セミナー アーカイブ

2010年4月 8日

【レポート】コンペ課題曲セミナー(金子恵先生)

blog_100319toyama_kaneko_c.jpg2010年3月19日(金)開進堂楽器豊川ホールにて、金子恵先生による課題曲説明会を開催いたしました。前日までは小雪がちらつく寒い日が続いておりましたが、当日は一気に春めいた暖かい日となりました。

先生は2時間と言う短い時間の中で、A1級からC級までの全曲を1曲ずつ丁寧に説明と演奏をして下さいました。嬉しいことにリクエストの多いD級近現代の曲も特別に取り上げて下さいまた。丁寧でわかりやすい説明と、なによりも美しい音色にうっとりさせられた2時間でした。
    
-参加された先生方の感想より-
♪ 舞曲はステップも交えながら、四期の特徴や弾き分け方を分かりやすく話してくださいました。印象に残ったのは「小さいから解らないだろうと話さないのではなく、習い始めから脱力やフレーズの話などすべて伝えるのが私たちの仕事です。」という言葉でした。 (C.K)

♪ 時間内に約40曲近い曲を、的を得た解釈と練習方法の説明、演奏という内容の濃い充実した講座でした。どんな音で!かがよく分かる素晴らしい演奏と「子供達には分からなくても伝え続ける事が大事」という言葉が印象的でした。 (N.K)

♪ 改めて4期を勉強する事の重要性を感じた講座でした。コンペに出て『通った、通らなかったではなく、何を勉強したかが大事』『諦めないで常に言い続ける事』と言われたことがとても印象に残っています。今後のレッスンにも生かしていきたいです。 

2010年7月30日

【セミナーレポート】小さな子供のための音色の使い分け(稲垣千賀子先生)

2010年7月20日、稲垣千賀子先生の「小さな子供のための音色の使い分け」講座が富山支部にて開催されました。今回が支部になって初めての講座で、約40名の熱心な指導者が聴講いたしました。  

まず初めに先生は、レッスンに対する思いをお話しされました。
先生は生徒さん達の事を「(かわいい)パートナー」と呼びます。生徒さんの身体を通して自分が勉強させてもらっているのだから、生徒を育てることはすなわち自分を育てる事である。
特に幼児期はとても大切な時期で、向上心を育てるため、「今日、今が一番大切だ」と思ってレッスンをする事が私達指導者の役割だ、とおっしゃいます。

そして親・生徒・指導者の三つの柱の大切さも、かつてのエピソードを紹介して伝えて下さいました。幼稚園児だった生徒さんのレッスンの時に『枇杷のうた』を歌った時、枇杷を知らない我が子のためにお母様が枇杷の実と葉を用意して下さったのだと。
そんなお母様に育ったお嬢さんは今では生徒さんをたくさん抱えたとても素敵な先生になって
いるそうです。 

また関本昌平さんとの出会いのエピソードもお話し下さいました。
関本さんの演奏はコンツェルトもソロも今までに何度か聴く機会がありましたのでとても興味深く聞かせてもらいました。小学生の時にピアニストを目指したいと決心した彼と先生は一緒に歩んでこられたそうです。お父様が毎回レッスンに付き添われて彼をサポートしていた事も聞かせてもらいました。先程のご家庭同様、まさに三つの柱の一つ一つが結びついて現在の彼がいるのだと、先生と関本さんの歴史を少し覗かせてもらいました。  

そして、「稲垣千賀子先生魔法のことばがけ集」より素敵な言葉を沢山教えて頂きました。子供のレッスンにはイメージを持たせる事が大事。音楽的な事をわかりやすい言葉で伝える事で感覚的に理解していくそうです。

例えば和音を弾くときには「手の中に全部音を集めてね」「ここに宝石箱があるよ」と声をかけるそうです。他にも「ここはぶっとい音、ここは天使よ」「バレーシューズのステップよ。長靴にならないでね」・・・こんな先生の言葉に導かれて子供達はどんどんイメージを膨らませ音に変化をつけていくそうです。 「キラキラした音でね」。私もこんな風に子供達に言葉をかけてあげたいと思いました。  

