2018年11月22日

富山新川ステップ開催レポート(2018.11.18)

北陸の11月にしては珍しく晴天で穏やかな暖かい日になりました。ホテルから車でホール入りされたアドバイザーの先生方は、北アルプス立山連峰を眺めながらの道中です。

オーバーホールしてまだ1年経たないスタインウェイD。参加者100組の熱演が9時半から20時半まで続きました。

朝はやい受付から、ご家族連れでいらしてくださり、小さな出演者には応援団がたくさんです。小さな妹や弟を抱っこしながら奮闘するお若い親御さん。ご家族の様子を垣間見ることができるのもステップです。

武田朋枝先生の講評 小さい方が舞台にひとりでで上がり、ひとりで弾くのはそれだけでたいへんなことです。ご家族は、いつもはもう少し上手だけど、と思われても、ぜひたくさん褒めてあげてください。

継続五回が17名、特に小学生が多かったです。ステップにも慣れ、レッスンが継続し、ピアノが生活の一部になってきたころでしょうか。

後藤れい子先生講評 楽譜を読みこみ、ただきちんと弾くだけではなく、これはこういう曲だ、こんなことを表現しているのだ、こんな世界にちがいない、とよく考え感じて、より深く広い音楽を表現してください。

ステップのお楽しみはトークコンサートです。今回は鈴木弘尚先生に30分をお願いしました。

プログラム

シューマン アラベスク
ショパン ワルツ第7番 嬰ハ短調
ショパン 英雄ポロネーズ
久石譲 天空の城ラピュタより シータの決意 鈴木弘尚編曲
ヒナステラ ソナタ第1番 終楽章

トークコンサートお目当の来場者もありました。お話は最小限で、ほとんど弾き通され、プログラムのとおり充実の30分でした。アンコールを要求される勢いでしたが、時間励行のため、やむなく次の部です。

鈴木弘尚先生講評 例えば和音の響きについてとりあげてみましょう。同じ旋律でも、和音がよって、こんなにちがいます。(ピアノに向かい、ドレミと弾きながら、四種類の和音をつける)どう弾くべきか、よく考えましょう。表現に奥行きが必要です。ひとつの音や和音も、よく考えてください。

第7部と第8部は、中高生や大人が多く出演します。勉強や部活動との両立、受験。大人は仕事や家事と練習時間の確保。コメントにも、生活の様子が垣間見ることができます。しかし、熱演でした。明らかに専門に道に進むだろうという中高生、これからが楽しみです。大人も継続表彰されて、嬉しそう。

矢崎恵子先生の講評 みなさんぜひ時間を上手にやりくりしてピアノを続けてください。ピアノは生涯続けるに値する素晴らしいものです。いろいろ困難はあるかもしれないけれど、時間と体力を確保してください。(矢崎先生ご自身、子育てをしてきてやっと手が離れるころになったら、今度はご両親のお世話が必要になってきたそうです。)

富山にいかわステーションのスタッフ7名で、恒例のぐるぐる二台ピアノ。今年は、映画音楽メドレーです。武田朋枝先生はご覧になるのが2回目。進化してますね!と講評くださいました。もう7回目です。生徒さんからも、コメント用紙をたくさんいただきます。先生方の姿を見て、自分もピアノをもっと好きになりました、と。生徒さんに何かを感じてもらえるようになりました。嬉しいです。

代表 畠山美佳子

動画でもお楽しみください。

2017年11月16日

富山新川ステップ開催レポート(2017.11.5)

富山新川ステーションのステップは今回で10回目の節目を迎えました。
100組の参加者がありソロ、アンサンブル、二台ピアノで音楽を楽しみ自分を表現する姿勢が見られました。
アドバイザーからはその土地の景色、環境が音を作っていく、特に富山の土地の音が十分感じられる素直な演奏でしたと講評頂きました。またステージの演奏は何週間分の練習の価値があり、毎年ステップに出て20、30回と表彰を受けてもらいたいと話されました。
海瀬京子先生のトークコンサートではべーゼンドルファーとスタインウエイの響きの聴き比べで「小犬のワルツ」「ラ・ヴァルス」を演奏されました。
特にべーゼンの低音の響きを聴いてほしいとの思いから一部分でしたがバッハシャコンヌを演奏されました。
先生は身体全体を十分に脱力しながらメリハリのある力強いそして繊細な素晴らしい演奏をしてくださいました。
沢山の感動と刺激を貰えるステップ。また来年新川ステップに多くの方に参加して頂けることをスタッフ一同お待ちしています。

