レポート アーカイブ

2008年11月21日

富山にいかわステップ開催レポート

9月8日朝9時受付開始。500席の客席に、導入ステップで参加する小さなピアニストたちが集まって来ました。幼稚園や保育園に通う小さなお子さんが多く、お母さん、お父さん、おじいちゃんやおばあちゃんもご一緒の様子です。期せずして、調律アップしたベーゼンドルファーのリハーサルが始まりました。会場にかけつけた伊賀あゆみ先生がトークコンサートのために指ならしです。伊賀先生のピアノの音に、ちびっこ達はびっくりうっとり。ステップ幕開けの嬉しいハプニングでした。

 9時半開演、8部構成で21時まで。142組の参加者に四人のアドバイザーの先生方が交代でアドバイスにあたります。服部先生、伊賀先生、甲斐先生、砂原先生。ほとんどがジュニアというプログラムに、心のこもったきめ細やかなアドバイスをいただきました。「次の目標が見えてきました。どうしてゆけばよいか、分かったような気がします。」とメッセージを読んだお母様が話していたのが印象的でした。

 砂原先生のワンポイントレッスンは、バスティン、ブルグミュラー、ショパン。和音の解決とデュナーミク、レガート奏法、拍子の解釈、ペダルの微妙な踏み方、左の伴奏型を滑らかに弾くための身体の使い方など、いずれもアカデミックな内容を小学生と中学生に分かりやすくやさしく伝えてくださいました。客席はもちろんのこと、舞台袖やホワイエにいるスタッフもモニターに釘付けでしたね。登場した三人は、レッスン終了後に舞台袖で砂原先生と固い握手をしていました。偶然ですが、二人は男の子。男の子のピアニスト、富山でも増えてほしいものです。

 伊賀先生のトークコンサートは15時開演でした。「ワルツで遊ぼう」という楽しいタイトルです。ワルツらしく弾くにはどうしたらよい?みんな重く足をひきずる息苦しいワルツになりがちです。ブルグミュラーをピックアップして、下手なワルツから、少しずつ改良してゆきます。伊賀先生の巧みな話術と変わってゆくワルツには驚かされました。また、ショパンの子犬を、伊賀先生のアレンジで。太った犬やおしゃれな犬を登場させ、キャラクターを弾きわけていきます。「アニメーション見てるみたいだった」「楽譜、ないのかなあ」と大きな反響でした。最後はくるみ割り人形から花のワルツ。クリスマスまでもうすぐ。年末に思いをはせながら、ゴージャスなワルツを堪能できました。ベーゼンドルファー・インペリアルの豊かな響きが会場に響きます。ピアニストにとってこの楽器をコントロールするのは実はとても難しいとのこと。オーケストラのような豊かで馥郁とした響き、15分では短すぎたかもしれません。

 こうして初回ステップは温かく楽しい雰囲気の中終了しました。コミュニケーションカードがたくさん書かれ、出演者の手に渡りました。自分ではない誰か他の人の演奏を聴き、それを大切に思い、文章や絵にして伝えるというコミュニケーションカードです。このような小さな体験をつんで、長く音楽を愛してほしいと感じました。にいかわ地区での初めてのステップに参加してくださったみなさま、ありがとうございました。にいかわステーションでは第2回のステップの企画をはじめました。ちがうピアノを登場させるかもしれません。どうぞまたコスモホールでお会いできますように。

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2009年11月23日

2009富山新川ステップ開催レポート






 富山にいかわステーション主催、第2回ステップは130組の出演者をお迎えして、入善コスモホールで開催しました。アドバイザーには揚原祥子先生(東京都)白石照雄先生(千葉)西川美知子先生(東京都)渡部由記子先生(千葉県)そしてインターンの中田穂波先生(大阪府)をお迎えしました。

 今年はコスモホール所有スタインウェイのフルコンサートを登場させ、昨年のべーゼンドルファーインペリアルとは違うピアノと、コスモホールの音響を体感していただこうという趣向でした。

 クラシックの正統的な曲、ミュージックデータを駆使した曲、ポップス、アニメや映画のテーマソングの編曲もの、様々な教則本からピックアップした教育的な曲。ステップならではのプログラムです。今回はトロンボーンやヴァイオリンの参加もありました。継続表彰者は11名。強豪ソフトボール部で活躍しながら出演を続けた方、お弟子さんを出演させながら自分自身のステージも継続している指導者、コンペティションに何度も出演している方など、ピアノとの関わり方もさまざまです。みなさん、おめでとうございました。