二時間のお話を伺って、常に全力投球している先生の姿をとても近くで感じる事が出来ました。「この子にとって、今日の私はどうだったかな」と毎日のレッスンを振り返る先生の姿勢、生徒と一緒に学んでいく姿勢を是非私達も身につけていきたいと思いました。
今回の先生のお話は指導者としてあるべき姿をもう一度見つめ直す機会となった、心に残るお話でした。稲垣先生、素敵なお話をどうもありがとうございました。

2011年12月 2日

【実施レポ】(秘)スーパーレッスン術(石井なをみ先生)

blog_111121toyama_ishii.jpg2011年11月21日(月)開進堂楽器、楽器センター富山にて、
石井 なをみ先生の「楽しくなければ続かない!やれば
出来る!!」(秘)スーパーレッスン術-自分から進んで
練習したくなる- 
が開催されました。


◆レッスンの形態 -日本とザルツブルクの違いから-
◆4時代を勉強する意義 -バロック・古典・ロマン・近現代-
◆脱力とメカニック -6関節の使い分け-
◆メカニックとテクニック -ツェルニーはメカニックの玉手箱-
◆読譜と音色とタッチ -ライグラフ教授のメソードより-


レジメに沿って、先生はテンポよく楽しいお話を聞かせて下さいました。留学時代に受けられた
レッスンのお話に始まり、最後には全員をピアノの周りに集めて腕や指の使い方を詳しく説明
して下さいました。冷たい雨の降る日でしたが会場内は満員の先生方の熱気であふれ、
あっという間の2時間でした。先生の表現力豊かな言葉や現場に裏付けされた説得力ある
言葉、そして素晴らしい演奏にくぎ付けでした。
講座終了後にも長い時間をかけて、私たちの質問に答えて下さった先生の熱心な姿勢に
感謝いたします。

【参加された先生方の感想をご紹介します】
・生徒への声かけや、テクニックの習得方法等、具体的でわかりやすいお話に大変
 刺激を受けました。

・ツェルニーの話をもう一度じっくり聞きたいです。耳は3回聞くという言葉が、印象的でした。

・気取りのないトークと説得力のある解説は予想以上に魅力的でした。 又聴講したいと
 思いました。

・レッスンで一方通行のティーチングではなく、自分から進んで練習できるようにコーチング
 する事が大切。先生の講座を聞いているだけでピアノがうまくなれたような感じがしました
 頑張って練習しなければ!と思ってしまいました。

・指導者が奏法の基本を習得し、目先にとらわれずにメカニックとテクニックを身につけさせる
 大切さ、楽曲分析と奏法を研究し、さらにそれを音で表現しようとする追求心、指導者で
 ありながらどんな人とでも目線を合わせる謙虚さなどが印象的でした。
 感動しすぎて言葉がまとまりません。

・先生は生徒に練習してほしいのなら一緒に弾いてあげる、生徒が自分の演奏にいろいろ
 気付けるように先生がもっていくなど、日頃忘れがちなささいな気配りがレッスンで必要だ
 と言う事をまた再確認させられた講座でした。またシリーズでセミナー受けられたらと思います。

・先生に凄く親近感を持ちました。なかなかピアノのそばにいらっしゃいなんて言ってくださる
 先生はいないと思います。

(Rep:ピティナ富山支部  セミナー運営委員会)

2012年1月30日

【実施レポ】演奏表現の基礎力アップにつながるアプローチ法

blog120113toyama_nihonnyanagi.jpg2012年1月13日(金)開進堂楽器楽器センター富山に於いて
二本柳 奈津子先生による講座 「各種コンクール・発表会の指導に役立つ 演奏表現の基礎力アップにつながるアプローチ法」 が開催されました。