最後に・・・
新川ステーションスタッフ7名の演奏も昨年より内容も衣装もパワーアップしました。
宜しければ動画ご覧ください。

2017年11月 1日

富山新川ステップ開催します(2017.11.5)

10回目のステップに寄せて

音は空気の振動です。その音が音楽になるとき、そこには必ず聴く人がいます。
誰もいないところでは、音は音楽になれません。
たったひとりでピアノを弾いたとして、
それを誰も聴いてくれなければ、音楽ではないのです。
なぜなら、音楽は常に何かを伝えようとしており、それを受け止めようとする
誰かがいなければ、音楽の何かは行き場を失って消えるしかない。

音楽が伝えるものは何か。
作曲家の思考や能力、時代の様式や主張、演奏家の技術や個性、
さまざまな感情や情緒、論理や構造、自然に身体からわき上がるもの。
およそ言葉にしつくせず、言葉を超えてゆくもの。
ピアノを弾くみなさんは、音楽が伝えようとする偉大な何かを、
聴く人に伝えることができます。

だれかたったひとりでよ いのです。
誰かが聴いてくれることを思って、ピアノを弾いて下さい。
自分ではない何かを大切に思う気持ちが、音楽の礎です。

にいかわステーションは、10年間、みなさまに寄り添うことができました。
ありがとうございました。


富山にいかわステーション代表 畠山美佳子

(当日のプログラムより)

⇒スケジュール・プログラムはこちら

2016年11月14日

2016ステップ開催記録

2016年11月6日の富山新川ステップでは、107組の参加者があり、11時間の長丁場の中、充実して終えることができました。

今回は、全国的にホールにあるのが珍しいベ―ゼンドルファーインペリアルをメインにして、プレ導入の演奏から始まり、23ステップに繋がり、年々増えつつあるフリーステージへと、それぞれにレベルの高い演奏を聴くことが出来ました。ソロはもちろんのこと工夫されたアンサンブルや、2台ピアノなど、様々なスタイルで音楽を楽しみ、真剣に取り組んでいる姿勢が見られた実りある1日でした。クラリネットとピアノ、チェロとピアノ、独唱、合唱、三線、打楽器、ぐるぐる連弾など。

アドバイザーの先生方の講評では、富山の県民性が出ていて、まじめでしっかり練習している成果が出ていて、心のこもった演奏を聴けたと褒めて頂きました。また指導者自らもステージに立つことが大事ですから、これからも出続けてほしいと話されました。新川ステップでは、指導者のステージが激増しています。

また、毎日の家での練習では、いつもホールで練習しているようにイメージして、こうなりたいからこう演奏する、そうすれば、そのイメージの演奏が実際にできるようになると、分かりやすく丁寧に教えて頂きました。

今川裕代先生のトークコンサートは、べ―ゼンドルファ―の魅力を十分に引きだされた演奏でした。楽器の特長でもある独特の音色は、豊かなウィーンの香りがするとお話されました。ピアノを身体で包み込むように演奏され、その馥郁とした響きの中で、ほんの少し15分という短い時間でしたが、楽器の本来の特長を感じ取ることが出来ました。心が豊かになり、優しい気持ちになれる、上等な素晴らしい演奏でした。

演奏者おひとりおひとりが、さらに研鑽をつみ、来年もまた新川ステップに参加して頂けることを心より願っております。

来年も入善コスモホールでお待ちしております。
(恩田あゆみ)


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2015年11月29日

富山にいかわステーション 2台ピアノによる「日本の歌メドレー」

富山にいかわステーション

2台ピアノによる「日本の歌メドレー」

動画はこちらです

春畑セロリ/物部一郎/関小百合/ローゼンブラット

みなさん、歌を歌っていますか。

私たちはピアノを弾きはじめるずっと前から
歌を聴き くちずさんできました。
うまれて初めて聴く歌は、お母さんがうたう優しい旋律。
お友達を遊ぶとき、みんなでうたったあの旋律。