 揚原祥子先生のトークコンサートは、シベリウスの「白樺」、シューマンの「予言の鳥」、ショパンの「エオリアンハープ」。音の立ち上がりの美しさを感じられた方も多いでしょう。ピアノの88の鍵盤がすっと姿勢を正したような気がしました。揚原先生は「何か大切なものを扱うように音を出してみましょう」とお話されていました。「木や鳥や風の音をじっと聴きましょう。人との会話、街のざわめきや自然の音を大切に感じましょう」音楽と音に対する敬意と静かな愛情にあふれたトークコンサートでした。

 ワンポイントレッスンは西川美知子先生にバッハのインヴェンション第3番をお願いしました。受講者は、もうすぐインヴェンション15曲を終えるという小学生の女の子でした。バッハにおけるカンタービレとは何か。装飾音について。タッチをどうやってそろえるか。モダンピアノでバッハを弾くときに考えねばならない様々な問題について、また、メカニックの問題について、盛りだくさんの専門的でエネルギッシュなレッスンでした。受講者は「ますますしっかりバッハを勉強したくなりました」と西川先生のパワーをいただいた様子です。

 北陸のこの季節にしてはめずらしく穏やかな天候のもと、ステップを開催することができました。当日1部2部とトークコンサート、そして翌日の学校クラスコンサートのダイジェスト1時間番組を地域のケーブルテレビ(みらーれTV)で放送する予定です(放映日時は未定)。お楽しみに。

 出演者のみなさん、アドバイザーの先生方、お手伝いいただいた富山支部の先生方、後援いただいた関係各位に、感謝申し上げます。次回は2010年10月10日の予定です。コスモホールでお会いしましょう。(畠山美佳子)

2010年10月21日

2010富山新川ステップ開催レポート

2010年10月10日。雨模様の中、入善コスモホールで富山にいかわステーションのステップを開催しました。アドバイザーに、由良佳久先生、後藤幸子先生、宮本久美子先生、西川潤子先生をお迎えして、127組の方にご出演いただきました。3回目のステップということで、継続表彰5回、10回、15回の方が増えました。「今度のステップで何回目かな」と楽しそうに数える生徒さんの姿を見ているので、講評の後にステージに上がってアドバイザーの先生に表彰していただく時間を大切にしたいと思っていました。入善コスモホールは約500席の響きのよいホールです。今回はベーゼンドルファー・インペリアルを登場させ、大きなホールの大きなピアノを体験していただくことになりました。

各部に、導入から応用、さらにフリーの方までまんべんなく配置したプログラムでしたので、それぞれの部ごとに様々な演奏を聴くことができました。ステージ体験初めての小さい方は、少し大きなお兄さんお姉さんの姿を見て、こんなふうに弾けるようになるのね、と自信を持てたことでしょう。出演者の中にはコンクールやリサイタルを前にして、このステップに参加した方もいらっしゃいましたので、レベルの高い演奏を聴く機会にもなりました。コンクールやリサイタルを目の前にされた方は、貴重なアドバイスをいただけたのではないでしょうか。

8部の後半にはグランミューズの方が出演されました。現役の中学生から、ピアノ教師・ピアニストとして活躍している方まで、充実した演奏がならびました。当日の会場係や集計係をこなしながら、またお弟子さんの出演を見とどけながら、自ら舞台に立ったスタッフには、心から拍手を送りたいです。ラヴェルやプーランクの大人の演奏に、スタッフ一同、朝からの疲れがふきとんだ思いです。圧巻はラストのシューベルトのソナタ第21番でした。重厚なこの作品で今年のステップの幕がおりたことに、3回目のステップを開催して本当によかったと感じました。



アドバイザーの後藤先生によるワンポイント・レッスン、成長ざかりの身体を効率よく使う方法を具体的にレクチャーしてくださいました。椅子の高さや座り方にも話はおよび、基本に立ち戻ることの大切さも訴えていらしたと思います。後藤先生の長いキャリアと経験がにじみ出るレッスンでした。

西川先生のトークコンサートは大きなホールとベーゼンドルファー・インペリアルを活かしながら、音の性質について考えたり感じたりすることを教えていただけたような気がします。ドビュッシーの「月の光」を2回弾いてくださいました。まず月光降り注ぐオーソドックスなイメージで。次に細やかで寂しげな月の光で。2回目はまさに陰影礼賛。まったく異なる2枚の絵を見せられたようでした。楽器のスペックを存分に使っての演奏です。ラフマニノフの「鐘」、ショパン=ゴドフスキーの「小犬のワルツ」。壮大で重厚、広さを感じさせる「鐘」と繊細なレースで装飾された「ワルツ」。ピアノの可能性を感じることができました。