 ♪ コンペは感性だけでは通用しない
  →正しいテクニックが音の表情へとつながっていく

 ♪ 基礎テクニックは付け焼刃では無理
  →生徒自身がスケールを自ら練習し定着できるように

普段のレッスンで子どもたちに話しておられるような明るく楽しい語り口であっという間の
2時間でした。

スケールグレード実施方法、入会してから中級レベルまでのテキストの進め方、
「腕の脱力」と「指先の止め」のためのグッズの使い方のポイント(いい例・悪い例)、
バスティンテクニックとブルクミュラー練習曲をリンク、どれも興味深く、早く自分の生徒で
試したいと思うような内容ばかりでした。

本来なら企業秘密(!!)ではないかと思われるほど具体的な指導法を惜しげもなく
披露してくださった二本柳先生に本当に感謝致します。ありがとうございました。

 (Rep:ピティナ富山支部 セミナー委員会)

2012年2月14日

【実施レポ】≪第2回≫効果的な先取りポイントとは(藤原亜津子先生)

blog120201toyama_fujiwara.jpg2月1日(水)開進堂楽器センターにて藤原 亜津子先生の『ベーシックスから逆算!パーティーでの「テクニック&音楽性」先取りレッスン』第2回目、 『だからこそパーティーが大切!効果的な先取りポイントとは』が、行われました。


「読めて弾けるように」
「音楽が人生の友となるように」
「自分で自分が教えられるように」

この3つの願いをかわきりに
「教えるということは、歴史上の人物に感謝して、その思いを受け取り、次の世代に
つないでいくこと。そして、子供たちがどんな道に進むにしろ、きっかけが、すべてピアノで
あってほしい。」と語られる藤原先生。

そのために導入(入口)が大切。
藤原先生は、たくさんの導入教材から なぜ、バスティンパーティーを選び、その本を通して
子供たちに何を伝えようと心掛けていらっしゃるのかを、わかりやすく、丁寧に、心を込めて
語ってくださいました。

藤原先生の講座は、回を重ねるたびに、先生の思いが、私自身の心に静かに浸透している
気がします。今回の講座も、もう一度聞きたいなあ!と思う講座でした。

(Rep:ピティナ富山支部  絹谷安都子)

2012年3月23日

【実施レポ】2012コンペ課題曲セミナー(田中克己先生)

blog120318toyama_tanaka.jpg2012年3月18日(日)10:30-12:30 楽器センター富山に於いて田中 克己先生「2012年度コンペ課題曲セミナー」が開催されました。毎年恒例となりましたが、今年も気持ちを新たにたくさんの曲が勉強できたことに幸せを感じます。

さて、セミナーではA1からC級全曲のポイントを的確に分かり易く丁寧に解説をして下さり説得力のあるすばらしい演奏に心から癒されて充実した2時間でした。

・同音連打音は、生徒にとって良いクオリティが出るように指使いを選択してあげること。
・曲によってはその曲のイメージをつかむ為の伴奏を付けることでハーモニーの移ろい、色彩感を与えるレッスンに。
・タンブランの楽器やアラベスクの模様の絵図から具体的な音への結びつき。
・コントルダンスやミュゼット等舞曲を音としてどのように表現したら良いか。etc

田中先生の穏やかで優しい口調の中に時々お人柄を感じさせるユーモアもあり楽しく心地よく聴講できました。ありがとうございました。

(Rep:ピティナ富山支部  木下紀子)

2012年5月25日

【実施レポ】たかが連弾されど連弾(江崎光世先生)

blog120516toyama_esaki.jpg2012年5月16日(水)楽器センター富山にて、江崎 光世先生をお迎えし、音楽性を育てるためのピアノ連弾からのアプローチ 第1回「たかが連弾されど連弾」と題し、指導者セミナーを開催致しました。

待ちに待ったセミナーとあって、会場は満席状態。江崎先生が、
「参加者の熱気が伝わってきていいですね!」とおっしゃって下さり、
和やかなスタートとなりました。

前半は連弾のメリットについてのお話で、スコア譜で導入することにより目から役目を受け取れるようになること、バランスをコントロールする力が養われソロへの影響が大きいこと、合わせるための呼吸や意識して聴くことを育てるには最適であることなどを、先生の豊富な経験を交えて聞かせて頂きました。

