見ていく必要があると仰っていました。またシフトペダルを上手く組み合わせて使っていくことで得られる、よりショパンらしいショパンの美学に沿った演奏効果を、実際の演奏を交えて紹介されると会場はまた一気に惹き込まれました。

今回のセミナーのなかで強く言われていたことは「ため息」のフレージング(>)はぜったいに逆(<)になってはいけないということでした。楽譜を細かなところまで読むこと、そして楽譜を見てそのまま演奏するのではなく、楽譜に書かれていることの背景をもっと深く読み込み、自分の演奏として聴衆に伝えること、これが大切なことだと伝えられました。

最後に、ショパンが弟子などのために書いた装飾も含めたポーランド・ナショナル・エディションに基づいた《ノクターン第2番》が演奏され、参加者はセミナー内で学んだことを反芻しながら会場は至福の空気に満たされていました。

Rep:有限会社みずほ楽器 桑野智子

2016年2月26日

【実施レポ】アンサンブルのススメ&ブルクミュラー講座(春畑 セロリ先生)

2016年2月8日(月)島根県浜田市、みずほ楽器スタジオ・プレッツァにて春畑 セロリ先生をお招きし、「アンサンブルのススメ&ブルクミュラー講座」という題で講座が開催されました。
作曲家による観点から「人を育てる」というテーマで、自分の頭で考えるということ、そして発言することが大切だということを楽しく語ってくださり、たくさんのことに気づかされました。 後半は主にブルグミュラーの作品について解説していただきました。

前半はアンサンブルの定義から始まり、アンサンブルをすることによってどんな効用があるか、具体的にどのようにすると効果的なのか詳しい説明。 アンサンブルはみんなでやることが楽しくて「脳の発達」にも効果があること、他人と演奏することにより「聴く」「共有する」「人が発信するものに対して自分が発信する」などの体験ができる素晴らしいものだと教えていただきました。 一番大切なのは、生徒さんたちを育てて「ステキな社会人を生み出していくこと」というお話に聴講された先生方にも考えさせられるところがあったのではないでしょうか。

後半のブルグミュラーの作品解説では、タイトルが新しく発見されたことや日本で普及している楽譜と初版譜との違いの説明もありました。ある部分のアーティキュレーションを例にあげてどんな弾き方をしようが「正解を探すことではなく、どちらも有り」だということを生徒さんから上手に引き出してあげることも重要。今回のセミナー全体をとおして、先生としての役割をしみじみと感じさせていただきました。

このセミナーでの体験を大切にして生徒さんにも伝えられたらと願っています。 愛情にあふれるセロリ先生の楽しいお話、ほんとうにありがとうございました。

Rep:島根西部支部 桑野智子

2015年2月16日

【実施レポ】生徒を伸ばす!ピアノレッスン大研究(添田みつえ先生)

2015 年 2月 9日(月)添田みつえ先生をお迎えして、「生徒を伸ばす!ピアノレッスン大研究」セミナーを開催しました。現代の子供たちは塾やほかの習い事で大変忙しい生活を送っているので、効率よく上達していかなければピアノを長く続けられない。そんな中、いろいろなアイディアをもって実際に成果を出されている添田先生の実践的で効果的なレッスン方法についてお話を聞かせていただいた。

一番大切なことは「読譜力」。これさえ身につけていればどんなに忙しくてもピアノを続けていかれる。40分ぐらいのレッスン時間であれば、最初の 10 分を下記のような読譜のためのトレーニング(あそび)の時間にあてる。
*鏡(ミラー)あそび
*リズムのトレーニング(4/4 拍子、6/8,3/8 拍子)など

添田先生ご考案の「雪だるまのお話」で全調の調号、三和音をストーリーと「雪だるまの歌」でマスターできる。この「雪だるまの歌」が収録されている楽譜は 4/15 にカワイ出版社から出版予定だそうだ。