また、にいかわステーションでは、コミニュケーションカードを書いていただけるように工夫してきました。自分の演奏にメッセージがもらえる機会は、ステップならではです。知らないお友達から思いがけずたくさんのカードをもらい、ピアノに向き合う姿勢がその日から変わりました、という報告をいただいています。大変に嬉しいことです。そして、何よりも、アドバイザーの先生方からいただいたメッセージカードは、本人にとっても、教師にとっても、これからのレッスンを考える上で、とても大切なものになりました。由良先生はじめ、先生方の的確なアドバイスに、また明日からがんばろうと励まされたのは、私だけではないでしょう。
127組の出演者の方々、アドバイザーの先生方、関係各位に、感謝申し上げます。また入善コスモホールでお会いしましょう。(報告、畠山美佳子)

2011年11月17日

富山新川ステップ開催レポート(11/11/06)

20度を越える11月はめずらしい。2011年11月6日、入善コスモホール。4回目のステップ開催となりました。あいにくの雨でしたが、123組の出演者をお迎えできました。スタインウェイのフルコンサートとベーゼンドルファーのインペリアルの両方があり、残響の長さと豊かさを誇るのが入善コスモホールです。一年ごとに楽器を交代させていて、今年はスタインウェイが登場しました。継続表彰者は26名。継続表彰者を含め、常連のお名前がプログラムに並ぶようになりました。ジュニアのみなさんが年々成長していくのが分かり、4回のステップをはさむ年月について思いを深くしました。
 アドバイザーは黒川浩先生、児玉陽子先生、笹山美由紀先生、平田博通先生。チーフの平田先生を中心に、終始和やかにアドバイスが行われました。それぞれの先生方のお人柄と音楽性、そして教育に対する熱意あふれるアドバイスをいただき、出演者のみなさんの励みになったことでしょう。2部ごとの講評では、出演者のみなさんが美しい音を出そうとしていると褒めていただきました。少々おとなしめの富山人ですから、ホールのすみずみまで届くように、楽器をめいっぱい鳴らしてくださいと講評されることが多いので、とても嬉しいことでした。ゆっくり弾くこと、そして小さな音を出すこと、その勇気を持って下さい、とのお話が印象的でした。より速く、より強く、より大きく。そうではない音の素晴らしさをコスモホールで体験していただけたでしょうか。
 笹山先生のワンポイント・レッスンは、黒坂涼さん、ベートーヴェンのソナチネヘ長調の第1楽章でした。ソナチネって何?テーマはどうなってる?この和音の役割は?どこにたどり着いた?笹山先生の分かりやすい解説と語りかけで、ソナチネの見え方が変わりましたね。自分がどう弾きたいのかをはっきりさせ、それを助けるために、曲にお話をつけたり行き先を設定するとのことでした。レッスン終了後、舞台袖で笹山先生から黒坂さんにプレゼントがありました。美しく色をつけた楽譜です。楽譜を色分けして、テーマがどこにあるか、どのように展開しているか、いつ戻るのか、一目瞭然の楽譜。笹山先生、ありがとうございました。
 黒川先生のトーク・コンサートを聴かれた方は、温かなやさしい気持ちになってお帰りになったのではないでしょうか。ブルグミュラー、子供達にお馴染みの曲がこんなにチャーミングに。モーツァルトのソナタは恋のなりゆきが台本です。まさにオペラでした。ショパンの新練習曲集から第3番、ラヴェルのプレリュード、リストのコンソレーション、いずれも滋味あふれる演奏。黒川先生は3月の震災の日、羽田空港で一夜を過ごしたそうです。その後鳥取のステップでアドバイスをされてから、ようやく震災の惨状を知ることになりました。
あれから8ヶ月。バッハの平均律第1巻からesmollのプレリュード、イタリア協奏曲から第2楽章。黒川先生の祈りの曲でした。黒川先生のお話は理知的なんですけど、情感ゆたかでやさしさにあふれています。少々ペシミスティックなところもあり、詩人か旅人かと思わせたり。ピアニストの脳の秘密も教えてくれました。黒川先生のお話は、著書『はるかな星をめざして 芸術が僕にくれたもの』フェリス女学院大学、で読むことができます。ピアノを習ってなかった少年時代、ナチスとフランクル、ドイツのシュヌア先生のこと、芸術家とは、個性とは等々。星の王子様みたいな表紙です。黒川先生のエッセイもぜひ読んでみてくださいね。
 ステップ初挑戦は34組。いかがでしたか。楽しい日曜日になりましたか。今年は、グランミューズと中高生が目立っていたのが嬉しかったです。7、8部の出演者の演奏はそれぞれ立派なものでした。真摯な演奏に感動したという声を多く聞きました。私はスタッフとしてみなさまの演奏を聴きながら、おひとりおひとりの人生でピアノはどんなふうに関わってきたのだろう、と想像するようになりました。当日は総勢17名のスタッフで運営しました。スタッフ全員より。出演者のみなさま、アドバイザーの先生方、ありがとうございました。また来年もにいかわステップでお会いできますように。