後半ではコンペの連弾課題曲を直接レッスンして下さり、椅子の配置、カウントの取り方、プリモと
セコンドの適性、4手の基本的な役割とバランス、表情に合った音作りなどを学ばせて頂きました。
加えて、鉛筆を使ったアフタータッチの効果的な練習法や、各声部のバランスをコントロールする
為の練習メニューなど、レッスンにすぐ使えそうな内容もあり、大変充実したセミナーとなりました。

ソロにおいても10本指のアンサンブル能力は重要な為、早い段階で連弾を経験させ、『生徒の
中に宝物を入れてあげて熟成させることが大切』とのお言葉が心に残りました。
はるばる富山までいらして下さった江崎先生に心より感謝申し上げます。

(Rep:富山支部 高野浩美)

2012年12月 3日

【実施レポ】徹底指導法 -楽しく弾くバッハ インヴェンション(樋口紀美子先生)

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2012年11月21日(水)10:30-12:30 楽器センター富山にて、樋口紀美子先生をお迎えして、「徹底指導法 -楽しく弾くバッハ インヴェンション」と題し、指導者セミナーを開催致しました。

キャンセル待ちの先生がいらっしゃるほど、満席の会場は、寒い富山の冬にもかかわらず開始前から熱気に包まれていました。
やはり先生方の、バッハの指導法の関心の高さを感じました。

樋口先生は、5年前まで33年間ドイツでピアニスト、指導者として活躍されたということで、冒頭にドイツ語でバッハの書かれた文章を読んでくださいました。
そして、その中でもっとも大切な言葉「カンタービレで演奏する」という部分を強調され、
「バッハはあまりロマンチックに弾いていけないとか言われていますが、バッハ自身がこの
インヴェンションをカンタービレで弾きなさいと書いてあります」とおっしゃいました。
そして、日本におけるバッハの演奏の誤解やふさわしいタッチを、実際に演奏しながら
ご指導くださいました。

トリルの付け方や、アーティキュレーションなど、楽譜の版によっても様々・・・そして自分が
習った当時とも最近は異なり、一体どれが最適なのかは日々レッスンで悩むところです。
樋口先生は、「感性が大切」とおっしゃり、同じフレーズを何パターか弾いた上で、目安はあるが
絶対ということもありませんとお話くださいました。
そして、「何度も弾くことによって(ご自分も)日々発見があり、皆様も散々弾いて発見して
ください!そしてそれが、弾いて楽しいバッハ、生徒が楽しく弾けるコツです!」と講座を
しめくくって下さいました。

2時間という限られた時間の中で、15曲全て弾いてくださった樋口先生。
お話もとてもユーモアがおありで、ドイツと日本のレッスンの違いなどの余談も非常に楽しく、
あっという間の2時間でした。
セミナーレポートを書いている時間にもBGMにと、ドビュッシーのアラベスクを弾いてくださり、
ペンを走らせるのを忘れ聞き惚れておりました。
翌日はまた別の会場での講演と、お忙しい中、富山へお越しいただきまして、心より感謝
申し上げます。

(Rep:ピティナ富山支部 山田雅子)

2013年4月 9日

【実施レポ】2013コンペ課題曲セミナー(菊地裕介先生)

WEB130325toyama_kikuchi.jpg3/25(月)楽器センター富山にて 菊地裕介先生による
2013年PTNAコンペティション課題曲セミナーが開催されました。

いつもとお変わりなく、各級とも理論に裏付けされたわかりやすく丁寧な分析に引き込まれ、あっという間の2時間でした。
楽譜から読み取れるあらゆるなこと、フレーズ感や調性感、声部ごとの役割など
解説だけでなく響きの違いまでも実践を混じえてレクチャー頂いた事で、妥協しては
いけないことを学びました。
ありがとうございました。

(Rep:ピティナ富山支部 江川敦子)

2014年4月14日

【実施レポ】2014コンペ課題曲セミナー(伊賀あゆみ先生)

