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2010富山新川ステップ開催レポート

2010年10月10日。雨模様の中、入善コスモホールで富山にいかわステーションのステップを開催しました。アドバイザーに、由良佳久先生、後藤幸子先生、宮本久美子先生、西川潤子先生をお迎えして、127組の方にご出演いただきました。3回目のステップということで、継続表彰5回、10回、15回の方が増えました。「今度のステップで何回目かな」と楽しそうに数える生徒さんの姿を見ているので、講評の後にステージに上がってアドバイザーの先生に表彰していただく時間を大切にしたいと思っていました。入善コスモホールは約500席の響きのよいホールです。今回はベーゼンドルファー・インペリアルを登場させ、大きなホールの大きなピアノを体験していただくことになりました。

各部に、導入から応用、さらにフリーの方までまんべんなく配置したプログラムでしたので、それぞれの部ごとに様々な演奏を聴くことができました。ステージ体験初めての小さい方は、少し大きなお兄さんお姉さんの姿を見て、こんなふうに弾けるようになるのね、と自信を持てたことでしょう。出演者の中にはコンクールやリサイタルを前にして、このステップに参加した方もいらっしゃいましたので、レベルの高い演奏を聴く機会にもなりました。コンクールやリサイタルを目の前にされた方は、貴重なアドバイスをいただけたのではないでしょうか。

8部の後半にはグランミューズの方が出演されました。現役の中学生から、ピアノ教師・ピアニストとして活躍している方まで、充実した演奏がならびました。当日の会場係や集計係をこなしながら、またお弟子さんの出演を見とどけながら、自ら舞台に立ったスタッフには、心から拍手を送りたいです。ラヴェルやプーランクの大人の演奏に、スタッフ一同、朝からの疲れがふきとんだ思いです。圧巻はラストのシューベルトのソナタ第21番でした。重厚なこの作品で今年のステップの幕がおりたことに、3回目のステップを開催して本当によかったと感じました。



アドバイザーの後藤先生によるワンポイント・レッスン、成長ざかりの身体を効率よく使う方法を具体的にレクチャーしてくださいました。椅子の高さや座り方にも話はおよび、基本に立ち戻ることの大切さも訴えていらしたと思います。後藤先生の長いキャリアと経験がにじみ出るレッスンでした。

西川先生のトークコンサートは大きなホールとベーゼンドルファー・インペリアルを活かしながら、音の性質について考えたり感じたりすることを教えていただけたような気がします。ドビュッシーの「月の光」を2回弾いてくださいました。まず月光降り注ぐオーソドックスなイメージで。次に細やかで寂しげな月の光で。2回目はまさに陰影礼賛。まったく異なる2枚の絵を見せられたようでした。楽器のスペックを存分に使っての演奏です。ラフマニノフの「鐘」、ショパン=ゴドフスキーの「小犬のワルツ」。壮大で重厚、広さを感じさせる「鐘」と繊細なレースで装飾された「ワルツ」。ピアノの可能性を感じることができました。

また、にいかわステーションでは、コミニュケーションカードを書いていただけるように工夫してきました。自分の演奏にメッセージがもらえる機会は、ステップならではです。知らないお友達から思いがけずたくさんのカードをもらい、ピアノに向き合う姿勢がその日から変わりました、という報告をいただいています。大変に嬉しいことです。そして、何よりも、アドバイザーの先生方からいただいたメッセージカードは、本人にとっても、教師にとっても、これからのレッスンを考える上で、とても大切なものになりました。由良先生はじめ、先生方の的確なアドバイスに、また明日からがんばろうと励まされたのは、私だけではないでしょう。
127組の出演者の方々、アドバイザーの先生方、関係各位に、感謝申し上げます。また入善コスモホールでお会いしましょう。(報告、畠山美佳子)

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