1部、2部

3部、4部

5部、6部

7部、8部

2011年11月28日

学校クラスコンサートレポート(2011/11/07入善町立桃李小学校)

 2011年11月7日。富山県入善町立桃李小学校をピアニストの黒川浩さんと中沖いくこさんが訪れました。その前日には富山にいかわステーションのステップが行われ、黒川先生はアドバイスとトークコンサートに大活躍でした。クラスコンサートでは連弾のパートナーとして中沖さんが加わり、華やかなコンサートになりました。








 4年生から6年生まで、学年ごとに3回のコンサート。教室に行ってみると、なんとピアノの蓋がとりはらわれており、周囲をぐるりと児童のみなさんが取り囲む形になりました。これは桃李小学校の先生のアイディアです。先生方で蓋をとりはずしたとのことで驚きました。これならピアノの中がよく見えます。
 黒川先生のお話は音楽とピアノのことだなあと思って聞いていると、そのうちに人生や生命の壮大なお話になります。黒板にさらさらっとお星さまやお花の絵を描きながらお話をしてくださいました。「川の行く手に大きな岩があったとするね、そしたら川はその岩をさけてぐるりと迂回して海へとながれてゆくでしょう。しかし、百年か千年か過すぎてそこへ行ってみたら、岩は川のながれに削られて粉々になってしまい、川がゆうゆうと真っすぐに流れているでしょう。」
 連弾でグリーグのペールギュントより、チャイコフスキーの花のワルツ。グリーグのコンチェルトのさわりも弾いてくれました。ソロで中沖さんがショパンの幻想即興曲。席から離れてピアノの周りを取り囲みました。ピアノの下にもぐる子あり、椅子の上に立って上からのぞき込む子あり。みんな興味津々。黒川さんのソロは、ショパンの雨だれ、ラヴェルのプレリュード、ハイドンの名によるメヌエット、バッハのハ長調のプレリュード。「人名の綴りを音名に当てはめるとこんなメロディができるよ。和音のいちばん高い音だけをたどってゆくと、大きなメロディになるよ。雨だれのこの音がずうっと続くんだけど、和音がちがうからいろんな響きにかわってゆくね。」一曲ずつ、聴きどころを分かりやすく説明して下さり、子供達は新しい聴き方ができたことでしょう。こんなお話から、音楽に興味を持ってくれる子が出てきて欲しいです。
 黒川さんの演奏とお話は、ただピアノと音楽の知識だけではなく、人間として大切なことはなにか、芸術が受け継がれてゆくことについて、何かを続けてゆくことの大切さ、おごり高ぶらず謙虚でいることについて、など、心の深いところに残るものでした。いつか、ふとしたときに、子供たちは黒川さんのことを思い出すでしょう。ああ、あんなことを言っていた人がいたなあ、と。
 桃李小学校の子供たちは、とても真面目で熱心です。担任の先生からもリクエストをいただきました。熱意をもって受けれ入れてくださったことに感謝いたします。校長先生と教頭先生も見にいらしてくださり、共演コーナーでは校歌を黒川さんの伴奏でみんなで歌いました。ボニー・ジャックスの西脇久夫さん作曲の素敵な校歌でした。いつもこんな歌が歌えてうらやましい。4年生はピアニスト登場の前に発声練習や準備体操もして待ち構えました。世界中の子供たちが、をかけ声入りで元気に歌ってコンサート終了です。
 今回の学校クラスコンサートは、地域の事業主のみなさまによる協賛で開催することができました。当日、見学にいらした店主の方もあり、主催者としては大変に嬉しいことでした。最後になりましたが、協賛してくださった事業主のみなさまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
協賛(敬称略)
北星ゴム工業株式会社・シマセ写真館・ダックスファーム・PianoRoom奏・コタン・佐藤歯科医院・割烹旅館清八楼・はな膳・花水木・フローリストブルーム・マークホテル・菓子処みずしま・スマイルサポート・明進電機・開進堂楽器
(Report:畠山美佳子)