伊賀あゆみ先生2014年4月6日(日)10:00~12:00開進堂楽器富山音楽センターにて、伊賀あゆみ先生の「2014年度ピティナ・ピアノコンペティション課題曲セミナー」を開催しました。
当日は日曜日ということもあり、会場には指導者の他、親子連れの姿もあり、コンペティションに向けての熱意がひしひしと伝わってきました。
A1~C級までの課題曲をすべて弾いてくださっての説明。

A1級は、幼い子へのわかりやすい言い方や、指の練習方法、そして基本的なメロディの歌い方。

B級では、楽譜の記譜によるヘミオラの解釈の違い、曲のアナリーゼの説明、それに基づいたイメージの膨らませ方、そして4声体では弦楽アンサンブルをイメージするとわかりやすいとのことでした。

伊賀あゆみ先生C級ではさらに細かく、バロック音楽の特徴を織り交ぜての具体的な説明、ペダルの使い方、装飾音の弾き方、和音の響かせ方、リズムの作り方など事細かに説明していただきました。
終了予定の12時を超過しても、先生の熱意あるお話しぶりは変わらず、チャーミングな先生の底知れぬパワーをひしひしと感じ、2時間があっという間でした。

内容がぎゅっと凝縮された講座で、聞いているこちらもペンを走らせ続けても間に合わないくらいの勢いある講座でした。先生よりパワーをいただきまして、指導者はコンペティションに向けてより一層頑張ろうと心に誓いあいました。先生お忙しいところどうもありがとうございました。  

(Rep:ピティナ富山支部 中島美奈)

2015年5月27日

【実施レポ】コンペ課題曲セミナー(赤松林太郎先生)

2015年3月17日(火)、講師に赤松林太郎先生をお招きして課題曲セミナーを開催しました。

それぞれの時代の歴史背景や作曲家の考え方など、踏まえた理論が明確でよく分かりました。また、コンペで陥りがちな失敗例などを実際演奏して頂き、とても参考になりました。
その他、熱心に指導をするうちに方向性を間違えてしまう事もあると気づかせてもらいました。

先生の留学時代の話を交えて、その国の国民性や音楽のとらえかたなど話して頂きました。ウイットにとんだ話や具体的な記号解読、実例の演奏、どれも分かりやすく、すぐにでも実行できそうな項目がたくさんありました。

2時間の講習会はあっという間に終わってしまいましたが、自分の指導法や曲の解釈をもう一度見直して、再出発をする良い機会となりました。
Rep:ピティナ富山支部 吉田庄吾

2016年3月31日

【実施レポ】2016年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー(岡原慎也先生)

160317okahara1.jpgやわらかな春の日差しが心地よく感じられるような2016年3月17日(木)楽器センター富山にて岡原慎也先生をお招きし、「2016年度 コンペ課題曲企画 課題曲セミナー」が開催されました。

何回か弾いたことのあるセミナーのお部屋のC3から奏でられる岡原先生の音は、「今日のピアノはスタインウェイ!?ベーゼンドルファ!?」かと思わせる程で、至福のピアニッシモと言っても過言ではないくらいに繊細でまろやかで、pやppの音が大変美しく響いていました。A1級からC級まで全部で38曲を、そのうっとりするような生演奏で、ユーモアのあるトークを交えながら丁寧に解説してくださいました。

160317okahara2.jpg 印象に残ったことをあげてみますと、 staccatoの正しい意味は、音符の長さの約半分の長さで弾くということ、そして、曲のテンポによってstaccatoの長さが変わってくるということ。 staccatoの多い曲を子供が演奏すると無表現になりがちなので、まずはlegatoで弾かせると良いということ。 バロックや古典派の曲でも、in tempoで弾くのではなく途中でrubatoしたりして弾いても良い。但しルールをおさえて弾くようにとも言われました。ルールとは、tempoを緩めた後はすっと元のtempoに戻すことで、メロディーが同じでもハーモニーが変わったらtempoを緩めたり、再現部に戻る前は少しゆっくりしたり、転調感を出すためには、そのフレーズにすぐに入らないで少し間をとってから入るということ等々でした。