添田先生が強調して仰っていたことで特に心に残ったのは、生徒の練習環境をぜひ整えてあげてほしい、ということだった。なぜならば、グランドピアノでなければ上達することが難しく、音色の違いを感じ取る力やグランドピアノでしかできない奏法、テクニックも身に付きにくいから。
具体的な例でグランドピアノでのタッチや、ソステヌート・ペダルを使ったトレーニング、練習の仕 方を示してもらった。

生徒の毎日の練習曲に関しては、
(1)毎日上げる曲(易しいもの)
(2)1 週間かけて練習する曲(次回のレッスンのため)
(3)何か月もかけてじっくりと勉強していく曲、の 3 種類の曲を常に持っていることが望ましい。
(1)は生徒が自分で楽器屋さんに行って好きな楽譜を選び、買ってくることも生徒にとって楽しみのひとつとなる。

教える立場からも、自分が弾く場合でも実践できることがたくさんあってとっても勉強になった。

(Rep:ピティナ島根西部支部 桑野智子)

2015年2月12日

島根浜田ステップ開催レポート(2015.2.8)

無事スケジュール通り終えることが出来ました。
フルート・サックスのアンサンブルも加わり、当支部開催のステップも少し幅が広がってきました。まだまだ色んな楽器演奏の出演者も募集して行きたいと存じます。
皆様の御協力あっての開催、ありがとうございました。

2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ 2014島根浜田ステップ

2014年2月21日

【実施レポ】よりふさわしい奏法をめざして(中川京子先生)

WEB140210nakagawa_kyoko_seminar2.jpg2014年2月10日(月)中川京子先生をお迎えし、
『四期・時代別指導法-よりふさわしい奏法をめざして!-演奏を中心に』
セミナーを開催いたしました。
中川先生が東京を出発された日は、45年ぶりの大雪に見舞われ、12時間かけて島根県浜田市まで来てくださいました。

セミナー前日にはステップアドバイザー、トークコンサートもして頂きましたが、お疲れの様子もなく、美しい音、そして終始心地よく美しい声で2時間ロマン派の作品、作曲家について演奏を交えながらお話してくださいました。

まず、ロマン派の時代についての簡単な質問から始まり、作曲家が使用していたピアノや時代背景、ペダリングなど1つ1つ丁寧に解説して頂きました。

普段は演奏テクニックに偏りがちなレッスンになってしまいますが、生徒たちにいろんなことを伝えられるよう、自分自身がもっと勉強をしなくては、と思いました。

2013年2月19日

【実施レポ】 テクニック クリニック(石嶺尚江先生)

WEB130211島根5.jpg

2013年2月11日(月)、石嶺尚江先生をお迎えして
新しいレッスン指導セミナー『テクニック クリニック -楽しい
裏技のオンパレードでレッスン革命-』
を開催いたしました。

★アイデアは生徒を救う! ★ネタ帳のすすめ! と言うテキストに
沿って進めて下
さいました。会場は浜田市のみずほ楽器4階スタジオです。

参加者は30名くらいで昨日のstepの講評がなかなか良かったようで、皆さん楽しみに参加して
下さいました。
昨日のstepの会場は江津市でしたが、この日は浜田まで2時間以上もかかる
遠方から
、連日来て下さった先生もおられました。

ひとつふたつの方法が上手くいかないからと言って諦めてはいませんか?との問いに対して
沢山のネタが入ったご自身の引き出しから実技を交えて、即 今日のレッスン
から使える
テクニックの指導とアイデアを話して下さいました。

WEB130211島根4.jpg●手首を上下に振りながら弾く
●ゆびの第1関節がぐらぐらする
●指が立たない
●手のフォームがつぶれる
●親指が独立していない
●指の瞬発力が弱い
●掴み力が弱い・・・肩もみが筋トレになることは意外でした。
●音がこもる
●音色のコントロールができない
●左右の音量バランス
●小節ごとに止まってスムーズに弾けない
      ・・・次に何を弾くのか脳に予約を入れる
        今弾いているところは、すでに過去であるから
早めに次を見させる。