歌は私たちにとって、欠くことのできない大切なものです。
時代をつくり、生活をはぐくみ、人としての感性の基礎となるものです。

日本の歌を忘れていませんか。
あなたの記憶の中にあるあの旋律を
2台ピアノでおとどけします。

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水谷稚佳子先生セミナーレポート

2015年11月9日、富山県魚津市新川文化ホールリハーサル室に場所を移し、アドバイザーの水谷稚佳子先生の講座が開かれ、指導者の先生方が多数参加されました。講座では、自分らしく音楽を表現して、自分らしい音色で奏でたいのなら・・・・肩や腕手首の余力な力を抜き身体の特性を生かした無理のない弾き方を習得することが必要。筋力、重力そして脱力のバランスを取り、指、手首、腕、身体を思い通りに操るコントロール力を身につけることなどと、話されました。

また「魔法のしつもん」として自分自身に問いかけて心の状態を知る、探るトレーニングを受けました。手遊びをしたり、簡単なゲームをしたりして、レッスンにも使える脳トレも教えて頂きました。様々な心の状態はダイレクトに指や身体に緊張を与えるので、緩ませる解きほぐし脱力ができたところで指などを意識して使うなどと話されました。そして今は指導者としてはどうか、自分自身を見つめる良い機会を与えてくださいました。

レポート 恩田あゆみ

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2015ステップ開催レポート

今回8回目となる富山新川ステップは、2日間にわたり121組の参加者を迎え開催されました。

またステップ翌日には水谷稚佳子先生のよる「魔法のしつもん」×フィンガートレーニングと題しましてセミナーも開かれ大変充実した3日間になりました。

昨年度から取り入れているスタインウェイとべ―ゼンドルファによる2台ピアノも定着して、ソロ演奏と響きが違う迫力のある音、そしてお互いに相手を信じ支え合って作り上げられたアンサンブルを聴くことができました。

ステップが開催されている入善町民会館コスモホールは大変良く響き、それを味方にして自分を表現できる最高の場ではないかと思います。参加者の皆さんは真剣に演奏に取り組んでいました。

1日目は、保護者と手をつないでの初のステージデビューとなりました2才児中心の音脳リトミック、70代のご夫婦のフルートとピアノのアンサンブル、先生と鍵盤ハーモニカや打楽器でセッション等、幅広い参加で会場が笑顔と暖かさにあふれていました。音脳リトミックのステージでは、楽器を奏でる前に耳と身体を使って体験することは、これからの自分の考えを柔軟にとらえられる土台を形成していく足掛かりとなり、自分自身の表現スタイルを選び、表現する喜びを知っていくことに繋がればと願う思いになりました。今や1~2才児を育てていくことが必要だと感じた瞬間でした。

2日目は、クラリネット、三線、チェロそして鍵盤ハーモニカ等と、ピアノのアンサンブルを聴くことができ、ステップの新しい可能性を感じました。先生を交えた2台8手も、昨年に引き続きの参加でした。

また参加者の方が楽しみにしているQ&Aコーナーでは、参加者のいろいろな質問に、アドバイザーの先生方がとてもわかりやすくお答えになりました。

自分が集中できる時間を計ること、その中で達成できる短い目標を立てること、リズムを言葉に置き換えたり、楽譜は今弾いているところを隠して先を読ませるなどアドバイス頂きました。

2台ピアノや違う楽器とのアンサンブルで耳を育ててほしい、演奏する楽しさや喜びが増すのでぜひ体験してほしいとお話くださいました。明日から実践できるような具体的なお答えもたくさん頂きました。

財満和音先生によるアドバイスレッスンでは、フレーズのイメージを持つこと、自分はどのように弾きたいかを明らかにすること、この部分とあの部分では何が違うのかを表現すること、転調や和音の響きの移行に気配りをすること等を教えていただきました。クレッシェンドするときの上半身の具体的な使い方、全体の響きを立体的にする方法、曲の持つイメージについて想像をふくらませるには、など生徒さんの音楽がぱっと変わりました。ギロックの手品師。