160317okahara3.jpg そして、ほとんどの先生方が行っている手法だと思いますが、同じフレーズ(メロディー)が出てきたら色を変えるということ。岡原先生が演奏されると、ただ強弱をつけただけの音には全く聴こえず「あらっ!?、何これ!?」という風に、本当に魔法がかかったかのように一瞬にして色がかわる見事なピアノタッチでした。まだまだありますが、これらのポイントをおさえて、緩急や強弱をつけ、間をとって演奏することで、A1級のたった1ページや2ページしかない小曲が、何倍にも音楽的で素敵な曲に変身するのだなぁと大変感動いたしました。しかし、未熟なテクニックしかない1年生や2年生の子供たちに、果たしてこんな演奏が本当に出来るのだろうか?という疑問も少なからず残りました。


いよいよ、5月末からコンペ予選がスタートします。今日のセミナーで勉強した事を指導に活かし(勿論予選通過することも大切なのですが)たくさんの子供たちが少しでもコンペの曲を楽しんで演奏し、ピアノを弾いている時を幸せな時間だなぁと感じて一生懸命に練習してくれたら嬉しいですね。
今日は、岡原先生の美しいピアノの音色が私にとっては至福のひとときでした。
先生、どうもありがとうございました。

Rep:ピティナ富山支部会員 江戸輪

2016年6月23日

【実施レポ】バロック・インヴェンション編 ―導入から誤らないための対位法指導―(赤松林太郎先生)

2016年6月3日、赤松林太郎先生による、「赤松林太郎徹底講座シリーズ バロック・インヴェンション編 ―導入から誤らないための対位法指導―」が開進堂楽器 楽器センター富山で開催されました。

待ちに待った赤松先生のセミナーとあって、早々に定員に達し、キャンセル待ちすらも数日前に受付終了。開始前から、緊張感が張り詰めていました。

バロック期前のルネッサンス期からお話が始まり、音楽の時代背景や、政治的背景などを、現代にたとえての軽やかでウェットに富んだ語り口。
そこからだんだんバロック期の曲の解釈に迫ってゆき、具体的な奏法を学びました。
「基本を外さなければ、どんな演奏をしても良い。でも、基本を外してはいけない」との言葉の元、舞曲の様式、装飾音の弾き方、音色のつくり方、タッチ感、終止の仕方、伴奏の作り方などとても多くのことを学びました。

時にはノートを取るのが間に合わないほどの、内容の濃いセミナーで、「今まで習ってきたものが、先生の講座で一つに繋がった」との意見が聞かれました。
スケジュールが秒刻みのお忙しい先生が、受講生を目の前にして、開始前のほんの10分程度の時間でも、コンサートの曲を練習しておられたのが、とても印象的でした。

赤松先生、本当にありがとうございました。今後益々のご活躍を楽しみにしています。

Rep:ピティナ富山支部 中島美奈

2017年10月19日

レッスンですぐに役立つ鍵盤ハーモニカの活用法 -マサさんのこれぞ!鍵盤ハーモニカ-

171011matsuda_1.jpg2017年10月11日(水)開進堂楽器 楽器センター富山にて松田昌先生をお招きし、「レッスンですぐに役立つ鍵盤ハーモニカの活用法 -マサさんのこれぞ!鍵盤ハーモニカ-」という題で講座が開催されました。
今回の講座の為に鍵盤ハーモニカを購入した人、お子さんのを拝借してきた人、ご自分が子どもの頃に使っていたのを持って来た!という物持ちの良い人等々、期待に胸膨らませるたくさんの受講生が集まりました。
いよいよ時間となり、会場にはファンファーレが鳴り響き、マサ先生が自らの演奏と共にご登場です。曲はペツォルトのメヌエット。左手も駆使して奏でられる、美しくおしゃれなコード進行と今まで聞いたこともない豊かな響きに全員うっとり!
実践編では、マサ先生は、私たちが音に対してイメージを持ちやすい様に「鋭いタンギングは鳳恵介さんのような喋り方の口で、ソフトなタンギングは美輪明宏さんのように口の奥を広くして...」とおもしろおかしく表現されました。なんと、その一言で会場の音が激変。普段のレッスンの中でも、ちょっとした言葉マジックで演奏が大きく変わる、という事にも改めて気がついた「なるほど!!」な瞬間でした。