また、"汚いものは踏まない"を例に挙げ弾けなくて止まるとことを意識化する。
過去の失敗した音に未練を残さず音楽の流れを止めないように・・・

など、ピアノの先生方の普段からの悩みを、奇抜なアイデアいっぱいに、
解決策を惜しみなくお話しいただきました。

多くの指導の経験からさまざまな角度で実際のレッスンに、しかもすぐ役立つ指導法を伝授
頂きました。
その内容は、通常の視点から逸脱しており、とてもユニークで且つ先生や
生徒共に楽しく
レッスンできる上、上達への指導指針となりえると思いました。

セミナーを終えた後も、2時間では伝えきれないと、話し足りない部分を私どもにも教えて
下さいました。
受講された先生方はとても真剣に聴いておられ、石嶺先生も喜んで
大阪へお帰りにな
りました。続きを聴かせて頂く機会を持たねばと思いました。

stepでお疲れのところを申し訳なく、心より感謝しております。
ありがとうございました。

(Rep:PTNA島根西部支部 桑野陽子



2010年3月 5日

2/15「導入期から先取りでテクニックを育てよう」(永瀬まゆみ先生)

2010年2月15日(月)みずほ楽器4Fスタジオにおいて、待望の永瀬まゆみ先生をお招きして「導入期から先取りでテクニックを育てよう」の講座が開催されました。

多くの生徒さんを全国のトップレベルに導く永瀬先生の指導テクニックを学びたい!!と熱心な先生方で会場は満席となりました。

永瀬先生は小さいお身体のどこからそんなパワーが??と驚くほどの"Presto Appassionato"で
2時間半、テキストにそって盛り沢山の内容を、即レッスンで実践できるようにわかりやすく教えてくださいました。

<8つのテクニック>
♪ 指の独立(リズム変奏→その組み合わせ)
♪ 二音のスラー(手首を使う・指だけで↓↑)
♪ 腕の重みの使い方(肘を自然に使って)
♪ 手首の回転(柔軟に円を描くように)
♪ スタッカート(落とす・跳ね上げる)
♪ ノンレガート(腕を使う・指だけで)
♪ バランス(左右のバランス・和音のバランス)
♪ 強弱をつける(指先→腕の重み→体の重み)
 それらの応用とスケール・カデンツ・アルペジオ

以上8つのテクニックは、始めは完璧にできなくても先に進んでOKですが、何度も繰り返して定着させることが大切であり、その基本テクニックを組み合わせたり、より高度なものに発展させていく方法や、効果的な言葉かけ、その時々に大切なポイント等を良い例・悪い例を交えて具体的に教えて頂きました。

レッスンの際、今、その生徒に必要なテクニックを瞬時に見抜き、自分の引き出しから自由に取り出して的確に与えることができる技術が大切だな、と思いました。
そのためには、指導者は常に耳を澄まし、センスを磨き、情熱を持ち続けなくてはならない、と改めて感じました。

「私のもっているものはすべてお伝えしたい!!」と熱く語られた永瀬先生、
沢山の指導テクニックの他にも、
☆線を引かず、子供の可能性を信じる
☆音と共に心が動く。心で感じ音であらわす
☆工夫とアイデアでレッスンを創作する
・・・等々心に響く素敵なお話をしてくださいました。

心で感じて心が動き、音で語れる生徒-"本物の表現"ができる生徒-を育てるために豊かな感性をもち、言葉かけを工夫することがとても大切だと教えて頂きました。

深く濃い内容に加え、楽しいエピソードや生徒さんの素晴らしい演奏、レッスン風景等じっくり見て聴いて必死でメモをとりつつも笑い有り、感動のため息有りで大満足の講座でした。永瀬先生、本当に有難うございました。


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