2013年11月19日

2013ステップ開催記録

 2013年富山にいかわステップ終了いたしました。
   
2日間にわたり、159組の参加者のみなさんがコスモホールのステージで演奏してくださいました。完成度の高い演奏の数々。近年、ますますレベルが上がってきたと感じました。また、新しいアンサンブルの形での参加も目立ちました。ご参加くださった皆様に感謝申し上げます。                        
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  長谷川美智子先生、金井玲子先生、当摩泰久先生
とご一緒に。講評とともに、新コーナー「先生に質問してみよう!」が大好評でした。先生方が質問した人のお名前を読んで、ひとつひとつ丁寧にお答えくださいました。先生との距離がぐっと近く感じた瞬間でした。質問カードは両日で約130枚集まりました。



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当摩泰久先生のワンポイントレッスン。当摩先生の作品をレッスンしていただきました。「ツクシのあいさつ」「吸血鬼」。ピアノの演奏とソルフェージュにとても近いところから、作曲家ならではのレッスンでした。小さな練習曲にもとても濃いエピソードがこめられています。タイトルが悩ましい小品は、大切なレパートリーにしたいものです。宝石箱に大切にしまって、また近い将来に再び弾いて磨いてゆきましょう。これからの日々の勉強に、スタッフもおおいに勉強になりました。10分間では短かったですね。

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 金井玲子先生のトークコンサートは「聴いて楽しい練習曲」練習曲ばかりを集めたコンサート。5秒くらいのツェルニーの曲にはびっくりです。ギロック、バルトーク、モシュコフスキー、シューマン、ショパン。練習曲といっても、素敵な曲ばかり。多くの作曲家はこんなに楽しい練習曲を残していたのですね。いつか私も金井先生みたいに弾けるようになりたいなあと思った小さい方、きっと大勢いたでしょう。先日お亡くなりになった三善晃さんの作品には、直弟子である当摩先生が、三善先生のエピソードを交えながらレクチャーしてくださいました。金井先生の演奏は、みんなの憧れになりました。

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 ステップのひとつの醍醐味はアドバイザーの先生方のお話です。今回は3人の先生方の音楽人生が見えてくるような、素晴らしいお話でした。少しだけご紹介しましょう。当日はもっとさまざまなお話がうかがえました。

 長谷川美智子先生。「音をよく聴くことが大切。悪い例をわざとやってみてどこが違うのか考えてみましょう。まねをしてみて、うまくできたら、自分の表現にしてみましょう。どうしてもできないときは、諦めてみるましょう。時間がたつとできるようになることがあります。」年齢に応じた勉強について、具体的なトレーニングや演奏のヒントがつまったお話でした。また、宗像ステーションの代表として、ベテランのピアノ教師である長谷川先生は、私たちスタッフの立場をよくご理解してくださり、生徒と先生をつなぐお言葉もいただきました。

 金井玲子先生。「もっとよい演奏がしたいという強い気持ちが、苦しい壁や障害をのりこえる原動力になります。ピアニストをやめたいと思ったことはありません。演奏をするときは、まず、作曲家の思いを汲むことが大切です。作曲家の考え、時代や地域の様式、楽譜に書いてあること、よく知りましょう。テクニックとしてうまくいかないときは、頭をつかってより効率よくさらいましょう。何がうまくいかないのか、よく考えて。」中山靖子先生の愛弟子である金井先生。演奏はその人の人格がにじみ出るものだという中山先生のお話をふまえ、と食べ物をはじめとする生活や心の持ち方についてもお話くださいました。

 当摩泰久先生。「我はドビュッシーになる、と決めたのが、作曲家になりたいと思った初めでした。ドビュッシーの音楽に心を奪われました。幼い頃、ギーゼキングが弾いた小品のレコードを何度も聴いていました。それは今でも鮮やかに残っています。また、演奏する舞台というのは、非日常です。危険があちこちに満ちている非日常です。緊張したり、思わぬ事故に見舞われたりします。その恐ろしい舞台を経験してゆくことで、日常も強くなるはずです。」作曲家でありながら、演奏する人の気持ちによりそったお話でした。当摩先生の趣味のよいお話は、ぜひ今後のレッスンに活かしてゆきたいと思います。ところで、中山靖子先生は、ギーゼキングの日本人唯一のお弟子さんなのでした。