水谷稚佳子先生によるアドバイスレッスンでは、終了したばかりのワルシャワでのショパンコンクールを聴きに行かれたお話から始まりました。アジアからも多くのピアニストが参加したショパンコンクール。ワルツだけとっても、さまざまな解釈があり、これが正解というものはないと実感したそうです。ショパンのワルツのレッスンは、部分の特徴をよく出すこと、ルバートのやり方、トリルの美しい入れ方等を、重点的に教えていただきました。端々に水谷先生のフィンガーテクニックに関する教えが見えました。

財満和音先生のトークコンサートでは、先生ご自身が参加者の演奏に刺激をもらっていると前置きをされました。財満先生はステップのトークコンサートの初期段階から深く関わっていらっしゃるので、このトークコンサートが開催されるようになった経緯を話されました。

先生は練習の合間にこっそりジャズも弾いていたこともあったそうです。先生ご自身の青春時代の思い出として、異国でも音楽だったら通じるということを実感された体験があったと話され、名曲とは1人1人心の中にあるものではないのかと先生の思いも伝えられました。

先生はスタインウエイピアノの音をとても丁寧に引き出しながら、ショパンの小犬のワルツ、幻想即興曲、先生自身が楽しいものを弾きたいとのことでオリジナルのクリスマス・メドレー、そしてリストのラ・カンパネラを演奏されました。メドレーでは一足先にクリスマス気分を楽しみ、リストの演奏では鐘の音のように鳴り響く繊細な演奏が聴けました。

2日間共、参加者のステージへのまたステップへの強い意気込みが感じられた良い演奏が目立ち、堂々と自分をアピールされたようでした。また皆様力を付けられて来年もステージに立てますよう新川ステップ一同お待ちしております。

レポート 恩田あゆみ

1日目 11月7日 土曜日

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2日目 11月9日 日曜日

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2014年12月15日

ドゥオール(藤井隆史さん白水芳枝さん)学校クラスコンサート

 2014年の学校クラスコンサートは、ドゥオールのお二人をお招きし、富山県魚津市立経田小学校で開催いたしました。

 藤井隆史先生と白水芳枝先生は富山滞在4日目。2日間にわたるステップのアドバイスやトークコンサートを終えられたところです。富山に入られてから、ステップ会場とホテルとピアノの練習室以外の場所には行かれず、まったくピアノ漬けの日々です。お食事もお弁当で済ませていらっしゃるほどです。お二人のピアノに対するとことん真面目な熱意を、そばにいてひしひしと感じておりました。

 経田小学校は富山湾に面する歴史ある町の小学校です。新タ校長先生の明るく爽やかな笑顔でお迎えいただき、私たちの緊張もすっとほぐれました。およそ1年前にスケジュールの打診以来、細かな調整をかさねていただき、新タ校長先生はじめ経田小学校の先生方には、直前までたいへんにお世話になっておりました。校長室でお茶をいただき、新タ先生と和やかにお話させていただきました。


 そして音楽室の扉をあけたところでハプニング。


 教室の壁ぎわに鎮座する新しいアップライトピアノ。2台ピアノの血が騒ぎました。お二人のアイディアにより、とっさに2台ピアノのプラグラムが組まれました。まったく視線のあわない場所にある2台なのですが、そんなこと問題ではないようです。思いがけず、2台ピアノを演奏することに。

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 経田小学校のみなさんはとても一生懸命に誠実にお二人のお話を聞いてくださいました。緊張しすぎて固くなるようなお子さんは見受けられず、自然にリラックスしながらも興味津々の表情でエネルギーにあふれたお子さん達でした。

 ドゥオールの演奏とトークは子供達のイメージをどんどんふくらませてゆきます。目をつむって曲を聴く。つぎに同じ曲を聴きながら、思いついた色や形を画用紙に描いてゆく。音楽を聴きながら絵を描くのはなかなか面白そうなことでした。
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お二人のお話にも、子供達は釘付けになります。

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ピアノを弾きながら、これだけ話せるというのは、すごいことです。

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アップライトピアノの仕組みもレクチャーします。藤井先生の直球勝負のトークに子供達は釘付け。その間に白水先生のフォローが絶妙に入ります。白水先生の優しい笑顔に子供たちはうっとり。