171011matsuda_2.jpgバッハのインヴェンション1番のモチーフには「からあげたべたい!」反進行になっているところには「焼酎飲みたい!」と歌詞をつけることで、楽譜を楽しくアナリーゼできるという「すぐに役立つ!」お話を聞き、レッスンで近いうちに使うぞ!と張り切って帰った受講生も多いのではないでしょうか?実は私、帰ってから娘に実践をしてみました。テスト期間中の娘は「成績あげたい!」「勉強やめたい!」に替えて声高らかに歌っていました。まぁ世の中そんなに都合よくありませんが。
指をおろしたら簡単に音が出てしまうピアノとは違い、自分の呼吸と連動した音が出てくるので、フレーズの向かう収まる方向を考えたり、フレーズ間の空気を考えるのには鍵盤ハーモニカはとってもいい楽器だと思いました。「鍵盤ハーモニカってピアノより鍵盤の幅が狭いから弾きにくいし、クラスのみんなで弾いたら教室が割れそうにうるさいし、嫌い!」と子どもの頃から思っていた、私の鍵盤ハーモニカへの悪しきイメージが覆され、講座が終わる頃には、「どの曲を発表会に使おうかな」なんて考えている自分がいました。
今回の講座での感動や知識をこれからのレッスンに生かし、いつまでも音を楽しみながら追及していきたいと思いました。

Rep:黒坂 智恵

2018年4月20日

コンペ課題曲公開レッスン&ミニコンサート

2018年3月12日(月)開進堂楽器センター富山さんにて、関本昌平先生をお招きして、「コンペ課題曲公開レッスン&ミニコンサート」が開催されました。

180312sekimoto_1.jpg先生の温厚な性格が感じられるセミナーで、A1-C級の指導について 具体例を沢山あげられ的確に伝えられました。 しっかり分析されたアナリーゼでの演奏はもちろんのことですが、 ユーモアが感じられる、時には味わい深く演歌風に、 かわいらしさや喜び幸せを表現してほしいと丁寧に説明されました。 セミナーの聴講することは指導の中で忘れかけていたことを思い出させて くれる、確認が出来る、そしてもう一度スタートに立てる気持ちにさせて くれる大変刺激のある時間でもあります。

180312sekimoto_2.jpg今回も分析力、思考力、コーチング力、練習に目的意識を持つなど改めて 意識させられ、新しい発見が出来ました。 レッスンにすぐ応用できる力強いアドバイス頂き、コンペに向かって 進んでいける気持にさせて頂きました。 関本先生有難うございました。

またこのセミナーに合わせSXシリーズのS6Xのお披露目もあり、 S6Xは落ち着いた深みのある音色でした。 関本先生はS6Xでショパンを演奏されセミナーは無事終了となりました。

Rep: 富山支部 恩田あゆみ

2023年3月24日

3月14日 コンペティション課題曲セミナー 講師:菅原望先生

3月14日、開進堂楽器富山センターに菅原望先生をお迎えしてピティナピアノコンペティション課題曲説明会が開催されました。
フレーズの向かう方向、和音の粒を揃えるコツ、4期の時代背景を踏まえた音楽の特徴などをお話と演奏を交えA1級からC級までの40曲余りをテンポよく次々と解説をしていただきました。
このレポートを書くにあたり、メモを見返してみると
「半音変化は鍵盤上では一番近いけれど、音の響き的には一番遠い存在である」
「バロックの時代は人の手で作り上げた美しい装飾が好まれていたが、ロマン派になると人の手が加わっていない自然が作り上げる美しさに巡り合いたくて人は旅をするようになった→風景を題材にした曲がよく作られるようになる」
などレッスンでも子どもたちに話したくなるような分かりやすくて素敵な言葉がたくさん書いてあります。

菅原先生の穏やかな雰囲気に包まれつつもコンペに向けて自分の準備をしっかりしなければ、と気持ちが引き締まるような有意義な2時間でした。

黒坂智恵



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