 参加者全員にわたったアドバイスシートには、これからの演奏やレッスンの方向性に対するアドバイスがたくさん書いてありました。3人の評価が分かれることもあるようですが、それこそ、音楽のさまざまな方向性を示していると言えます。評価が分かれても、アドバイスの方向性は同じだったりすることもあります。このアドバイスは、ぜひ大切にして、明日からの音楽人生の友としていただきたいと思います。

    文責 にいかわステーション代表 畠山美佳子

 

 




 

2014年11月27日

ディズニーメドレー•オン•2台ピアノ


見られない場合はこちらをクリック!

2014年11月9日(日) 入善コスモホール


富山にいかわステーションが、全世界にお届けする夢の企画!
懐かしのディズニー映画から、ジョニー•デップ、アナ雪、
そして伝統のエレクトリカルパレードのテーマ!

ディズニーランドに30回通ったスタッフが監督です。
魔法の時間をお楽しみください!

監督:木下紀子
演出:石政圭子
振付:恩田あゆみ
美術:黒坂智恵
道具:中島美奈
広報:畠山美佳子

友情出演:尾島理英子/杉山弘美

2016年11月14日

2016ステップ開催記録

2016年11月6日の富山新川ステップでは、107組の参加者があり、11時間の長丁場の中、充実して終えることができました。

今回は、全国的にホールにあるのが珍しいベ―ゼンドルファーインペリアルをメインにして、プレ導入の演奏から始まり、23ステップに繋がり、年々増えつつあるフリーステージへと、それぞれにレベルの高い演奏を聴くことが出来ました。ソロはもちろんのこと工夫されたアンサンブルや、2台ピアノなど、様々なスタイルで音楽を楽しみ、真剣に取り組んでいる姿勢が見られた実りある1日でした。クラリネットとピアノ、チェロとピアノ、独唱、合唱、三線、打楽器、ぐるぐる連弾など。

アドバイザーの先生方の講評では、富山の県民性が出ていて、まじめでしっかり練習している成果が出ていて、心のこもった演奏を聴けたと褒めて頂きました。また指導者自らもステージに立つことが大事ですから、これからも出続けてほしいと話されました。新川ステップでは、指導者のステージが激増しています。

また、毎日の家での練習では、いつもホールで練習しているようにイメージして、こうなりたいからこう演奏する、そうすれば、そのイメージの演奏が実際にできるようになると、分かりやすく丁寧に教えて頂きました。

今川裕代先生のトークコンサートは、べ―ゼンドルファ―の魅力を十分に引きだされた演奏でした。楽器の特長でもある独特の音色は、豊かなウィーンの香りがするとお話されました。ピアノを身体で包み込むように演奏され、その馥郁とした響きの中で、ほんの少し15分という短い時間でしたが、楽器の本来の特長を感じ取ることが出来ました。心が豊かになり、優しい気持ちになれる、上等な素晴らしい演奏でした。

演奏者おひとりおひとりが、さらに研鑽をつみ、来年もまた新川ステップに参加して頂けることを心より願っております。

来年も入善コスモホールでお待ちしております。
(恩田あゆみ)


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2017年11月16日

富山新川ステップ開催レポート(2017.11.5)

富山新川ステーションのステップは今回で10回目の節目を迎えました。
100組の参加者がありソロ、アンサンブル、二台ピアノで音楽を楽しみ自分を表現する姿勢が見られました。
アドバイザーからはその土地の景色、環境が音を作っていく、特に富山の土地の音が十分感じられる素直な演奏でしたと講評頂きました。またステージの演奏は何週間分の練習の価値があり、毎年ステップに出て20、30回と表彰を受けてもらいたいと話されました。
海瀬京子先生のトークコンサートではべーゼンドルファーとスタインウエイの響きの聴き比べで「小犬のワルツ」「ラ・ヴァルス」を演奏されました。
特にべーゼンの低音の響きを聴いてほしいとの思いから一部分でしたがバッハシャコンヌを演奏されました。
先生は身体全体を十分に脱力しながらメリハリのある力強いそして繊細な素晴らしい演奏をしてくださいました。
沢山の感動と刺激を貰えるステップ。また来年新川ステップに多くの方に参加して頂けることをスタッフ一同お待ちしています。

最後に・・・
新川ステーションスタッフ7名の演奏も昨年より内容も衣装もパワーアップしました。
宜しければ動画ご覧ください。



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