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週末に魚津市のいくつもの小学校が集まる合唱コンクールをひかえ、児童のみなさんには、お二人の伴奏で課題曲を歌っていただきました。お二人とも真剣に伴奏をさらってくださったそうです。真剣な演奏にのせて、すばらしいアンサンブルになりました。お二人がイメージをふくらませて伴奏して音楽を作ってゆくのに、のびやかな声で子供達はすばらしく上手に合わせていきます。リハーサルなしの一回勝負。見事な本番でした。

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 経田小学校のみなさんからは、後日、たいへんに厚いお手紙の束を送っていただきました。おひとりおひとりの感想が、楽しい絵と共に綴られていました。クラスコンサートをお世話していて、これほど嬉しいことはありません。ドォオールのお二人も、心して読んで下さいました。

 「みなさんが大人になってからでもいいから、いつか、僕たち二人が音楽室に来てピアノを弾いていったなあ、と何かのおりに思い出してくれると嬉しいです」

 藤井先生が目の覚めるようなピンクの水玉のシャツを着ていたこと、白水先生の上品なドレスがお母様の手作りだったこと、そんなことと共に、音楽室のピアノの音色、想像をふくらませて描いた絵のこと、一緒に歌ったことなどを、思い出していただきたいです。

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この学校クラスコンサートを開催させてくださいました経田小学校の先生方、保護者のみなさん、児童のみなさん、ありがとうございました。新タ先生、すばらしい学校で開催できたこと、光栄に思います。

追記

今回の学校クラスコンサートは「平成26年度文化芸術による子供の育成事業(芸術家の派遣事業)派遣分」によっております。

今回の経田小学校のアレンジには当ステーションのスタッフ、黒坂智恵先生にご尽力いただきました。

また、ピティナ本部の森岡さんには資金調達から楽譜の管理までお世話になりました。ありがとうございました。

最後に、富山にいかわステーションが主催したクラスコンサート全5回、全てにお世話になりましたのが元本部の谷口さんです。自分達の仕事がささやかな地域貢献になること、資金調達のさまざまな方法について、一流のピアニストを派遣する意義、ひとつひとつを私にお教えくださったのが谷口さんです。いくぶん私事になりますが、心より感謝申し上げます。

富山にいかわステーション代表 畠山美佳子

 

 

2014ステップ集合写真

2014年ステップ集合写真です。 みなさまのご参加ありがとうございました。

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2014年11月29日

2014ステップ開催記録

 富山の11月なのに、とても気持ちのよい秋晴れとなりました。土曜日55組、日曜日93組の方が参加されました。
アドバイザーには、佐藤祐子先生、白水芳枝先生、藤井隆史先生。来年は新幹線が開業しますから、上越新幹線+特急はくたかの組み合わせで入善にいらっしゃるのも今年が最後でした。


 今年は何かの記念というわけではないのですが、ステーション代表の思いつきで、2台ピアノを準備しました。
いつもの入善コスモホールには、スタインウェイのフルコンサートとベーゼンドルファーのインペリアルがあります。
ホールのご理解とご協力、調律師長瀬さんの献身的な努力のおかげで、この大きなピアノを2台セットいたしました。
感謝申し上げます。

ドゥオールのお二人がアドバイザーということもあり、予想よりも2台ピアノの申し込みが多くありました。小さなお子さんのブルグミュラー、中高校の八手、グランミューズのクラッシック、ポップス、編曲ものなど。さまざまなジャンルが登場しました。2台ピアノ初体験の方もいらしたようです。
 
 トークコンサートはドゥオールが登場です。
アドバイザーから一転し、ピアニストの顔となって袖から舞台へ出て行かれるのを間近に見ておりました。
緊張感とエネルギーを充満させた様子が、さっきまで一心不乱に客席で文字を書いていたお二人とは別人のようでした。

 土曜日は、デュカスの魔法使いの弟子。サン=サーンスの動物の謝肉祭。華やかでドラマチックな音楽でした。映画的なイメージが舞台上にぱあっと広がります。
まさに魔法です。お二人の最新アルバム収録の作品でした。

 日曜日は、ブラームスのハンガリー舞曲より。2台のピアノのためのソナタ。
ピアノ五重奏曲として有名な作品のブラームス自身による2台ピアノ版。緊密に構成された縦の響きと、よく耳にするメロディーの横の流れが、がっちりとひとつの音響になるのが見事。
この曲を生で聴けたのはラッキーでした。
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 佐藤祐子先生にはワンポイントレッスンで登場していただきました。
 
