今年はコスモホール所有スタインウェイのフルコンサートを登場させ、昨年のべーゼンドルファーインペリアルとは違うピアノと、コスモホールの音響を体感していただこうという趣向でした。
クラシックの正統的な曲、ミュージックデータを駆使した曲、ポップス、アニメや映画のテーマソングの編曲もの、様々な教則本からピックアップした教育的な曲。ステップならではのプログラムです。今回はトロンボーンやヴァイオリンの参加もありました。継続表彰者は11名。強豪ソフトボール部で活躍しながら出演を続けた方、お弟子さんを出演させながら自分自身のステージも継続している指導者、コンペティションに何度も出演している方など、ピアノとの関わり方もさまざまです。みなさん、おめでとうございました。
揚原祥子先生のトークコンサートは、シベリウスの「白樺」、シューマンの「予言の鳥」、ショパンの「エオリアンハープ」。音の立ち上がりの美しさを感じられた方も多いでしょう。ピアノの88の鍵盤がすっと姿勢を正したような気がしました。揚原先生は「何か大切なものを扱うように音を出してみましょう」とお話されていました。「木や鳥や風の音をじっと聴きましょう。人との会話、街のざわめきや自然の音を大切に感じましょう」音楽と音に対する敬意と静かな愛情にあふれたトークコンサートでした。
ワンポイントレッスンは西川美知子先生にバッハのインヴェンション第3番をお願いしました。受講者は、もうすぐインヴェンション15曲を終えるという小学生の女の子でした。バッハにおけるカンタービレとは何か。装飾音について。タッチをどうやってそろえるか。モダンピアノでバッハを弾くときに考えねばならない様々な問題について、また、メカニックの問題について、盛りだくさんの専門的でエネルギッシュなレッスンでした。受講者は「ますますしっかりバッハを勉強したくなりました」と西川先生のパワーをいただいた様子です。
北陸のこの季節にしてはめずらしく穏やかな天候のもと、ステップを開催することができました。当日1部2部とトークコンサート、そして翌日の学校クラスコンサートのダイジェスト1時間番組を地域のケーブルテレビ(みらーれTV)で放送する予定です(放映日時は未定)。お楽しみに。
出演者のみなさん、アドバイザーの先生方、お手伝いいただいた富山支部の先生方、後援いただいた関係各位に、感謝申し上げます。次回は2010年10月10日の予定です。コスモホールでお会いしましょう。(畠山美佳子)