11/6(水)、秋晴れの気持ちよい日和の中、毎月恒例の連弾研究会をヤマハ藤沢南口センターにて行いました。
毎月お部屋の準備や資料の手配などでお世話になっているヤマハの担当者がまたまた代わることになったので、新任の平野修一さまに一言ご挨拶をいただいてからスタートしました(千葉からの勤務ということで、3都県を跨いでのお仕事ぶりに頭が下がります)。
今月の課題に入る前に、10/14(祝・月)に行われた湘南10月ステップで『もぐもぐブギ』から4曲を研究発表という主旨で演奏した報告をさせていただきました。
演奏者からの反省としては、曲の難易度にかかわらず100%の演奏をする難しさ、自分たちが感じ・考え・表現したいことを伝える難しさ、伝えきれなかったことなどを述べさせていただきました。そしてアドバイザーの羽田先生からのコメントが今後に向けて参考になる内容でしたので、1曲1曲に対してのアドバイスを先生方と共有しました。
今後はより一層、ペダルの入れ方、ユニゾンのバランスの考え方、リピートした時の表現の変化などを深めていきたいと思います!
当日急遽カメラマンになってくださった先生、いつもの名司会で美しく連研を説明してくださった先生、聴いてくださった皆様、ありがとうございました。
これからも色々な形で連弾研究会の成果を発表していきましょう~!!
...その時の演奏の動画が写真になってピティナHPに登場して焦りまくった演奏者2人でした~^^;
さて本題にはいります。
今回は新曲5曲。以下プログラムです。
【もぐもぐブギ】(カワイ)より
1.大田桜子 : ユー君の3分間クッキング
Three-minute cooking for a Boy Named Yu
2.高嶋みどり : おはようカンガルー君 Good Morning, Kangaroo
【もっとふたりのピアノ】(音友)より
3.内田勝人 : ゴリラは森の王様です
【シュンゲラー:新しい子どものうたの本1】(日本ショット)より
4.夜汽車
5.かっこう
『ユーくんの3分間クッキング』
「はじめてのクッキングにちょうせんしたユーくん。ワクワク、ドキドキ、うまくできるでしょうか。たのしく軽快にえんそうしてください」
作曲家の大田桜子さんは連研メンバーとも関わりのある方で(作曲科を目指す生徒さんをみていただいたそう)親しみを感じます。プリモは早速ユニゾンで始まるので、早速左右のバランスを考えてみました。全体像が見えたところで、今回は久しぶりに参加してくださった小林先生のアレンジでアンサンブルに挑戦しました。エレクトーンによるアンサンブルはリコーダー音色。そしてウッドブロックでパーカッションを加えます。これだけでもとっても楽しいアンサンブルでしたが、さらに全員でタンバリンやトライアングルやマラカスを持ち即興合奏を行いました。教室の生徒さん勢ぞろいで演奏可能な作品です。おためしあれ!
『おはようカンガルー君』
「大草原には、きょうもきらきらと、太陽がのぼってきました。すみきった朝の空を、胸いっぱいにすいこんで、カンガルーのお母さんと、おなかの袋の赤ちゃんが、仲よくお話しています。大地も、にっこりほほえんで、やさしくみんなをつつんでいます。今日も、一日、元気でね!」
「おかあさんの、おひざの上で、ひきましょう」という指示があるこの作品。曲名から受けるイメージとかなり違う不思議な曲です。ところが弾き進めていくと、この曲の舞台は動物園のカンガルー親子ではなくて、グランドキャニオンのようなぎらぎらした太陽と赤土の岩肌、あるいは草原が広がっている広大な土地にいるカンガルー親子なのだ...と気づきました。それからは全く感じ方が変わります。
2コードで書かれている音楽に風や空気を感じます。
![image[4].jpg](http://branch.piano.or.jp/shonan-felicite/image%5B4%5D.jpg)
また、子供を膝の上に乗せて演奏する、という指定があるのですが、プリモはシンコペーションが多くて左手の伴奏は1拍目が休符の連続...そう簡単ではありません。いったい何歳くらいの子供に弾けるのか。お試しになった方がいらっしゃったら是非ご一報ください。
私たちは今回セコンドがプリモの腕を乗り越えて高音域を弾くやり方で合わせてみました。
最後に「試しにおひざの上、やってみようか~」と、アンサンブルを交えてトライしてみました。
弾きづらいところはあったようですが、案外楽しく演奏できました。
無理なことってないんだな~と改めて実感!お膝の上は結構気持ちよいそうです(笑)

『ゴリラは森の王様です』
2分音符=76 とかなり速い指示は「のっしのっし歩くゴリラ」というよりは「ゆっさゆっさ力強く動き回るゴリラ」を想像させます。ユニゾンで始まるプリモは左をメインにとらえスタッカーティシモで両手を強打、というやり方と、逆に右をメインにとらえる両方を比べてみました。スタッカーティシモの打鍵について、もう少し深くディスカッションしたかったところですが時間切れ。
エレクトーンのピッコロとトロンボーンを加え、楽しい楽しいアンサンブルが体験できました。

『夜汽車』
誰もがご存じの曲ですが、プリモに続いて2小節遅れでセコンドが追いかけます。後半でセコンドが刻む8分音符は弦楽器をイメージさせます。そこでエレクトーンで、弦楽四重奏、バロック(チェンバロ)、ロココ調でいろいろな楽器による演奏を試してみました。どれも素敵です。
弦をイメージすると、セコンドの弾き方も変わってくることでしょう。
『かっこう』
有名なこの曲の冒頭はプリモがクックー、クックーという鳴き声で始まります。3拍子をワルツのように感じることも大切かもしれません(実際、挿絵には女の子2人が手を取り合って踊っている様子が描かれています)。
セコンドは2段目3小節目からテヌートのついている低音部をしっかり出すと曲が一層厚みを増して音楽的に深くなります。
嬉しいことに、このシュンゲラーの楽譜、ドイツ語で書かれた原典版の譜面も入手できることになり、次回から原語のタイトルや詩、楽譜の比較が可能になります。
ますます面白くなりそうです(ドイツ語の辞書が必要になるかも)!!
昨年の11月7日に第1回連弾研究会(当初は連弾曲研究会といってました)が始まり、コツコツ続けて1年が経ちました。
毎回、何かしらの発見や学びがあり、たくさんの収穫を実感しています。レジュメやアレンジ(アンサンブル用)の手書き譜も厚みを増しています。
パワーアップしている連弾研究会、2年目も頑張っていきましょう!!!
(ヤマハ平野さんを囲んで)
次回は12月4日(水)に行います。
ご興味のある方はどなたでも参加できます。見学だけでも大歓迎!
ご希望の方はこちらまでご連絡ください⇒ t-felicite@lagoon.ocn.ne.jp (矢ノ下)