ドビュッシーは2台ピアノをならべてのレッスンとなりました。お得意のドビュッシーだと思います。亜麻色の髪の乙女、曲の由来からはじまり、最初から最後まで丁寧に指導していただきました。
 ペダルは実際の楽譜に即して、左右両方の細かい踏み方を指示されました。
 指はしっかりと使い、むしろ強靭な筋肉と骨格を要求されるようなタッチでした。


 ブルグミュラーは、生徒の主張や個性を尊重するレッスンの見本のようでした。装飾音をどこで合わせるかとかいう問題も、そのテンポならばOKですとおっしゃり、クレッシェンドのずれもさっと直され、生徒の良い面が引き出されました。
 合理的な教え方でもありました。おそらく佐藤先生のご性格やお考えならではのレッスンだと思います。

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 参加者のみなさんは、地元入善町をはじめ、新川地区にお住まいの方々が大半です。常連さんの顔も覚え、継続表彰も増えました。
 また、富山市をはじめ県内外さまざまな地区からも参加があります。金沢や新潟、遠く神奈川からもいらっしゃいました。
 中には、にいかわステップが好きなので、と言われる方があり、スタッフ一同で感激しています。

 今年も全員に書かれたアドバイスシート。講評での先生方のお話。先生方へのQ&A。いずれも、参加者にみなさんやスタッフにとっては、一期一会の宝物です。どんなに技術的なことや、論理的なことであっても、先生方が人生をかけてむきあっているピアノですから、その人の全てがにじみ出て来るものだと思いました。

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 佐藤先生は、ナディア•ブーランジェの直弟子です。いったいこの歴史上の大音楽家と、目の前の佐藤先生がパリで重なるのだろうかと首をかしげましたが、佐藤先生の翻訳『ナディア•ブーランジェとの対話』の中に、87歳と21歳とあり、あらためて歴史とは継続しつつあるものだと思いました。

 ブーランジェはフォーレの弟子。ソルフェージュ、ピアノ、作曲、理論、オルガン、指揮。全ての教師として輩出した弟子の質と量には驚嘆します。
 ピアソラやバーンスタイン、リパッティ、コープランド、ルグラン、ガーディナー、フィリップ•グラス!いったいどういうことなのでしょう。
 ブーランジェについては、ぜひ、佐藤先生の訳書をお読みください。ブーランジェのレッスンは、バッハの平均律を一週間でプレリュードとフーガを一曲ずつ暗譜するのが課題でした。フーガは一声ずつ楽譜に書くことで理解させたそうです。
 佐藤先生のご指導には、このブーランジェから伝わっている歴史と伝統が含まれています。
 コメント用紙をもう一度読み返し、先生のお教えに触れていただきたいと思います。


 また、藤井先生と白水先生は、今をときめくドゥオールを結成してちょうど10年。
日本で最も有名なピアノデュオです。
お二人の講評はポイントを絞り、どんな人にも分かりやすく丁寧に、しかもとことん真剣にお話されます。アドバイスシートの文章も、まったくそのとおりです。
 
面白いのが、お二人が異なる視点でアドバイスしてくださることです。お二人が気づいたり感じたりすることが少しずつ違っていました。アドバイスの方法も、藤井先生はストイックなまでに可能性をどんどん追求していかれますし、白水先生はその演奏の良いところをさらにふくらませてくださるようでした。

 お二人に共通するのは、とことん真剣であることです。
 スタッフとして襟を正す思いでした。藤井先生はクラウス•シルデ先生に学ばれたキャリアがおありです。シルデといえば、ギーゼキング、マルグリット•ロン、そしてブーランジェに学んだピアニストです。
 
 なにか、このステップが歴史的なものに思えてくるのは錯覚でしょうか。

 にいかわステーションは7回のステップを実施してきました。
 当日演奏される参加者のみなさまと、アドバイザーの先生方との、一期一会の出会いと交流を見守ることも、ステーションの役割かなと思いました。
 この出会いの場が、参加者のみなさまのこれからのピアノ人生の指針のひとつになることを願っています。

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 ありがとうございました。
 

富山にいかわステーション代表 畠山美佳子


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